シャニ神の礼拝方法

人々に多くの試練を与える存在として知られるシャニ神(土星)は、真っ黒な姿をしています。一説に、スーリヤ神(太陽神)と結婚をしたサンジュニャーは、スーリヤ神の強すぎる熱に耐えられず、自分自身の影(チャーヤー)を残し、スーリヤ神のもとを離れました。この影であるチャーヤーとの間にできた子どもがシャニ神であるといわれます。また、チャーヤーはシヴァ神への強い信仰から、シャニ神を身ごもっている間にも厳しい苦行を続け、食事を怠ることもありました。この苦行が、シャニ神を真っ黒にしたといわれています。

そんなシャニ神を礼拝する際には、黒い服を着用し、黒いものを捧げることが勧められます。礼拝は土曜日に、神像やヤントラ、絵を用いて行います。

【礼拝の手順】
・身を清めた後、シャニ神の神像やヤントラ、絵の前に座ります。
・サンダルウッド・ペーストを、神像やヤントラ、絵に塗布します。
・お花を捧げます。
・お香を焚き、香りと煙を捧げます。
・蝋燭やオイルランプ等に灯りを灯します。
・供物を捧げます。
・シャニ神のマントラ「オーム シャム シャネーシュチャラーヤ ナマハ」を108回唱えます。
・マントラを唱えた後、心を穏やかにし、しばらくの間、瞑想を行います。

シャニ神を礼拝する際には、以下のような黒いものを供物として捧げることが勧められます。オイルはシャニ神に注ぎます。

・ウラド豆
・黒ゴマ
・マスタードオイル
・セサミオイル

シャニ神は、ハヌマーン神の帰依者にはいかなる悪影響ももたらさないと約束をしたことから、土曜日にハヌマーン神を礼拝することも勧められます。シャニ神とハヌマーン神の関係についての神話をこちらでご紹介しています。

スタッフ日記:第20回アンナダーナ終了しました!

第20回アンナダーナにお気持ちを寄せていただきました皆さま、本当にありがとうございます。今回は病院にて、滞りなく無事に終えることができました。

病院では、5回目の実施となりました。北インドでもすっかり気温が下がり、朝晩は寒いくらいの気候です。今回のアンナダーナはいつも以上に大行列となり、2時間半ほどで、1000食分以上を配り終えることができました。日曜日の実施だったからかもしれませんが、食事を積んだトラックが到着するや否や、大勢の人が列を成し、配膳の人手も足りないほどでしたが、ご厚意で手伝ってくださる方がいたりと、無事に終えることができました。

この辺りでは、毎日複数のアンナダーナが行われているため、病院関係者だけでなく、ホームレスの方々や食事を得られないほど困窮している方々も集まるようです。これからはデリーあたりでも、朝晩は凍えるほどに冷えてきます。食事を満足に取ることができない毎日の中で、温かい食事を得られるということは、きっと大きな喜びになることと思います。

朝の準備。ジャガイモを洗ったりする冷たい水作業が大変な季節になりましたが、準備は滞りなく進みました。

今回は11時過ぎには配り始めることができました。配膳の準備をしている間にも大行列です。

前方のトラックの荷台に食事が積んであり、そのまま荷台で配ります。

スムーズに配ることができるよう、プレートを先に配り、並んでいただきます。

今回はいつもの写真係が配膳を手伝っていたため、別に手伝ってくださった方が写真を撮ってくださいました。

インドでさまざまな教えに触れる中で、その多くは、「あらゆるところに神を見よ。」という事実を伝えています。豊かな人でも、貧しい人でも、その中には神がいます。こうして食事を施す行いは、神へ食事を奉仕することにも変わりないのだと感じます。必要としている方々へ、少しでも喜びが授けられるように、これからもスタッフ一同努力していきたいと思います。

次回も温かいご協力のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

アンナダーナを通じ、皆様にも大きな恩寵がありますように。

(スタッフ:ひるま)

ヨーガ・スートラ第2章第50節

Hindu God Yoga Sutra of Patanjali Statue on Exterior of Hindu Temple


बाह्याभ्यन्तरस्तम्भवृत्तिर्देशकालसङ्ख्याभिः परिदृष्टो दीर्घसूक्ष्मः॥५०॥
Bāhyābhyantarastambhavṛttirdeśakālasaṅkhyābhiḥ paridṛṣṭo dīrghasūkṣmaḥ||50||
バーヒャービャンタラスタムバヴリッティルデーシャカーラサンキャービヒ パリドリシュトー ディールガスークシュマハ
外的と内的と停止の動きから成り、空間と時間と数によって見られ、長く精妙になる。

簡単な解説:前節において、座法が習得された後、あらい吸息と呼息の動きを断ち切ることが調気であると説かれ、調気法(プラーナヤーマ)について説かれ始めました。本節では、その調気法とは、外的な出息と、内的な入息と、停止する動きからなり、それは空間と時間と数によって測定され、長く精妙になると説かれます。

65歳を人生のピークにするのはいかがでしょうか?

皆さまは、心身の充実度から考えて、人生のピークは何歳くらいだと思われますか?
何に重きを置くかによって変わってくるかもしれませんが、充実度は体力の占める割合が大きく影響するため、おおむね20~40代と考える方が多いのではないでしょうか?
しかし、日本人の寿命はほどなく100歳時代にはいるとも言われています。
そう考えた時に、人生のピークは65歳くらいにもってくるのが、バランスとしては自然なのかもしれません。
これは根拠なく申し上げているわけではなく、今までヨーガなどに熟達した方々を見てきて、60代後半から70代がもっとも活動的だと感じたことに起因します。
もちろん、長寿になるとはいえ、肉体は年とともに衰えていくわけですから、身体を使う達人ならいざ知らず私たち普通の人間が65歳にピークをもってくるのは難しいかもしれません。
しかしマイペースなヨーガの実践を通じ健康を維持し、さらには、ルドラークシャなどの使用により、潜在的な病気などの改善をし、ヤントラの使用や、プージャーを利用し、生命の幸福を脅かす要素を取り除けば、大部分の方は、65歳以降にピークにもっていくことは不可能ではないかもしれません。
日本で一生を終える場合、ヒンドゥー教でいう四住期のような人生を送るのは難しいでしょう。
現在の社会情勢から見るに、70歳以降も労働にいそしまなければならないかもしれません。
しかし、65歳以降にピークをもってくることにより、林棲期や遊行期にあたる時間を、敬虔なインド人ヒンドゥー教徒に負けないくらい有 益に過ごそうではありませんか!

(文章:ガネーシャ・ギリ)

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[ガネーシャ・ギリ 同行]最強厄除開運・インド縦断 – 女神と聖者とガンジス川から力を貰う旅

ガネーシャ・ギリ氏共著 『インド占星術と運命改善法』

ガネーシャ・ギリによるインド占星術鑑定

ガネーシャ・ギリによるヨーガクラス
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111、歴史の理解力を高めることは、心身の健康に最適・最短の手法 (その1)

「人間は手足の生えたナマコ」である。

学生の頃から、友人の中で「歴史が好き」という人は、五人にひとりくらいだったような気がしますが、近年ではその割合はもっと減ったのではないかと危惧します。その一方で、TVではこの十年、歴史物語が多くなりましたから、歴史に対する思いを新たにした人が増えていて、五人に三人位に増えているのかも知れません。尤も、昭和30年代40年代のようには、「未来」を明るくはイメージ出来なくなって来た所為で、「非日常への逃避的感動」も含めての「歴史ロマン」に一時酔うだけでは何も残らない、何も変わらないかも知れませんが。

逆に、今も昔も「歴史は苦手・興味無い」という人が、半数以上いるのだとして。これは、ひとつに学校教育に於いて、歴史を如何につまらなく教えて来たか、というテーマでもあり、一方では「今に生きる」ということの意味を誤解・極解した、以前も述べました「イマジン病」の所為もあると思われます。「イマジン病」とは、「枝葉執着症候群」の典型的なもののひとつで、たいがい「常識・観念・流行依存症」「向い合い・振り返り・自壊困難症」そして「自意識過剰・自尊過剰が根底にある優劣過敏症」を伴い、重度の場合は「目先過集中・先急ぎ・死に急ぎ・やり過ごし病」となり、最悪の場合「本当の自分」は勿論「かりそめの自分」さえも見失い、外因に対する反応だけに流された「生ける屍」状態に陥ります。

しかし、これもまた、心身の基本的なシステムの異常~誤作動~崩壊方向でありますから、逆なタイプの自負心旺盛な人々が言うような「根性(精神性)問題」ではないのです。

ここは極めて重要なポイントです。

体に取込まれる「空気・水・食物」同様に、「言葉・文字・思い・感情」そして、「音楽・美術」つまり、古代ヴェーダの叡智が極めて重視した「マントラ:音・言葉(ことだま)・音楽」「ヤントラ:文字・象形・図形・オブジェ・美術」「タントラ・論理・思考・科学性・普遍性」に象徴されるものを「正しく消化・吸収・代謝出来ない状態」に近づいている場合に起る、或る種の「心と体がS..O.S.を発している」状態であると言えます。

「正しい消化・吸収・代謝」は、「対峙する二つの要素のバランス」と「滞らないこと」が最優先課題であることもまた言う迄もないことですが、体に関しては、「Detox」ばかり励み、心に関しては「拒絶とスルー」ばかりですが、これでは全く意味も効果も為さないばかりか、むしろ「本来のデフォルトの機能を脆弱にし、やがては破壊する」と言っても過言ではありません。しかし、世界的規模で、そのような状態の人間が増え、その結果、「悪因=犯人探しと排除」のヒステリックな状態に急速に進んでいるのは事実です。それは国際情勢の問題ではなく、国の社会情勢でもなく、個々の人間の「心身の偏った状態」に起因していることは言う迄もありません。

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生命体は或る種の「筒」である
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ヴェーダの叡智は、人間を或る種の「筒」と考えます。ご存知の方も多いと思われます「Taittiriya-Upanishad」などが説いた「Kosha(鞘)論」です。これを「鞘」と訳した方が何処の何方なのか? 当たっているようでいて、ピンと来ないものも禁じ得ません。

いずれにしてもその基本に、ヨガでも、アーユルヴェーダでも、そして「Shastriya-Sangit(科学音楽)」でも説いていることですが、「Nada(Purana/気)」が正しく滞らずに流れる、栄養・酵素・リンパ・ホルモン・神経伝達物質などが行き交う無数とも思える「管」のあつまりが「生命体」であり、様々な臓器は言わばChakra同様の「節(ジャンクション・分岐点)」であるという考え方の有無が極めて重要です。でなくては「鞘がある」「ふーん、そうなのか」では、何の役にも立たないからです。

この考え方では、この私も含め人間という生き物は、ところどころがささやかに進化(?)しただけの「ナマコ」に過ぎないとも言える訳です。

言い換えれば、その「ささやかな進化(手足や五感や思考力)」が正しく機能せず、成長・向上と活用がないのであるならば、「ナマコにも劣る」「ナマコの方が遥かに偉い」とも言える訳です。

更に言い換えれば、むしろ「ナマコ」に成れれば、この世知辛い世の中、海の底でじっとしてやり過ごせれて楽なのでしょう。(私のキューバ歌謡の十八番に、ナマコではなく海老ですが、そんな想いを歌ったPachangaがあります)

しかし残念ながら、正しい手段があったとして、それによって、人間としての五感・手足・思考などを正しく削ぎ落として捨てない限りに、「正しい(健康な)ナマコ」にはなれません。(或る意味。勿論良い意味で「悟り」「梵我一如」は、「正しくナマコになること」なのかも知れませんが)

即ち、「ナマコに無い(余分な)機能」を、「正しく停止させる」「正しく捨てる」方法でもない限りには、それは「壊れた機械を更に壊した」に過ぎないということです。

つまり「瞑想」にしても「悟り・梵我一如」にしても、今更どうしようもなく備わっている私たちの「様々な機能=多数の機械」が、新品同様で良く動作し、良く働き、活用されている状態で電源をオフにしたような状態でなくては、「壊れた機械だらけの崩壊寸前の工場」が遂に「息の根を止めた」状態と同じである、ということです。

論法は唐突のようですが、「歴史を面白く理解する力」を育て鍛えるということは、錆び付き焼き付いた機械をメンテナンスするには、実に効果的な手法のひとつなのです。よって、今回の名題「歴史の理解力を高めることは、心身の健康に最適・最速の手法」ということになるのです。

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Kosha論の正しい解釈
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今回の二つの円で表した図の左が、Pancha-Kosha(5層の鞘)を新たなスタイルで説明したもので、右は、かつてこの連載で説きました、5つの意識と存在(形而上的なものも含む)の図です。(宇宙の意識の象徴であるPurshaは図の円には描かれていません。

おそらく多くの方が、以前ご紹介した私の右図の構造を理解して下さったと思います。しかし、その感覚で「Pancha-Kosha」を理解してしまうと、今回の左図のようになってしまう筈なのです。実際、インドでも日本でも、「Annamaya-Kosha」「Pranamaya-Kosha」「Manomaya-Kosha」「Vijnanamaya-Kosha」「Anandamaya-Kosha」の順に「奥へ」「内面へ」と説いています。

勿論これ自体は紛れもない事実であり、或る意味今回の左図は、「心を閉ざす」とか「殻をまとった」などと言われる姿をも表しているとも言えます。

同様に、「常識や価値観や観念」などや、「共感・気分的(非思考的・非論理的)解釈」そして「動物的(とは言っても不自然な)直感頼りの反応と敏感さ」などに依存してこの世の中をどうにか生き延びようとしている状態をも「堅い殻に隠った・守られた」ということが出来ます。つまり「愛想が良いだけ」の人は少なくなくとも、本当の意味で「心がオープン」という人は、そうそう居ない。ということです。

また、この左図のような構造のままで、外側が「防御の堅い殻」では、「必要なもの」も心や魂には届きません。

尤も、現代人の多くが外堀の「気分・感情(本来は悟性と叡智満ちた知性と感性)=Manomaya-Kosha 」内堀の「価値観や観念(本来は思考・論理)=Vijnanamaya-Kosha」が脆弱になっていますから、外的要因の数々は、ほぼダイレクトに心に影響を与え、心は最早ずたずたなのかも知れませんが。       (つづく)

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何時も、最後までご高読を誠にありがとうございます。

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また、この度「インド音楽旋法ラーガ・アンケート」を実施致しております。
まだまだご回答が少ないので、
是非、奮ってご参加下さいますよう。宜しくお願いいたします。

https://youtu.be/wWmYiPbgCzg

12月1月も、インド楽器とVedic-Chant、アーユルヴェーダ音楽療法の「無料体験講座」を行います。詳しくは「若林忠宏・民族音楽教室」のFacebook-Page「Zindagi-e-Mosiqui」か、若林のTime-Lineにメッセージでお尋ね下さい。 九州に音楽仲間さんが居らっしゃる方は是非、ご周知下さると幸いです。

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You-Tubeに関連作品を幾つかアップしております。
是非ご参考にして下さいませ。

Hindu Chant講座Vol.1

Hindu Chant講座Vol.2

Hindu Chant講座Vol.3

Hindu Chant講座Vol.4

Vedic Chant入門講座(基本理解編)

Ayurveda音楽療法紹介(基礎理解編)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編1)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編2)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編3)

「いいね!」「チャンネル登録」などの応援を頂けましたら誠に幸いです。

(文章:若林 忠宏

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若林忠宏氏によるオリジナル・ヨーガミュージック製作(デモ音源申込み)
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太陽と共に生きること

古代より、世界の各地で信仰の中心にあった太陽。そんな太陽を礼拝する大切な時の一つが、マカラ・サンクラーンティです。マカラ・サンクラーンティを過ぎると、太陽は北半球を回り始めるといわれ、少しずつ日脚が伸びていきます。冬から春へ、闇から光へ、その移り変わりの中に、大自然が生み出す神妙な均衡と調和を見るようです。

万物に多くの恵みを与える太陽は、ヒンドゥー教においてスーリヤ神として崇められ、数多くの神話が伝えられます。そんな中で、スーリヤ神はかつて、その熱さに耐えられなかった妻に去られ、炎が削り取られてしまったという神話が伝わります。

スーリヤ神が結婚をしたのは、創造神であるヴィシュヴァカルマンの娘、サンジュニャーでした。しかし、サンジュニャーはスーリヤ神の熱に耐えられず、チャーヤーと呼ばれる影を残して立ち去ってしまいます。すると、ヴィシュヴァカルマンがスーリヤ神の炎を削り取り、熱を下げたのだといわれます。

スーリヤ神とサンジュニャーの神話に見られるように、人々は太古の昔から、大自然の陰と陽が生み出す世界の均衡と調和を美しく崇めてきました。そのエネルギーを人間の内なる世界に見出した古代の賢者たちは、人類の幸福や健康のためにさまざまな術を伝え、現代のヨーガでも、その神秘が多く受け継がれています。

例えば、スーリヤ・ベーダナとチャンドラ・ベーダナと呼ばれる呼吸法があります。スーリヤ・ベーダナでは、右の鼻孔から息を吸い、左の鼻孔から息を吐き出します。一方で、チャンドラ・ベーダナでは左の鼻孔から息を吸い、右の鼻孔から息を吐き出します。スーリヤ・ベーダナは脳を刺激し身体を温める一方で、チャンドラ・ベーダナは脳を沈静し身体を冷やすといわれます。

毎朝、世界に光をもたらす太陽のエネルギーは、私たちの内なる世界でも輝いています。太陽を礼拝する重要なマカラ・サンクラーンティにおいて、そのエネルギーと向き合って見るのも良いかもしれません。大自然が図る均衡と調和の中で、その行いは、私たちに健康と幸福を授けてくれることと思います。

(文章:ひるま)

川の女神を招来する沐浴時のマントラ(ティールタへの祈念)

तीर्थ प्रार्थना tīrtha prārthanā ティールタ・プラールタナ(ティールタへの祈念)

 

このマントラは、身を清めるときに用いる水にインド国内の複数の川の女神を招来するものです。

ヒンドゥー教では、物理的な汚れのみならず、宗教的な罪や穢れ(けがれ)を水で祓い身を清める行為、「沐浴」が信仰や生活と結びついています。そのため、沐浴に適した池や川辺は神聖な場所として人々の信仰を集め、聖地となりました。

聖地のことをサンスクリット語では「ティールタ」と言います。今日では水辺とは関係のない聖地もティールタといいますが、その語源は√tṝ-(渡る)なので、もともとは渡れるような川の浅瀬、川辺の意味であり、まさに沐浴場を指していたのでしょう。さらには俗から聖、現世から解脱への「渡し場」であり、穢れを祓い浄化してくれる「聖地」なのです。

 

「プラールタナ」は、祈願、誓願、の意味の言葉です。川の女神を招来し、体を清めるための水を聖地の水と同一化、浄化の力を高めるマントラです。

 

【原文】

गङ्गे च यमुने चैव गोदावरि सरस्वति।

नर्मदे सिन्धु कावेरि जलेऽस्मिन्  संनिधिं कुरु॥

gaṅge ca yamune ca_eva godāvari sarasvati |

narmade sindhu kāveri jale ‘smin  saṁnidhiṁ kuru ||

ガンゲー チャ ヤムネー チャイヴァ ゴーダーヴァリ サラスヴァティ

ナルマデー シンゥ カーヴェーリ ジャレー‘スミン サンニッィン クル.

 

【逐語訳】

おお!ガンガーよ!ヤムナーよ!ゴーダーヴァリーよ!サラスヴァティーよ!

ナルマダーよ!シンドゥーよ!カーヴェーリーよ!

どうぞ、この水においでください!

 

【単語の意味と文法の解説】

 

左から、デーヴァナガーリー表記、ローマ字表記、<名詞の語幹形、動詞の語根形 >、語意、(文法的説明)、「訳」、という順番で説明しています。√の記号は動詞語根を表わします

 

गङ्गे gaṅge < gaṅgā- > ガンジス川(女性名詞、呼格、単数)「ガンガーよ!」

च < ca > また(不変化詞)「また」

यमुने yamune < yamunā- > ヤムナー川(女性名詞、呼格、単数)「ヤムナーよ!」

च < ca >

एव < eva > (不変化詞、強調詞)「実に」

गोदावरि godāvari < godāvarī- > ゴーダーヴァリー川(女性名詞、呼格、単数)「ゴーダーヴァリーよ!」

सरस्वति sarasvati < sarasvatī- > サラスヴァティー川(女性名詞、呼格、単数)「サラスヴァティーよ!」

नर्मदे narmade < narmadā- > ナルマダー川(女性名詞、呼格、単数)「ナルマダーよ!」

सिन्धु sindhu < sindhu- > シンドゥ川(女性名詞、呼格、単数)「シンドゥよ!」

कावेरि kāveri < kāverī- > カーヴェーリー川(女性名詞、呼格、単数)「カーヴェーリーよ!」

जले  jale < jala- > 水(中性名詞、処格、単数)「水に」

ऽस्मिन् ‘smin = अस्मिन् asmin < idam- > これ、この(指示代名詞、中性、処格、単数、jaleを修飾)「この~」

सन्निधिं sannidhiṁ < sannidhi- > 間近、座(男性名詞、対格、対数、次の√kṛ- の目的語)

कुरु kuru < √kṛ- > ~する、(sannidhim+√kṛ- 鎮座する:命令法、能動態、2人称、単数)「あなたが鎮座なされますように!」

 

 

(文章:pRthivii)

サイクロン・オキ 緊急災害支援募金のお願い

2017年12月1日〜4日にかけて、インド・スリランカに大型サイクロンが接近し、各地に大雨と強風による大きな被害をもたらしました。

チャイルド・スポンサーシップ(子どもの教育支援)フード・サービス・プログラム(食事の配給支援)を通じて支援を行なっている地域でも、甚大な被害が出ています。

子どもたちの住むダリット村では住居の倒壊や怪我人が出ています。衛生環境の悪化によって病院は多くの人で溢れ、通常は1日に1度の配給を、現在は2度行なっています。

お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災地域の一日も早い復興を願い、緊急災害支援募金を実施します。被災された方々が1日も早く通常の生活に戻られますよう、皆さまからの温かいご支援をお願い申し上げます。

サイクロン・オキ 緊急災害支援募金ページ

ご寄付は、南インド・ケーララ州のNGO、SEEDS-INDIAを通じ、主に以下の目的で活用されます。

・食事の配給
・緊急を要する治療や投薬
・被災者への衣服の提供
・住居の補修

※一口1,000円からご寄付をいただくことが可能です。
※ご寄付者名をSEEDS-INDIAへお伝えさせていただきます。ご寄付者名にお名前をご記入ください。
活動報告ブログで状況を更新しています。

みなさまの温かいご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

マカラ・サンクラーンティ2018

2018年1月14日はマカラ・サンクラーンティです。マカラ・サンクラーンティは、春の到来を告げる収穫祭であり、インドに限らず、東南アジアの国々でもお祝いされる盛大なお祭りです。

マカラとは「山羊座」、サンクラーンティとは「変遷」のことであり、この日より太陽が山羊座に入ることから、マカラ・サンクラーンティと呼ばれています[1]。

マカラ・サンクラーンティは日本でいう冬至にあたり、昼がもっとも短い日であり、この日から太陽は北方への回帰を始めます(ウッタラーヤナ)。
緯度の違いから、日本では例年12月22日頃がそれにあたります。

インドの聖典「バガヴァッド・ギーター」では、ウッタラーヤナについて次のように述べられています[2]。
「火、光明、昼、白月、太陽が北に向かう六ヶ月。そこにおいて、逝去したブラフマンを知る人々はブラフマンに達する。(8.24)」

インドでは太古よりウッタラーヤナの期間中に肉体を去ることは、成就に至るために重要であると考えられてきました。
そのためマハーバーラタの英雄として知られるビーシュマは、この吉兆の時に死ぬことを望み、ウッタラーヤナが訪れるまで、矢でできた臥床で死を待ったといわれます。

マカラ・サンクラーンティの吉日では、インド各地において、朝早くから沐浴をし、祈りを捧げ、太陽の恵みに感謝し、豊作を祈願します。
また精神的な恵みを得るためにも重要な吉日であると考えられています。

プラーナ文献では、マカラ・サンクラーンティから1ヶ月間、太陽神スーリヤが息子である土星神シャニの家を訪れると述べています。
山羊座は、インド占星術における土星神シャニが支配する星座です。
父スーリヤとその息子シャニは、いつもはあまり仲が良くありませんが(敵対星座)、父スーリヤが1ヶ月間、息子シャニの家に来ることにより、お互いの関係を確かめ合います。
これは占星術的には、一般の父と息子の関係にとっても重要な意味があるととらえられています。
息子にとっては、父を快く受け入れることで、よりよい家族関係を築くのに重要な時期であるといわれます[3]。

また太陽が北へ向かう6ヶ月の間(冬至から夏至の間)、ここから神々の昼が始まるとして、多くの祭事はこの期間を中心に行われることになります。
太陽が南へ向かう6ヶ月の間(夏至から冬至の間)は、神々の夜にあたる時期と考えられ、ギーターでは、「そこにおいて、逝去したヨーギンは月光に達してから回帰する。(8.25)」と、忌み嫌われている時期であることが窺えます。

しかし、ガンディーが「無執着ヨーガ」の中で、「信愛に従い、ひたすら無執着の行為を行い、真理を見た者は、いつ死のうとも解脱を勝ち得る。」と述べているように[4]、真理とともに生きている人々にとっては、毎日がマカラ・サンクラーンティのような吉日であるといえるのかもしれませんね。

太陽の恵みを感じやすくなるこの時期、皆さまに大きな恵みがありますように。

Reference
[1] Sankranthi, Wikipedia, http://en.wikipedia.org/wiki/Makar_Sankranti
[2] 上村勝彦訳,バガヴァッド・ギーター,岩波文庫,1992
[3] Makar Sankranti, http://www.rudraksha-ratna.com/news_letter/makarsankranti-mailer-2015.html
[4] 赤松明彦著,『バガヴァッド・ギーター』神に人の苦悩は理解できるのか?,岩波書店,2008

カルマを解消するためのマントラ

さまざまに伝えられるカルマを解消するための方法の一つに、ブラフマー神とガーヤトリー女神の礼拝があります。ブラフマーは創造の神であり、ガーヤトリーは意識の源です。カルマによって生まれ、そして人生の中でさまざまな物事や状況に直面する私たちにとって、ブラフマー神とガーヤトリー女神の礼拝はカルマを生み出すチッタ(心)を浄化し、ネガティブなカルマの解消に役立つと言われます。

【ブラフマー・ガーヤトリー・マントラ】

ॐ वेदात्मनाय विद्महे हिरण्यगर्भाय धीमहि ।
तन्नो ब्रह्मा प्रचोदयात्‌ ॥
om vedātmanāya vidmahe hiraṇyagarbhāya dhīmahi |
tanno brahmā pracodayāt ||
オーム ヴェーダートマナーヤ ヴィッドゥマヘー ヒランニャガルバーヤ ディーマヒ
タンノー ブラフマー プラチョーダヤートゥ

また、太陽神であるスーリヤと、火神であるアグニへの礼拝も勧められます。スーリヤ神はアグニ神の助けをかりて、私たちのカルマを焼き尽くすと信じられます。過去のカルマを浄化するだけでなく、霊性を高める道へと導くと信じられています。

【スーリヤ・ガーヤトリー・マントラ】

ॐ भास्कराय विद्महे महद्युतिकराय धीमहि ।
तन्नो आदित्यः प्रचोदयात्‌ ॥
om bhāskarāya vidmahe mahadyutikarāya dhīmahi |
tanno ādityaḥ pracodayāt ||
オーム バースカラーヤ ヴィッドゥマヘー マハディユティカラーヤ ディーマヒ
タンノー アーディティヤハ プラチョーダヤートゥ

【アグニ・ガーヤトリー・マントラ】

ॐ महाज्वालाय विद्महे अग्निदेवाय धीमहि ।
तन्नो अग्निः प्रचोदयात्‌ ॥
om mahājvālāya vidmahe agnidevāya dhīmahi |
tanno agniḥ pracodayāt ||
オーム マハージュヴァーラーヤ ヴィッドゥマヘー アグニデーヴァーヤ ディーマヒ
タンノー アグニヒ プラチョーダヤートゥ