マントラによる願望実現

人は誰もが、苦難のない人生を望みます。人生に生じる問題を解決し、困難を乗り越えるために、古代よりさまざまな方法が探求され、その解決法としての叡智が伝えられてきました。そんな中で、人生におけるあらゆる苦難を取り除く神として崇められてきたのが、ガネーシャ神です。

ガネーシャ神は、学問や能力の神として崇められます。ガネーシャ神を礼拝することで、多くの知識や知恵が授けられ、進む道から障害を取り除く力が向上すると信じられます。目標の達成に力強い後押しが与えられることから、ガネーシャは全世界に幸運をもたらす神としても崇められてきました。

ガネーシャ神の礼拝には、ガネーシャ神のマントラを唱えることが勧められます。ガネーシャ・マントラは、あらゆる苦難を取り除き、願いを叶える強力なマントラの一つであり、儀式や日常生活など幅広く唱えられています。中でも、もっとも強力といわれるのが、ガネーシャ・ビージャ・マントラが組み込まれた、ガネーシャ・ムーラ・マントラです。ガネーシャ・ムーラ・マントラの一つをご紹介します。

ॐ श्रीम ह्रीम क्लिं ग्लौम गम गन्पतय वरा वरदा सर्वा जन्मे वशमानय स्वाहा ।।
オーム・シュリーム・フリーム・クリーム・グロウム
ガン・ガナパタイェー・ヴァラヴァラダ・サルヴァジャナン・メー・ヴァシャ・マーナヤ・スヴァーハー

意味:この上ない幸運と吉兆を与えるガネーシャ神よ
どうか自身の感官を支配できますように。

聖音オームに始まるこのマントラは、私たちの内なる世界にガネーシャ神の力を呼び覚まします。人生に活力や積極性、プラス思考をもたらし、不幸や損失といったさまざまな障害を取り除くといわれます。

文明社会においては、人生において大きな意味を持つ結婚を通じ、問題や困難を経験する人が少なくありません。結婚の遅れ、夫婦間の問題、親族間の問題など、それぞれが直面する苦難はごまんとあります。

こうした結婚に関する問題を解決するマントラの多くは、シヴァ神の妃であるパールヴァティー女神に関係します。シヴァ神を夫とするために大変な苦行を行なったパールヴァティー女神は、人生のパートナーを授ける女神としても崇められてきました。中でも、パールヴァティー女神(ドゥルガー女神)の化身であるカーティヤーヤニー女神のマントラは、結婚の遅れを引き起こしている問題を解決するために恩恵のあるマントラとして唱えられます。

कात्यायनि महामाये महायोगिन्यधीश्वरि ।
नन्द गोपसुतं देविपतिं मे कुरु ते नमः ॥
カーティヤーヤニ・マハーマーイェイ・マハーヨーギンニャディシュヴァリ
ナンダ・ゴーパスタ・デーヴィー・パティメーン・クル・テー・ナマハ

意味:すべてのヨーギニーの主である至高の神(シヴァ神)よ
私にあなたのような力を備える夫を授けてください
あなたの性質を内に秘めている夫を。

カーティヤーヤニー・マントラは、結婚に関する問題を生み出すマンガル・ドーシャ、クジャ・ドーシャの影響を取り除く力があると信じられます。マンガル・ドーシャは、結婚を遅らせるだけでなく、結婚生活にも問題を生み出すといわれます。心を込めてカーティヤーヤニー・マントラを唱えることで、未婚の女性には理想的な夫となる人との出会いが授けられ、夫婦には結婚生活に喜びと平和が授けられると信じられています。また、何らかの理由で結婚できないカップルにも恩恵があるといわれます。

神々の力が宿るマントラを唱えることは、自分自身とその周囲に強力な波動を生み出すと信じられます。豊かな人生を歩むためにも、こうしたマントラの力を取り入れるのも良いでしょう。心を込めてマントラを唱えることで、人生のさまざまな苦難が取り除かれ、平和、幸運、成功がもたらされるはずです。

(SitaRama)

ガーヤトリー・マントラの無限の力

ヒンドゥー教において最高峰のマントラといわれ、現代では国や宗教を超えて詠唱されるガーヤトリー・マントラは、かつては儀式や祭祀を執り行う特定の家系の男子のみによって唱えられるものでした。ヒンドゥー改革運動の流れやヨーガの普及もあり、日常的に幅広く世界中で唱えられるようになったこのガーヤトリー・マントラについて、その意味、起源、重要性を詳しく見ていきましょう。

「オーム、地よ、空よ、天よ
我らが、彼(か)の太陽神の愛でたき神の光輝を獲得せんことを
我が為に、彼が知性を鼓舞せんことを 」
(参照:ガーヤトリー・マントラの逐語訳

紀元前12世紀頃に編纂されたリグ・ヴェーダにあらわれるこのガーヤトリー・マントラは、太陽神サヴィトリへの賛歌です。聖仙ヴィシュヴァーミトラは、太陽の中に神(ブラフマン)を見出し、無限の力を引き出すガーヤトリー・マントラを発見しました。ガーヤトリー・マントラには、生きとし生けるものに命を与える太陽という最高の光が、私たちの心を照らし、知識を授け、正しい道へと導いてくれるよう、叡知を司る祈りが込められています。

「ガーヤトリー」とは、もともと韻律の一種であり、8音節の句を3つ重ねた、合計24音節からなる詩形を意味します(参照:ガーヤトリー・マントラについて)。
後に、ガーヤトリーは神格化され、ガーヤトリー女神として崇められるようになりました。ガーヤトリー・マントラが記されたヴェーダは、「知識」を意味し、ヒンドゥー教においてもっとも尊ばれる聖典であり、ガーヤトリー女神は人々の無知を取り除くヴェーダの母として崇められています。

それでは、なぜガーヤトリー女神は、5つの顔を持つのでしょうか。4つの顔は4つのヴェーダをあらわし、残りの1つは最高神をあらわすといわれます。4つのヴェーダには、以下のマハーヴァーキヤ(格言)があり、これらをすべてあわせたものが、ガーヤトリーとなります。

サーマ・ヴェーダ:tat tvam asi(汝はそれである)
リグ・ヴェーダ:prajñānaṁ brahma(意識はブラフマンなり)
アタルヴァ・ヴェーダ:ayam ātmā brahma(自己はブラフマンなり)
ヤジュル・ヴェーダ:ahaṁ brahmāsmi(私はブラフマンである)

このことから、ガーヤトリー・マントラは4つのヴェーダの教えの真髄であり、ガーヤトリー・マントラを唱えることは、4つのヴェーダをすべて唱えることと同じ功徳があるといわれます。またガーヤトリーは、パンチャ・マハー・ブータ(五大元素)をあらわし、宇宙全体の力を通じて、ガーヤトリー・マントラを唱える個人の心と体を守り、偉大な力を授けると伝えられます。また、5つの顔は、生命を司る5つのプラーナ(生気)と、自己の本質を覆い隠す5つの鞘に対応します。すなわち、ガーヤトリー・マントラを唱えることは、生命力を活性化させ、自己の本質を覆い隠す鞘を取り除くために、非常に役立ちます。

太陽神サヴィトリへの賛歌であるガーヤトリー・マントラは、感覚を司るガーヤトリー女神、生命力を司るサーヴィトリー女神、そして叡知を司るサラスヴァティー女神の三女神の象徴です。したがって、ガーヤトリー・マントラを唱えることにより、感覚器官を制御し、真理を語り、思いと言葉と行動の一致をもたらします。ガーヤトリー・マントラは、あらゆるマントラの中で最も恩恵高く、光に満ちた知識を授けるマントラであることから、グル・マントラとして受け継がれることもあります。

ガーヤトリー・マントラを唱える最適な時間は、日の出、正午、日の入りです。こうして1日に3度ガーヤトリー・マントラを唱えることは、サンディヤー礼拝と呼ばれます。マントラは108回唱えることで最大の恩恵が得られると伝えられますが、十分な時間が取れない場合は、3回、9回、11回等の吉祥数回唱えることもよいでしょう。もし食前に唱えるならば、その食事は神聖な波動で満たされた神への捧げ物となり、精神と肉体にとって有益な食事となるでしょう。

賢者や聖人たちは、単にガーヤトリー・マントラの意味を伝えるだけでなく、清らかな知識を授ける正しい力となるように、その言葉を伝えてきました。スワミ・シヴァーナンダ師は、ガーヤトリー・マントラについて、次のように述べています。
『ガーヤトリーは、敬虔深いヒンドゥー教徒すべての生命であり支柱です。
それは、信奉者を守り導く決して破れない霊的な鎧であり、堕ちることのない要塞です。
事実、ガーヤトリーの言葉の真の意味は、「それを歌う人を守るもの」です。
ガーヤトリーは、人間を神へと変え、最高の霊的光輝によって人々を祝福する神の力です。』
(参照:ガーヤトリー・ジャパの日

ガーヤトリー・マントラに秘められた教えと力が、その真義を明らかにしています。詠唱を続けると、真の知識があらわれ始めることを感じるでしょう。神への讃美であり、瞑想であり、祈りでもあるガーヤトリー・マントラは、真理を授ける無限の力を秘めています。

(SitaRama)

マントラ・ヨーガによる心身の解放

Meditation and yoga concept

ハタ・ヨーガやアシュターンガ・ヨーガが広く普及する社会では、ヨーガといえば、身体的なポーズやエクササイズ、または呼吸法を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、伝統的なヨーガには、さらに多くの種類があります。

特に、マントラ瞑想はヨーガの伝統であり、その真の目的である神との合一に欠かすことのできないものです。サンスクリット語の「ヨーガ」という言葉は、「合一」や「結びつき」を意味し、神または崇高な存在との繋がりを象徴します。もちろん、ハタ・ヨーガやアシュターンガ・ヨーガの実践も、崇高な存在に近づくよう人々の意識を開く助けとなるものです。ヨーガの実践に伴い活性化するチャクラによって、最終的には生命力がコントロールされ、意識が上昇し、神との合一を遂げることができると信じられます。

マントラ瞑想で用いられるマントラは、神聖な音や言葉を含んだ特定の波動です。マントラという言葉は、サンスクリット語で心を意味する「マン」と、解放を意味する「トラ」から生まれたといわれます。マントラは、心を物質世界から解放し、精神世界へと導く神聖な音の波動です。その音が物質世界を超越することから、超越的な音と呼ばれることもあります。

マントラは、神の御名やその存在に基づいた神聖な音から構成されます。実際に、マントラには「ラーマ」、「チャンドラ」、「クリシュナ」、「シヴァ」などの神の御名が多く含まれると共に、「ハレー」、「シャーンティ」などの神聖なサンスクリット語の言葉が用いられます。

マントラを唱える際には、その音に注意をしながら、心の中で繰り返し唱えたり、または声に出して唱えることができます。心がさ迷い出ても、マントラの神聖な音に意識が引き戻されるでしょう。数珠を用いて唱えたり、楽器を用いて賛美歌のように唱えたりすることもできます。マントラの詠唱を続けることで、物質世界を超えた神聖な音に心が定まり、内なる世界には平安が生まれます。

また、マントラ瞑想にはすばらしい恩恵があり、神の御名が人々の意識を浄化すると信じられます。私たちの身体は、魂が宿る一時的な場所であり、崇高な意識は身体という物質に覆われていると考えられます。身体という物質は幻想であり、あらゆる苦難が生まれる場に他ありません。物質世界を超越するマントラを定期的に聞いたり唱えたりすることで、身体という物質に束縛され生み出される苦悩から解放されると信じられています。

日本では、マントラというと、怪しい宗教のひとつと捉えられることがあるかもしれません。しかし、マントラ・ヨーガは、インドの伝統的なヨーガの系統に属し、生活の一部として定着しています。聖なる音の持つ力、そしてその音に意識を向けることによって得られる心身の解放に、あらためて目を向けてみてはいかがでしょうか。

(SitaRama)

マントラによる健康法

当初、ヴェーダに記されたマントラは、私たちの精神、また身体に影響を与えることを目的とした、24の音節からなるマントラであったといわれます。中でも、ヴェーダの心髄である24音節のガーヤトリー・マントラは、精神を集中させ物事の本質を見極める力を高めると共に、私たちの身体に多くの恩恵を与えると伝えられます。以下はガーヤトリー・マントラによって授けられるいくつかの恩恵です。

免疫力の向上:ガーヤトリー・マントラを唱えると、 舌、唇、声帯、口蓋、そしてそれらが繋がる部位が刺激され、脳内とその周辺部にも共鳴が生まれます。この波動は視床下部を刺激し、その働きは全身にくまなく伝わります。そして、エネルギーセンターといわれ、リンパ節や内臓に関係しながら全身の機能を助ける各チャクラが活性化されると、免疫力が向上し、心身に健康がもたらされると伝えられます。

集中力および記憶力の向上:「インターナショナル・ジャーナル・オブ・ヨガ」【1】の研究は、マントラを唱える人の集中力および記憶力は、そうでない人に比べ優れていたと伝えています。
ガーヤトリー・マントラを唱えることで生み出される波動は、まず、眉間のチャクラ、喉のチャクラ、頭頂部のチャクラの3つを活性化します。これら3つのチャクラは、脳、松果体、目、鼻腔、脳下位、脳下垂体、甲状腺機能に直接繋がっており、それらに伝わるガーヤトリー・マントラの波動は、集中力の向上に役立つといわれます。これらのチャクラが活性化されると、ガーヤトリー・マントラの波動は、生命を維持するために重要な働きをする器官をさらに刺激し、気づきの力を向上させるといわれます。チャクラのバランスを改善するには、これに加え、ヨーガのアーサナを学ぶことが良いでしょう。

呼吸の質の向上:マントラを唱えるには、深くコントロールされた呼吸が求められます。マントラを定期的に唱えると、呼吸がコントロールされるため、肺の機能も改善されます。呼吸が深まり、新鮮な酸素が全身に行き渡ることで、心身がすこやかな状態に保たれるといわれます。イギリス医師会刊行の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」で発表されたレポート【2】は、マントラを唱えると呼吸が穏やかになり、心臓の鼓動を安定させ、健康維持に役に立つと伝えています。

マントラを定期的・継続的に唱えることは、心の安定、能力の向上をもたらし、ストレスを軽減し、肉体の健康へとつながります。心に栄養を与えるため、そしてストレスに満ちた社会に立ち向かうために、マントラの詠唱を実践してみてはいかがでしょうか。

(SitaRama)

参考文献:
【1】Dhansoia, Vipin, Hemant Bhargav, and Kashinath Metri. “Immediate effect of mind sound resonance technique on state anxiety and cognitive functions in patients suffering from generalized anxiety disorder: A self-controlled pilot study.” International journal of yoga 8.1 (2015): 70.
Available from: http://www.ijoy.org.in/text.asp?2015/8/1/70/146069
【2】Bernardi, Luciano, et al. “Effect of rosary prayer and yoga mantras on autonomic cardiovascular rhythms: comparative study.” British Medical Journal 323.7327 (2001): 1446.
Available from: http://www.bmj.com/content/323/7327/1446

聖なるマントラの波動

Woman meditating in yoga position on the top of mountains

サンスクリット語のマントラの音節にはそれぞれ意味があり、唱えると特定のエネルギーを生み出す振動が伝わるといわれます。それは、唱える者を強く守ると信じられ、そのマントラの意味を理解し、正しく唱え、身を委ねることで、望みを実現する大きな助けになると伝えられます。マントラを正しく繰り返し唱えることで生み出される特定の波動は、私たちの身体が享受する宇宙の壮大なエネルギーとの接触を生み出すと信じられています。

マントラには、行動や目的に見合ったさまざまなマントラがあります。望みを満たすために唱える人もいれば、病気を癒すために唱える人もいます。信心深い人々は、究極の解脱を達成するために唱えます。例えば、インド占星術の9惑星に対応したナヴァグラハ・マントラは、それを唱えることで、それぞれの惑星のネガティブな影響が抑えられ、9惑星すべてのエネルギー・バランスが整えられるといわれます。

マントラの適切な恩恵を授かりたい場合は、マントラを正しく唱えることが大切です。マントラは、早朝に身を清め、心を穏やかにして唱えることが勧められます。菜食を実践し、アルコールは避けるとよいでしょう。

治したい病気、または解決したい問題に、どのマントラが適しているのかを示してくれる、霊的な指導者を探すのもよいかもしれません。マントラを唱えるには、聴く力と集中力も必要とされます。霊的な指導者は、マントラを唱えることを安易に考えてはならないといいます。マントラは、顕現する神々と繋がり、強い力を生み出すため、心からの尊敬と信仰を持って行うべきであるといわれます。

例えば、マントラ「OM」は、ア、ウ、ムの3つの音節からなります。一説に、マントラはシヴァ神によってあらわされたと信じられ、シヴァ神は人類の安寧のために、聖者を通じてそのマントラを伝えたといわれます。24節からなるガーヤトリー・マントラは、24人の聖者によって伝えられ、誰もがその最高のエネルギーを授かることができると信じられます。このマントラを唱える際に眉間を押すと、苛立ちを抑えることができるとも伝えられることがあります。

2017年が、聖なるマントラの波動に包まれ、皆さまにとって幸多き良き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

(SitaRama)

マントラ瞑想法

Fotolia_63663052_Subscription_Monthly_M

ストレスや緊張を和らげ、心の波立ちを抑える優れた方法の一つに、瞑想の実践があります。数多くの瞑想法がある中で、もっとも安全で効果的な方法は、マントラを用いた瞑想法です。この方法は、心の中でマントラを唱えることで、心身を静寂へと導きます。

この瞑想方法を始めるにあたり、静かで落ち着ける場所を見つけてください。そこで、背筋を伸ばし、頭をまっすぐに、肩を広げ、目を閉じ、リラックスして座ります。その姿勢で、呼吸法を用いた瞑想を始めます。始めは軽く、徐々に深い呼吸を行います。呼吸を整えることは、瞑想を始めるにあたり、重要なステップです。この呼吸法を約5分間続け、思考と記憶をクリアーにします。それから、マントラを心の中で唱え始めます。マントラを用いた瞑想を行うためには、ストレスや緊張が、体外へと流れ出ていくことを感じることが大切です。マントラを唱え、体の力が抜け、ストレスや緊張から解放されていく姿をイメージしながら、さらに深く、心身がリラックスしていくことを感じてみてください。

マントラを唱える時は、息を吸った後、息を吐きだしながら心の中で唱えます。呼吸とマントラから意識が逸れないように注意してください。常に呼吸とマントラに集中し、集中力が途切れたら、最初からやり直します。集中力を失うことなくマントラを108回唱えることができるまで、この瞑想を続けてみてください。マントラ瞑想法は、心に平安をもたらす安全で効果的な手段であり、日々のストレスや緊張を和らげる大きな助けとなるでしょう。

(SitaRama)

ガーヤトリー・マントラの偉大な力

Gayatri

ガーヤトリー・マントラは、すべてのマントラの中で最高のマントラです。それは、唱える人に純粋な心、そして優れた精神力を授けます。インドの優れた哲学者、アーディ・シャンカラーチャリヤによると、ガーヤトリーは、不二一元論の直接的な顕現であるといいます。 ガーヤトリーへの瞑想や礼拝の深い意義を理解し、実践する探求者は、何一つ不自由することはないでしょう。偉大な聖仙たちは、この地上における聖なる滞在を通じて、ガーヤトリーへの礼拝を行いました。そして彼らは、自身が究極の解脱に到達しただけでなく、あらゆる人々にガーヤトリー礼拝の意義を広めることにより、多くの帰依者の魂を、奇跡へと導きました。ガーヤトリーへの礼拝は、霊的科学に深い根拠を持ち、物質的にも精神的にも非常に有益なものです。

アーリヤ・サマジ・スワーミー・アーナンダ氏は、彼の著書「アーナンダ・ガーヤトリー・カター」の中で、グル(師)に出会う前、彼がまるで死人のようであったと述べています。しかし、グルのもとでガーヤトリー・サーダナ(霊性修行)を実践したところ、彼の人生は奇跡的に変化し、内在の光を獲得したといいます。ガウタマ師、ドゥルヴァ師、マハートマー・アーナンダ・スワーミー師、カーティヤーヴァーデー・バーバー師、シッダ・ボーティワーレイ・バーバー師をはじめとする聖者たちは、ガーヤトリー・サーダナが、比類のない速さで霊的な成長を促すことを力説しています。ガーヤトリー礼拝に関わる奇跡的な逸話は、枚挙に暇がありません。ガーヤトリー・サーダナを、真摯な気持ちで継続するならば、物質的・精神的に豊かな、光輝に満ちた人生が待っていることでしょう。

スワーミー・アーナンダは、この地上におけるあらゆる果報は、ガーヤトリー女神の恩寵であると、ガーヤトリー女神へ帰依全託しています。 ガーヤトリー女神への帰依は、不浄で邪悪に満ちた心から、永遠なる神聖な心へと変化させます。清らかな心でガーヤトリー女神を礼拝することにより、帰依者の周囲にはガーヤトリーのオーラが形成され、不慮の事故や悲惨な状況から身を守られると信じられています。ガーヤトリー女神の帰依者は、国、信仰、身分、性別などさまざまに異なりますが、それは、ガーヤトリー女神の帰依者は、いかなる制約も受けないことを意味します。貧困、裁判、敵対、失業、家庭不和、困難、こうした問題を抱えているとき、ガーヤトリー女神への瞑想と礼拝によって、光輝に満ちた不動の精神が確立され、帰依者はすべての障害を克服するでしょう。ガーヤトリー女神への礼拝は、精神的な向上はもちろんのこと、物質的な利益をもたらすことは間違いありません。しかしそれは、ガーヤトリー女神の超越的な御力が、帰依者の穢れた心を、穢れのない神的な心へと変化させた後に起こるものです。ガーヤトリー女神の熱心な帰依者は、決して貧困に苦しむことなく、惨めな生活を送ることはないのです。

(SitaRama)

ガーヤトリー・マントラの恵み

 バガヴァン・シュリー・サティア・サイババが説く

 

 ガーヤトリー・マントラの恵み

 

シュリー・サティア・サイ・オーガニゼーション・スリランカ編

 

―――――――――――――――――――――――――――――――
この本の著作権は、主張いたしません。
―――――――――――――――――――――――――――――――

 バガヴァン・シュリー・サティア・サイババの
蓮華の御足につつしんで礼拝いたします

―――――――――――――――――――――――――――――――

凡例
1.〔亀甲カッコ〕は訳注をあらわす。
2.引用文献における半角の数字は、英文のページ数をあらわしている(たとえば”Sathya Sai Speaks Vol.3” P108)。

はじめに

学識のある人々の中には、修行としてオーム〔訳注……宇宙の原初音〕(プラナーヴァ)やガーヤトリー・マントラを唱えるのはどんな人がふさわしいか、気になって仕方のない人がいるようだ。
われらの時代における神の化身(アヴァター)バガヴァン・シュリー・サティア・サイババは、こう言っている。
「オーム(プラナーヴァ)は、ごく限られた人たちだけが唱えるもので、他の人に唱える権利がないと言う者がたくさんいる。それは間違いだ。真実がわかっていないから、そういう間違った結論を下してしまう。間違った信念から間違った結論が生まれる。『バガヴァッド・ギータ』は、こういう人ならよくて、ああいう人はだめだなどとは言っていない。クリシュナは、階級や性別を問わず、『誰でも*』いいと言っている」(『ギータ』第8章12、13節)
〔*訳注──「オームを唱え、わたしを思う者ならば、誰でも究極の境地に達する」『バガヴァッド・ギータ』第8章13節〕
(Bhagavan Sri Sathya Sai Baba “Geetha Vahini”〔『ギータ・ヴァヒーニ』未邦訳〕 p143)
バガヴァンはまた、こうも言っている。
「ガーヤトリー・マントラは、オームという言葉(プラナヴァ・サブダ)を、詳しいかたちに表現したものだ。ガーヤトリー・マントラはたいへんな価値のあるとうといマントラで、この瞑想によってひたすら真の自己を求める(アディャートマな)人生への導きとなるものだ」
(“Sadhana─The Inward Path”P.90 (Prasanthi Nilayam)〔邦訳『御名の響き』(シュリ サティア サイ出版物日本刊行センター)〕および“Sathya Sai Speaks Vol.3”〔『サティア・サイは語る』サイババの講話をおよそ年ごとに編集、刊行した書物。英語版はVol.42までインターネットで読むことができる〕p232)

スワミ・ヴィヴェーカーナンダ〔1863~1902 近代インドを代表する聖人〕は、『シュクラ・ヤジュール・ヴェーダ』を引用しながら、こう言っている。
「ヴェーダは誰でも近づけるものではないという、そんな根拠があるなら、ぜひ見せてもらいたい。ヴェーダこそ、われわれのただひとつの根拠なのであり、誰でもこれに近づく権利がある」

(“Collected Works Vol.3” p457)
スリランカ版 発行者

ガーヤトリー・マントラの恵み

第I章

  1. ガーヤトリー・マントラとは、何でしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラは、人類最古の教典『ヴェーダ』に記されている、大宇宙のマントラ、祈りの言葉である」

    (“Sathya Sai Speaks Vol.10” p109)

    ガーヤトリー・マントラは、男性でも女性でも、どの信仰をもつ人でも、どの国のどの地域の人でも、どの時代においても熱心に唱えていい祈りの言葉だ。このマントラを唱えることで、知性が発達する」

    (“Sathya Sai Speaks Vol.5” p58)

  2. ガーヤトリー・マントラを唱えていただけますか。
    「これがガーヤトリー・マントラだ。
    ॐ भूर्भुवः स्वः ।
    तत् सवितुर्वरेण्यं ।
    भर्गो देवस्य धीमिह ।
    धियो यो नः प्रचोदयात् ॥

    oṃ bhūr bhuvaḥ svaḥ
    tat savitur vareṇyaṃ
    bhargo devasya dhīmahi
    dhiyo yo naḥ pracodayāt

    オー(ム)
    ール ヴァ(ハ) スヴァハ
    タ(ト) サヴィトゥ(ル) ヴァレエニャ(ム)
    ルゴー デーヴァスィャ ディーマヒ
    ディヨー ヨー ナ(ハ) (プ)ラチョーダヤア(ト)」
    〔ゴシックは強い音、カッコの小さな文字は、母音の入らない子音だけを発音する〕

  1. ガーヤトリー・マントラは、どう訳されるのでしょうか。
    「こう訳される。

    オー(ム)
    宇宙の最高原理(パラ・ブラフマン)
    ブール
    物質的な世界(ブーローカ)。あるいは、5つの元素(パンチャブータ)から成る肉体のことでもある。この5つの元素が、自然(プラクリティ)を形づくる。
    ブヴァ(ハ)
    中間的な世界(ブヴァ・ローカ)。また、生気(プラナシャクティ)も意味する。さらに、生気による肉体の動きを可能にする高次の意識(プラニャーナ)のこともいう。このために、「『いつも・すべてに・目覚めている』のがブラフマーである(プラニャナム・ブラフマー)」と言うのだ。
    スヴァハ
    天・神々の国(スワルーガ ローカ)
    (“Sanathana Sarathi” 1995-09〔『サナータナ・サラチ』「永遠不滅の真理」を意味する、アシュラムの出版協会発行の月刊誌。1995年9月号〕p234)
    タ(ト)
    至高の真我(パラマートマ)、神、ブラフマン
    サヴィトゥ(ル)
    万物のみなもと
    ヴァレエニャ(ム)
    礼拝するにふさわしいもの
    バルゴー
    輝き、精神的なきらめき、英知を与える光
    デーヴァスィャ
    神の真理
    ディーマヒ
    私たちは瞑想します
    ディヨー
    知性(ブッディ)
    ヨー
    その〔知性の〕
    ナ(ハ)
    私たちの
    (プ)ラチョーダヤア (ト)
    照らしますように」

    ※ガーヤトリー・マントラにはいろいろな訳し方がある。次の訳はそのひとつである。

    オー(ム)
    オーム
    ブール
    物質的な世界
    ブヴァ(ハ)
    心の世界
    スヴァハ
    天界。〔そのすべてに満ちている〕
    タ(ト)
    至高の「あの存在」の
    サヴィトゥ(ル)
    みなもとを、
    ヴァレエニャ(ム)
    たたえます。
    バルゴー
    神の光を
    デーヴァスィャ
    その聖なる真理を
    ディーマヒ
    深く瞑想いたします。
    ディヨー
    知性
    ヨー
    によって
    ナ(ハ)
    われらに
    (プ)ラチョーダヤア (ト)
    光が与えられますように。
    (絶対の真理をさとることができますように)

    あるいは「ディヨー ヨーナ(ハ) (プ)ラチョーダヤア (ト)」は、「正しくものを見る目が開かれますように。神さま、どうかお導きください」とも訳すことができる。

    (“Geetha Vahini” p3)

  2. ガーヤトリー・マントラは誰が発見したのでしょう。
    「ガーヤトリー・マントラは、聖者ヴィシュワミトラが発見した。『アーディテャフルダヤム』のマントラによってラーマ王子に太陽礼拝の奥義を説いた聖者ヴィシュワミトラと同じ人だ」
    (“Sathya Sai Vahini” 〔邦訳『サティア サイ ヴァヒニ』(シュリ サティア サイ出版物日本刊行センター)〕p183, 184)
    ※アーディテャフルダヤムは、修行(サーダナ)の一部として多くの人が唱えている。このマントラについての小冊子は、Sri Ramakrishna Math, Madras 4 and by the Central Chinmaya Mission Trust, Bombay 72.で出版されている。
  3. ガーヤトリー・マントラを唱えることで、聖者ヴィシュワミトラにどんなことができるようになったのでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラを、信仰心をこめてくり返し唱えることで、本人の思い通りになるまれなる武器を、聖者ヴィシュワミトラは使えるようになった。この力によって聖者ヴィシュワミトラは、世界をもうひとつ創ることができたのだ〔肉体をもったまま天界に行きたいと願ったトリシャンカ王のために、聖者ヴィシュワミトラはもうひとつ別の世界を創造したという伝説による〕」

    (“Sathya Sai Vahini” p184)

  4. ガーヤトリー・マントラは誰に呼びかけているのでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラは、太陽神(スーリャ)のエネルギーに呼びかけている」

    (“Sathya Sai Vahini” p183)

    (バガヴァンは、究極の太陽神(スーリャ・ナーラーヤナ)である)

  5. ガーヤトリー・マントラには、どんな力が秘められているのでしょうか。
    「このマントラには、無限の力が秘められている。このマントラは、宇宙に響きわたる真言なのだ。太陽神は神々を支配しているのだから、ガーヤトリー・マントラには無限の力がある。その力はまことに驚くべきものだ」

    (“Sathya Sai Vahini” p184)

  6. ガーヤトリー・マントラは、どこに記(しる)されているのですか。
    「ガーヤトリー・マントラは、人類最古の聖典ヴェーダ”(“Rig Veda” 3-62-10)に記されている」
    〔ガーヤトリー・マントラは『リグ・ヴェーダ』に収録されている。その邦訳としては辻直四郎訳『リグ・ヴェーダ讃歌』(岩波文庫)が有名だが、この翻訳書は大部の原典の大幅な抄訳である。そこに記されているガーヤトリー・マントラの翻訳は「われら願わくは、サヴィトリ神のこの愛(め)でたき光明を享受せんことを。その彼はわれらが詩想を助長せんことを」(同書34ページ)〕
  7. ガーヤトリーとは、どういうお方なのでしょうか。
    「ガーヤトリーとはヴェーダの母である。
    (ガーヤトリー チャンタサァム マータ)」
  8. ガーヤトリーはどんな人を救ってくださるのですか。
    「ガーヤトリーは、このマントラを唱える者を救う。
    (ガーヤンタム トゥラーヤーティ ガーヤトリー)」
  9. ガーヤトリーはどこにいらっしゃるのでしょう。
    「ガーヤトリー・マントラを唱えるところ、ガーヤトリーはいつもそこにいる」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09)

  10. ガーヤトリーの三つの名前を教えてください。
    「ガーヤトリーには、
    ガーヤトリー〔ブラフマー神の妻にしてヴェーダの母〕、
    サヴィトリ〔激励する神。あらゆる存在を光でおおう太陽神〕、
    サラスワティー〔学問と芸術の女神。日本では弁天〕
    の三つの名前がある。この三人の神さまが、わたしたちひとりひとりの中にいる。
    ガーヤトリーは感覚〔見・聞き・嗅ぎ・味わい・触れる〕を支配する。
    サヴィトリは生命の力(プラーナ)を支配する。サヴィトリという名は、真理を意味する。
    サラスワティーは、言葉(ヴァーク)を支配する女神である。
    心と言葉と行為にけがれがなく清らかであることを、この三人の神さまはあらわしている(トゥリカラナ・スッディ)。

    (“Sanathana Sarathi” 1995-9 p235)(質問30を参照)

    心と言葉と行為が清らかにむすびつくように修行する人の内に、ガーヤトリー、サヴィトリ、サラスワティーが宿るであろう」

  11. ガーヤトリー・マントラは誰に呼びかけているのですか。
    「すべてを超越する内なる神に呼びかけている」
  12. すべてを超越する内なる神は、何という名で呼ばれるのでしょう。
    「すべてを超越する内なる神は『サヴィター』という名で呼ばれる」
  13. 『サヴィター』とはどういう意味でしょうか。
    「『サヴィター』とは、『万物のみなもと』という意味だ」
  14. ガーヤトリー・マントラはどういった部分でできているのでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラは三つの部分でできている。このマントラは、讃美、瞑想、祈りという三つの要素によって神を崇拝する形になっている。
    最初の9つの単語、
    『オー(ム) ブール ブヴァ(ハ) スヴァハ タ(ト) サヴィトゥ(ル) ヴァレエニャ(ム) バルゴー デーヴァスィャ』は、神の徳性をあらわしている。
    『ディーマヒ』は瞑想にあたる。
    『ディヨー ヨーナ(ハ) (プ)ラチョーダヤア (ト)』は、あらゆる力と能力がさずかりますようにという、神への祈りである」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-9 p236)

  15. 三つの部分を言いかえてくださいませんか。「三つの部分は、こんなふうにも言える。
    1. 万物のみなもと(サヴィター)への讃美。まず神がたたえられる。
    2. 万物のみなもと(サヴィター)を瞑想すること。次に神をうやまい、神を瞑想する。
    3. 万物のみなもと(サヴィター)への祈り。

    内なる知性が目覚め、より強くはたらき、ものごとを正しく見きわめる力(ブッディ)がはたらくよう、神に願うのだ」

  16. ガーヤトリー・マントラをどう考えればいいのでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラは、ヴェーダの教えの核心(ヴェーダ・サーラ)だと考えていい」
  17. ガーヤトリー・マントラによって何が発達するのでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラを唱えることによって、英知を生み出す力が発達し、より鋭くはたらく」
  18. ガーヤトリー・マントラを唱える人には、他にどんな恵みが与えられるのでしょう。
    「深く信じるこころでいつもガーヤトリー・マントラを唱える者には、
    ガーヤトリー・マントラがすべての病気をいやし、
    (サルヴァ ローガ ニワァリニ ガーヤトリー)
    ガーヤトリー・マントラがあらゆる苦しみからその人を守り、
    (サルヴァ ドゥカ パリワァーリニ ガーヤトリー)
    ガーヤトリー・マントラがすべての願いをかなえてくれる
    (サルヴァ ワァンチャ パラスリ ガーヤトリー)」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09 p236)

  19. 深く信じるこころでガーヤトリー・マントラを唱える人には、何が与えられるのですか。
    「深く信じるこころでガーヤトリー・マントラを唱える人には、ありとあらゆる恵みが与えられる」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09 p236)

  20. 他にはどんな成果があるのでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラを唱えていると、さまざまな力がその人にあらわれるだろう。だからガーヤトリー・マントラを軽々しく扱ってはいけない」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09 p236)(質問30を参照)

  21. 真理とは何ですか。教えてください。
    「過去、現在、未来において、いつも価値を失わないもの。それが真理だ」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09 p236)

  22. ガーヤトリー・マントラはどんな意味を含んでいるのでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラは四つのヴェーダに記されている四つの教えの核心(マハー・ヴャカス)の意味を含んでいる」
  23. 四つの教えの核心とは何ですか。
    「四つの教えの核心とは、次のとおりである。

    1. 究極の意識はブラフマンである(プラニャナム ブラフマー)。(『リグ・ヴェーダ』の「アイタレーヤ・ウパニシャッド」)
    2. わたしはブラフマンである(アハーム ブラフマ アスミ)。(『ヤジュール・ヴェーダ』の「ブリハダリャーナカ・ウパニシャッド」)
    3. あなたは「あの存在」〔究極の神〕である(タットヴァマーシ)。(『サーマ・ヴェーダ』の「チャーンドゥギャ・ウパニシャッド」)
    4. 真の自己(アートマ)は神(ブラフマン)である(アヤム アートマ ブラフマ)。(『アタルヴァ・ヴェーダ』の「マンドゥギャ・ウパニシャッド」)」
  24. ガーヤトリー・マントラは、いつ唱えればいいのでしょう。
    「夜明けと、午(ひる)と、夕暮れ時に、唱えるといい」
  25. その時間に、どんな意味があるのでしょうか。
    「その時間は、『変わり目の時』(サンディヤ・カーラム)と呼ばれ、夜と朝、午前と午後、昼と夜が出会う時間だ。この時間は、精神の修行にとって、とても有益な時間なのだ」
  26. それでは私たちがガーヤトリー・マントラを唱えるのは、この三つの時間に限った方がいいのでしょうか。
    「いや、ガーヤトリー・マントラを唱えるのに、この三つの時間に限る必要はない」
  27. それではガーヤトリー・マントラは、いつ唱えればいいのでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラは、いつでも、どこでも、唱えていいのだ」
  28. ガーヤトリー・マントラを唱える者は、いつも何を心がけているべきでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラを唱える者は、いつも清らかなこころでいるべきだ」
    ※バガヴァンの教えによれば、私たちはガーヤトリー・マントラを
    ①軽々しく扱ってはならない(質問22)。そして、
    ②いつも清らかな心で唱えるべきだという。
    だから私たちはあくまでもバガヴァンの教えに従い、実践するべきなのだ。このことは『ブリンダヴァンの慈雨』(“Summer Showers in Brindavan 1990”)〔邦訳サティア サイ オーガニゼーション ジャパンの出版協会〕でも見ることができる。要約してみよう。

    1. 真実を語る。自分が話す言葉の価値を大切にしなさい。真実は言葉のいのちである。(P7)
    2. 正しい行いをする。(P7)どうすればそれができるだろう。心と言葉と行為をひとつにしていくこと(トゥリカラナ・スッディ)で、それができる。(質問12を参照)
    3. 心と言葉と行為を清らかにむすびつける。(P7, 99)「悪いことを考えないで、よいことを考えなさい。
      悪いものを見ないで、よいものを見なさい。
      悪いことを聞かないで、よいことを聞きなさい。
      悪いことを話さないで、よいことを話しなさい。
      悪いことをしないで、よいことをしなさい」
      ──いつもバガヴァンのこの言葉に従いなさい。
    4. 決して人を傷つけず、いつでも人を助けるように(Help ever, Hurt never)。(P72)
    5. 行為の結果に一切とらわれず、「自分がやっている」といういつわりの気持ちを捨て、すべての行為を神への捧げものとする。(P76, 119)
  29.  

    第II章

  30. バガヴァンから若い人への助言には、どんなものがあるのでしょう。
    「入浴中にガーヤトリー・マントラを唱えるように、バガヴァンはすすめておられる」
  31. バガヴァンはどういうわけで、ガーヤトリー・マントラを入浴中に唱えるよう若い人にすすめておられるのでしょう。
    「風呂に入るとき、私たちは自分の体を清める。この時間を心と知性を清める機会にもするべきだと、バガヴァンはおっしゃっている」
  32. それ以外にどんなときにガーヤトリー・マントラを唱えるように、バガヴァンはすすめておられるのでしょう。
    「バガヴァンは私たちに、
    ①食事の前には、いつも
    ②目が覚めて、起きる前に
    ③寝る前に
    ガーヤトリー・マントラを唱えるようすすめておられる」
  33. ガーヤトリー・マントラを唱えたあとは、どうすればいいでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラを唱えたあとは、『シャンティ』〔平安なれ〕を三回唱えるべきだ」
  34. なぜ、ガーヤトリー・マントラを唱えたあとで、『シャンティ』を唱えるのでしょう。
    「『シャンティ』を三回唱えるべきなのだ。そうすることで肉体・心・たましいという、われわれの三つの存在に、静かな安らぎ、シャンティが訪れるからだ」
  35. バガヴァンはガーヤトリー・マントラとその重要性をE・B・ファニブンダさんに説いておられます。バガヴァンの教えの要点はどこにあるのでしょうか。
    「バガヴァンからE・B・ファニブンダさんへの教えは、その著書『神とまみえる』(“Vision of the Divine”〔邦訳なし〕(P79~P88))に書かれている。その要点は次の通り。

    1. もしガーヤトリー・マントラを正しく唱えないならば、それは逆効果となり、人を暗闇へと引きずり込む。けれども愛をこめて唱えるなら、神はこの祈りを聞いてくれる。
    2. ひとつひとつの言葉を、はっきりと発言するべきである。急いだりあわてて唱えてはいけないと、バガヴァンは言われる。
    3. ガーヤトリーこそはヴェーダの基礎であり、ヴェーダの母(ヴェーダ・マータ)と呼ばれるに値する存在である。ガーヤトリー・マントラは、この物質的な宇宙のすべてに響きわたるのだ。
    4. ガーヤトリーは、このマントラを唱える人を滅びゆく運命から守り、救い出す。
    5. ガーヤトリー・マントラは澄み切った知性を求める普遍的な祈りの言葉である。この知性によって、一切のゆがみのない真理が照らし出される。
    6. ガーヤトリー・マントラは、どこの国の、どんな信仰をもつ人でも、男性でも女性でも唱えていいと、バガヴァンはおっしゃっている。ガーヤトリー・マントラは、熱烈な修行(サーダナ)によって、知性が目覚め、知性が強くなるように、三つの世界〔ブールとブヴァとスヴァハ〕と太陽に満ちている、まばゆいばかりの力を求めるのだ。

      (”Sathya Sai Speaks Vol.3” P242も参照)

    7. 夜明け、午(ひる)、夕暮れ時、一日に三度こころを清めることが必要だ。この他に夜も含めて、どの時間に、どこでもガーヤトリー・マントラを唱えていいと、バガヴァンはおっしゃっている。
    8. ガーヤトリー・マントラには、神にも等しい意義がある。だから、つつしみ・敬意・信仰・愛のこころで、マントラに接するのだ。
    9. ヴェーダこそは神の呼吸そのものだ。そしてガーヤトリー・マントラは、ヴェーダの基礎なのだ。
    10. バガヴァンはヴェーダの神(ヴェーダ・プルシャ)なのだから、ヴェーダにおける最高の権威である。
    11. 約束された成果を信じ、マントラに愛と尊敬の念を抱くのは、心があちこちにさまよいながら機械的に唱えていることよりもはるかに大切だ。
    12. このマントラは母なる神に向かって唱えられる。「母なる神さま。私のこころは闇でおおわれています。どうかこの闇をしりぞけ、内なるまばゆい光に満たされますように」
    13. 神を求める者がこのマントラへの充分な情熱・敬意・愛を抱くとき、はじめてガーヤトリー・マントラの力と可能性を完全に信じられるようになる。
    14. より多くガーヤトリー・マントラを唱えることで、より大きな恵みがあらわれる」(質問47を参照)
  36. 人はどのようにして人生を誤るのでしょうか。
    「たくさんの人が自分のほんとうの徳性を忘れ、肉体への執着にとらわれている。人生の目的を、肉体を喜ばせることと思いこんだまま、苦しみから逃(のが)れられずにいる。肉体を自動車だとすると、アートマ(真の自己、たましい)は車を運転する人だ。ところが自分のほんとうの役割を忘れ、ただの乗りものにすぎない肉体がほんとうの自分だと思っている」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09 p233~236)

  37. それでは人生をいかに生きるべきなのでしょう。
    「人間の生き方とは、低次のものを捨てて、高次のものを求め、大いなる存在の前に卑小なものを捨て去る、そのたえまない犠牲の連続でなければならない」
  38. 私たちの目で見ることができないものは何でしょうか。
    「われわれは物質的な世界と、あらわれては消えるはかないものに目を奪われている。だから高い格式をもつ、おごそかな精神の世界が見えないのだ」
  39. 私たちがガーヤトリー・マントラをさずかったほんとうの目的は何でしょうか。
    「第三の目(アジナ・チャクラ)がわれわれの内面へのまなざしとなってあらわれること。実にガーヤトリー・マントラはこのためにわれわれに与えられたのである。この内面へのまなざしによって、ブラフマンをさとることができる」(質問46)
  40. なぜ私たちはガーヤトリー・マントラをずっと守っていくことが必要なのでしょう。
    「ガーヤトリー・マントラは宝物なのだから、われわれは生涯を通してこのマントラを守らなければならない。バガヴァンが教える通りに正しい発音を学び、正確にガーヤトリー・マントラを唱えるべきなのだ」
    (カセットテープ“Sathya Sai Bhajanavali No.14”の中でバガヴァンはガーヤトリー・マントラの正しい発音とイントネーションを教えている。テープはプラシャンティ・ニラヤム〔南インド、プッタパルティのサイババ・アシュラム〕の売店で売っている。テープの題名は“Bhagavan speaks on Gayatri at Upanayanam ceremony on 17-3-83 at Prasanthi Nilayam”〔このテープでは、はじめにサイババが三回ガーヤトリー・マントラを唱え、そのあとでこのマントラについての講話の録音が続く。インドでは他に“Baba Sings”シリーズの「ガーヤトリー・マントラ」がことにすぐれている。2015年現在では、Youtubeなどの動画で聞くことができる。〕)
  41. 私たちが捨ててはいけないものは。
    「われわれは決してガーヤトリー・マントラを捨ててしまってはいけない。すなわちガーヤトリー・マントラを純粋なこころで、一日に最低二、三回、毎日唱えるべきだ」
  42. それでは、私たちが捨ててしまってよいものとは。
    「他のマントラは捨ててしまうなり、無視してもかまわない。けれども、ガーヤトリー・マントラは一生を通して決して手放してはならないものだ」
  43. ガーヤトリー・マントラを一日に何回か純粋なこころで唱えると、どんな恵みを受けるのでしょうか。
    「①バスや車の中で、
    ②鉄道や飛行機の中で、
    ③店や路上で、
    ガーヤトリー・マントラはどこにいてもわれわれを害悪から守ってくれる」
  44. 西洋の人はガーヤトリー・マントラについて、どんなことに気づいたのでしょう。
    「ガーヤトリー・マントラをヴェーダの教える正しいアクセントで唱えると、マントラの生み出す空気の微妙な振動によって、その場の雰囲気が目に見えて輝きを増すことに西洋の人々は気がついた。
    バガヴァンはこう言っている。
    『マントラの音には、意味に劣らない価値がある』

    (“Sadhana─The Inward Path” P90または”Sathya Sai Speaks Vol.3” p242)」

    (だからわれわれは、バガヴァンが教える通りに正確にガーヤトリー・マントラを唱えられるように学ぶことが大切なのだ)

    スリランカの首都コロンボのサイババ寺院(Sai Mandir at 22 Barnes Place, Colombo 7)では、バジャンのたびごとに、最後に三回バガヴァンの唱えるガーヤトリー・マントラを流している。
    (ガーヤトリー・マントラの発音を他の先生から習うのは、おすすめできることではない)

  45. ガーヤトリー・マントラを唱えると、精神にどんな恵みがあらわれるのでしょうか。
    「ガーヤトリー・マントラをバガヴァンの教える通りに正しく唱えれば、ブラフマンの輝き(ブラフマ・プラカ─サ)があらわれる。知性が光を放ち、精神的な道に明かりが照らされる」
    (ガーヤトリー・マントラを唱えるとき、『バガヴァッド・ギータ』第5章27節で、クリシュナ神がアルジュナに教えているところ*を参考にするといい)
    〔*「外部への感覚を閉ざし、眉間に意識を集中し、吐く息と吸う息を鼻の穴にとどめる。心と感覚と知性を抑制し、欲望と怒りと恐怖から解放された修行者は、いつも必ず解脱にいたる」(『バガヴァッド・ギータ』第5章27節および第28節)〕
  46. ガーヤトリー・マントラは何回くらい唱えるといいのですか。
    「多ければ多いほどいいと、バガヴァンはおっしゃっている」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09 p238)

    ※(質問36の14番を見てほしい)
    「より多くガーヤトリー・マントラを唱えることで、より大きな恵みがあらわれる」
    少なくとも毎朝ガーヤトリー・マントラを108回(1マラ)唱えるべきだ。ほんの15分ほどかかるだけだ。修行(サーダナ)の核心としてガーヤトリー・マントラにとり組む人は、朝には3マラか、できれば5マラを唱え、夕方は同じ数か、やや少なめの数を唱えることが望ましい。毎週日曜日やお祭りの日の朝には、10マラ唱えること(約2時間半)。これは熱心な修行者(サーダカ)にとって、決して無理なことではない。ガーヤトリー・プラスチャラナとは、24日間、あるいは40日間休まずに毎朝10マラを唱えることをいう。
    マントラの力を吸収するためには、清らかな生活をし、節度のある食事をすることが、きわめて大切である。

  47. 入浴中や食事の前にガーヤトリー・マントラを唱えると、どんな成果があるのでしょう。
    「入浴のときにガーヤトリー・マントラを唱えるならば、入浴は神聖な行為となる。食事の前に唱えるなら、食べものは神への捧げものになる。神へのこころからの信仰をもつことが大切だ」
  48. ガーヤトリーとはどんな神さまなのですか。
    「ガーヤトリーは母なる神(アンナプールナ)であり、すべての生命を動かしている聖なる力である」
  49. ガーヤトリーは絵では5つの顔のある神さまとして描かれています。これはどういうことでしょう。
    「ガーヤトリー神は、5つの顔があるものとして描かれている。これは、

    1. 『オーム』(プラナーヴァ)が第1の顔である。オームの原理は、8つの異なった富の形(アシュタ・アイスワリア)をあらわす。
    2. 『ブール ブヴァ(ハ) スヴァハ』は第2の顔
    3. 『タ(ト) サヴィトゥ(ル) ヴァレエニャ(ム)』は第3の顔
    4. 『バルゴー デーヴァスィャ ディーマヒ』は第4の顔
    5. 『ディヨー ヨーナ(ハ) (プ)ラチョーダヤア (ト)』は第5の顔である。

    ガーヤトリー・マントラのこの5つの相(すがた)のすべてが、われわれの内にある」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09 p235)(質問12を参照)

  50. ガーヤトリー・マントラを選んでいつも唱えていくことが、どうして大事なのでしょう。「ガーヤトリー・マントラを選んで、これをいつも唱えていくのは、とても大事だ。なぜなら、
    ①バスや車の中で、鉄道や飛行機の中で、店や路上で、ガーヤトリー・マントラはどこにいてもわれわれを害悪から守ってくれる。
    ②ガーヤトリー・マントラを唱えれば、ブラフマンの輝き(ブラフマ・プラカーサ)があらわれ、われわれの精神的な道を明るく照らしてくれる。
  51. ガーヤトリー・マントラは、どのように私たちを守ってくれるのですか。
    「ガーヤトリーは、母なる神(アンナプールナ)であり、あらゆる生命を動かしている力である。だからこそこのマントラはわれわれを守ってくれる。母なる神、あらゆる生命を動かす力に守られている以上、『何を食べようか』とか『どこに泊まろうか』などと心配する必要はもはやどこにもない」
    (だからわれわれはできる限りたくさんガーヤトリー・マントラを唱えるべきなのだ。たくさん唱えるほど、より多くの恵みがあらわれる。)(質問47を参照)
  52. ガーヤトリー・マントラを唱えることで得られるもの以外に、私たちに必要な庇護はありますか。「ない。ガーヤトリー・マントラを唱える者は充分に守られると、バガヴァンはおっしゃっている」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09 p237)

  53. どうしてガーヤトリー・マントラを唱えるだけで充分に守られるのですか。
    「ガーヤトリー・マントラとは神の秘められた力のすべてを具体的な形にしたものだとバガヴァンがおっしゃる以上、このマントラを唱える人は充分に守られると言っていいのだ」
  54. ガーヤトリー・マントラを唱える学生には、どのような恵みが与えられるのでしょう。
    「1983年3月17日、プラシャンティ・ニラヤムにおける聖なる紐(ひも)の儀式(ウパニャナム)〔学問のはじまりの儀式。ここでガーヤトリー・マントラをさずかる〕で、バガヴァンは学生・生徒にこう語っている。(カセットテープ“Sathya Sai Bhajanavali No.14”)
    『みなさんは他のマントラを唱えるかもしれないし、唱えないかもしれません。しかしガーヤトリー・マントラを唱えれば、大いなる恵みがあらわれるのがわかるでしょう。これを忘れずにいなさい。いつもガーヤトリー・マントラを唱えていれば、さとりの境地、偉大なものに達する状態がわかるでしょう。ただし、ガーヤトリー・マントラをさずかった子供たちには、もっと深い意味があります。このマントラをしめくくる言葉は、
    「ディヨー ヨーナ(ハ) (プ)ラチョーダヤア (ト)」
    です。それはこういう意味です。
    ──このマントラをさずかるまで、知力は劣っていて、心は怠惰になりがちで、まわりの評価も決していいとはいえませんでした。ところがこのマントラをさずかってからは、すっかり知的で鋭くなり、前よりもはるかに情熱的で、ずっと意欲的になり、すぐれた者と評価されるようになりました──
    明日から子供たちが、このマントラを朝夕唱える功徳によって、運命を支配し、幸運へと向かう、まれなる知性がさずかりますように。
    その子たちは立派な大人になるでしょう。理想の国民となります。国の未来は、かれらによって守られるのです』
    1995年8月23日、プラシャンティ・ニラヤムの寺院(マンディール)における講話で、バガヴァンはこう言われた。
    『ガーヤトリー・マントラは若い人にとって特に大切です。それによって明るい未来が約束されるのですから』」

    (“Sanathana Sarathi” 1995-09 p237)

原注──上記の質問に対する答えは、ことわりのない限り、
“Sathya Sai Speaks Vol.10” P109~P110および
“Sanathana Sarathi”(1995年9月号)P223~P238

からの引用である。

 

付録 インドの聖人は、
ガーヤトリー・マントラをどう語ってきたか

 

リシケシュのスワミ・シヴァーナンダ(1887~1963)

あらゆるマントラの中でも、究極、最も強い可能性を秘めたものといえば、かの栄(は)えあるガーヤトリー・マントラである。ガーヤトリー・マントラはまことのヒンドゥー教徒すべてを支えるいのちである。カースト、教義、地域、宗派にかかわりなく、真理を求め、このマントラの効力と栄光を信じるすべての人を支え助ける。必要なのは、清らかなこころと信仰だけだ。
実際、ガーヤトリーこそは信者を守り、神へと変革させ、至高の精神の光によって祝福を与えてくれる必勝の鎧(よろい)であり、城塞である。
毎日規則的に数マラ(1マラはガーヤトリー・マントラを108回くり返すこと)を唱えることによって、今生でも来世でも、あらゆる幸運と恵みをさずかるだろう。
ガーヤトリー・マントラが正統的なブラーミン〔バラモン〕の階級だけに限られたものだと思ってはならない。全能にして究極のたましいに向かう光を求める人なら、誰でも近づくことができる。これこそは人類にとって、超越へのただひとつの導きの光である。
ガーヤトリー・マントラのいう太陽神は、『タ(ト) サヴィトゥ(ル)』にあたる。これは太陽や月の照らす光ではなく、個を超えた絶対の存在、ブラフマンである。
したがってガーヤトリーは、すべてのマントラの中でも最もすぐれたものであり、これをつかさどる女神は「至高のブラフマン」(パラ・ブラフマン)である。しかも神を求める人ならどんな人でもこのマントラをさずかることができる。ガーヤトリーの唱名(ジャパ)〔神さまの名前を唱える修行〕をすれば、学生には内なる光(テージャス)があらわれ、世間の暮らしを営む人は大いに栄え、人から離れて森で修行する人には力と安らぎがもたらされる。
まごころと、情熱と、あつい信仰さえあれば、宗教やカーストが違っていても、修行にガーヤトリー・マントラを選んでさしつかえない。あなたの人生は確実に祝福されるだろう。
神を求める人々よ。偉大なるガーヤトリーの驚くべき可能性に気づくがいい。このマントラのもつ美しい遺産をあざやかに実現するのだ。太古の修行者(リシ)からわれわれに伝えられたこの聖なる力(シャクティ)を無駄にしてはいけない。
毎日の規則的なガーヤトリーの唱名をはじめてみて、不思議な力があらわれるのを、みずから体験してみてほしい。唱名のために特定の時間を定め、この修行を続けるのだ。
休むことなく毎日最低1マラの唱名をするべきだ。そうすればあらゆる危険から守られる。無限の強さが与えられ、いかなる障害も乗りこえられる。そして、力・安らぎ・悦びの華麗な頂点をきわめることができる。
ヴェーダの中で神は言う。
「ひとつのマントラがすべてに通ず(サマーノ・マントラハ)」と。
そのマントラこそが、ガーヤトリーなのだ。四つのヴェーダの核心はウパニシャッド〔ヴェーダの奥義書〕の秘伝にあり、ウパニシャッドの核心はガーヤトリー・マントラにおける三つの世界(ヴャフルティ)(ブール ブヴァ(ハ) スヴァハ)にある。
ガーヤトリーはヴェーダの母であり、すべての罪ごとを滅ぼす。この地上でガーヤトリー・マントラ以上にけがれをはらうものはない。ガーヤトリーの唱名によって、すべてのヴェーダと「アンガ」〔ヴェーダの補足〕を暗唱するのと同じ成果が得られる。このマントラひとつを真面目で清らかな心で唱えることによって、死んではまた生まれ変わる永遠の輪からの解脱という、最高の幸運が訪れる。

(『修行について』(“Sadhana” by Swami Sivananda 1985 p217~p220))

(バガヴァン・シュリー・サティア・サイババは、1957年7月22日から28日までリシケシュのスワミ・シヴァーナンダのアシュラムに、まる1週間滞在した。このとき以外にバガヴァンが他のアシュラムを訪れたという記録はない。N.Kasturi “Sathyam, Sivam, Sundaram”Part I P107~115〔邦訳『サティアム シヴァム スンダラム──真 善 美──その1』(シュリ サティア サイ出版物日本刊行センター)〕)

 

シュリー・チャンドラシェーカレーンドラ・サラスワティ・スワミ

(1894~1994)

(カーンチープラムのシャンカラーチャーリア)

ガーヤトリーはすべてのヴェーダのマントラの母である。愛と帰依のこころでガーヤトリー・マントラを唱える者は守られる(ガーヤンタム・トラーヤテー・ヤスマット・ガーヤトリー・ティヤッピーディヤーテ)。
ブラーミン〔バラモン〕がその内にマントラの炎を絶やさず燃やし続けるならば、全世界にさいわいがもたらされるであろう。
ブラーミンは、困難にある人をマントラの力で救えるようにならなくてはいけない。もしもブラーミンが自分に助けを求めている人をかえりみず、「わたしはあなたと同じことをしているだけ。あなたと同じ力しかありません」などと言おうものなら、その人は人生を無駄にしているのだ。
この時代、マントラの炎は消えてしまったか、燃えかすのようになっている。だがこの古い炎は、まだかすかな火種を残して光を放っているかもしれない。この火を明るく燃えあがらせ、いつかは大きな炎として燃やしていかねばならない。
ガーヤトリー・マントラのともしびは、長い時を経てわれわれまで伝えられてきた。
聖なる紐を首にまとった者ならば、少なくとも日曜日にはガーヤトリー・マントラを1000回唱えるべきだ。体が清らかでマントラを吸収するのに適しているかどうか、よく気をつけることが大切だ。
ガーヤトリー・マントラは、ヴェーダのすべてのマントラの本質とエネルギーを含んでいる。ガーヤトリーは他のマントラに力を分け与えているのだ。ガーヤトリーの唱名(ジャパ)がなければ、他のどんなマントラを唱えようが不毛であろう。
ガーヤトリー・マントラを一心に唱えることによって、はじめてヴェーダのマントラを習得することができる。
ガーヤトリーは、真我アートマにとって根本であり、どんなときもガーヤトリーの唱名をやめてしまってはいけない。
ガーヤトリーを母なる神と思ってうやまうべきなのだ。
ヴェーダは、ガーヤトリーが母なる神であることを明らかにしている。
ガーヤトリー・マントラから得られる恵みは、心を清めること(チッタ・シュッディ)である。この最高の効果は、他のマントラにもある。しかし心を清めることは、ガーヤトリーの唱名(ジャパ)から直接得られる効果なのだ。
このマントラの炎が私たちの内で決して消えてしまうことなく、さらに強く、さらに明るく輝き続けるよう、神にすべての祈りを捧げようではないか。
(『ヒンドゥー教徒の務め』(“Hindu Dharma” p548~553 by The Shankaracharya of Kaanchiipuram Bharatiya Vidya Bhavan 1995)(タミル語の講話を英語に翻訳した書物)

 

サットグル・サント・ケーシャヴァーダス

ガーヤトリーの瞑想は、ヴェーダで知られている瞑想の中で最も高度なかたちと言えます。大宇宙の意識に達し、直感力に目覚めるために、ガーヤトリーを唱えるのです。
ガーヤトリーはすべての迷いを断ち、生命力(プラーナ)を活発にさせ、健康と長寿、知恵と光を与えてくれます。
ガーヤトリー・マントラこそ、大宇宙の意識の扉を開く鍵なのです。
瞑想に最も適した時間は、朝、日が昇るまぎわと、夕方、日の沈むまぎわです。
結跏趺坐で両足を組む(パドマ・アーサナ)か、
達人座(シッド・アーサナ)〔両足のかかとを股間に近づける〕か、
金剛座(ヴァジュラ・アーサナ)〔日本の正座に似た座り方〕、
それ以外でもいいから、あまり難しくなく、楽に座れる姿勢をとります。東か北の方角を向きなさい。座布団にウールの毛布や綿の生地でおおいをかけ、その上に座ります(肉体が地面に直接触れないようにする)。座ったら体を必要以上に動かさないで、上半身・頭・首をまっすぐに保ちます。
何も怖れることなく。
真理をさとろうという強い決意をこめて座ってください。
ガーヤトリー・マントラは三組の8つの音節で整えられた、24の音節からなる大宇宙のリズムです。
くり返しマントラを唱えるにあたっては、マントラの意味を深く瞑想し、女神ガーヤトリーの姿を思い浮かべて祈ります。この瞑想は、光である神に捧げるものです。太陽神とは、光の象徴です。
このマントラは、太陽神をとおして光を瞑想するものです。人類のすべてを瞑想するのと同じことですから、まさに大宇宙のマントラと言えます。このマントラによって英知、繁栄、清浄、そして解脱が与えられます。
座るたびに108回を唱える人は、時を待たずに人生が輝きに変わるでしょう。
まごころをこめ、神を深く信じて、座るたびに1008回を唱える人は、40日以内に光輝く境地に到るでしょう。
ガーヤトリー・マントラはすべての恐怖をはらいます。
ガーヤトリー・マントラはあらゆる病気をいやします。
ガーヤトリー・マントラはカルマ〔業〕を滅ぼし、解脱を与えてくれます。
全宇宙はガーヤトリー・マントラの力のあらわれです。この宇宙に、神の力のあらわれでないものはありません。
ガーヤトリーの唱名(ジャパ)にまさる唱名はありません。
ガーヤトリー・マントラにまさる富はどこにもないのです。
朝と夕方に欠かさずガーヤトリー・マントラの瞑想をする人であれば、誰でも長寿、健康、平安の恵みが必ずあらわれます。その人の言葉は祝福となります。光明に達し、世の中と全世界に大いなる恵みをもたらすでしょう。
聖なるガーヤトリー・マントラは、神の至高の光を唱えるものであり、母なる神ガーヤトリーの御名とともに願うことは、どんなことでも、はやばやと成し遂げられます。
肉体、心、情緒、精神など、どんな種類の病気も、ガーヤトリーはいやします。
ガーヤトリー・マントラは神がかたちとなったものです。
いつもこれを唱えることにより、神の姿を見る経験(ダルシャン)をするでしょう。
古代の聖典によれば、神の聖なる言葉をくり返し唱える修行(プラスチャラナ)は、最低2万4000回は必要だそうです。ガーヤトリー・マントラには24の音節があります。だから、ガーヤトリー・マントラを2万4000回唱えることには、たいへんな功徳があるのです。
ひとりひとりのために、自分たちの国のために、世界の平和のためにガーヤトリーを唱え(プラスチャラナ)、ガーヤトリーの儀式(ヤジニャ)〔女神ガーヤトリーに犠牲の炎を捧げる〕をおこなうように、ヴェーダはいつも説いています。
大宇宙の母であられる女神ガーヤトリーの祝福によって、全世界にとうとい平安がもたらされますように。
『ガーヤトリー──至高の瞑想』(“Gayatri – The Highest Meditation” by Sadguru Sant Keshavadas 1983 P74~78およびP157~159 Vishwa Shanti Ashrama 24 Km. Arasinakunte, Bangalore District 562 123)

 

スワミ・ムクヤーナンダ

カースト・宗派・性別の区別なく、ヒンドゥー教徒でない人にもヴェーダの恵みある言葉(ワーチャム・カルヤーニーム)を広めるように、『シュクラ・ヤジュール・ヴェーダ』(“Sukla Yajur Veda”(26-2))は教えている。
時は満ち、スワミ・ヴィヴェーカーナンダ〔近代インドの聖人。ラーマクリシュナの弟子〕は、1901年にこう語った。
「カースト、教義、性別、宗教にかかわらず、ヴェーダとガーヤトリー・マントラを広く伝えるべきだ」(『ヴィヴェーカーナンダ全集』“Complete Works Vol.3” p454~461 ‘The Religion we are Born in’)
古代と同じように、女性も日々の祈り(サンティハ)をおこなうべきなのだ。
「ヴェーダこそ、われわれのただひとつの根拠なのであり、誰でもこれに近づく権利がある」
(『オーム、ガーヤトリー、サンティハ』(“Om, Gayatri and Sandhya” by Svami Mukhyananda 1989 p48, p49 Sri Ramakrishna Math, Mylapore, Madras 600 004.))

 

訳者あとがき

この原稿は、“The Power and the Potency of The Gayatri Mantra as Taught and Expounded by Bhagavan Sri Sathya Sai Baba”という、Sri Sathya Sai Organization Sri Lanka が1996年に編集発行した小冊子の翻訳である。底本としては、1996年11月23日刊行の第3版を使用した。
ガーヤトリー・マントラについての質問にサイババが答えるという架空の問答により、このマントラの効果が、順を追って説得力を持って語られている。ただ、途中からことわりなしに、質問に答える人としてサイババ以外の第三者が入ってくるのは、この本の編集上の欠点だと思う。お読みくださる方の負担をやわらげるために、この日本語版では第I章と第II章とに分ける形をとった。
この小冊子の原稿は、訳者がサイババ・アシュラムで長期滞在したおりに翻訳し、鉛筆で書いた原稿をコピーして閉じ、1997年の10月に『ガヤトリー・マントラの秘められた力』という題で配布した手作りの冊子をもとにしている。その後、98年の6月に改訳版を作り、配布した。そののち2000年の4月に、インターネットのホームページ「サイ・フォーラム」に、以前の原稿をさらに改め、『ガヤトリー・マントラの恵み』という題で発表し、これは2002年7月に、サイ・ビルディングから小冊子の形で刊行された。
この小冊子は「誰でも」ガーヤトリー・マントラを唱えていいという教えではじまり、「誰でも」近づくことができる、という教えで終わっている。さらに「付録」の「インドの聖人は、ガーヤトリー・マントラをどう語ってきたか」は、サイババに帰依する人でなくともこのマントラを唱える意義があるという認識を与えてくれる。だからサイババに縁のある人も、そうでない人も、人生を向上させ、過去のカルマを乗りこえ、自己の成長を願う人であれば、誰でもガーヤトリー・マントラを唱えていい。その功徳はきわめて大きい。――それがこの小冊子の核心的なメッセージだと言っていい。
この小冊子の翻訳は他でも発表されているけれど、この日本語訳は、1998年6月にプッタパルティのインタビュー・ルームでサティア・サイババご本人から祝福をいただいたこと、この本の原典そのままに、著作権を主張していないことを特徴としている。今回、この原稿は2015年11月23日のサイババ生誕90年の日に、再びインターネットで読まれる運びとなった。インターネット、スマートフォン、Youtubeなどの普及により、このマントラは私たちにずっと近づきやすいものとなった。これを機会に、今後もこの日本語訳が広く読まれ、ガーヤトリー・マントラが多くの人に唱えられるとすれば、そしてこの苦難の多い世界に少しでも光をもたらすことができるとすれば、それはたいへん喜ばしいことだと思う。

(2015年11月23日 宇野梵悦)

痩せるためのマントラ

Chakra-Mantras

インドには、さまざまな目的に応じたマントラが存在します。
今回は、新着本「CHAKRA MANTRAS – liberate your spiritual genius through chanting」(p.124-125)より、痩せるためのマントラをご紹介いたします。

ラリター女神は、スレンダーなウエストを持つ女性らしい女神であり、ラリター女神へのマントラが美しい身体を手に入れるために有効と考えられています。
以下は、千の御力を持つラリター女神を讃美するマントラです。

Om Sato Datyei Namah
(om sato dātyai namaḥ)

またラリター女神は、力強くも、繊細で魅力的な手足を持つ女神といわれています。
次のマントラは、そのようなラリター女神の美しい特性を祈願します。

Om Koma Langyei Namah
(om komala-aṅgyai namaḥ)

エクササイズに加えて、マントラを活用することで、より魅力的な身体を手に入れてください。

ガーヤトリーQ&A

新刊本「GAYATRI – THE PROFOUND PRAYER –」(pp.320-321)のガーヤトリーQ&Aのご紹介です。

Q: ガーヤトリー・ジャパやガーヤトリー・ウパーサナ(礼拝)は、どのように私たちの生活を変えるのでしょうか。

Sri Balakrishnananda Saraswathi: 人生は、私たちすべてにとって、この上ない贈り物です。我々の経典によると、人間として、ムクティすなわち解脱を探求する責務があります。あらゆる個人は、解脱に向けて、精進するべきです。私たちを解脱に導くのは、ジュニャーナすなわち最高の知識であり、ガーヤトリー・ウパーサナは、ブラフマ・ジュニャーナ(至高の真理)への道です。ガーヤトリー・マントラは、人々に、より高い知性を授ける祈りです。それは、私たちの思考を清め、私たちをアディヤートマ・シャクティ(最高の精神エネルギー)で満たします。

マントラは、悪い性向から私たちを守護するため、ガーヤトリーと呼ばれます。ガーヤトリーは、私たちを正しい道に導きます。そして、私たちの内に、デーヴァ・グナ(神的性質)すなわち美徳、またサトウィック(純性)の性質を育みます。規則正しく、心からガーヤトリー・マントラを瞑想する人は、神聖な性格を身につけます。彼らは、健康、純心、清らかな思考、そして正しい知性を手に入れます。ガーヤトリー・ウパーサナを通じて、マーヤー(無知)の覆いは除去されます。ガーヤトリー・ジャパにすべてを捧げる人は、人生のより高い目的に集中し続けます。

ガーヤトリー・ジャパには、ヴァーチャカ・ジャパ、ウパームシュ・ジャパ、マーナサ・ジャパの3種類があります。
ヴァーチャカ・ジャパは、ガーヤトリー・マントラを正しい発音で、大きな声で唱えます。マントラを唱えている人だけでなく、周囲の人々もマントラを聞くことができます。
ウパームシュ・ジャパは、ガーヤトリー・マントラをささやくように唱えることです。とても小さな声のため、マントラを唱えている本人以外は聞くことができません。
マーナサ・ジャパすなわち心の中の祈りは、三種のジャパの中でもっとも優れた方法です。
ガーヤトリー・マントラは、絶大なる変革の力を秘めています。定期的にガーヤトリーに祈りを捧げ、あなたに起こる変革、そして好ましい変化を感じてください。