アンナプールナー・ガーヤトリー・マントラ


・ॐ भगवत्यै च विद्महे माहेश्वर्यै च धीमहि ।
तन्नो अन्नपूर्णा प्रचोदयात्‌ ॥

・om bhagavatyai ca vidmahe māheśvaryai ca dhīmahi |
tanno annapūrṇā pracodayāt ||
・オーム バガヴァティヤイ チャ ヴィッドゥマヘー マーヘーシュヴァリヤイ チャ ディーマヒ
タンノー アンナプールナー プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがバガヴァティー(ドゥルガー女神)を知り、マーヘーシュヴァリー(シヴァ神の妃)を瞑想できるように
アンナプールナー(食物に満たされた方)よ、我らを導き給え

アンナプールナーは、サンスクリット語で「食物に満たされた者」の意味があり、食物、幸福、富、豊穣の女神として信仰されています。
アンナプールナー女神を信仰する人々は、食物に困ることがなく、その家庭には平安が満ちあふれ、家族の長寿が約束されるといわれています。

ガネーシャ・ガーヤトリー・マントラ


・ॐ लम्बोदराय विद्महे महोदराय धीमहि ।
तन्नो दन्तिः प्रचोदयात्‌ ॥

・om lambodarāya vidmahe mahodarāya dhīmahi |
tanno dantiḥ pracodayāt ||
・オーム ラムボーダラーヤ ヴィッドゥマヘー マホーダラーヤ ディーマヒ
タンノー ダンティヒ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがラムボーダラ(突き出たお腹をもつ方)を知り、マホーダラ(大きなお腹をもつ方)を瞑想できるように
ダンタ(牙のある方)よ、我らを導き給え

ガネーシャ神の大きなお腹には、さまざまな神話が伝わります。
その一つにおいて、ガネーシャ神の大きなお腹は、この全宇宙をあらわすと伝えられます。
悲しいこと、そして嬉しいこと、それらすべてを受け入れる(消化できる)のが、このガネーシャ神のお腹です。
それは、あらゆる物事を受け入れる大きな受容の力を象徴します。
私たちは、物事をあるがままに受け入れる代わりに、抵抗し執着をするために、さまざまに悩み苦しむといわれます。
大きなお腹のガネーシャ神の姿を瞑想し祈ることで、あらゆる物事をあるがままに受け入れ、幸せに生きる力を手にすることができるでしょう。

クベーラ・アシュタ・ラクシュミー・マントラ


・ॐ ह्रीं श्रीं क्रीं श्रीं कुबेराय अष्ट-लक्ष्मी मम गृहे धनं पुरय पुरय नमः॥

・om hrīṁ śrīṁ krīṁ śrīṁ kuberāya aṣṭa-lakṣmī mama gṛhe dhanaṁ puraya puraya namaḥ॥
・オーム・フリーン・シュリーン・クリーン・シュリーン・クベーラーヤ・アシュタ・ラクシュミー・ママ・グリヘー・ダナン・プラヤ・プラヤ・ナマハ
・意味:クベーラ神とアシュタ・ラクシュミー女神よ、私の家に富を注いでくださいますように。

財宝の神であるクベーラ神と、8体のラクシュミー女神を礼拝するマントラです。
このマントラを通じた礼拝によって、貧しさや金銭的な不足が取り除かれると信じられます。

このマントラの詠唱は、不動宮に月がある夜に行うことが勧められます。
まずは身を清め、清潔な白い衣服を身につけます。
手の平に聖水をとって祈願を捧げます。
白い布を敷いてクベーラ・ヤントラを南の方角に設置し、白い花、干しぶどう、サフラン、ギー・ランプ、お香を捧げて礼拝を行います。
クリスタル・マーラーを用いて、このマントラを2100回唱えます。
そして、5日、または11日の間に、合計で125000回のマントラを唱え終えます。
その後は、このマントラを毎日108回、朝と夕に唱えることが勧められます。

参照:Kuber Ashta Laxmi Mantra

ナヴァグラハ・ガーヤトリー・マントラ

一生懸命に働いても、よい行いをしていても、人生で辛いときというのはあるものです。
この理由の背後には、避けることのできない惑星の悪い配置、ホロスコープの影響があるとされます。
ヴァラーハミヒラのような古代の天文学者によると、惑星はほぼ直接的に人間に影響をおよぼすとされています。
それと同時に、われわれの祖先は、マントラのような音の波動により、惑星の悪影響を取りのぞく方法を見出しました。

「ガーヤトリー」とは、もともと韻律の一種であり、8音節の句を3つ重ねた、合計24音節からなる詩形を意味します。
このマントラの24音節からなる詠唱は、人間の肉体の24の異なる部位に共鳴するといわれます。
また、詠唱によって特別なオーラが肉体の周囲に生み出されるといいます。
これらの2つの変化によって、わたしたちは次の2つの恩恵を手にします。
すなわち、宇宙の神秘についての天啓と、過去世に犯した罪の浄罪です。
このようにして、人は輪廻の循環から自由になることができます。

9つの惑星であるナヴァグラハのガーヤトリー・マントラをご紹介いたします。
(複数あるナヴァグラハ・ガーヤトリー・マントラの一部をご紹介しています。)


सूर्य(sūrya、スーリヤ(太陽))
・ॐ भास्कराय विद्महे महद्युतिकराय धीमहि ।
तन्नो आदित्यः प्रचोदयात्‌ ॥

・om bhāskarāya vidmahe mahadyutikarāya dhīmahi |
tanno ādityaḥ pracodayāt ||
・オーム バースカラーヤ ヴィッドゥマヘー マハディユティカラーヤ ディーマヒ
タンノー アーディティヤハ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがバースカラ(光をつくる方)を知り、偉大なディユティカラ(光彩を放つ方)を瞑想できるように
アーディティヤ(アディティの息子)よ、我らを導き給え

चन्द्र(candra、チャンドラ(月))
・ॐ निशाकराय विद्महे कलानाथाय धीमहि ।
तन्नश्चन्द्रः प्रचोदयात्‌ ॥

・om niśākarāya vidmahe kalānāthāya dhīmahi |
tannaścandraḥ pracodayāt ||
・オーム ニシャーカラーヤ ヴィッドゥマヘー カラーナーターヤ ディーマヒ
タンナシュチャンドラハ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがニシャーカラ(夜をつくる方)を知り、カラーナータ(時の主)を瞑想できるように
チャンドラ(月)よ、我らを導き給え

अंगारक(aṁgāraka、アンガーラカ(火星))
・ॐ अंगारकाय विद्महे भूमिपालाय धीमहि ।
तन्नः कुजः प्रचोदयात्‌ ॥

・om aṁgārakāya vidmahe bhūmipālāya dhīmahi |
tannaḥ kujaḥ pracodayāt ||
・オーム アンガーラカーヤ ヴィッドゥマヘー ブーミパーラーヤ ディーマヒ
タンナハ クジャハ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがアンガーラカ(火星)を知り、ブーミパーラ(大地の守護者)を瞑想できるように
クジャ(大地の息子)よ、我らを導き給え

बुध(budha、ブダ(水星))
・ॐ गजध्वजाय विद्महे सुखहस्ताय धीमहि ।
तन्नो बुधः प्रचोदयात्‌ ॥

・om gajadhvajāya vidmahe sukhahastāya dhīmahi |
tanno budhaḥ pracodayāt ||
・オーム ガジャドゥヴァジャーヤ ヴィッドゥマヘー スカハスターヤ ディーマヒ
タンノー ブダハ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがガジャドゥヴァジャ(象の旗を持つ方)を知り、スカハスタ(喜びの手をした方)を瞑想できるように
ブダ(水星)よ、我らを導き給え

गुरु(guru、グル(木星))
・ॐ सुराचार्याय विद्महे सुरश्रेष्ठाय धीमहि ।
तन्नो गुरुः प्रचोदयात्‌ ॥

・om surācāryāya vidmahe suraśreṣṭhāya dhīmahi |
tanno guruḥ pracodayāt ||
・オーム スラーチャーリヤーヤ ヴィッドゥマヘー スラシュレーシュターヤ ディーマヒ
タンノー グルフ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがスラーチャーリヤ(神々の教師である方)を知り、スラシュレーシュタ(神々の中でもっとも尊い方)を瞑想できるように
グル(木星)よ、我らを導き給え

शुक्र(śukra、シュクラ(金星))
・ॐ रजदाभाय विद्महे भृगुसुताय धीमहि ।
तन्नः शुक्रः प्रचोदयात्‌ ॥

・om rajadābhāya vidmahe bhṛgusutāya dhīmahi |
tannaḥ śukraḥ pracodayāt ||
・オーム ラジャダーバーヤ ヴィッドゥマヘー ブリグスターヤ ディーマヒ
タンナハ シュクラハ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがラジャダーバ(銀色の栄光)を知り、ブリグスタ(ブリグの息子)を瞑想できるように
シュクラ(金星)よ、我らを導き給え

शनीश्वर(śanīśvara、シャニーシュヴァラ(土星))
・ॐ काकध्वजाय विद्महे खड्गहस्ताय धीमहि ।
तन्नो मन्दः प्रचोदयात्‌ ॥

・om kākadhvajāya vidmahe khaḍgahastāya dhīmahi |
tanno mandaḥ pracodayāt ||
・オーム カーカドゥヴァジャーヤ ヴィッドゥマヘー カドゥガハスターヤ ディーマヒ
タンノー マンダハ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがカーカドヴァジャ(カラスの旗を持つ方)を知り、カドガハスタ(刀を手にした方)を瞑想できるように
マンダ(遅い方)よ、我らを導き給え

राहु(rāhu、ラーフ)
・ॐ नाकध्वजाय विद्महे पद्महस्ताय धीमहि ।
तन्नो राहुः प्रचोदयात्‌ ॥

・om nākadhvajāya vidmahe padmahastāya dhīmahi |
tanno rāhuḥ pracodayāt ||
・オーム ナーカドゥヴァジャーヤ ヴィッドゥマヘー パドマハスターヤ ディーマヒ
タンノー ラーフフ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがナーカドゥヴァジャを知り、パドマハスタ(蓮を手にした方)を瞑想できるように
ラーフよ、我らを導き給え

केतु(ketu、ケートゥ)
・ॐ चित्रवर्णाय विद्महे सर्परूपाय धीमहि ।
तन्नः केतुः प्रचोदयात्‌ ॥

・om citravarṇāya vidmahe sarparūpāya dhīmahi |
tannaḥ ketuḥ pracodayāt ||
・オーム チトラヴァルナーヤ ヴィッドゥマヘー サルパルーパーヤ ディーマヒ
タンナハ ケートゥフ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがチトラヴァルナを知り、サルパルーパ(蛇の姿をする方)を瞑想できるように
ケートゥよ、我らを導き給え

ナヴァグラハ・ビージャ・マントラ

一生懸命に働いても、よい行いをしていても、人生で辛いときというのはあるものです。
この理由の背後には、避けることのできない惑星の悪い配置、ホロスコープの影響があるとされます。
ヴァラーハミヒラのような古代の天文学者によると、惑星はほぼ直接的に人間に影響をおよぼすとされています。
それと同時に、われわれの祖先は、マントラのような音の波動により、惑星の悪影響を取りのぞく方法を見出しました。

サンスクリット語は神の言語であり、それにより唱えられるマントラは確実な効果をもたらすとされます。
マントラは、広大な身体という宇宙を隅々まで走査する、心と体のウィルス・スキャナーのように働きます。
したがって、マントラを聴いたり、唱えたりすることで、音の波動による力により、人間のすべての病、苦しみ、恐れが取りのぞかれ、平安、よろこび、そして繁栄に満ちた幸せな人生への道が約束されると信じられます。

各々の惑星の悪影響を緩和させるマントラの一つに、ナヴァグラハ・ビージャ・マントラがあります。
「ビージャ」とは、サンスクリット語で「種」をあらわす言葉です。
ビージャ・マントラは、その内部に重要な意味をもち、表面的には意味を持たないことが多いでしょう。
それらの意味は、非常に微細で、神秘的なものです。
ビージャ・マントラの姿は、それを示している神々の姿となります。

スーリヤ(太陽)
ॐ ह्रां ह्रीं ह्रौं सः सूर्याय नमः
om hrāṁ hrīṁ hrauṁ saḥ sūryāya namaḥ
オーム・フラーン・フリーン・フラウン・サハ・スーリヤーヤ・ナマハ

チャンドラ(月)
ॐ श्रां श्रीं श्रौं सः चन्द्रमसे नमः
om śrāṁ śrīṁ śrauṁ saḥ candramase namaḥ
オーム・シュラーン・シュリーン・シュラウン・サハ・チャンドラマセー・ナマハ

マンガル(火星)
ॐ क्रां क्रीं क्रौं सः भौमाय नमः
om krāṁ krīṁ krauṁ saḥ bhaumāya namaḥ
オーム・クラーン・クリーン・クラウン・サハ・バウマーヤ・ナマハ

ブダ(水星)
ॐ ब्रां ब्रीं ब्रौं सः बुधाय नमः
om brāṁ brīṁ brauṁ saḥ budhāya namaḥ
オーム・ブラーン・ブリーン・ブラウン・サハ・ブダーヤ・ナマハ

グル(木星)
ॐ ग्रां ग्रीं ग्रौं सः गुरवे नमः
om grāṁ grīṁ grauṁ saḥ gurave namaḥ
オーム・グラーン・グリーン・グラウン・サハ・グラヴェー・ナマハ

シュクラ(金星)
ॐ द्रां द्रीं द्रौं सः शुक्राय नमः
om drāṁ drīṁ drauṁ saḥ śukrāya namaḥ
オーム・ドラーン・ドリーン・ドラウン・サハ・シュクラーヤ・ナマハ

シャニ(土星)
ॐ प्रां प्रीं प्रौं सः शनैश्चराय नमः
om prāṁ prīṁ prauṁ saḥ śanaiścarāya namaḥ
オーム・プラーン・プリーン・プラウン・サハ・シャナイシュチャラーヤ・ナマハ

ラーフ
ॐ भ्रां भ्रीं भ्रौं सः राहवे नमः
om bhrāṁ bhrīṁ bhrauṁ saḥ rāhave namaḥ
オーム・ブラーン・ブリーン・ブラウン・サハ・ラーハヴェー・ナマハ

ケートゥ
ॐ स्रां स्रीं स्रौं सः केतवे नमः
om srāṁ srīṁ srauṁ saḥ ketave namaḥ
オーム・スラーン・スリーン・スラウン・サハ・ケータヴェー・ナマハ

帰依者たちを喜びに導くクリシュナ神の千の御名

神の言語であるサンスクリット語による祈りは、精神的・肉体的な問題を癒すヒーリング・サウンドとして作用し、人々の願望や、魂の欲求を満たすことができると信じられています。
その一つに、帰依者たちを喜びに導くクリシュナを讃える千の御名(クリシュナ・サハスラナーマ)があります。

クリシュナはヴィシュヌ神の8番目の化身として知られ、バガヴァッド・ギーターの中心人物です。
悪の勢力を滅ぼす勇敢な英雄としても有名です。
クリシュナはよく笛(ムラリー)を奏でる姿で画かれていますが、それは人々に愛のメロディーを奏で、愛を広めることをあらわしています。
またクリシュナは最愛の牧女であり愛の権化とされるラーダーとともに画かれることも多く、人々にはラーダー・クリシュナとして礼拝されています。
ラーダー・クリシュナは、愛の本質の象徴であり、人間と神との愛をあらわしています。

クリシュナは、幼少の頃からさまざまな神の遊戯(リーラー)にまつわる逸話があります。
ミルクが欲しくて泣きわめくクリシュナを、母ヤショーダが忙しく聞き逃してしまったため、クリシュナが怒って車を蹴り飛ばした逸話。
クリシュナが母ヤショーダの膝の上で寝ているとき、あくびをしたクリシュナの口の中にヤショーダが全宇宙を見た逸話。
クリシュナがフルート売りの女性に、この一握りの穀物とフルートを交換して欲しいといい、一握りの穀物を残してフルートを持ち帰った後、この穀物が宝石に変わった逸話など、クリシュナの魅力溢れる逸話には限りがありません。
そして成人したクリシュナは、人々に愛と正義の本質を身をもって顕現されました。

クリシュナの御名は、至高の意識に到達するための至宝であり、甘露のようなクリシュナの御名を唱えることは、すべての罪を溶かし、苦行にまさる功徳を手にする方法であると言われています。
サンスクリット語での祈りにより、この偉大な力をもつクリシュナとの絆を堅くすることで、私たちの願いが聞きとどけられ、人生のさまざまな局面においてクリシュナの恩寵が降りそそぐでしょう。

ダンヴァンタリ・ガーヤトリー・マントラ


・ॐ वासुदेवाय विद्महे वैद्यराजाय धीमहि ।
तन्नो धन्वन्तरि प्रचोदयात् ॥

・om vāsudevāya vidmahe vaidyarājāya dhīmahi ।
tanno dhanvantari pracodayāt ॥
・オーム ヴァースデーヴァーヤ ヴィッドゥマヘー ヴァイディヤラージャーヤ ディーマヒ
タンノー ダンヴァンタリ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがヴァースデーヴァを知り、ヴァイディヤラージャ(医者の王)を瞑想できるように
ダンヴァンタリよ、我らを導き給え

ダンヴァンタリは、普遍的知識の化身、またヴィシュヌ神の化身といわれています。
ダンヴァンタリは、神々が乳海を攪拌した際に生まれたとされ、その4本の手には、ハーブとアムリタの入った壷を携えています。
医学の創始者、アーユルヴェーダの創始者であり、ハーブなどを用いたアーユルヴェーダ療法、または外科的方法によって多くの病を治しました。
ダンヴァンタリは、現在でも帰依者の真摯な祈りに応え、さまざまな恩寵を与え続けていると信じられています。

シャニ・ガーヤトリー・マントラ


・ॐ काकध्वजाय विद्महे खड्गहस्ताय धीमहि ।
तन्नो मन्दः प्रचोदयात्‌ ॥

・om kākadhvajāya vidmahe khaḍgahastāya dhīmahi |
tanno mandaḥ pracodayāt ||
・オーム カーカドゥヴァジャーヤ ヴィッドゥマヘー カドゥガハスターヤ ディーマヒ
タンノー マンダハ プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがカーカドヴァジャ(カラスの旗を持つ方)を知り
カドガハスタ(刀を手にした方)を瞑想できるように
マンダ(遅い方)よ、我らを導き給え

土星の神であるシャニ神に捧げられるガーヤトリー・マントラです。
ヴェーダの神話においては、土星は太陽の息子であり、太陽の影の妻チャヤの下に生まれました。
太陽の第一婦人サンジャナの子供たちのひとりから怒りを買い、足を折られてしまったために、土星は足が不自由です。
足を引きずって歩くことから、惑星の中で一番ゆっくりと進みます。
マンダ(遅いもの)としても知られる土星は、一般的にサディ・サティ(7年半続く)や、アシュタマ・シャニ(第8室にあり、2年半続く)といったある特定のハウスに位置するとき、人に逆境をもたらすことで知られています。

さまざまな問題や心配事を緩和するシャニ神の千の御名

神の言語であるサンスクリット語による祈りは、精神的・肉体的な問題を癒すヒーリング・サウンドとして作用し、人々の願望や、魂の欲求を満たすことができると信じられています。その一つに、土星の神であるシャニ神を讃える千の御名(シャナイシュチャラ・サハスラナーマ)があります。

シャナイシュチャラ(サンスクリット語で、ゆっくり動くものの意味)は、恩寵を与える者、そして破壊する者の両側面があることで知られています。スーリヤ(太陽)とチャーヤー(スーリヤの侍女、影の意味)の間にできたシャナイシュチャラ(土星)は、9惑星の中でも、もっとも恐れられています。それは、生涯にわたり、人々の幸福を左右する存在であるとされているからです。しかし、シャナイシュチャラへの祈りは、さまざまな問題や心配事を緩和する力があります。

インド占星術では、土星は、注意力の欠如や無知をあらわしています。そして、長寿、不幸、悲哀、老化、死、規律、制約、責任、遅延、野心、リーダーシップ、権威、謙そん、実直、英知などのカーラカ(指示体)、また禁欲生活、拒絶、無執着、霊性、苦行、組織、現実、時なども示しています。

ホロスコープ上で、土星が他の惑星とどのような関係を持つか、どのような位置にあるかで、人の一生を通じて影響を与えつづけると信じられています。シャナイシュチャラは、各ラーシには2年半滞在します。ホロスコープ上において、出生時の月の位置を第1室とした場合、第12室、第1室、第2室を土星が通過する期間は、ナートゥ・シャニと呼ばれ、それは7年半続きます。また第4室にあるときには、アルダーシュタマ・シャニと呼ばれ、第8室にあるときには、アシュタマ・シャニと呼ばれます。このような期間は、問題に直面しやすい時期であるとされています。
一生涯において、7年半続くナートゥ・シャニはおよそ3度巡ってきます。最初のサイクルはマング・シャニと呼ばれ、本人よりもむしろ近親者に影響があるとされます。第2サイクルはポーング・シャニと呼ばれ、家庭内や事業面での影響があるとされます。第3サイクルは、マーラナ(死)・シャニと呼ばれ、子供、家族、健康面に影響を与え、本人の死を意味することもあります。
そして政治問題、配偶者、子供、ビジネスの後退、財産の損失、病などは、土星のトランジットによって引き起こされます。

しかし、シャナイシュチャラは、有益なグラハ(惑星)です。なぜなら、困難なくして成就はありえず、そしてまた、どのような困難であろうとも、心からの祈りによって克服することができるからです。シャニ神の祈りに耳を傾け、その力に触れることで、さまざまな問題や心配事を緩和することができるでしょう。

罪を破壊する最高神であるヴェーンカテーシュヴァラを讃える千の御名

神の言語であるサンスクリット語による祈りは、精神的・肉体的な問題を癒すヒーリング・サウンドとして作用し、人々の願望や、魂の欲求を満たすことができると信じられています。その一つに、罪を破壊する最高神であるヴェーンカテーシュヴァラを讃える千の御名(ヴェーンカテーシュヴァラ・サハスラナーマ)があります。

ヴェーンカテーシュヴァラという名前は、サンスクリット語の複数のパーツに分かれています。Ven(罪)、kata(破壊者)、ishwara(最高神)。この語源から、ヴェーンカテーシュヴァラは、罪を破壊する最高神とされます。ヴィシュヌは信者への愛から、カリユガの時代における人類の救済と幸福のためにヴェーンカテーシュヴァラへと化身し、姿を現したとされ、この時代のヴィシュヌの最高の形であると考えられています。

ヴェーンカテーシュヴァラは、バラジ、ヴェーンカタチャラパティ、ゴーヴィンダなど、幅広い名前で知られています。シュリー女神(ラクシュミー女神の別名)は、ヴェーンカテーシュヴァラの胸に鎮座しているため、シュリーニヴァーサ(シュリーが宿る者)とも呼ばれています。

ヴェーンカテーシュヴァラには、ある興味深い神話が伝わります。

天で幸せに暮らしていたヴィシュヌ神とラクシュミー女神。ある出来事がきっかけで、怒ったラクシュミー女神が地上に降りてきてしまいます。ヴィシュヌ神はラクシュミー女神を追いかけ地上に舞い降ると、ティルマラの丘で瞑想を始めました。その後、ヴィシュヌ神はヴェーンカテーシュヴァラの姿となり、やがてラクシュミー女神の化身であるパドマーヴァティー女神に出会います。

ヴェーンカテーシュヴァラは、パドマーヴァティー女神と結婚をしようと求婚するも、その結婚には莫大な費用が必要でした。すると、ヴェーンカテーシュヴァラは財宝の神であるクベーラ神に頼み、その費用を借りることにします。しかし、費用は莫大で、ヴェーンカテーシュヴァラは今でも、クベーラ神にその借金を返し続けているのだといわれます。

その借金がどのように返済されるのかといえば、人々から捧げられるお布施です。ヴェーンカテーシュヴァラは、人々からありがたくお布施を受け取ると、代わりにその願いをなんでも叶えてくれるのだといわれます。

祈りや信仰が廃れるといわれるこの時代、ヴェーンカテーシュヴァラの御名を聞くことで、罪は清められ、願いを叶えるための第一歩を踏み出すことができるでしょう。