ヴァラ・ラクシュミー・ヴラタ2020

ashta lakshmi

2020年7月31日はヴァラ・ラクシュミー・ヴラタの吉日です。

ヴァラ・ラクシュミー・ヴラタは、富や幸運の女神であるラクシュミー女神へ捧げられるお祈りです。神聖なシュラヴァナ月、満月を迎える前の女神の日である金曜日に、主に南インドで行われる祝祭です。

ヴァラ・ラクシュミー・ヴラタには、ある言い伝えがあります。

子どもを愛し、そして尽くす信心深い女性の夢にラクシュミー女神が現れ、喜びを伝えます。朝目を覚ました女性は、ラクシュミー女神の恩恵を確かめるために、身を清め祈り始めました。これを見た他の女性たちも同じようにラクシュミー女神への礼拝を始め、広まっていったとされています。

ラクシュミー女神は、富や幸運を司る女神です。私たちが所有するもの、例えば土地や財産、家畜や穀物など、また形ではなくとも、純粋さや忍耐と言った美徳も、私たちの富であり、栄光であります。

物質的な豊かさだけでなく、目には見えない心の豊かさを授けるラクシュミー女神には、アシュタ・ラクシュミーと呼ばれる8つの姿があります。この8つの姿すべてに祈りを捧げてはじめて、ラクシュミー女神を完全に礼拝したともいわれます。

ヴァラ・ラクシュミー・ヴラタにおいてアシュタ・ラクシュミーを思う人々には、この8つの力としてのラクシュミー女神の祝福が授けられると信じられます。

・ॐ आदि लक्ष्म्यै नमः
ॐ धन लक्ष्म्यै नमः
ॐ धान्य लक्ष्म्यै नमः
ॐ गज लक्ष्म्यै नमः
ॐ संतान लक्ष्म्यै नमः
ॐ वीर लक्ष्म्यै नमः
ॐ विद्या लक्ष्म्यै नमः
ॐ विजय लक्ष्म्यै नमः
・om ādi lakṣmyai namaḥ
om dhana lakṣmyai namaḥ
om dhānya lakṣmyai namaḥ
om gaja lakṣmyai namaḥ
om saṁtāna lakṣmyai namaḥ
om vīra lakṣmyai namaḥ
om vidyā lakṣmyai namaḥ
om vijaya lakṣmyai namaḥ

・オーム アーディ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ダナ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ダーニャ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ガジャ ラクシュミャイ ナマハ
オーム サンターナ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ヴィーラ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ヴィディヤー ラクシュミャイ ナマハ
オーム ヴィジャヤ ラクシュミャイ ナマハ
・意味:原始のラクシュミー女神に帰依いたします。
金を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
穀物(豊穣)を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
象(権力)を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
子孫を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
勇気を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
知識を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
勝利を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。

※アシュタ・ラクシュミーの名前は地域や宗派によって異なる場合があります。

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Varalakshmi_Vratam

クリシュナ降誕祭

2020年8月11日、12日はクリシュナ神の降誕祭です。

クリシュナ降誕祭には、クリシュナ・ジャヤンティ、クリシュナ・ジャンマーシュタミー、ゴークラーシュタミー、クリシュナーシュタミーなどさまざまな名称があります。

クリシュナ降誕祭は、地域や教派によって行われる日程が異なります。
これは、伝統的なインド占星術によると、クリシュナ神の誕生日が、シュラヴァナ月の2回目の満月から新月に向かう8日目(アシュタミー)で、月の星座(ラーシ)がヴリシャバ(牡牛座)、ナクシャトラがローヒニーであることに由来します。

クリシュナ降誕祭は、上記すべての条件が揃う必要がありますが、多くのヒンドゥー教派の暦では、すべてが一致することがほとんどありません。

教派によっては、満月から新月に向かう8日目(アシュタミー)を重視するところもあれば、ナクシャトラがローヒニーであることを重要視する教派もあります。そのため、ヒンドゥー教派ごとに、独自の基準を設けて、クリシュナ神の降誕祭を祝うため、地域や教派によって、日程に違いが生じるようです[1]。(2020年は、8月11日、もしくは12日に祝福が行われます。)

ところで、クリシュナ降誕祭の日に、もっとも重要とされるマントラは、「オーム ナモー バガヴァテー ヴァースデーヴァーヤ」といわれます[2]。この日は、バジャンやキールタン、また瞑想や断食を行い、クリシュナを念想しながら神聖な1日を過ごします。
またこの日にできるもっとも簡単で偉大なクリシュナ神への礼拝は、バガヴァッド・ギーターを読むことであるといわれます。
バガヴァッド・ギーターを読むことは、クリシュナの偉大な教えを私たちに思い起こし、クリシュナを讃える最高の礼拝方法であるとされています。

また以下のような簡潔なクリシュナ・プージャーを行う事もできます[3]。

1.身体を洗い清め、静かで清浄な場所を用意します。
2.クリシュナ神とガネーシャ神の像や絵画を設置します。
3.ランプと花・果物・お菓子をお皿に用意します。
4.ガネーシャ神に祈りを捧げます。
5.心を落ち着かせるために、数分間瞑想します。
6.ランプに火を灯します。
7.クリシュナ神への瞑想または祈りを捧げます。
8.花を捧げ、お香を焚きます。トゥラシーの葉があればベストです。また花を捧げるときに、ベルを鳴らしても良いでしょう。
9.「オーム・ナモー・バガヴァテー・ヴァースデーヴァーヤ」あるいは「オーム・ナモー・ヴァースデーヴァーヤ・ナマハ」のマントラを唱えます。
10.このとき、用意した果物やお菓子、食物を捧げます。その後、聖水をふり撒いても良いでしょう。
11.この後、数分間瞑想するか、バガヴァッド・ギーターを読んだりして、神聖な時を過ごします。

プージャーの後は、果物やお菓子は、プラサード(神のお下がり)として、皆でいただくことができます。

クリシュナは、ギーターの中で、行為のすべてを彼に捧げ、彼を信愛することの大切さを説いています。魅力溢れる彼の人生を学び、クリシュナへの想いで、この神聖な1日を過ごすことができれば、クリシュナはきっとその想いに応えてくれるに違いありません。
皆さまにクリシュナ神の祝福がありますように。

[1]”Why is Sri Krishna Jayanti celebrated on two different days?”, http://www.hindu-blog.com/2007/08/why-is-sri-krishna-jayanti-celebrated.html
[2]”Significance of Sri Krishna Jayanti”, http://www.hindu-blog.com/2007/09/significance-of-sri-krishna-jayanti.html
[3]”How to do a Simple Shri Krishna Puja?”, http://www.hindu-blog.com/2008/08/how-to-do-simple-shri-krishna-puja.html

ハリヤーリー・ティージ(ブランコ祭り)2020

2020年7月23日はハリヤーリー・ティージの祝日です。

ハリヤーリー・ティージは、シュラヴァナ月の新月より3日目に、パールヴァティー女神を礼拝する吉日です。インドでは、新月から3日目は「ティージ」と呼ばれ、このシュラヴァナ月のティージはとりわけ吉兆とされています。

この日は、夫シヴァ神のために大変な苦行を行ったパールヴァティー女神に捧げられ、女性たちは夫の幸せと家庭の繁栄を願い祈りを捧げます。

主に北インドでは、モンスーンを迎え大地が潤い緑が濃くなることから、多くの女性たちが緑色のサリーやバングルを身にまとい祝福を行います。この時はハリヤーリー・ティージとされますが、ハリヤーリーは緑を意味しています。

一部の地域では木々に吊るしたブランコに乗ってその喜びを表現し祝福することから、このハリヤーリー・ティージはブランコ祭りとしても広く知られています。

この日に行われる祈りや断食は、家庭のさまざまな問題を取り除き、平安をもたらすと特に信じられています。

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Teej

シュラヴァナ月のシヴァラートリー(2020年)

2020年は7月19日に、シュラヴァナ月のシヴァラートリーを迎えます。

シヴァ神を礼拝する重要なひと月であるシュラヴァナ月のシヴァラートリーは、シヴァ神を礼拝するこの上ない吉祥な時です。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大きな祝祭や巡礼は中止となっていますが、通常であれば、吉祥なシヴァラートリーが近づくこの時期のガンジス川の周辺では、カーンワル・ヤートラーがピークを迎えます。

シュラヴァナ月のシヴァラートリーには、ガンジス川の聖水を用いたシヴァリンガムへのアビシェーカが欠かせません。
カーンワル・ヤートラーは、カーンワルと呼ばれる水壺のついた天秤棒を担いでガンジス川流域へ赴き、ガンジス川の聖水を水壺に入れ、故郷へと戻る巡礼です。
ガンジス川流域は、サフラン色の装束を身にまとい、天秤棒を担いで歩く巡礼者の熱気に包まれます。

首都のデリー近郊から聖地のハリドワールまで、巡礼者のために道路が規制される地域もあります。
決して地面につけてはならないとされる天秤棒を下げるための柵もあちこちに設けられます。
全行程を裸足で行う巡礼者も多く、とても過酷な歩みであっても、ガンジス川の聖水を自分の生まれた町へと持ち帰る重要な役割であり、巡礼者に選ばれることはとても名誉なことだと言われています。

2020年のシュラヴァナ月のシヴァラートリーにおける、ニシータ・カーラの時間は以下の通りです。
ニシータは「真夜中」、カーラは「時間」を意味し、このニシータ・カーラの時に、シヴァ神はシヴァリンガとして地上に顕現すると考えられています。

【インド(ニューデリー)】
プージャーに適した時間:2020年7月19日24時07分(20日)~24時10分(20日)

【日本(東京)】
プージャーに適した時間:2020年7月19日23時28分~24時07分(20日)

皆様もどうぞ神聖なシヴァラートリーをお迎えください。

参照:2020 Sawan Shivaratri Date

カルキ・ジャヤンティ2020

kalki

2020年7月25日はカルキ・ジャヤンティ(降誕祭)です。

カルキはヴィシュヌ神の10番目の化身と信じられ、「永遠」や「時間」を象徴します。その名には、「不潔」や「汚物」という意味があり、悪や暗闇、無知を破壊する者として崇められます。

カルキはカリ・ユガの最後に現れ、世界の悪をすべて滅ぼし、新たな世界を築くと信じられています。シュラヴァナ月(7~8月)の新月から6日目に誕生すると信じられており、2020年は7月25日にあたります。

カルキ・プラーナには、シャンバラという村に生まれることも記されています。白い馬に乗り、剣をもって描かれます。雷や大雨、厳しい日照りなどが関連付けられることも多く、古代の人々が大自然の破壊と不要な要素の破壊を示唆していたとも伝えられています。

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Kalki

ナーガ・パンチャミー2020

7月に入ると、暑季が続いていた広大なインドの大地に、恵みの雨が降り注ぎます。
乾いた大地が潤い始めるこの時は、シュラヴァナ月(7月~8月)と呼ばれ、1年の中でもっとも神聖な月とされています。
一説に、天地創造の神話である「乳海撹拌」は、このシュラヴァナ月に起きたと伝えられます。

この神聖なシュラヴァナ月における祝祭のひとつに、ナーガ・パンチャミーと呼ばれる蛇神を讃える祝祭があります。
ナーガ・パンチャミーはシュラヴァナ月の新月から5日目に祝福され、2020年は7月25日に迎えます。
雨季に入り、さ迷い出る蛇の被害を受けないよう、祈りを捧げたことがこの祝祭の始まりだと伝えられます。

インドでは広く、蛇は多産や豊穣の象徴とされ、また脱皮を繰り返す姿が輪廻と不死の象徴として崇められてきました。
宇宙を維持するヴィシュヌ神は、永遠を意味する「アナンタ」という大蛇に横たわり眠っています。
私たちの内に存在する根源的な生命エネルギーもまた、尾てい骨に蛇のようにとぐろを巻いて眠っていると言われます。
「クンダリニー」と称されるそのエネルギーは、古代より、多くの探求者がその覚醒に努めてきたものに他ありません。

一方で、シヴァ神は首にぐるりと三周巻きついた蛇と共に描かれます。
三周の蛇は、過去、現在、未来の三つのサイクルを象徴していると伝えられ、それを身につけるシヴァ神は、心の動きによって生じる「時」を超越した、永遠の存在であることを示しているのだと言います。

そんなシヴァ神は、乳海攪拌の過程において生み出された猛毒ハラーハラを飲み、世界を救いました。
一説に、シヴァ神が飲んだ猛毒ハラーハラの一部はこの地にこぼれ落ち、今でも蛇がその毒を宿しているといわれることがあります。

霊性修行の道のりが記された神話としても伝えられる乳海撹拌において生み出された猛毒ハラーハラは、強欲や執着、嫉妬や愛憎、怒気や慢心など、私たちの揺れ動く心から生まれるネガティブな質に例えられます。
揺れ動く私たちの心は、まるで、くねくねと動き回る蛇のようであり、この地にこぼれ落ちた猛毒は、私たちの心を通して、面に湧き出てくるのかもしれません。

夏至を過ぎ、冬至に向かい始める今は、夜が少しずつ長くなり、人々の心に大きく作用する冷たい月の影響が出てくるといわれます。
今この時、慈悲深いシヴァ神に心を定めることで、時に猛毒のような苦悩を生み出す心の働きは静まり、あらゆるネガティブな質を制御することができるでしょう。
そうして一人ひとりの心が清らかになる時、シヴァ神が願うように、この世界には平和が満ちるに違いありません。

参照:Naga Panchami

シュラヴァナ月のマンガル・ガウリー・ヴラタ

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2020年7月6日〜8月3日は、シュラヴァナ月です(地域によっては7月21日から8月19日となります)。シュラヴァナ月はヒンドゥー暦の5番目の月であり、1年の中でとりわけ神聖な月とされています。

シュラヴァナ月はシヴァ神を礼拝する吉祥な月であり、多くの人々が月曜日に断食や瞑想を行います。この行いは、シュラヴァナ・ソーマヴァーラ・ヴラタと呼ばれます。

一方でシュラヴァナ月の火曜日は、マンガル・ガウリー・ヴラタと呼ばれる、シヴァ神の妃パールヴァティー女神への礼拝が行われます。これは主に、幸せな結婚を願う既婚・未婚の女性たちによって行われるもので、この間に断食や瞑想を行うことで、パールヴァティー女神が喜び、幸せな結婚が授けられると信じられています。この行いは、シュラヴァナ月の火曜日から続けて16週間行われる慣習もあります。

結婚生活に大きな影響を与える占星術的な影響として、マンガル・ドーシャが広く知られています。これは、行動を象徴する惑星である火星がもたらす悪影響であり、結婚の遅れや不協和を引き起こすと信じられてきました。

マンガル・ガウリー・ヴラタを行うことで、結婚に関するさまざまな障壁が取り除かれると伝えられます。未婚の女性たちは婚期が早まり、より良い人生のパートナーを獲得し、既婚の女性たちには夫の健康と、幸せな結婚生活が授けられると信じられます。

パールヴァティー女神は、シヴァ神と結婚をするために、大変な苦行を行いました。それ故、シヴァ神を礼拝するもっとも神聖な時と伝えられるシュラヴァナ月にパールヴァティー女神を崇拝することにより、幸せな結婚生活が授けられる恩恵が与えられると信じられています。

マンガル・ガウリー・ヴラタにおいては、以下のマントラを唱えることが勧められます。以下のマントラは、ドゥルガー・サプタ・シャティー(デーヴィー・マーハートミャ)の11章にあたります。


सर्वमङ्गलमाङ्गल्ये
शिवे सर्वार्थसाधिके ।
शरण्ये त्र्यम्बके गौरि
नारायणि नमोऽस्तु ते ॥
sarvamaṅgalamāṅgalye
śive sarvārthasādhike |
śaraṇye tryambake gauri
nārāyaṇi namo‘stu te ||

サルヴァ・マンガラ・マーンガリェー
シヴェー・サルヴァールタ・サーディケー
シャランニェー・トリャンバケー・ガウリ
ナーラーヤニ・ナモー・ストゥ・テー
・意味:あらゆる吉兆の中の吉兆である女神よ、
あらゆる望みを叶える女神よ、
すべての者の拠り所である女神よ、
三界を統べる女神よ、
光輝、窮極の意識の顕れである女神よ、
あなたに帰依いたします。
意訳:母なる女神よ、
あなたは真善美の本質です。
あなたはもっとも吉兆な光を放ち、子どもたちを優しく包み込みます。
一目見るだけで子どもたちを守り、養い、浄化する、美しい三眼を持つ母よ。
その三眼でつねに子どもたちを見守るあなたに、心を込めて帰依いたします。

アムブバーチー・メーラー2020

2020年6月22日から26日にかけ、インド東部アッサム州では、カーマーキャー女神の寺院にてアムブバーチー・メーラーと呼ばれる祭典が執り行われます。

カーマーキャー女神はシヴァ神の最初の妻であったサティに近い存在であると言われ、また、カーリー女神とも捉えられます。

カーマーキャー女神の寺院は51のシャクティ・ピータ(シヴァ神の最初の妻サティの身体の一部一部がある場所)の一つに数えられ、女神崇拝に熱心な人々にとっては欠かすことの出来ない聖地です。

この祭典は、年に一度訪れるカーマーキャー女神の月経にあたると言われ、毎年5月から6月に行われます。大地を潤すモンスーンに重なり、「創造」と「育み」の象徴である母なる大地の月経にあたると信じられています。

月経の間は不浄のエネルギーが排出されるということから、祭典中、その期間にあたる3日間は寺院の扉が閉ざされ、帰依者も自身を清める行いを努めます。3日後に再び扉が開かれ、清められた心身で、女神の祝福を受けると言われています。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、寺院の僧侶による儀式は執り行われますが、一般の巡礼者を含む盛大な祭典は中止されています。中止となるのは、記録が残る寺院が再建された1565年以降、初めてのこととされています。

参照:No Ambubachi Mela at Guwahati’s Kamakhya Temple this year due to COVID-19

アーシャーダ・グプタ・ナヴァラートリー2020

インドの盛大な祝祭の一つに、女神を讃える9日間の夜「ナヴァラートリー」があります。この祝祭は春と秋の2回行われることで有名であり、春はラーマ・ナヴァミー、また秋はダシャラーと共に、盛大な祝福が行われます。

このナヴァラートリーは春と秋の2回が有名ですが、もう2回、年に計4回祝福が行われます。その一つが、6月22日より始まるアーシャーダ・グプタ・ナヴァラートリーです。

このナヴァラートリーは、アーシャーダ月(6月〜7月)の新月の次の日より9日間に渡り、主にシャクティ派の人々によって祝福されます。2020年は、6月22日から6月30日まで行われます。

ナヴァラートリーは、ドゥルガー、ラクシュミー、サラスワティー女神を9日間に渡りお奉りする祝祭です。はじめの3日間は心の中に潜む不純物や悪徳、欠点を破壊するため、強力な戦士でもあるドゥルガー女神を礼拝します。次の3日間は、すべての帰依者に尽きることのない富と幸福を授けるといわれるラクシュミー女神を礼拝し、最後の3日間は、創造主ブラフマーの妻であり、学問と芸術、そして叡智を授ける女神であるサラスワティー女神を礼拝します。女神の9つの姿もまた、この時に讃えられます。

ナヴァラートリーの期間中、真摯な帰依者の中には、断食をしながら、健康や繁栄を願って祈りを捧げる人々もいます。季節の移り変わりに訪れるこのナヴァラートリーは、自身の日々の生活を見つめ直して、人生の向上につながる新しい習慣をはじめるこの上ない吉祥の日であるといわれています。

皆さまもどうぞお体をご自愛の上、吉兆な時をお過ごしください。

参照:2020 Ashadha Gupta Navratri

シュラヴァナ・マース2020

2020年7月6日〜8月3日は、シュラヴァナと呼ばれる神聖な期間に入ります(地域によっては7月21日から8月19日となります)。

シュラヴァナ月(シュラヴァナ・マース)は、ヒンドゥー暦の5番目の月であり、もっとも神聖な月の1つです。この月は、チャトゥル・マース(4つの聖なる月)の最初の月にあたり、多くの祭典や吉兆の日で満たされています。
満月の日やシュラヴァナ月の期間は、ヴェーンカテーシュヴァラ神の誕生星である「シュラヴァナ」が天球を支配するため、この月はシュラヴァナ月と呼ばれるようになったといわれます。

特に、シュラヴァナ月の月曜日は、もっとも重要といわれます。この日は、シヴァ神に敬意を示し、多くの帰依者たちが、名高いソームヴァール・ヴラット(月曜絶食)を行います。
またシヴァ寺院では、この期間の月曜日は、一日中シヴァリンガムに聖水を浴びせ、シヴァ神を讃えます。

伝説によると、天地創造の神話であるサムッドラ・マンタン(乳海攪拌)は、この月に起きたといわれています。
シヴァ神が、世界を救うためにハラハラの毒を飲んだ結果、シヴァ神の喉は青くなってしまいました。そのため、シヴァ神は、ニーラ・カンタ(青い喉)と呼ばれるようになりました。
またその毒は、あまりに強力であったために、毒の影響を和らげるために、シヴァ神は三日月を頭に乗せて冷やしました。他の神々たちは、ガンジスの水をシヴァ神に浴びせ、毒の影響を和らげようとしました。
シヴァ神の頭に、三日月とガンジス河が描かれているのは、このような言い伝えがあるためです。

シュラヴァナ月の月曜日に、シヴァ神の象徴であるルドラークシャを身につけることはとても功徳ある行為とされています。
またシヴァ神像やシヴァリンガムに、ミルクやガンガージャルを浴びせることは、多くの功徳を積む行為とされています。

シュラヴァナ月に行うと良い行為には、以下のようなものがあります。
・ルドラークシャを身につける。またはルドラークシャ・マーラーでジャパを行う。
・シヴァ神像にヴィブーティをつける。または自身の眉間につける。
・シヴァリンガムにパンチャームリタ(ミルク、ヨーグルト、ギー、蜂蜜、ヤシ糖を混ぜた甘露)を捧げる。
・シヴァ・チャーリーサーやアーラティを唱える。
・マハー・ムリティユンジャヤ・マントラを唱える。
・月曜日に断食をする。未婚女性は、シュラヴァナ月のすべての月曜日に断食をすると、よい男性に巡り会えるといわれています。(シヴァ神はマッチメーカー(仲介役)としても有名な神様です)

またシュラヴァナはサンスクリット語で、「聴聞」の意味があるため、この期間は、グルの講話などを聞くことも大きな功徳を積む行為といわれています。
この神聖な期間を有意義に過ごしましょう。

参照:
Wikipedia, “Shravan”, https://en.wikipedia.org/wiki/Shraavana