秋のナヴァラートリー祭2018

ナヴァラートリーとは、ドゥルガー、ラクシュミー、サラスワティー女神をお奉りするヒンドゥー教の三大祭典のひとつです。「ナヴァ」はサンスクリット語で9をあらわし、「ラートリー」は夜を意味します。したがって、ナヴァラートリーとは、9日間の夜となります。この祭典は、春と秋の年2回、9日間にわたって行われます。ヒンドゥー教のカレンダーでは、月齢にしたがっているために毎年開催時期が多少前後しますが、2018年は10月10日から10月18日まで行われます。

ナヴァラートリーの9日間は、礼拝する神さまに応じて、3日間ずつに分けられます。はじめの3日間は、わたしたちの心の中に潜む不純物や悪徳、欠点を破壊するため、強力な戦士でもあるドゥルガー女神を礼拝します。次の3日間は、すべての帰依者に尽きることのない富と幸福を授けるといわれるラクシュミー女神を礼拝します。そして、最後の3日間は、創造主ブラフマーの妻であり、学問と芸術、そして叡智を授ける女神であるサラスワティー女神を礼拝します。わたしたちは人生のさまざまな局面で、神々からの祝福を求めて、3つの側面をもつそれぞれの女神さまにお祈りを捧げます。そのために、この祭典には9日間が費やされます。

ナヴァラートリーの期間中、真摯な帰依者の中には、断食をしながら、健康や繁栄を願って祈りを捧げる人々もいます。じぶん自身の日々の生活を見つめ直して、人生の向上につながる新しい習慣をはじめるには、昔からナヴァラートリーはこの上ない吉祥の日であるといわれています。

また、ナヴァラートリー祭はドゥルガー・プージャーともいわれ、ドゥルガー女神がとりわけ熱心に崇められる時です。マヒシャースラという悪魔によって世界が征服され大変な混乱に陥っていた時、ブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神の3神が力を合わせると、神々の力をすべて兼ね備えた悪を倒す最強の戦士として、ドゥルガー女神はこの世界にあらわれました。

ドゥルガー女神は9日間の戦いの後にマヒシャースラを倒します。この9日間はナヴァラートリー祭として祝福され、ドゥルガー女神がマヒシャースラを倒した日として最後に迎えるのが、2018年は10月19日のダシャラー祭です。

私たちは悪質な感情や思考の数々にまみれることがあります。季節の変わり目は、そういった悪質がとりわけ強くなる時ともいわれ、まるでマヒシャースラに支配されたかのように、私たちの内は混乱に陥ります。ナヴァラートリー祭は、そんな季節の変わり目に訪れます。9日間にわたる断食や瞑想を通じてドゥルガー女神を呼び覚まし、その力を礼拝することで、自分自身の内は浄化され悪質は倒されます。そうして私たちは清らかな心身を取り戻し、ダシャラー祭を祝福します。

ナヴァラートリーは、自身の内面に潜む不浄な傾向を克服するために、非常に重要な期間とされています。この神聖な期間を活かして、わたしたちの内面に潜む悪魔を討ち滅ぼすことができるよう日々を過ごされてみるとよいでしょう。

参照
[1] “Navaratri” from Wikipedia, Free encyclopedia, http://en.wikipedia.org/wiki/Navratri

ヴィシュヴァカルマン・プージャー2018

vishwakarma

2018年9月17日はヴィシュヴァカルマン・プージャーの吉日です。

ヴィシュヴァカルマン・プージャーは、北インドや東インドにて行われる祝祭です。

ヴィシュヴァカルマンは、インド神話においてあらゆるものを設計した神として知られています。現在でも、物造りや技術の神様として、工場などにおいて広く祀られ崇められています。

ヴィシュヴァカルマン・プージャーはヴィシュヴァカルマンの生誕日だとする説もありますが、あらゆるものを設計し、創造したとされるヴィシュヴァカルマンは全ての起源であるとされることから、生誕日が存在することはつじつまが合わないとする信仰もあります。

それでもこの日は特に、物造りに関わる人々にとってはとりわけ吉兆な時であり、ヴィシュヴァカルマンへのプージャーが熱心に執り行われます。

※ヴィシュヴァカルマン・プージャーは、ガネーシャ降誕祭の最終日であったり、カニャー・サンクラーンティ(太陽が乙女座に変遷する時)であったり、地域や慣習によって異なります。

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Vishvakarman

ラーダー・アシュタミー2018

2018年9月17日はラーダー・アシュタミーです。

ラーダー・アシュタミーは、クリシュナ神の最愛であるラーダーの降誕を祝福する祝祭です。

ラーダー・アシュタミーはクリシュナ神を信仰する人々の間で広く祝福される吉日です。バードラパダ月(8月~9月)のシュクラ・パクシャ(月が満ちる約2週間)の8日目がその時にあたります。

ラーダーは神の愛に目覚めた存在であり、その愛の中に溶け込む個の魂を象徴しています。この日は、神と人間(世界)の神聖な結合をクリシュナの帰依者が祝福します。

ラーダーを讃えるガーヤトリー・マントラをご紹介いたします。


ॐ वृषभानुजायै विद्महे कृष्णप्रियायै धीमहि ।
तन्नो राधा प्रचोदयात्‌ ॥
om vṛṣabhānujāyai vidmahe kṛṣṇapriyāyai dhīmahi |
tanno rādhā pracodayāt ||
オーム ヴリシャバーヌジャーヤイ ヴィッドゥマヘー クリシュナプリヤーヤイ ディーマヒ
タンノー ラーダー プラチョーダヤートゥ
意味:我らがヴリシャバーヌの娘を知り、クリシュナの最愛を瞑想できるように
ラーダーよ、我らを導き給え

マハーラクシュミー・ヴラタ2018

マハーラクシュミー・ヴラタは、主に北インドで行われる、ラクシュミー女神に捧げられる16日間の祈りや断食です。2018年は9月17日に始まり、10月2日まで続きます。

このヴラタ(戒行)では、バードラパダ月(8~9月)シュクラ・パクシャ(月が満ちる約2週間)のアシュタミー(8日目)から、クリシュナ・パクシャ(月が欠ける約2週間)のアシュタミー(8日目)までの16日間、毎日のラクシュミー女神へのプージャーや、断食、もしくは菜食になるなどの食の節制を行います。

一説には、ユディシュティラ(パーンドゥの五王子の長兄で、パーンダヴァ軍の総帥)がクリシュナ神に、失った全てのものを取り戻すにはどうしたらいいか尋ねると、クリシュナ神はこのマハーラクシュミー・ヴラタを行うように説いたと言われています。このマハーラクシュミー・ヴラタを努め上げた者には、必要なものが全て授けられるとも信じられます。

敬虔な人々はこの16日間、食の制限を行い、真摯に祈りを捧げます。この間の祈りはとりわけ強くラクシュミー女神の下へ届き、多くの恵みが授けられると信じられています。

クリシュナ神の祝福を浴びるお祭り

今年は9月2日(もしくは3日)に、いよいよクリシュナ降誕祭を迎えます。
世界中で盛大な祝福が行われるこのクリシュナ降誕祭の中には、ダヒー・ハーンディーと呼ばれる熱狂的なお祝いがあります。
このお祝いは、クリシュナ降誕祭の次の日に行われ、今年は9月3日(もしくは4日)に祝福されます。

ダヒーはヨーグルト、ハーンディーは土壺を意味します。
このお祝いでは、人々が団結をしながら人間ピラミッドを作り、高いところに吊り下げられた土壺をココナッツなどで割ります。
そして、中にはいったダヒーを浴びると、クリシュナ神の大きな祝福があると伝えられています。

いたずら好きなクリシュナ神は、幼少の頃、大好物のバターやヨーグルトを盗んでは食べていました。
高いところに隠されたバターの入った壺を、友人たちと肩車をしながら盗む絵も描かれるほどです。

ダヒー・ハーンディーは、この一場面を真似た祝祭です。
現在ではピラミッドの高さが競われ、インドの数ある祝祭の中でも、とりわけ大きな熱狂に包まれるお祝いとして有名です。
このダヒー・ハーンディーにも、霊性を育むさまざまな教えが秘められています。

例えば、土壺は、私たちの肉体と見ることができます。
そして、その中に入ったダヒーは、肉体をまとった魂のように見えます。
私たちが大いなる至福を得るには、魂の永遠性を理解することが必要であると古代より説かれてきました。
そのためには、肉体は朽ち滅び、いずれ壊れるという事実を理解しなければなりません。
このダヒー・ハーンディーは、肉体から魂を解放する喜びの意味を私たちに伝えているかのようです。

しかし、それは決して簡単ではないことが分かります。
高いところに吊り下げられた土壺を割るには、目標に対する人々の固く定まった心が必要です。
一人の心でも乱れれば、ピラミッドはいとも簡単に崩れ落ち、土壺に届きません。
まるで、神の祝福は手の届かないところにあるもののように見えます。

しかし、クリシュナ神はどんなところに隠されたバターでも見つけ出し、その喜びを手にしてきました。
目標に対し、確かに定まった心があれば、どんな困難をも乗り越え、それを手にすることができるということをクリシュナ神は伝えています。
そうして人生を歩む時、私たちは肉体を超越した永遠の魂という、何よりもの祝福を得ることができるに違いありません。

(文章:ひるま)

ウパーカルマ(アーヴァニ・アヴィッタム)

2018年8月26日は満月となり、インドではシュラヴァナ月が終わりを迎え(一部地域)、兄弟姉妹の愛を深める祝祭、ラクシャ・バンダンが各地で盛大に祝福されます。

この日は、ガーヤトリー女神の降誕祭が祝福される慣習もあり、ブラーフミンの間では「ウパーカルマ(アーヴァニ・アヴィッタム)」という儀式も行われます。ブラーフミンはガーヤトリー マントラを唱えながら、身につけていたブラーフミンとしての象徴である白い聖紐を付け替えます。そして、このウパーカルマ(アーヴァニ・アヴィッタム)の次の日はガーヤトリー・ジャパの日として知られ、ガーヤトリー・マントラを唱える吉兆な時となります。

「ウパーカルマ」は始まりを意味し、シュラヴァナ月の満月は、ヴェーダの学習に取り掛かる大切な日として知られています。そこには、ある言い伝えがあります。

かつて、2人の悪魔マドゥとカイタバによってブラフマーからヴェーダが盗まれました。ヴェーダがないために、全世界が闇に包まれ、ブラフマーは創造を続けることができません。ブラフマーは、主ナーラーヤナのもとへ駆けつけ、ヴェーダを取り戻すための助けを求めました。主ナーラーヤナは光沢のある白い馬の顔の馬頭観音(ハヤグリーヴァ)となり、パーターラ(悪魔の棲む地界)へと行って悪魔を倒し、ブラフマーにヴェーダを取り戻させました。(『シュリー・ハヤグリーヴァ・ウパーサナ』より)

それがまさにこの日であると言われています。ハヤグリーヴァがあらゆる知識が詰まった聖典ヴェーダを創造者ブラフマーのもとへ取り戻したこの日、新しい始まりとして、この神聖なヴェーダの学習が始まります。

この吉兆な時、皆様にも多くのお恵みがありますことを心よりお祈りしております。

ラクシャ・バンダン2018

2018年8月26日は、ラクシャ・バンダンの祝日です。ラクシャ・バンダンについての簡単な解説を、以下Raksha-Bandhan.comよりご紹介させていただきます。

ラキ:愛の紐
ラキは、兄弟・姉妹の愛情で彩られた神聖な紐のお守りです。ラクシャ・バンダン(守護を結ぶの意味)として知られるこの日は、ヒンドゥー暦におけるシュラヴァナ月の満月の日に祝われます。一筋の紐に過ぎないラキは、 愛と信頼の固い絆の中でもっとも美しい関係を結ぶとき、鉄の鎖より強いとみなされます。 また、誰もが助け合い、仲良くするべきという概念を広めるために、ラキの祝日は社会的な意義があります。

伝統と習慣
ラクシャ・バンダンの祝日は、兄弟・姉妹間で分かち合う愛情に捧げられます。 この日、姉妹たちは、兄弟の長寿と祝福を神に祈ります。 姉妹たちは兄弟たちに美しいラキを贈り、兄弟たちはこの世界の悪から姉妹たちを守ることを約束します。この習慣は古くからあり、ここで行われる儀式は地域によって異なりますが、その美しい意義はどこにおいても変わることはありません。

ラキの意味
調和をもたらし、家族をひとつにまとめるために、ラキの祝日には大きな意味があります。ラキは、兄弟・姉妹間の愛、すなわち彼らが子供の頃から共有している愛の絆を表しています。 ラクシャ・バンダンを祝う習慣は遙か昔に遡り、今なお、人々は伝統的な方法でその愛情を表現しようとしています。ラキは、古い時代から、兄弟・姉妹間の愛の絆を強く結びつけてきたのです。

ラキのお祝い
ラクシャ・バンダンのお祝いは、兄弟・姉妹間の穢れのない愛を表す祝日です。 古くから、この祝日は歓喜をもって祝福されてきました。ラキは兄弟・姉妹間の無条件の愛の証です。 女性たちは、少なくとも祝日の2週間前から準備を始めます。その一日を特別な日にするために、人々はラキや贈り物、ラキ・プージャーのプレート、お菓子などを買います。 これはまた、この神聖な祝日を祝うために家族が集まるという一つの機会にもなります。愛する人々の間での贈り物は、この特別な日を心に残る美しい思い出にしてくれます。

出典:Raksha Bandhan, http://www.raksha-bandhan.com/
より翻訳転載

ガネーシャ降誕祭

2018年9月13日は、ガネーシャ・チャトゥルティー(ガネーシャ降誕祭)です。熱心な信奉者は、およそ10日間に渡って毎日ガネーシャ神に祈りを捧げる盛大な祭典です。

ここに、ガネーシャ・チャトゥルティーについて、スワミ・シヴァーナンダのお話をご紹介します[1]。

『至高神であり、シヴァ神の活力であり、祝福の源泉であり、美徳そしてあらゆる試みの成功を授けるブラフマー自身であるガネーシャに礼拝します。

ムシカヴァーハナ・モーダカ・ハスタ
チャーマラ・カルナ・ヴィランビタ・スートラ
ヴァーマナ・ルーパ・マヘーシュワラ・プトラ
ヴィグナ・ヴィナーヤカ・パーダ・ナマステー

意味:
「ヴィナーヤカ神よ!障害を取り除かれる、小柄なシヴァ神の息子。
ねずみを乗り物とし、甘いお菓子を手に持ち、大きな耳と長い鼻を持ったお方。
あなたの蓮華の御足にひれ伏します!」

ガネーシャ・チャトゥルティーは、インドのお祭りの中でももっとも人気のあるお祭りのひとつです。この日は、ガネーシャの誕生日にあたります。これは、ガネーシャにとって、もっとも神聖な日となります。インドの太陰太陽暦では、バードラパダ月(8月〜9月)の新月から4日目にあたります。このお祭りは、インド国内はもちろんのこと、ガネーシャを信奉する世界中の人々によって祝福されます。

このお祭りでは、土のガネーシャ像が作られて、2日間から地域によっては10日間お祈りが捧げられた後、川に流されます。

ガネーシャ神は、象の頭をした神様です。そして、お祈りの最初にまず崇められます。神聖な仕事がされる前、さまざまな祈祷が行われる前には、ガネーシャの御名が最初に唱えられます。

ガネーシャは、力と英知の神様です。ガネーシャは、シヴァ神の長男であり、軍神スカンダ(カールッティケーヤ)の兄にあたります。ガネーシャは、シヴァ神の源泉であるため、シャンカラとウマー・デーヴィーの息子ともいわれます。母親にとって、ガネーシャ神を礼拝することは、子供たちにガネーシャのような美徳を身につけてほしいとの願いが込められます。

次の物語は、象の頭をどのようにしてもつようになったかという、ガネーシャの誕生にまつわるお話です。

昔、ガウリー女神(シヴァ神の妃)が沐浴をしている時、彼女の身体から出た垢から、真っ白なガネーシャを作り、家の玄関に置きました。彼女は、自分が沐浴をしている間は、決して誰も中に入れてはならないと、ガネーシャに言い聞かせました。すると、そこへシヴァ自身が、急いで家に帰ってきましたが、玄関でガネーシャに止められてました。シヴァは怒り、ガネーシャを門外漢だと思い込んで、彼の首を切り落としてしまいました。

それを知ったガウリーは、悲哀に暮れました。彼女の悲しみを慰めるために、シヴァ神は家来たちに、北を向いて寝ている生き物を探し出し、その生き物の首をここへ持ってくるよう命令しました。家来たちはさっそく行動に移し、象だけがその方向へ向いて寝ているのを見つけました。こうして象が生贄となり、象の首がシヴァに届けられました。すると、シヴァ神は、象の首をガネーシャの身体につなぎ合わせました。

シヴァは、仕事、結婚、旅行、学問、その他すべての行為の始めに、ガネーシャを礼拝の対象にするようにしました。そして、毎年、バードラパダ月(8月〜9月)の新月から4日目に、ガネーシャの礼拝を行うことを定めました。

ガネーシャの恩寵と援助がなければ、どのような試みも達成することができません。私たちのすべての行為は、ガネーシャの援助、恩寵、祝福によって支えられています。

マハーラーシュトラの子供たちは、アルファベットの最初のレッスンは、「オーム・シュリー・ガネーシャーヤ・ナマハ」という、ガネーシャ神のマントラ(真言)から始まります。そうしてはじめて、アルファベットが教えられるのです。

次の名前は、ガネーシャ神に共通の名前です。
ドゥームラケートゥ、サンムカ、エーカダンタ、ガジャカルナーカ、ランボーダラ、ヴィグナラージャ、ガナーディヤクシャ、パラチャンドラ、ガジャーナナ、ヴィナーヤカ、ヴァックラトゥンダ、シッディヴィナーヤカ、スールパカルナ、ヘーランバ、スカンダプールヴァジャ、カピラー、ヴィグネーシュヴァラ等。そして、ガネーシャ神は、マハー・ガナパティとしても知られています。

ガネーシャ神のマントラ(真言)は、「オーム・ガン・ガナパタイェー・ナマハ」です。ガネーシャを守護神として信奉する霊性修行者は、このマントラか、または「オーム・シュリー・ガネーシャーヤ・ナマハ」のマントラ(真言)を繰り返し唱えるとよいでしょう。

ガネーシャの信奉者は、次のガネーシャ・ガーヤトリー・マントラのジャパを行うこともできます。これは、次のようになります。

タットゥ・プルシャーヤ・ヴィッドゥマヘー
ヴァックラトゥンダーヤ・ディーマヒー
タンノ・ダンティ・プラチョーダヤートゥ

ガネーシャ神は、英知と至福の化身です。ガネーシャ神は、ブラフマチャリヤ(自己実現を探求する独身者)たちの神様であり、禁欲主義者にとってもっとも重要な神様です。

ガネーシャ神は、小さなネズミを乗り物としています。ガネーシャ神は、クンダリニー・シャクティが宿り、身体の霊的中枢であるムーラーダーラ・チャクラに安住する神様です。

ガネーシャ神は、霊性修行者が歩む道のすべての障害を取り除き、霊的な成功はもちろん、世俗的な成功を授ける神様です。そのため、ガネーシャ神は、ヴィグナ・ヴィナーヤカと呼ばれます。ガネーシャ神のビージャ・アクシャラ(種子)は、「ガン(Gung)」です。これは英語の「sung(singの過去分詞形)」と同韻を踏む発音になります。彼は、調和と平安の神様です。

ガネーシャ神は、ヒンドゥー教徒の間で主要なマントラである「オーム」すなわちプラナヴァ(原初音)を示します。これを唱えることなしには、何事も行うことができません。これは、あらゆる儀式や計画の前に、ガネーシャ神を召喚するための習慣です。ガネーシャ神の2本の足は、知識と行為の力を示します。象の頭は、自然の造詣の中で、オームを象徴している唯一のものとして、重要な意味を持ちます。

ガネーシャ神がネズミを乗り物とする意義は、エゴを完全に克服することです。アンクシャ(槍のような武器)を手に持つ姿は、ガネーシャ神が世界の支配者であることを示し、これは、神々の王族の紋章でもあります。

ガネーシャ神は第一番目の神様です。自然の中でもっとも小さい生き物のひとつであるネズミに乗り、すべての動物の中でもっとも大きい象の頭をもつことは、ガネーシャ神がすべての動物の創造者であることを意味します。象はとても賢い動物です。これは、ガネーシャ神が英知の象徴であることを示します。またネズミは、進化して象になり、最終的に人間になるように、進化の過程を意味します。ガネーシャ神が、人間の身体や象の頭を持ち、ネズミを乗り物とすることには、このような理由があります。これが、ガネーシャ神の姿の哲学的象徴です。

ガネーシャ神は、元素のグループ、感覚のグループなどのガナ(群)の神様です。ガネーシャ神は、シヴァ神の従者の長であり、シヴァ神の最高の家来になります。

ガネーシャ神は、ヴァイシュナヴァ派の信奉者たちにも礼拝されます。彼らはガネーシャ神を、象の鼻をもつ神様という意味のトゥンビッカイ・アルワールと呼びます。

ガネーシャ神の持つ2つの力は、クンダリニーとヴァッラバすなわち愛の力です。

ガネーシャ神は、甘いプディング菓子(甘い中実が詰まった米粉の饅頭)が大好物です。誕生日には、ガネーシャ神は甘いお菓子の供物を受け取りに、家から家へと渡り歩きます。たくさんのお菓子を食べ、夜も更けたとき、ガネーシャはネズミに乗って出発します。しかし突然、蛇が襲いかかってきたのを見たネズミがつまずいてしまい、ガネーシャはネズミから落ちてしまいました。その衝撃で、ガネーシャのお腹は破裂し、詰め込んだ甘いお菓子が全部外に飛び出てしまいました。しかし、ガネーシャはそのお菓子をお腹に再び詰め込むと、蛇を捕まえ、彼のお腹に縛り付けました。

この一部始終を見ていた夜空の月は、腹の底から大笑いしました。ガネーシャは、月の失礼な態度に腹を立て、彼の牙の一本を月に向かって投げつけました。そして、ガネーシャ・チャトゥルティーの期間は、誰も月を見てはいけないと呪いをかけたのです。もし誰かが月を見るようなことがあれば、悪名や批判、不運は避けられないだろうと……。しかし、この期間に間違って月を見てしまった場合は、スヤマンタカ宝に関するクリシュナの逸話を聞いたり、読んだりすることが、呪いを解く唯一の方法だといわれています。この逸話は、シュリーマド・バーガヴァタムに引用されています。ガネーシャ神はこの取り決めを喜びました。帰依者たち優しく、慈愛に満ちたガネーシャ神に栄光あれ!

ガネーシャと彼の兄弟であるスブラマニヤは、かつてどちらが年長者であるかで競ったことがあります。事態は、シヴァ神の最終的な判断に委ねられました。シヴァは、宇宙を一周して、先にこの出発点に戻ってきた者を、年長者とすると決めました。スブラマニヤは、彼の乗り物であるクジャクに乗って、すぐに宇宙を周り始めました。しかし、賢いガネーシャは、尊敬の念を持って、彼の両親の周りを一周すると、勝利を求めました。

シヴァ神は問いかけます。
「賢い最愛のガネーシャよ。お前は宇宙を一周していないのに、どうして勝利を要求するのか?」
ガネーシャは答えました。
「私は両親の周りを一周しました。両親は全宇宙を象徴しています!」

こうして兄弟論争はガネーシャの勝利で幕を閉じ、その後、2人の中でガネーシャが長男として知られるようになりました。母のパールヴァティーは、賞品として、ガネーシャにフルーツを与えたといいます。

ガナパティ・ウパニシャッドでは、ガネーシャは至高神と同一と見なされます。ガネーシャにまつわる伝説は、ブラフマヴァイヴァルタ・プラーナのガナパティ章に記されています。

ガネーシャ・チャトゥルティーの日は、早朝のブラフマムフルタの神聖な時間帯に、ガネーシャ神にまつわる神話を瞑想しなさい。それから、沐浴をした後、寺院に行き、ココナッツや甘いお菓子とともに、ガネーシャ神に祈りを捧げなさい。愛と信仰をもって祈りを捧げることで、ガネーシャは霊的な進化の過程で経験するすべての障害を取り除いてくれるでしょう。家でもお祈りを捧げることです。パンディット(僧侶)の援助を得てもよいでしょう。ガネーシャ神の絵や写真、神像を家に飾り、ガネーシャがそこにいるように感じなさい。

この期間に月を見てはいけないということは、忘れてはいけません。ガネーシャ神に失礼な行為になります。この行為の真意は、この日から神を冒とくしたり、あなたの霊的な師や宗教を蔑む信仰のない仲間たちを避けなさいという意味があります。

心新たに霊的な決意をし、あらゆる試みで成功するための精神的な強さをガネーシャ神に祈りなさい。

ガネーシャの恩寵が、すべての人々に降り注ぎますように。
ガネーシャが、あなた方の霊的道程に立ちふさがるすべての障害を取り除きますように。
そして、あなた方に精神的成就のみならず、物質的な豊かさがもたらされますように。

スワミ・シヴァーナンダ』

ガネーシャ・チャトゥルティーでは、期間中にお世話になったガネーシャ神像を最終日に川に流します。そのため通常は土でできたガネーシャ神像を特別に買い求め、その期間中はその土のガネーシャ神像を礼拝することが行われています。

ガネーシャ・チャトゥルティーを本格的にお祝いしたい方は、日本では土製のガネーシャ神像を入手することは難しいと思いますが、次のビデオなどを参考にして、粘度でガネーシャ神を造ってみるのも面白いかもしれませんね。

このようにして造られたガネーシャは、きっと愛着のわく素敵なガネーシャになるでしょう。もちろん、すでにお持ちのガネーシャ像にお祈りを捧げてもよいと思います。
どうぞガネーシャとともに、楽しいガネーシャ・チャトゥルティーをお過ごしください。

参照
[1]Sri Swami Sivananda, Ganesh Chaturthi, http://www.dlshq.org/religions/ganesh.htm
[2]SitaRamaブログ, ガネーシャ・チャトゥルティー, http://blog.sitarama.jp/?eid=297450

カルキ・ジャヤンティ2018

kalki

2018年8月16日はカルキ・ジャヤンティ(降誕祭)です。

カルキはヴィシュヌ神の10番目の化身と信じられ、「永遠」や「時間」を象徴します。その名には、「不潔」や「汚物」という意味があり、悪や暗闇、無知を破壊する者として崇められます。

カルキはカリ・ユガの最後に現れ、世界の悪をすべて滅ぼし、新たな世界を築くと信じられています。シュラヴァナ月(7~8月)の新月から6日目に誕生すると信じられており、2018年は8月16日にあたります。

カルキ・プラーナには、シャンバラという村に生まれることも記されています。白い馬に乗り、剣をもって描かれます。雷や大雨、厳しい日照りなどが関連付けられることも多く、古代の人々が大自然の破壊と不要な要素の破壊を示唆していたとも伝えられています。

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Kalki

シュラヴァナ月のシヴァラートリー(2018年)

2018は8月9日(一部地域では10日)に、シュラヴァナ月のシヴァラートリーを迎えます。

シヴァ神を礼拝する重要なひと月であるシュラヴァナ月のシヴァラートリーは、シヴァ神を礼拝するこの上ない吉祥な時です。そんな吉祥なシヴァラートリーが近づく現在、ガンジス川の周辺は、カーンワル・ヤートラーがピークを迎えています。

シュラヴァナ月のシヴァラートリーには、ガンジス川の聖水を用いたシヴァリンガムへのアビュシェーカが欠かせません。カーンワル・ヤートラーは、カーンワルと呼ばれる水壺のついた天秤棒を担いでガンジス川流域へ赴き、ガンジス川の聖水を水壺に入れ、故郷へと戻る巡礼です。ガンジス河流域は、サフラン色の装束を身にまとい、天秤棒を担いで歩く巡礼者の熱気に包まれます。

首都のデリー近郊から聖地のハリドワールまで、巡礼者のために道路が規制される地域もあります。決して地面につけてはならないとされる天秤棒を下げるための柵もあちこちに設けられます。全行程を裸足で行う巡礼者も多く、とても過酷な歩みであっても、ガンジス河の聖水を自分の生まれた町へと持ち帰る重要な役割であり、巡礼者に選ばれることはとても名誉なことだと言われています。

2018年のシュラヴァナ月のシヴァラートリーにおける、ニシータ・カーラの時間は以下の通りです。ニシータは「真夜中」、カーラは「時間」を意味し、このニシータ・カーラの時に、シヴァ神はシヴァリンガとして地上に顕現すると考えられています。

【インド(ニューデリー)】
プージャーに適した時間:2018年8月9日24時05分(10日)~24時48分(10日)

【日本(東京)】
プージャーに適した時間:2018年8月10日23時25分~24時07分(11日)

皆様もどうぞ神聖なシヴァラートリーをお迎えください。

参照:2018 Sawan Shivaratri Date