バガヴァッド・ギーター第4章第42節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

तस्माद् अज्ञानसंभूतं
tasmād ajñānasaṁbhūtaṁ
タスマード アジュニャーナサンブータン
それ故に、無知から生じた

tasmāt【男性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に、そのために、したがって、だから、その結果
ajñāna【中性】無知、不注意;無智
saṁbhūtaṁ【男性・単数・対格 saṁbhūta】(従格、―゜)から起こった、〜から生じた;(―゜)で形成された、造られた、〜から出た

हृत्स्थं ज्ञानासिना ऽत्मनः ।
hṛtsthaṁ jñānāsinā ‘tmanaḥ |
フリスタン ジュニャーナーシナー トマナハ
自己の心にある(疑惑を)、知識の剣によって

hṛd【中性】(とくに情緒および心的活動の座としての)心臓;(身体)の内部、胸、胃
stham【男性・単数・対格 stha】立っている、存在している、ある;に専念した、に従事した、〜を実践する
→hṛtstham【男性・単数・対格】心にある、心に存在する
jñāna【中性】知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
asinā【男性・単数・具格 asi】[〜によって、〜をもって]剣、刀
→jñānāsinā【男性・単数・具格、限定複合語】[〜によって、〜をもって]知識の剣
ātmanas【男性・単数・属格 ātman】[〜の、〜にとって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我

छित्त्वैनं संशयं योगम्
chittvainaṁ saṁśayaṁ yogam
チットヴァイナン サンシャヤン ヨーガム
この疑惑を断ち切り、ヨーガに

chittvā【絶対分詞 √chid】[〜して、〜してから]切る、切り落とす、切り倒す;裂き取る、咬み切る;引き離す、断つ;刺し通す;傷つく;分かつ;遮る;砕く、破壊する、撤去する
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 idam, etadの附帯形】[〜に、〜を]これ、それ
saṁśayam【男性・単数・対格 saṁśaya】[〜に、〜を]〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険
yogam【男性・単数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一

आतिष्ठोत्तिष्ठ भारत ॥
ātiṣṭhottiṣṭha bhārata ||
アーティシュトーッティシュタ バーラタ
挺身せよ。立ち上がれ、アルジュナよ

ātiṣṭha【二称・単数・パラスマイパダ・命令法 ā√sthā】[あなたは〜せよ](処格)の上に立つ;(対格)に昇る・登る;(靴を)はく;に赴く・行く;(一連の行動を)開始する、に頼る、従う、(規則を)遵守する、(手段を)用いる、(努力を)する;確認する、真実と考える
uttiṣṭha【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 ud√sthā】[あなたは〜せよ]立ち上がる、起き上がる、起きる;昇る
bhārata【男性・単数・呼格 bhārata】[〜よ]バラタの子孫。ここではアルジュナのことを指す。

तस्मादज्ञानसंभूतं हृत्स्थं ज्ञानासिनाऽत्मनः ।
छित्त्वैनं संशयं योगमातिष्ठोत्तिष्ठ भारत ॥४२॥

tasmādajñānasaṁbhūtaṁ hṛtsthaṁ jñānāsinā’tmanaḥ |
chittvainaṁ saṁśayaṁ yogamātiṣṭhottiṣṭha bhārata ||42||
それ故、無知から生じ、自己の心に宿るこの疑惑を、
知識の剣によって断ち切り、ヨーガに身を捧げよ。立ち上がれ、アルジュナ。

バガヴァッド・ギーター第4章第41節

योगसंन्यस्तकर्माणं
yogasaṁnyastakarmāṇaṁ
ヨーガサンニャスタカルマーナン
ヨーガにより行為を放擲し

yoga【男性】ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
saṁnyasta【過去受動分詞 saṃ-ni-√as】投げ捨てられた、放棄された、廃された、捨てられた、見棄てられた;野営した;預けられた、まかせられた、引き渡された
karmāṇam【男性・単数・対格 karman】[〜に、〜を]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
→yogasaṁnyastakarmāṇam【中性・単数・対格、所有複合語】[〜に、〜を]ヨーガにより行為を放擲したもの

ज्ञानसंछिन्नसंशयम् ।
jñānasaṁchinnasaṁśayam |
ジュニャーナサンチンナサンシャヤム
知識により疑惑を断ち

jñāna【中性】知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
saṁchinna【過去受動分詞 saṃ-√chid】断ち切られた、引き裂かれた;分離された
saṁśayam【男性・単数・対格 saṁśaya】[〜に、〜を]〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険
→jñānasaṁcinnasaṁśayam【男性・単数・対格、所有複合語】[〜に、〜を]知識により疑惑を断ったもの

आत्मवन्तं न कर्माणि
ātmavantaṁ na karmāṇi
アートマヴァンタン ナ カルマーニ
自制する者を、諸行為は(束縛し)ない

ātmavantam【男性・単数・対格 ātmavat】[〜に、〜を]生命ある;自制できる;親切な、敏感な;個人的の;落ち着いた、冷静な、分別がある
na【否定辞】〜でない
karmāṇi【中性・複数・対格 karman】[〜らに、〜らを]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業

निबध्नन्ति धनंजय ॥
nibadhnanti dhanaṁjaya ||
ニバドゥナンティ ダナンジャヤ
それらは束縛し(ない)、アルジュナよ

nibadhnanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 ni√bandh】[彼らは〜、それらは〜](処格)に縛る、しっかり締める、(処格)に糸を張る;自身に固定する;捕らえる;獲る;接合する;中止する;抑止する、抑制する、禁固する
dhanaṁjaya【男性・単数・呼格 dhanaṁjaya】[〜よ]ダナンジャヤ(アルジュナの別名)。名前は「富の征服者」の意。

योगसंन्यस्तकर्माणं ज्ञानसंछिन्नसंशयम् ।
आत्मवन्तं न कर्माणि निबध्नन्ति धनंजय ॥४१॥

yogasaṁnyastakarmāṇaṁ jñānasaṁchinnasaṁśayam |
ātmavantaṁ na karmāṇi nibadhnanti dhanaṁjaya ||41||
ヨーガにより行為を放擲し、知識により疑惑を断ち、
自己を制する者を、諸行為は束縛しない、アルジュナよ。

バガヴァッド・ギーター第4章第40節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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अज्ञश्चाश्रद्दधानश्च
ajñaścāśraddadhānaśca
アジュニャシュチャーシュラッダダーナシュチャ
無知で、信仰なく

ajñas【男性・単数・主格 ajña】無知の;無感覚の;愚かな、無経験な
ca【接続詞】そして、また、〜と
aśraddadhāna【男性・単数・主格 aśraddadhāna】信じない、疑い深い、懐疑的な
ca【接続詞】そして、また、〜と

संशयात्मा विनश्यति ।
saṁśayātmā vinaśyati |
サンシャヤートマー ヴィナッシャティ
疑心ある者は滅びる

saṁśaya【男性】〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→saṁśayātmā【男性・単数・主格、所有複合語】[〜は、〜が]疑心あるもの、疑惑を抱くもの
vinaśyati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 vi√naś】[彼は〜、それは〜]失われる;消える;亡びる;実を結ばない

नायं लोको ऽस्ति न परो
nāyaṁ loko ‘sti na paro
ナーヤン ローコー スティ パロー
この世も、来世も存在しない

na【否定辞】〜でない
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】[〜は、〜が]これ
lokas【男性・単数・主格 loka】[〜は、〜が]空間、余地、場所;地方、地帯、国;世界、宇宙の区分;天;地;人類、一般の人民、国民;男子(複数);(複)団体、仲間;日常生活、慣例、世事、俗事;視ること
asti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[彼は〜、それは〜]ある、存在する、実在する
paras【男性・単数・主格 para】より遙かな;来世;過去の、以前の;未来の、以後の;より次の

न सुखं संशयात्मनः ॥
na sukhaṁ saṁśayātmanaḥ ||
ナ スカン サンシャヤートマナハ
幸福もない、疑心ある者にとって

na【否定辞】〜でない
sukham【中性・単数・主格 sukha】[〜は、〜が]安楽、歓喜、幸福、享楽、繁栄、成功
saṁśaya【男性】〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険
ātmanas【男性・単数・属格 ātman】[〜の、〜にとって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→saṁśayātmanas【男性・単数・属格、所有複合語】[〜の、〜にとって]疑心あるもの、疑惑を抱くもの

अज्ञश्चाश्रद्दधानश्च संशयात्मा विनश्यति ।
नायं लोकोऽस्ति न परो न सुखं संशयात्मनः ॥४०॥

ajñaścāśraddadhānaśca saṁśayātmā vinaśyati |
nāyaṁ loko’sti na paro na sukhaṁ saṁśayātmanaḥ ||40||
無知で、信仰なく、疑心ある者は滅びる。
疑心ある者には、この世も、来世も、幸福も存在しない。

バガヴァッド・ギーター第4章第39節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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श्रद्धावाँल् लभते ज्ञानं
śraddhāvāṁl labhate jñānaṁ
シュラッダーヴァーン ラバテー ジュニャーナン
信じる人は、知識を得る

śraddhāvān【男性・単数・主格 śraddhāvat】信じる;同意する、承諾する
labhate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √labh】[彼は〜、それは〜]捕らえる、遭遇する、発見する;看取する;取得する、獲得する、受け取る
jñānam【中性・単数・対格 jñāna】[〜に、〜を]知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官

तत्परः संयतेन्द्रियः ।
tatparaḥ saṁyatendriyaḥ |
タットパラハ サンヤテーンドリヤハ
それに専念する人、感官を制御する人は

tat【中性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]それ、あれ
paras【男性・単数・主格 para】〜を主要なものとする、〜を目的とする、〜に熱中する、〜に深く感動する
saṁyata【過去受動分詞 sam√yam】固持された;抑制された、制御された;自制した;結びつけられた、縛られた、かせをつけられた、束縛された、拘禁された、投獄された、捕らえられた;整頓された;阻止された、抑止された、鎮圧された、征服された
indriyas【男性・単数・主格 indriya】[〜は、〜が]神の力;支配;偉大な行為;活力;体力;精力;感官;感覚
→saṁyata-indriyas【男性・単数・主格、所有複合語】[〜は、〜が]感官を制御するもの、五官を抑制するもの

ज्ञानं लब्ध्वा परां शान्तिम्
jñānaṁ labdhvā parāṁ śāntim
ジュニャーナン ラブドヴァー パラーン シャーンティム
知識を得て、最高の寂静に

jñānam【中性・単数・対格 jñāna】[〜に、〜を]知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
labdhvā【絶対分詞 √labh】[〜して、〜してから]捕らえる、遭遇する、発見する;看取する;取得する、獲得する、受け取る
parām【女性・単数・対格 para】最高の;より優れた、より高い、より良い、より悪い;最上の、卓越した、最善の;最大の
śāntim【女性・単数・対格 śānti】[〜に、〜を]心の静穏、心の平和;(火が)消えること;平和、好運、繁栄;寂静、寂滅;涅槃

अचिरेणाधिगच्चति ॥
acireṇādhigaccati ||
アチレーナーディガッチャティ
彼は速やかに達する

acireṇa【副詞】直ちに、速やかに、猶予なく
adhigaccati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 adhi√gam】[彼は〜、それは〜]〜に行く、近づく、達する;出会う、遭遇する;見出す、発見する;完成する;学習する、研究する、読む

श्रद्धावाँल्लभते ज्ञानं तत्परः संयतेन्द्रियः ।
ज्ञानं लब्ध्वा परां शान्तिमचिरेणाधिगच्चति ॥३९॥

śraddhāvāṁllabhate jñānaṁ tatparaḥ saṁyatendriyaḥ |
jñānaṁ labdhvā parāṁ śāntimacireṇādhigaccati ||39||
信仰があり、それに専念し、感官を制御する人は、知識を得る。
知識を得て、彼は速やかに、最高の寂静に達する。

バガヴァッド・ギーター第4章第38節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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न हि ज्ञानेन सदृशं
na hi jñānena sadṛśaṁ
ナ ヒ ジュニャーネーナ サドリシャン
なぜなら、知識と等しい(浄化具は)ない

na【否定辞】〜でない
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
jñānena【中性・単数・具格 jñāna】[〜によって、〜をもって]知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
sadṛśam【中性・単数・主格 sadṛśa】同じ様子の、似ている、同じような;〜に適当な、〜に適合した;〜の価値ある、〜に相応しい

पवित्रम् इह विद्यते ।
pavitram iha vidyate |
パヴィットラム イハ ヴィディヤテー
この世で、浄化具は存在し(ない)

pavitram【中性・単数・主格 pavitra】[〜は、〜が]浄化の手段、篩(ふるい)、ソーマを漉す用具;供物を浄化するために用いるクシャ草の二枚の葉;浄めの(際に用いる)聖句
iha【副詞】ここで[へ・に];この世で、地上で
vidyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vid】[それは〜]ある、存在する、見られる

तत् स्वयं योगसंसिद्धः
tat svayaṁ yogasaṁsiddhaḥ
タット スヴァヤン ヨーガサンシッダハ
ヨーガにより成就した人は、自らそれを

tat【中性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]それ、あれ
svayam【不変化辞】自身(彼自身等);ひとりでに、自ら進んで、自発的に
yoga【男性】ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
saṁsiddhas【男性・単数・主格 saṁsiddha】成就された、満たされた;到達された;用意された(食物等)、作られた;回復された、癒された;熟達した;最高目標を達成した、完成した、幸福な、至福を得た
→yogasaṁsiddhas【男性・単数・主格、限定複合語】[〜は、〜が]ヨーガにより成就した者、ヨーガの最高目標を達成した者

कालेनात्मनि विन्दति ॥
kālenātmani vindati ||
カーレーナートマニ ヴィンダティ
時とともに自己の中に見出す

kālena【男性・単数・具格 kāla】[〜によって、〜をもって]時;機会;季節;食事;時間;年、時代;音律;運命;死;死の神
ātmani【男性・単数・処格 ātman】[〜において、〜のなかで]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
vindati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √vid】[彼は〜、それは〜]見出す、遭遇する、獲得する、取得する;所有する;探し出す、求める

न हि ज्ञानेन सदृशं पवित्रमिह विद्यते ।
तत्स्वयं योगसंसिद्धः कालेनात्मनि विन्दति ॥३८॥

na hi jñānena sadṛśaṁ pavitramiha vidyate |
tatsvayaṁ yogasaṁsiddhaḥ kālenātmani vindati ||38||
なぜなら、この世で知識に等しい浄化具は存在しない。
ヨーガにより成就した人は、やがて自ら、それを自己の中に見出す。

バガヴァッド・ギーター第4章第37章

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यथैधांसि समिद्धो ऽग्निर्
yathaidhāṁsi samiddho ‘gnir
ヤタイダーンシ サミッドー グニル
あかたも燃え上がる火が、薪を

yathā【接続詞】〜のように、あたかも〜のように(tathāとともに)
edhāṁsi【中性・複数・対格 edhas】[〜らに、〜らを]燃料
samiddhas【男性・単数・主格 samiddha】点火する;火が付いた、発火した
agnis【男性・単数・主格 agni】[〜は、〜が]火;火災;アグニ神

भस्मसात् कुरुते ऽर्जुन ।
bhasmasāt kurute ‘rjuna |
バスマサート クルテー ルジュナ
灰にするように、アルジュナよ

bhasmasāt【副詞】灰とされる;灰とする
kurute【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √kṛ】[彼は〜、それは〜]為す、作る、遂行する、用いる
arjuna【男性・単数・呼格 arjuna】[〜よ]アルジュナ

ज्ञानाग्निः सर्वकर्माणि
jñānāgniḥ sarvakarmāṇi
ジュニャーナーグニヒ サルヴァカルマーニ
知識の火は、すべての行為を

jñāna【中性】知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
agnis【男性・単数・主格 agni】[〜は、〜が]火;火災;アグニ神
→jñānāgnis【男性・単数・主格、同格限定複合語】[〜は、〜が]知識の火
sarva【中性】すべての、一切の、各々の;全体の
karmāṇi【中性・複数・対格 karman】[〜らに、〜らを]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
→sarvakarmāṇi【中性・複数・対格、同格限定複合語】[〜らに、〜らを]すべての行為、一切の業

भस्मसात् कुरुते तथा ॥
bhasmasāt kurute tathā ||
バスマサート クルテー タター
灰にする

bhasmasāt【副詞】灰とされる;灰とする
kurute【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √kṛ】[彼は〜、それは〜]為す、作る、遂行する、用いる
tathā【副詞】そのように、同様に;そして、また

यथैधांसि समिद्धोऽग्निर्भस्मसात्कुरुतेऽर्जुन ।
ज्ञानाग्निः सर्वकर्माणि भस्मसात्कुरुते तथा ॥३७॥

yathaidhāṁsi samiddho’gnirbhasmasātkurute’rjuna |
jñānāgniḥ sarvakarmāṇi bhasmasātkurute tathā ||37||
アルジュナよ、あかたも燃え上がる火が、薪を灰にするように、
知識の火は、すべての行為を灰にする。

バガヴァッド・ギーター第4章第36節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अपि चेद् असि पापेभ्यः
api ced asi pāpebhyaḥ
アピ チェード アシ パーペービャハ
もしあなたが悪人の中であっても

api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
ced【接続詞】そして、;時に;〜もまた、さえも;もし〜ならば
asi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[あなたは〜する]ある、存在する;起こる;発する;住する
pāpebhyas【男性・複数・属格 pāpa】[〜から、〜より]邪悪な男、悪党、罪人

सर्वेभ्यः पापकृत्तमः ।
sarvebhyaḥ pāpakṛttamaḥ |
サルヴェービャハ パーパクリッタマハ
すべての(悪人の中)で、最悪の罪人(であっても)

sarvebhyas【男性・複数・従格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の
pāpakṛttamas【男性・単数・主格 pāpakṛtの最上級】[〜は、〜が][最高の]悪行者、悪漢、犯罪者;罪人

सर्वं ज्ञानप्लवेनैव
sarvaṁ jñānaplavenaiva
サルヴァン ジュニャーナプラヴェーナイヴァ
知識の舟によって、すべての

sarvam【中性・単数・主格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の
jñāna【中性】知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
plavena【男性・中性・単数・具格 plava】[〜によって、〜をもって]船、小舟 【男性名詞】泳ぐこと;沐浴すること;(河の)氾濫、洪水;跳ねること、跳ね返ること
→jñānaplavena【男性・単数・具格、限定複合語】[〜によって、〜をもって]知識の舟
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)

वृजिनं संतरिष्यसि ॥
vṛjinaṁ saṁtariṣyasi ||
ヴリジナン サンタリッシャシ
罪悪を渡るだろう

vṛjinam【中性・単数・対格 vṛjina】[〜に、〜を]欺瞞、狡猾;邪悪、罪;不運
saṁtariṣyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 saṃ√tṝ】[あなたは〜だろう](対格)へ横切る、渡る;(路)を共に横断する、〜より救われる

अपि चेदसि पापेभ्यः सर्वेभ्यः पापकृत्तमः ।
सर्वं ज्ञानप्लवेनैव वृजिनं संतरिष्यसि ॥३६॥

api cedasi pāpebhyaḥ sarvebhyaḥ pāpakṛttamaḥ |
sarvaṁ jñānaplavenaiva vṛjinaṁ saṁtariṣyasi ||36||
もしあなたがすべての悪人の中で、最悪の罪人であっても、
知識の舟によって、すべての罪悪を乗り越えるだろう。

バガヴァッド・ギーター第4章第35節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यज् ज्ञात्वा न पुनर् मोहम्
yaj jñātvā na punar moham
ヤジュ ジュニャートヴァー ナ プナル モーハム
それを知れば、再び迷妄にない

yad【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人、〜であるとき
jñātvā【絶対分詞 √jñā】[〜して、〜してから]知る;〜を察知する、〜の知識を有する、(具格)によって認識する;悟る;覚える、経験する、確かめる、調べる;是認する;〜と考える、〜と仮定する、〜と推測する;認める、証す、許す
na【否定辞】〜でない
punar【副詞】後方へ、家へ;再び、新たに;更に、これ以上、なお、まだ;更にまた、かつまた、その他;それに反して、一方において、しかしながら、それにもかかわらず
moham【男性・単数・対格 moha】[〜に、〜を]意識の喪失、当惑;迷妄、惑溺;愚行、誤謬

एवं यास्यसि पाण्डव ।
evaṁ yāsyasi pāṇḍava |
エーヴァン ヤースヤシ パーンダヴァ
このように陥ら(ない)だろう、アルジュナよ

evam【副詞】このように、こんなふうに、そんなふうに
yāsyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 √yā】[あなたは〜だろう]動く、行く、歩く、赴く;〜に帰する、〜に陥る、〜を招く、〜を経験する、〜に到達する
pāṇḍava【男性・単数・呼格 pāṇḍava】[〜よ]パーンドゥの息子。ここではアルジュナのこと

येन भूतान्य् अशेषेण
yena bhūtāny aśeṣeṇa
それにより、万物を隈無く

yena【中性・単数・具格、関係代名詞 yad】[〜によって、〜をもって]〜であるもの、〜である人、〜であるとき
bhūtāni【中性・複数・対格 bhūta】[〜らに、〜らを]存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
aśeṣeṇa【男性・単数・具格 aśeṣa】[〜によって、〜をもって]残余なきこと 【形容詞】全部の、すべての、完全な

द्रक्ष्यस्य् आत्मन्य् अथो मयि ॥
drakṣyasy ātmany atho mayi ||
ドラクシャッシ アートマニ アトー マイ
あなたは見るだろう、自己の中に、さらに私の中に

drakṣyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 √dṛś】[あなたは〜だろう]見る、注目する、観察する;訪ねる、仕える;視る;見なす、考量する;(具格)によって認める;確かめる;発見する;審査する;〜に気をつける、試験する;心眼で見る(天啓を享ける)
ātmani【男性・単数・処格 ātman】[〜において、〜のなかで]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
atho【副詞】その時に、その場合;さて;さらに、同様に;次に;そのため、従って;しかしながら
mayi【単数・処格、一人称代名詞 mad】[〜において、〜のなかで]私

यज्ज्ञात्वा न पुनर्मोहमेवं यास्यसि पाण्डव ।
येन भूतान्यशेषेण द्रक्ष्यस्यात्मन्यथो मयि ॥३५॥

yajjñātvā na punarmohamevaṁ yāsyasi pāṇḍava |
yena bhūtānyaśeṣeṇa drakṣyasyātmanyatho mayi ||35||
それを知れば、再びこのような迷妄に陥ることはないだろう、アルジュナよ。
それにより、あなたは万物を隈無く、自己の中に、さらに私の中に見るだろう。

バガヴァッド・ギーター第4章第34節

तद् विद्धि प्रणिपातेन
tad viddhi praṇipātena
タッド ヴィッディ プラニパーテーナ
それを知りなさい、心服によって

tat【中性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]それ、あれ
viddhi【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √vid】[あなたは〜せよ]知る、理解する、気付く、学ぶ
praṇipātena【男性・単数・具格 praṇipāta】[〜によって、〜をもって]平伏、恭しい挨拶;(属格)につつましく服従すること

परिप्रश्नेन सेवया ।
paripraśnena sevayā |
パリプラシュネーナ セーヴァヤー
質問によって、奉仕によって

paripraśnena【男性・単数・具格 paripraśna】[〜によって、〜をもって]〜に関する質問、尋問
sevayā【女性・単数・具格 sevā】[〜によって、〜をもって]〜へしばしば通うこと;訪問;奉仕;敬礼、崇拝;〜に対する敬意;〜に対する溺愛、専念、実践、使用、慣れ親しむこと、頻繁に楽しむこと

उपदेक्ष्यन्ति ते ज्ञानं
upadekṣyanti te jñānaṁ
ウパデークシャンティ テー ジュニャーナン
あなたに知識を教示するだろう

upadekṣyanti【三人称・複数・パラスマイパダ・未来 upa√diś】[彼らは〜だろう、それらは〜だろう](対格)を指示する;説明する、指摘する、指す;教える、教育する;忠告する;勤める;規定する;〜について言う、話す;命令する、支配する;名付ける、呼ぶ
te【単数・為格、二人称代名詞 tvad(tubhyamの附帯形)】[〜に、〜のために]あなた
jñānam【中性・単数・対格 jñāna】[〜に、〜を]知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官

ज्ञानिनस् तत्त्वदर्शिनः ॥
jñāninas tattvadarśinaḥ ||
ジュニャーニナス タットヴァダルシナハ
真理を観る知者たちは

jñāninas【男性・複数・主格 jñānin】[〜らは、〜らが]知識あるもの;占術家、占星家
tattva【中性】(それなること)、真の本質、真実の本性、真理、実在
darśinas【男性・複数・主格 darśin】見る、視る、注意する、見放す;知る、理解する;経験する;示す、教える
→tattvadarśinas【男性・複数・主格、限定複合語】真理を見る、本質を示す

तद्विद्धि प्रणिपातेन परिप्रश्नेन सेवया ।
उपदेक्ष्यन्ति ते ज्ञानं ज्ञानिनस्तत्त्वदर्शिनः ॥३४॥

tadviddhi praṇipātena paripraśnena sevayā |
upadekṣyanti te jñānaṁ jñāninastattvadarśinaḥ ||34||
心服によって、質問によって、奉仕によって、それを知りなさい。
真理を観る知者たちは、あなたに知識を教示するだろう。

バガヴァッド・ギーター第4章第33節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

श्रेयान् द्रव्यमयाद् यज्ञाज्
śreyān dravyamayād yajñāj
シュレーヤーン ドラヴィヤマヤード ヤジュニャージュ
物質的な祭祀よりも優れている

śreyān【男性・単数・主格・比較級 śreyas】よりよき状態(または)幸運;安寧、幸福
dravyamayāt【中性・単数・従格 dravyamaya】実体的な、物質的な、財物の
yajñāt【男性・単数・従格 yajña】[〜から、〜より](祈祷または讃歌をもってする)崇拝;祭式の儀礼、祭式

ज्ञानयज्ञः परंतप ।
jñānayajñaḥ paraṁtapa |
ジュニャーナヤジュニャハ パランタパ
知識の祭祀は、アルジュナよ

jñāna【中性】知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
yajñās【男性・単数・主格 yajña】[〜は、〜が](祈祷または讃歌をもってする)崇拝;祭式の儀礼、祭式
→jñānayajñas【男性・単数・主格 限定複合語】[〜は、〜が]知識の祭祀
paraṁtapa【男性・単数・呼格 paraṁtapa】[〜よ]敵を悩ます者。アルジュナのこと。

सर्वं कर्माखिलं पार्थ
sarvaṁ karmākhilaṁ pārtha
サルヴァン カルマーキラン パールタ
アルジュナよ、すべての行為は、総じて

sarvam【中性・単数・主格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の
karma【中性・単数・主格 karman】[〜は、〜が]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
akhilam【中性・単数・主格 akhila】亀裂のない、全体の、すべての 【副詞】全然、全く
pārtha【男性・単数・呼格】[〜よ]プリターの息子。アルジュナのこと。

ज्ञाने परिसमाप्यते ॥
jñāne parisamāpyate ||
ジュニャーネー パリサマープヤテー
知識において完結する

jñāne【中性・単数・処格 jñāna】[〜において、〜のなかで]知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
parisamāpyate【三人称・単数・現在・受動活用 pari-sam√āp】[彼は〜される、それは〜される](処格)に含まれる、(処格)に属す;完結する、完成する

श्रेयान्द्रव्यमयाद्यज्ञाज्ज्ञानयज्ञः परंतप ।
सर्वं कर्माखिलं पार्थ ज्ञाने परिसमाप्यते ॥३३॥

śreyāndravyamayādyajñājjñānayajñaḥ paraṁtapa |
sarvaṁ karmākhilaṁ pārtha jñāne parisamāpyate ||33||
知識の祭祀は、物質的な祭祀よりも優れている。
アルジュナよ、すべての行為は、総じて知識において完結する。