バガヴァッド・ギーター第6章第47節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

योगिनाम् अपि सर्वेषां
yoginām api sarveṣāṁ
ヨーギナーム アピ サルヴェーシャーン
またすべてのヨーガ行者たちにとって

yoginām【男性・複数・属格 yogin】[〜たちの、〜たちにとって]ヨーガ行者、修行者、実践者
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
sarveṣām【男性・複数・属格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の

मद्गतेनान्तरात्मना ।
madgatenāntarātmanā |
マッドガテーナーンタラートマナー
私に心を向け

mad【一人称代名詞】私(合成語および派生語に用いる語幹)
gatena【男性・単数・具格 gata√gamの過去受動分詞)】行った、来た、〜に陥った、〜に於ける、〜の中にある、〜に含まれた;向けられた;消えた、失われた;剥奪させられた、〜を免れた
→madgatena【男性・単数・具格 madgata】私に向けた、私に来た
antarātmanā【男性・単数・具格 antarātman】[〜によって、〜をもって]精神、心;自我

श्रद्धावान् भजते यो मां
śraddhāvān bhajate yo māṁ
シュラッダーヴァーン バジャテー ヨー マーン
私を信じ、愛する者は

śraddhāvān【男性・単数・主格 śraddhāvat】信じる;同意する、承諾する
bhajate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √bhaj】[彼は〜、それは〜]分配する、分かつ;実行する、従う、守る;好意を示す;愛する;尊敬する、崇め尊ぶ、崇拝する
yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私

स मे युक्ततमो मतः ॥
sa me yuktatamo mataḥ ||
サ メー ユクタモー マタハ
彼は、私に最高に専心した者であると考えられる

sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
me【単数・為格、一人称代名詞 mad(mahyamの附帯形)】[〜に、〜のために]私
yuktatamas【男性・単数・主格 yukta√yujの過去受動分詞)の最上級】[最も〜、最高に〜]くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した;〜に適した・相当する・ふさわしい;正しい、正確な;〜に適応した
matas【男性・単数・主格 mata√manの過去受動分詞)】〜と考えられた、見なされた、思われた、評価された;承認された、認可された、十分に考慮された;〜によって尊重された、尊敬された、好遇された;意図された;憶測された;知られた

योगिनामपि सर्वेषां मद्गतेनान्तरात्मना ।
श्रद्धावान् भजते यो मां स मे युक्ततमो मतः ॥४७॥

yogināmapi sarveṣāṁ madgatenāntarātmanā |
śraddhāvān bhajate yo māṁ sa me yuktatamo mataḥ ||47||
すべてのヨーガ行者のうちで、私に心を向け、私を信じ、
私を愛する者は、私と最も結ばれた者であると考えられる。

バガヴァッド・ギーター第6章第46節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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तपस्विभ्यो ऽधिको योगी
tapasvibhyo ‘dhiko yogī
タパスヴィビヨー ディコー ヨーギー
ヨーガ行者は、苦行者より勝れ

tapasvibhyas【男性・複数・従格 tapasvin】[〜らから、〜らより]苦行者、宗教の帰依者 【形容詞】苦しめられた、悩まされた、不運な、哀れな;敬虔な、信心深い
adhikas【男性・単数・主格 adhika】過剰の;余分の;卓越した;主な、最高の;過分を有する、なお一層多い;(具格)において勝れた;より一層強い、一層大きい、一層高い、一層多い
yogī【男性・単数・主格 yogin】[〜は、〜が]ヨーガ行者、修行者、実践者

ज्ञानिभ्यो ऽपि मतो ऽधिकः ।
jñānibhyo ‘pi mato ‘dhikaḥ |
ジュニャーニビヨー ピ マトー ディカハ
また知識人よりも勝れると考えられる

jñānibhyas【男性・複数・従格 jñānin】[〜らから、〜らより]知識あるもの;占術家、占星家
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
matas【男性・単数・主格 mata√manの過去受動分詞)】〜と考えられた、見なされた、思われた、評価された;承認された、認可された、十分に考慮された;〜によって尊重された、尊敬された、好遇された;意図された;憶測された;知られた
adhikas【男性・単数・主格 adhika】過剰の;余分の;卓越した;主な、最高の;過分を有する、なお一層多い;(具格)において勝れた;より一層強い、一層大きい、一層高い、一層多い

कर्मिभ्यश् चाधिको योगी
karmibhyaś cādhiko yogī
カルミビヤシュ チャーディコー ヨーギー
またヨーガ行者は、行為者よりも勝れる

karmibhyas【男性・複数・従格 karmin】[〜らから、〜らより]活動家;労働者 【形容詞】行う、働く、成就する、忙しい;宗教的行為をなす
ca【接続詞】そして、また、〜と
adhikas【男性・単数・主格 adhika】過剰の;余分の;卓越した;主な、最高の;過分を有する、なお一層多い;(具格)において勝れた;より一層強い、一層大きい、一層高い、一層多い
yogī【男性・単数・主格 yogin】[〜は、〜が]ヨーガ行者、修行者、実践者

तस्माद् योगी भवार्जुन ॥
tasmād yogī bhavārjuna ||
タスマード ヨーギー バヴァールジュナ
したがって、あなたはヨーガ行者であれ、アルジュナよ

tasmāt【男性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に、そのために、したがって、だから、その結果
yogī【男性・単数・主格 yogin】[〜は、〜が]ヨーガ行者、修行者、実践者
bhava【二人称・単数・パラスマイパダ・命令 √bhū】[あなたは〜せよ]ある、存在する、〜となる;生じる
arjuna【男性・単数・呼格 arjuna】[〜よ]アルジュナ

तपस्विभ्योऽधिको योगी ज्ञानिभ्योऽपि मतोऽधिकः ।
कर्मिभ्यश्चाधिको योगी तस्माद्योगी भवार्जुन ॥४६॥

tapasvibhyo’dhiko yogī jñānibhyo’pi mato’dhikaḥ |
karmibhyaścādhiko yogī tasmādyogī bhavārjuna ||46||
ヨーガ行者は、苦行者より勝れ、知識人よりも勝れ、
また祭祀者よりも勝れていると考えられる。
よって、アルジュナよ、あなたはヨーガ行者でありなさい。

バガヴァッド・ギーター第6章第45節

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प्रयत्नाद् यतमानस् तु
prayatnād yatamānas tu
プラヤトナード ヤタマーナス トゥ
しかし、着実に努力をしている

prayatnāt【男性・単数・従格 prayatna】[〜から、〜より](処格)についての意志的努力・撓まない尽力・骨折り・心労・配慮;企図;活動
yatamānas【男性・単数・主格・現在分詞 √yat】[〜している]立ち現れる、整列する;競う;(具格)と結合する;(処格)と結合されたいと努める、〜に到達しようと試みる;〜を得ようと努める、〜をしようと努める、〜に専念する、〜を切望する;尽力する;用心する;(対格)に予め備える
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)

योगी संशुद्धकिल्बिषः ।
yogī saṁśuddhakilbiṣaḥ |
ヨーギー サンシュッダキルビシャハ
罪の清められたヨーガ行者は

yogī【男性・単数・主格 yogin】[〜は、〜が]ヨーガ行者、修行者、実践者
saṁśuddhasaṃ√śudhの過去受動分詞】浄化された、清い;除かれた(不浄性);支払われた、支出された;探求された、検査された、安全であることが分かった
kilbiṣas【男性・単数・主格 kilbiṣa】[〜は、〜が]違犯、犯罪、罪悪;不正、危害
→saṁśuddhakilbiṣas【男性・単数・主格、所有複合語】[〜は、〜が]罪の清められた、罪悪が浄化された

अनेकजन्मसंसिद्धस्
anekajanmasaṁsiddhas
アネーカジャンマサンシッダス
多くの誕生を経て完成し

aneka【中性】一以上の、種々の;(複)多くの、幾多の
janma(=janman)【中性】誕生、起源、産出;生命、存在;誕生地;父;生物、実在;種族、家族;種類;性質;再生;方法;水
saṁsiddhas【男性・単数・主格 saṁsiddha】成就された、満たされた;到達された;用意された(食物等)、作られた;回復された、癒された;熟達した;最高目標を達成した、完成した、幸福な、至福を得た
→anekajanmasaṁsiddhas【男性・単数・主格、限定複合語】多くの出生を経て成就された、多生を経て完成した

ततो याति परां गतिम् ॥
tato yāti parāṁ gatim ||
タトー ヤーティ パラーン ガティン
それから、彼は最高の帰趨に赴く

tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
yāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼は〜、それは〜]動く、行く、歩く、赴く;前進する、行進する、敵に向かって前進する;旅行する;出立する、去る、立ち去る、離れる;遠ざかる;逃げる、逃れる;(道が)通ずる;通過する、過ぎ去る;消滅する、消失する;生起する、継起する;振舞う;〜に達する;邂逅する;〜に到着する
parām【女性・単数・対格 para】最高の;より優れた、より高い、より良い、より悪い;最上の、卓越した、最善の;最大の
gatim【女性・単数・対格 gati】[〜に、〜を]行くこと、歩態、前進、動作、行動、飛行;退去、出発;行進、進行;成功;〜の獲得;〜に対する服従;路、進路、小径;出口;根源、根底;手段、方法、可能性;策略;避難所;状態、状況、条件、位置;性質;幸福;輪廻、人間の運命;風習

प्रयत्नाद्यतमानस्तु योगी संशुद्धकिल्बिषः ।
अनेकजन्मसंसिद्धस्ततो याति परां गतिम् ॥४५॥

prayatnādyatamānastu yogī saṁśuddhakilbiṣaḥ |
anekajanmasaṁsiddhastato yāti parāṁ gatim ||45||
しかし、弛まぬ努力をしているヨーガ行者は、罪が清められ、
多くの誕生を経て完成し、それから最高の帰趨に赴く。

バガヴァッド・ギーター第6章第44節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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पूर्वाभ्यासेन तेनैव
pūrvābhyāsena tenaiva
プールヴァービヤーセーナ テーナイヴァ
実に、その前世の常修によって

pūrvābhyāsena【男性・単数・具格 pūrvābhyāsa】[〜によって、〜をもって]前のものの反復;前世の常修
tena【中性・単数・具格、指示代名詞 tad】[〜によって、〜をもって]それ、あれ
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)

ह्रियते ह्य् अवशो ऽपि सः ।
hriyate hy avaśo ‘pi saḥ |
フリヤテー ヒ アヴァショー ピ サハ
意志にかかわらず、彼は惹きつけられるから

hriyate【三人称・単数・現在・受動活用 √hṛ】[彼は〜される、それは〜される]圧倒する、支配する、連れ去る、取り去る、運び去る、奪い去る;魅惑する;破壊する
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
avaśas【男性・単数・主格 avaśa】(他人)の意志に従わない;独立の、自由な;欲しない;自分の自由意志を有しない、(他人)の嫌がることをする
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼

जिज्ञासुर् अपि योगस्य
jijñāsur api yogasya
ジジュニャースル アピ ヨーガッスヤ
さらに、知ろうと欲する、ヨーガの

jijñāsus【男性・単数・主格 jijñāsu】会得・吟味しようと欲する、探求する
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
yogasya【男性・単数・属格 yoga】[〜の、〜にとって]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一

शब्दब्रह्मातिवर्तते ॥
śabdabrahmātivartate ||
シャブダブラフマーティヴァルタテー
彼は語のブラフマンを凌駕する

śabdabrahma【中性・単数・対格 śabdabrahman】[〜に、〜を]語におけるブラフマン、聖典、ヴェーダ;語ブラフマン;梵音
※śabdabrahmanは、特に聖音オームを指すとされる。(中略)シャンカラは「ヴェーダに述べられた祭式実行の果報」とする。(上村勝彦注)
※śabdabrahmanとは、神から啓示された聖語としてのヴェーダを意味する。(服部正明注)
ativartate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 ati√vṛt】[彼は〜、それは〜]〜を過ぎ去る;(河を)渡る;超える、踏み越える;(一定の時間)生存する;勝る、凌駕する;打ち勝つ、圧倒する、抵抗する、〜から逃れる、(捕縛を)免れる;通過させる、怠る、被る、犯す、(約束を)破る;無視する、無関心に扱う、害する、〜に対する義務を被る

पूर्वाभ्यासेन तेनैव ह्रियते ह्यवशोऽपि सः ।
जिज्ञासुरपि योगस्य शब्दब्रह्मातिवर्तते ॥४४॥

pūrvābhyāsena tenaiva hriyate hyavaśo’pi saḥ |
jijñāsurapi yogasya śabdabrahmātivartate ||44||
なぜなら、前世での繰り返しの修練によって、彼は無意識のうちに惹かれるから。
さらに、ヨーガを知ろうと思うだけでも、彼はシャブダ・ブラフマンを凌駕する。

バガヴァッド・ギーター第6章第43節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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तत्र तं बुद्धिसंयोगं
tatra taṁ buddhisaṁyogaṁ
タットラ タン ブッディサンヨーガン
そこで彼は、知性との合一を

tatra【副詞】そこに;そこへ;ここに;それのために、その場合に、その時に
tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]これ、あれ、彼
buddhi【女性】知能、理解力、理性、知性、精神;識別、判断;沈着、機知;知覚;会得;意見、見解;信仰、確信;想定
saṁyogam【男性・単数・対格 saṁyoga】〜との接続・連合・結合・接触;〜への専心;〜との友好関係・縁故
→buddhisaṁyogam【男性・単数・対格、限定複合語】[〜に、〜を]理性よる精神統一、心の修練;最高精神との知的合一

लभते पौर्वदेहिकम् ।
labhate paurvadehikam |
ラバテー パウルヴァデーヒカム
獲得する、前世になされた

labhate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √labh】[彼は〜、それは〜]捕らえる、遭遇する、発見する;看取する;取得する、獲得する、受け取る
paurvadehikam【男性・単数・対格 paurvadehika】前世に関する、前世に由来する;前世になされた

यतते च ततो भूयः
yatate ca tato bhūyaḥ
ヤタテー チャ タトー ブーヤハ
それから、さらに到達しようと努力する

yatate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √yat】[彼は〜、それは〜]立ち現れる、整列する;競う;(具格)と結合する;(処格)と結合されたいと努める、〜に到達しようと試みる;〜を得ようと努める、〜をしようと努める、〜に専念する、〜を切望する;尽力する;用心する;(対格)に予め備える
ca【接続詞】そして、また、〜と
tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
bhūyas【副詞】一層多く;もっとも多く;大いに、非常に、はなはだ;その上に;なおまた、さらに、その他に、なお一層;再び、新たに

संसिद्धौ कुरुनन्दन ॥
saṁsiddhau kurunandana ||
サンシッダウ クルナンダナ
完成において、アルジュナよ

saṁsiddhau【女性・単数・処格 saṁsiddhi】[〜において、〜のなかで]完成、成就、遂行、成功;(―゜)における完全
kurunandana【男性・単数・呼格 kurunandana】[〜よ]クルの子孫[アルジュナの別名。クルはパーンドゥとドリタラーシュトラ共通の祖先にあたるため、クルクシェートラの戦いでは、多くの戦士はクルの子孫となる。]

तत्र तं बुद्धिसंयोगं लभते पौर्वदेहिकम् ।
यतते च ततो भूयः संसिद्धौ कुरुनन्दन ॥४३॥

tatra taṁ buddhisaṁyogaṁ labhate paurvadehikam |
yatate ca tato bhūyaḥ saṁsiddhau kurunandana ||43||
そこで彼は、前世で得た知性との合一を果たす。
それから、さらなる完成に向かって努力する。

バガヴァッド・ギーター第6章第42節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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अथवा योगिनाम् एव
athavā yoginām eva
アタヴァー ヨーギナーム エーヴァ
あるいは、ヨーガ行者たちの

athavā【副詞】あるいは、もしくは、むしろ;しかしながら、さて
yoginām【男性・複数・属格 yogin】[〜たちの、〜たちにとって]ヨーガ行者、修行者、実践者
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)

कुले भवति धीमताम् ।
kule bhavati dhīmatām |
クレー バヴァティ ディーマターム
一族において生まれる、叡知ある

kule【中性・単数・処格 kula】[〜において、〜のなかで]家族、一族、氏族、群れ、仲間、カースト
bhavati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √bhū】[それは〜、彼は〜]ある、存在する、〜となる;生じる
dhīmatām【男性・複数・属格 dhīmat】知恵のある、思慮のある、聡明な、賢明な、博識な

एतद् धि दुर्लभतरं
etad dhi durlabhataraṁ
エータッド ディ ドゥルラバタラン
実にこれは、より得難い

etat【中性・単数・主格、指示代名詞 etad】[〜は、〜が]これ
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
durlabhataram【中性・単数・主格・比較級 durlabha】[より〜]得難い、見出し難い、会い難い、稀な;貴重な

लोके जन्म यद् ईदृशम् ॥
loke janma yad īdṛśam ||
ローケー ジャンマ ヤッド イードリシャム
この世において、そのような誕生は

loke【男性・単数・処格 loka】[〜において、〜のなかで]空間、余地、場所;地方、地帯、国;世界、宇宙の区分;天;地;人類、一般の人民、国民;男子(複数);(複)団体、仲間;日常生活、慣例、世事、俗事;視ること
janma【中性・単数・主格 janman】[〜は、〜が]誕生、起源、産出;生命、存在;誕生地;父;生物、実在;種族、家族;種類;性質;再生;方法;水
yad【中性・単数・主格、関係代名詞 yad】〜であるもの、〜である人
īdṛśam【中性・単数・主格 īdṛśa】そのような状態、そのような場合

अथवा योगिनामेव कुले भवति धीमताम् ।
एतद्धि दुर्लभतरं लोके जन्म यदीदृशम् ॥४२॥

athavā yogināmeva kule bhavati dhīmatām |
etaddhi durlabhataraṁ loke janma yadīdṛśam ||42||
あるいは、叡知あるヨーガ行者たちの一族に生まれ変わる。
実に、このような転生は、この世において非常に稀である。

バガヴァッド・ギーター第6章第41節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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प्राप्य पुण्यकृतां लोकान्
prāpya puṇyakṛtāṁ lokān
プラープヤ プンニャクリターン ローカーン
善行者の世界に達して

prāpya【絶対分詞 pra√āp】[〜して、〜してから]到達する、会する、邂逅する、見出す;獲得する、娶る;蒙る
puṇyakṛtām【男性・複数・属格 puṇyakṛt(=puṇyakartṛ)】[〜の、〜にとって]敬虔に行う、有徳の 【名詞】正義の人
lokān【男性・複数・対格 loka】[〜らに、〜らを]空間、余地、場所;地方、地帯、国;世界、宇宙の区分;天;地;人類、一般の人民、国民;男子(複数);(複)団体、仲間;日常生活、慣例、世事、俗事;視ること

उषित्वा शाश्वतीः समाः ।
uṣitvā śāśvatīḥ samāḥ |
ウシトヴァー シャーシュヴァティーヒ サマーハ
永遠の年月を暮らし

uṣitvā【絶対分詞 √vas】[〜して、〜してから]留まる、泊まる、休止する、止まる、滞在する、滞留する、住む、生活する;存在する、(処格)にある;依存する;(純潔を)守る;楽しく・気楽に暮らす
śāśvatīs【女性・複数・対格 śāśvata】永遠の、不変の、不断の、恒久の、永久の
samās【女性・複数・対格 sama】[〜らに、〜らを]年

शुचीनां श्रीमतां गेहे
śucīnāṁ śrīmatāṁ gehe
シュチーナーン シュリーマターン ゲーヘー
純潔で高貴な人々の家において

śucīnām【男性・複数・属格 śuci】[〜らの、〜らにとって]輝く、光を発する;白く輝く;明るい、清い;純粋な、汚れのない、罪のない、正直な、高潔な;(祭式上)清浄な
śrīmatām【男性・複数・属格 śrīmat】[〜らの、〜らにとって]輝かしい、美しい;黄金に富む;著名な、高名な、高位の・高貴なる威厳を有する;金持ちの;繁栄に資する
gehe【中性・単数・処格 geha】[〜において、〜のなかで]家、住居;家庭生活

योगभ्रष्टो ऽभिजायते ॥
yogabhraṣṭo ‘bhijāyate ||
ヨーガブラシュトー ビジャーヤテー
ヨーガから脱落した者は、生まれる

yogabhraṣṭas【男性・単数・主格 yogabhraṣṭa】[〜は、〜が]信仰・冥想・ヨーガから脱落した
abhijāyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 abhi√jan】[彼は〜、それは〜]生まれる、運命づけられる;産出させられる;(輪廻して)再生する

प्राप्य पुण्यकृतां लोकानुषित्वा शाश्वतीः समाः ।
शुचीनां श्रीमतां गेहे योगभ्रष्टोऽभिजायते ॥४१॥

prāpya puṇyakṛtāṁ lokānuṣitvā śāśvatīḥ samāḥ |
śucīnāṁ śrīmatāṁ gehe yogabhraṣṭo’bhijāyate ||41||
ヨーガから脱落した者は、善行者の世界に達して、
永遠の年月を暮らし、純潔で高貴な家庭に生まれ変わる。

バガヴァッド・ギーター第6章第40節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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श्रीभगवान् उवाच
śrībhagavān uvāca
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った

śrībhagavān【男性・単数・主格 śrībhagavat】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、語る

पार्थ नैवेह नामुत्र
pārtha naiveha nāmutra
パールタ ナイヴェーハ ナームトラ
アルジュナよ、現世においてもない、来世においてもない

pārtha【男性・単数・呼格】[〜よ]プリターの息子。アルジュナのこと。
na【否定辞】〜でない
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
iha【副詞】ここで[へ・に];この世で、地上で
na【否定辞】〜でない
amutra【副詞】それにおいて;ここに;そこに、そこに向かって;他の世において、来世において

विनाशस् तस्य विद्यते ।
vināśas tasya vidyate |
ヴィナーシャス タッスヤ ヴィディヤテー
彼の滅亡がある

vināśas【男性・単数・主格 vināśa】[〜は、〜が]消失、中止、喪失;分解、破壊、滅亡
tasya【男性・単数・属格、指示代名詞 tad】[〜の、〜にとって]彼、それ、あれ
vidyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vid】[それは〜]ある、存在する、見られる

न हि कल्याणकृत् कश्चिद्
na hi kalyāṇakṛt kaścid
ナ ヒ カリヤーナクリット カシュチッド
なぜならば、善行をなす者は、誰もない

na【否定辞】〜でない
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
kalyāṇakṛt【男性・単数・主格 kalyāṇakṛt】善行をなす、徳のある、情が深い
kaścid【男性・単数・主格、不定代名詞、kim + cit】誰か、誰かある人、何か、何かあるもの

दुर्गतिं तात गच्छति ॥
durgatiṁ tāta gacchati ||
ドゥルガティン タータ ガッチャティ
悪道に行く、アルジュナよ

durgatim【女性・単数・対格 durgati】[〜に、〜を]悲惨、不運、貧窮;地獄
tāta【男性・単数・呼格 tāta】[〜よ]父;親愛なる父よ(長上、優者、小児または弟子に呼びかける語)
gacchati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √gam】[彼は〜、それは〜]行く、動く、歩む;去る、来る;止む、死す;〜に近づく、〜に達する、〜を得る

श्रीभगवान् उवाच
पार्थ नैवेह नामुत्र विनाशस्तस्य विद्यते ।
न हि कल्याणकृत्कश्चिद् दुर्गतिं तात गच्छति ॥४०॥

śrībhagavān uvāca
pārtha naiveha nāmutra vināśastasya vidyate |
na hi kalyāṇakṛtkaścid durgatiṁ tāta gacchati ||40||
クリシュナは語った。
アルジュナよ、現世でも、来世でも、彼が滅亡することはない。
なぜなら、善行者は誰も悪道に赴かないからだ。

バガヴァッド・ギーター第6章第39節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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एतन् मे संशयं कृष्ण
etan me saṁśayaṁ kṛṣṇa
エータン メー サンシャヤン クリシュナ
私のこの疑惑を、クリシュナよ

etat【中性・単数・対格、指示代名詞 etad】[〜に、〜を]これ
me【単数・属格、一人称代名詞 mad(mamaの附帯形)】[〜の、〜にとって]私
saṁśayam【男性・単数・対格 saṁśaya】[〜に、〜を]〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険
kṛṣṇa【男性・単数・呼格 kṛṣṇa】[〜よ]クリシュナ神;黒い羊飼い

छेत्तुम् अर्हस्य् अशेषतः ।
chettum arhasy aśeṣataḥ |
チェーットゥン アルハシ アシェーシャタハ
残らず断ち切ってください

chettum【√chidの不定詞】[〜するため、〜すべく、〜すること]切る、切り落とす、切り倒す;断つ;刺し通す;破壊する
arhasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √arh】[あなたは〜]〜できる、資格がある、権利がある;〜すべきである、余儀なくさせられる;責を負う;価値がある、匹敵する
aśeṣatas【副詞】残さず;全く、十分に、すべて

त्वदन्यः संशयस्यास्य
tvadanyaḥ saṁśayasyāsya
トヴァダンニャハサンシャヤスヤースヤ
あなた以外に、この疑惑の

tvadanyas【男性・単数・主格 tvadanya】あなた以外の
saṁśayasya【男性・単数・属格 saṁśaya】[〜の、〜にとって]〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険
asya【男性・単数・属格 指示代名詞 idam】[〜の、〜にとって]これ、この、彼

छेत्ता न ह्य् उपपद्यते ॥
chettā na hy upapadyate ||
チェーッター ナ ヒ ウパパディヤテー
破壊者は、存在しないから

chettā【男性・単数・主格 chettṛ】[〜は、〜が]樵夫;破壊者;(疑を)除く人、追放者
na【否定辞】〜でない
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
upapadyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 upa√pad】[彼は〜、それは〜]〜に来る;(師)の許へ行く;〜に(弟子)入りする;〜に到達する、〜を始める;起こる、生ずる、現れる;存在する;出来る、可能である;〜に適する・適当である、〜に値する

एतन्मे संशयं कृष्ण छेत्तुमर्हस्यशेषतः ।
त्वदन्यः संशयस्यास्य छेत्ता न ह्युपपद्यते ॥३९॥

etanme saṁśayaṁ kṛṣṇa chettumarhasyaśeṣataḥ |
tvadanyaḥ saṁśayasyāsya chettā na hyupapadyate ||39||
クリシュナよ、私のこの疑惑を、残らず断ち切ってください。
なぜなら、この疑惑を取り除ける方は、あなた以外に存在しないから。」

バガヴァッド・ギーター第6章第38節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

कच्चिन् नोभयविभ्रष्टश्
kaccin nobhayavibhraṣṭaś
カッチン ノーバヤヴィブラシュタシュ
両者から脱落した者は、ではないのか?

kaccit【疑問副詞 kaccid】何か;〜にないものを望むも;決して〜ない
na【否定辞】〜でない
ubhaya【男性】両方の
vibhraṣṭas【男性・単数・主格 vibhraṣṭa√bhraṃśの過去受動分詞】落ちた;(―゜)から逃れた;消失した;(―゜)において不成功な;(―゜)を奪われた
→ubhayavibhraṣṭas【男性・単数・主格、限定複合語】[〜は、〜が]両者において不成功な、両方を奪われた
※「両者」=「行為の道とヨーガの道」(シャンカラ)、「放擲とヨーガ」(ゼーナー)、「行為の道と知識の道」(マドゥスーダナ)(上村勝彦注)

छिन्नाभ्रम् इव नश्यति ।
chinnābhram iva naśyati |
チンナーブラム イヴァ ナッシャティ
ちぎれ雲のように消える

chinna√chidの過去受動分詞】切られた、切り取られた、切断された;刻目を付けられた;束縛された;失われた
abhram【中性・単数・主格 abhra】[〜は、〜が]曇天;(雨)雲;空
→chinnābhram【中性・単数・主格、同格限定複合語】[〜は、〜が]ちぎれ雲、断雲
iva【副詞】〜のように、〜と同様に、言わば
naśyati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √naś】[彼は〜、それは〜]失われる、滅する、没する、消える、去る;逃げる、避ける;無益である、徒労である

अप्रतिष्ठो महाबाहो
apratiṣṭho mahābāho
アプラティシュトー マハーバーホー
拠り所なく、クリシュナよ

apratiṣṭha【男性・単数・主格 apratiṣṭha】根拠のない、滅ぶべき、不安定な;価値のない
mahābāho【男性・単数・呼格 mahābāhu】[〜よ]強大な腕力を持つ(者)、長い腕を持つ(者)、強い臂を持つ(者)。ここではクリシュナのこと。

विमूढो ब्रह्मणः पथि ॥
vimūḍho brahmaṇaḥ pathi ||
ヴィムードー ブラフマナハ パティ
ブラフマンの道において迷い

vimūḍhas【男性・単数・主格 vimūḍhavi√muhの過去受動分詞)】〜に関して途方に暮れた、当惑した、不確実な;愚かな
brahmaṇas【中性・単数・属格 brahman】[〜の、〜にとって]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性
pathi【男性・単数・処格 path】[〜において、〜のなかで]路、道、小路;旅程;正路;地獄

कच्चिन्नोभयविभ्रष्टश्छिन्नाभ्रमिव नश्यति ।
अप्रतिष्ठो महाबाहो विमूढो ब्रह्मणः पथि ॥३८॥

kaccinnobhayavibhraṣṭaśchinnābhramiva naśyati |
apratiṣṭho mahābāho vimūḍho brahmaṇaḥ pathi ||38||
二つの道から脱落した者は、拠り所なく、ブラフマンの道において迷い、
ちぎれ雲のように消えるのではないか?クリシュナよ。