バガヴァッド・ギーター第7章第30節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

साधिभूताधिदैवं मां
sādhibhūtādhidaivaṁ māṁ
サーディブーターディダイヴァン マーン
私を、最高の存在と最高の神格を伴う

sa【接頭辞】(結合、共有、類似、同等を表現する、不可分離の不変化辞、一般に形容詞的合成語となる。)=所有する、着ている、含む、現す;〜に伴われた、〜と一緒に;〜の他に、および;同一のものに属する、類似物をもっている、に似ている
adhibhūta【中性】(行為者の行動する)限界・目的;至上の霊
adhidaiva【男性】最高神;守護神
→sādhibhūtādhidaivam【男性・単数・対格 sādhibhūtādhidaiva】adhibhūtaおよびadhidaivaを伴う
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私

साधियज्ञं च ये विदुः ।
sādhiyajñaṁ ca ye viduḥ |
サーディヤジュニャン チャ イェー ヴィドゥフ
最高の祭祀を伴うと、知る人々は

sa【接頭辞】(結合、共有、類似、同等を表現する、不可分離の不変化辞、一般に形容詞的合成語となる。)=所有する、着ている、含む、現す;〜に伴われた、〜と一緒に;〜の他に、および;同一のものに属する、類似物をもっている、に似ている
adhiyajñam【男性・単数・対格 adhiyajña】[〜に、〜を]最高の供犠 【形容詞】供犠に関する
ca【接続詞】そして、また、〜と
ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】[〜らは、〜らが]〜であるところの、〜であるもの、〜である人
vidus【三人称・複数・パラスマイパダ・完了 √vid】[彼らは〜した、それらは〜した]知る、理解する、気付く、学ぶ

प्रयाणकाले ऽपि च मां
prayāṇakāle ‘pi ca māṁ
プラヤーナカーレー ピ チャ マーン
死期においても、私を

prayāṇakāle【男性・単数・処格 prayāṇakāla】[〜において、〜のなかで]死期;死
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
ca【接続詞】そして、また、〜と
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私

ते विदुर् युक्तचेतसः ॥
te vidur yuktacetasaḥ ||
テー ヴィドゥル ユクタチェータサハ
専心した彼らは知る

te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼
vidus【三人称・複数・パラスマイパダ・完了 √vid】[彼らは〜した、それらは〜した]知る、理解する、気付く、学ぶ
yukta√yujの過去受動分詞)】くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した
cetasas【男性・複数・主格 cetas】様子;光輝;自覚;知能;感官;心、精神、意志
→yuktacetasas【男性・複数・主格、所有複合語】精神を集中した、専心した

साधिभूताधिदैवं मां साधियज्ञं च ये विदुः ।
प्रयाणकालेऽपि च मां ते विदुर्युक्तचेतसः ॥३०॥

sādhibhūtādhidaivaṁ māṁ sādhiyajñaṁ ca ye viduḥ |
prayāṇakāle’pi ca māṁ te viduryuktacetasaḥ ||30||
最高の存在、最高の神格、そして最高の祭祀と私は同一であると知る人々は、
死期においても、私に専心し、私を知る。

バガヴァッド・ギーター第7章第29節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

जरामरणमोक्षाय
jarāmaraṇamokṣāya
ジャラーマラナモークシャーヤ
老いと死からの解放のために

jarā【女性】老齢、老い;老年期
maraṇa【中性】死ぬこと;死;死滅、停止
mokṣāya【男性・単数・為格 mokṣa】[〜に、〜のために]〜からの解放・釈放・脱出;(未来の)輪廻からの解放、永遠の解脱
→jarāmaraṇamokṣāya【男性・単数・為格、限定複合語】[〜に、〜のために]老いと死からの解放

माम् आश्रित्य यतन्ति ये ।
mām āśritya yatanti ye |
マーム アーシュリティヤ ヤタンティ イェー
私に帰依して、努力する人々は

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
āśritya【絶対分詞 ā√śri】[〜して、〜してから]〜に付着する;〜に寄りかかる・に付着する・に訴える・に避難する、〜に執着する・に頼る;〜に赴く・来る・達する
yatanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yat】[彼らは〜、それらは〜]立ち現れる、整列する;競う;(具格)と結合する;(処格)と結合されたいと努める、〜に到達しようと試みる;〜を得ようと努める、〜をしようと努める、〜に専念する、〜を切望する;尽力する;用心する;(対格)に予め備える
ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】[〜らは、〜らが]〜であるところの、〜であるもの、〜である人

ते ब्रह्म तद् विदुः कृत्स्नम्
te brahma tad viduḥ kṛtsnam
テー ブラフマ タッド ヴィドゥフ クリツナム
彼らは、かのブラフマンのすべてを知る

te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼
brahma【中性・単数・対格 brahman】[〜に、〜を]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性
tat【中性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]それ、あれ、これ
vidus【三人称・複数・パラスマイパダ・完了 √vid】[彼らは〜した、それらは〜した]知る、理解する、気付く、学ぶ
kṛtsnam【中性・単数・対格 kṛtsna】すべての、全体の

अध्यात्मं कर्म चाखिलम् ॥
adhyātmaṁ karma cākhilam ||
アディヤートマン カルマ チャーキラム
至高の自己を、そしてすべての行為を

adhyātmam【中性・単数・対格 adhyātma】[〜に、〜を]至上の霊、行動の作因としての霊 【形容詞】自己の、自己に特有な 【副詞 adhyātmam】自己・個性に関して
karma【中性・単数・対格 karman】[〜に、〜を]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
ca【接続詞】そして、また、〜と
akhilam【中性・単数・対格 akhila】亀裂のない、全体の、すべての 【副詞】全然、全く

जरामरणमोक्षाय मामाश्रित्य यतन्ति ये ।
ते ब्रह्म तद्विदुः कृत्स्नमध्यात्मं कर्म चाखिलम् ॥२९॥

jarāmaraṇamokṣāya māmāśritya yatanti ye |
te brahma tadviduḥ kṛtsnamadhyātmaṁ karma cākhilam ||29||
老いと死からの解放のために、私に帰依して、努力する人々は、
かのブラフマンを、至高の自己を、そして行為のすべてを知る。

バガヴァッド・ギーター第7章第28節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

येषां त्व् अन्तगतं पापं
yeṣāṁ tv antagataṁ pāpaṁ
イェーシャーン トヴ アンタガタン パーパン
しかし、それらの罪悪が消滅した

yeṣām【男性・複数・属格、関係代名詞 yad】[〜らの、〜らにとって]その、あの、彼
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
antagatam【中性・単数・主格 antagata】終末に達した;最後の
pāpam【中性・単数・主格 pāpa】[〜は、〜が]罪、悪、不正、悪事

जनानां पुण्यकर्मणाम् ।
janānāṁ puṇyakarmaṇām |
ジャナーナーン プンニャカルマナーム
善行の人々の

janānām【男性・複数・属格 jana】[〜らの、〜らにとって]生物;人、個人;民族、種族;人民、臣民;人々
puṇyakarmaṇām【中性・複数・属格 puṇyakarman】正義の、有徳の 【中性名詞】有徳の行為

ते द्वन्द्वमोहनिर्मुक्ता
te dvandvamohanirmuktā
テー ドヴァンドヴァモーハニルムクター
彼らは相対の迷妄から解放され

te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼
dvandvamoha【男性】正反対の事物・疑念から起こる難事、不安
nirmuktā【男性・複数・主格 nirmuktanir√mucの過去受動分詞)】解放された、(具格)から逃れた;(従格)から救われた;(従格、―゜)のない;分離された;放棄された、失われた、過ぎ去った;投げられた、放たれた;脱皮した(蛇);(―゜)を奪われた・欠いた
→dvandvamohanirmuktā【男性・複数・主格、限定複合語】相対の迷妄から解放された

भजन्ते मां दृढव्रताः ॥
bhajante māṁ dṛḍhavratāḥ ||
バジャンテー マーン ドリダヴラターハ
私を心から信愛する

bhajante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 √bhaj】[彼は〜、それは〜]分配する、分かつ;実行する、従う、守る;好意を示す;愛する;尊敬する、崇め尊ぶ、崇拝する
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
dṛḍhavratās【男性・複数・主格 dṛḍhavrata】誓約に忠実な;目的の確固とした;(処格)を固持する;心から(―゜)に帰依した

येषां त्वन्तगतं पापं जनानां पुण्यकर्मणाम् ।
ते द्वन्द्वमोहनिर्मुक्ता भजन्ते मां दृढव्रताः ॥२८॥

yeṣāṁ tvantagataṁ pāpaṁ janānāṁ puṇyakarmaṇām |
te dvandvamohanirmuktā bhajante māṁ dṛḍhavratāḥ ||28||
しかし、罪悪が消滅した善行の人々は、
相対の迷妄から解放され、私を心から信愛する。

バガヴァッド・ギーター第7章第27節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

इच्छाद्वेषसमुत्थेन
icchādveṣasamutthena
イッチャードヴェーササムッテーナ
好悪から生じた

icchā【女性】願望、欲望
dveṣa【男性】憎悪、嫌悪、〜を憎むこと;害心、悪意、敵意
samutthena【男性・単数・具格 samuttha】[〜によって、〜をもって]〜から生起・生まれた・作られた・派生した;(―゜)に現れる
→icchā-dveṣa-samutthena【男性・単数・具格、限定複合語】[〜によって、〜をもって]好悪から生じた、愛憎から起きた

द्वन्द्वमोहेन भारत ।
dvandvamohena bhārata |
ドヴァンドヴァモーヘーナ バーラタ
相対の迷妄によって、アルジュナよ

dvandvamohena【男性・単数・具格 dvaṃdva-moha】[〜によって、〜をもって]正反対の事物・疑念から起こる難事、不安
bhārata【男性・単数・呼格 bhārata】[〜よ]バラタの子孫。ここではアルジュナのことを指す。

सर्वभूतानि संमोहं
sarvabhūtāni saṁmohaṁ
サルヴァブーターニ サンモーハン
万物は迷妄に

sarvabhūtāni【中性・複数・主格 sarvabhūta】[〜らは、〜らが]一切の存在物、万物、一切衆生 【形容詞】至る処に存在する
saṁmoham【男性・単数・対格 sammohasam√muhからの派生名詞)】[〜に、〜を]昏睡状態、失神;夢中、妄想;迷妄;無明

सर्गे यान्ति परंतप ॥
sarge yānti paraṁtapa ||
サルゲー ヤーンティ パランタパ
創造のなかで陥る、アルジュナよ

sarge【男性・単数・処格 sarga】[〜において、〜のなかで]発射;噴出、流れ;一陣(の風);(駿馬を)出発させること;競争;放たれた獣群;大軍;創造;創造物(神的存在、神)生得の性質、気質;決心、目的、意志;節、篇
yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
paraṁtapa【男性・単数・呼格 paraṁtapa】[〜よ]敵を悩ます者。アルジュナのこと。

इच्छाद्वेषसमुत्थेन द्वन्द्वमोहेन भारत ।
सर्वभूतानि संमोहं सर्गे यान्ति परंतप ॥२७॥

icchādveṣasamutthena dvandvamohena bhārata |
sarvabhūtāni saṁmohaṁ sarge yānti paraṁtapa ||27||
好悪から生じる相対の迷妄によって、
万物は創造のなかで迷妄に陥る。

バガヴァッド・ギーター第7章第26節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

वेदाहं समतीतानि
vedāhaṁ samatītāni
ヴェーダーハン サマティーターニ
私は、過去を知る

veda【一人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vid】(特殊形のため現在の意味をあらわす)[私は〜]知る、理解する、精通する、見出す
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
samatītāni【中性・複数・対格 samatītasam-ati-√īの過去受動分詞】[〜らに、〜らを]過去の、過ぎ去った

वर्तमानानि चार्जुन ।
vartamānāni cārjuna |
ヴァルタマーナーニ チャールジュナ
また現在を、アルジュナよ

vartamānāni【中性・複数・対格 vartamāna√vṛtの現在分詞)】[〜らに、〜らを]現在の、現存する 【中性名詞】現在
ca【接続詞】そして、また、〜と
arjuna【男性・単数・呼格 arjuna】[〜よ]アルジュナ

भविष्याणि च भूतानि
bhaviṣyāṇi ca bhūtāni
バヴィッシャーニ チャ ブーターニ
そして未来の万物を

bhaviṣyāṇi【中性・複数・対格 bhaviṣya】[〜らに、〜らを]まさに存在しようとする、未来の;差し迫った、焦眉の 【中性名詞】未来
ca【接続詞】そして、また、〜と
bhūtāni【中性・複数・対格 bhūta】[〜らに、〜らを]存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界

मां तु वेद न कश्चन ॥
māṁ tu veda na kaścana ||
マーン トゥ ヴェーダ ナ カシュチャナ
しかし、誰も私を知らない

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
veda【一人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vid】(特殊形のため現在の意味をあらわす)[私は〜]知る、理解する、精通する、見出す
na【否定辞】〜でない
kaścana【男性・単数・主格、不定代名詞、kim + cana】[〜は、〜が]誰か、誰かある人、何か、何かあるもの

वेदाहं समतीतानि वर्तमानानि चार्जुन ।
भविष्याणि च भूतानि मां तु वेद न कश्चन ॥२६॥

vedāhaṁ samatītāni vartamānāni cārjuna |
bhaviṣyāṇi ca bhūtāni māṁ tu veda na kaścana ||26||
アルジュナよ、私は、万物の過去・現在・未来を知る。
しかし、誰も私を知らない。

バガヴァッド・ギーター第7章第25節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

नाहं प्रकाशः सर्वस्य
nāhaṁ prakāśaḥ sarvasya
ナーハン プラカーシャハ サルヴァッスヤ
私は、すべてにとって、明瞭でない

na【否定辞】〜でない
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
prakāśas【男性・単数・主格 prakāśa】輝く、照らす、清澄の、明瞭な、晃々たる、顕れた、開いた、見えた、公の;(―゜)によって生じた・引き起こされた;(―゜)のように見える、〜に類する
sarvasya【男性・単数・属格 sarva】[〜の、〜にとって]すべての、一切の、各々の;全体の

योगमायासमावृतः ।
yogamāyāsamāvṛtaḥ |
ヨーガマーヤーサマーヴリタハ
ヨーガの幻力(マーヤー)に覆われた

yoga【男性】ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一;策略、詭計;呪術、魔術
māyā【女性】術、不可思議の力;策略、計略、狡計;詭計、詐欺;手品、妖術;幻像、幻想;幻影
yogamāyā【女性】魔法;放心的瞑想によって生じた幻想
samāvṛtas【男性・単数・主格 samāvṛtasam-ā-√vṛの過去受動分詞)】(具格、―゜)で覆われた;(具格)に包まれた・に保護された;(―゜)に満たされた・によって居住された;(属格:人)に対して閉ざされた
→yogamāyāsamāvṛtas【男性・単数・主格、限定複合語】ヨーガの幻力(マーヤー)に覆われた、不可思議な幻力に覆われた

मूढो ऽयं नाभिजानाति
mūḍho ‘yaṁ nābhijānāti
ムドー ヤン ナービジャーナーティ
迷ったこれは、知らない

mūḍhas【男性・単数・主格 mūḍha√muhの過去受動分詞)】迷った;進路を失った(船);〜について困惑した・混乱した・当惑した・不確実な;愚鈍な、愚かな、鈍い、低能な;途方に暮れた
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】[〜は、〜が]これ
na【否定辞】〜でない
abhijānāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 abhi√jñā】[彼は〜、それは〜]了解する、悟る、知る;(対格)を(対格)と認める・見なす;記憶する

लोको माम् अजम् अव्ययम् ॥
loko mām ajam avyayam ||
ローコー マーム アジャム アヴィヤヤム
世界は、不生不滅の私を

lokas【男性・単数・主格 loka】[〜は、〜が]空間、余地、場所;地方、地帯、国;世界、宇宙の区分;天;地;人類、一般の人民、国民;男子(複数);(複)団体、仲間;日常生活、慣例、世事、俗事;視ること
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
ajam【男性・単数・対格 aja】不生の、永遠の、初より存在する
avyayam【男性・単数・対格 avyaya】不滅の、不変の;慳貪の

नाहं प्रकाशः सर्वस्य योगमायासमावृतः ।
मूढोऽयं नाभिजानाति लोको मामजमव्ययम् ॥२५॥

nāhaṁ prakāśaḥ sarvasya yogamāyāsamāvṛtaḥ |
mūḍho’yaṁ nābhijānāti loko māmajamavyayam ||25||
ヨーガの幻力(マーヤー)に覆われた私は、すべてにとって明瞭でない。
この迷える世界は、不生不滅である私を知らない。

バガヴァッド・ギーター第7章第24節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अव्यक्तं व्यक्तिम् आपन्नं
avyaktaṁ vyaktim āpannaṁ
アヴィヤクタン ヴィヤクティム アーパンナン
非顕現のものを、顕現を得たものと

avyaktas【男性・単数・対格 avyakta(a-vi√añjの過去受動分詞)】[〜に、〜を]非顕現の、現れない、認めがたい;不明瞭な、目に見えない、感知できない
vyaktim【女性・単数・対格 vyakti】[〜に、〜を]示現、出現;明瞭、明晰;区別、差異;差別された物、個物;文法上の性
āpannam【男性・単数・対格 āpannaāpadの過去受動分詞)】(対格、―゜)に陥った・入った;不運な、苦悩した、悲惨な;得られた

मन्यन्ते माम् अबुद्धयः ।
manyante mām abuddhayaḥ |
マンニャンテー マーム アブッダヤハ
無知な人々は、私を考える

manyate【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 √man】[彼らは〜、それらは〜]考える、信じる、想像する
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
abuddhayas【女性・複数・主格 abuddhi】[〜らは、〜らが]愚鈍、愚かな行為;志向を欠くこと;偶然 【形容詞】愚かな、無知な

परं भावम् अजानन्तो
paraṁ bhāvam ajānanto
パラン バーヴァム アジャーナントー
最高の状態を知らずに

param【男性・単数・対格 para】最高の;より優れた、より高い、より良い、より悪い;最上の、卓越した、最善の;最大の
bhāvam【男性・単数・対格 bhāva】[〜に、〜を]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位
ajānantas【男性・複数・主格 ajānat(a√jñāの現在分詞)】知らない、無知な、気づかない

ममाव्ययम् अनुत्तमम् ॥
mamāvyayam anuttamam ||
ママーヴィヤヤム アヌッタマム
不滅にして至高である私の

mama【単数・属格、一人称代名詞 mad】[〜の、〜にとって]私
avyayam【男性・単数・対格 avyaya】不滅の、不変の;慳貪の
anuttamam【男性・単数・対格 anuttama】(それ以上高位のもののない)、最高の、最優の;最強の

अव्यक्तं व्यक्तिमापन्नं मन्यन्ते मामबुद्धयः ।
परं भावमजानन्तो ममाव्ययमनुत्तमम् ॥२४॥

avyaktaṁ vyaktimāpannaṁ manyante māmabuddhayaḥ |
paraṁ bhāvamajānanto mamāvyayamanuttamam ||24||
無知な人々は、非顕現の私を、顕現したものと考える。
不滅にして至高である、私の最高の状態を知らずに。

バガヴァッド・ギーター第7章第23節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अन्तवत् तु फलं तेषां
antavat tu phalaṁ teṣāṁ
アンタヴァット トゥ パラン テーシャーン
しかし、彼らにとって、果報は有限である

antavat【中性・単数・主格 antavat】際限を有する、有限の、最終の、無常の、消滅すべき
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
phalam【中性・単数・主格 phala】[〜は、〜が]果実;(果実の)核;結果;報い、報酬、利益、果報;報復、罰、損失、不利益;利得、享受;代償
teṣām【男性・複数・属格、指示代名詞 tad】[〜らの、〜らにとって]それ、あれ、これ

तद् भवत्य् अल्पमेधसाम् ।
tad bhavaty alpamedhasām |
タッド バヴァティ アルパメーダサーム
知識のない(彼ら)にとって、それは(有限)となる

tad【中性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]それ、あれ、これ
bhavati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √bhū】[それは〜、彼は〜]ある、存在する、〜となる;生じる
alpamedhasām【男性・複数・属格 alpamedhas】[〜の、〜にとって]小知の、無知な、愚かな、分別のない

देवान् देवयजो यान्ति
devān devayajo yānti
デーヴァーン デーヴァヤジョー ヤーンティ
神々を崇める者たちは、神々に至り

devān【男性・複数・対格 deva】[〜らに、〜らを]天上の者、神格者、神、神聖な者;祭官、婆羅門;王、王侯;長
devayajas【男性・複数・主格 devayaj】[〜らは、〜らが]諸神に供える、諸神を崇拝する
yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う

मद्भक्ता यान्ति माम् अपि ॥
madbhaktā yānti mām api ||
マドバクター ヤーンティ マーム アピ
私を信愛する者たちは、疑いなく私に至る

madbhaktās【男性・複数・主格 madbhakta】[〜らは、〜らが]私に献身した
yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお;疑いなく、確実に、必ず、間違いなく

अन्तवत्तु फलं तेषां तद्भवत्यल्पमेधसाम् ।
देवान्देवयजो यान्ति मद्भक्ता यान्ति मामपि ॥२३॥

antavattu phalaṁ teṣāṁ tadbhavatyalpamedhasām |
devāndevayajo yānti madbhaktā yānti māmapi ||23||
しかし、小知の人々にとって、果報は有限である。
神々の信者たちは神々に至り、私の信者たちは、この私に至る。

バガヴァッド・ギーター第7章第22節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

स तया श्रद्धया युक्तस्
sa tayā śraddhayā yuktas
サ タヤー シュラッダヤー ユクタス
彼は、その信仰によって結ばれ

sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
tayā【女性・単数・具格、指示代名詞 tad】[〜によって、〜をもって]彼女、それ、あれ
śraddhayā【女性・単数・具格 śraddhā】[〜によって、〜をもって]〜に対する信用・信頼・信仰・信念;忠実、真摯、〜に対する欲望・願望;好奇心 【形容詞】(為格)を信仰する、〜を信頼する
yuktas【男性・単数・主格 yukta√yujの過去受動分詞)】くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した;〜に適した・相当する・ふさわしい;正しい、正確な;〜に適応した

तस्याराधनम् ईहते ।
tasyārādhanam īhate |
タッスヤーラーダナム イーハテー
それにとって、満足させようと努める

tasya【男性・単数・属格、指示代名詞 tad】[〜の、〜にとって]彼、それ、あれ
ārādhanam【中性・単数・対格 ārādhanaā√rādhの過去受動分詞)】懐柔する、好意を得る、人心を得る 【中性名詞】繁栄、成功;完成;宥めること、満足させること;崇拝
īhate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √īh】[彼は〜、それは〜](対格)を得ようと努める、〜を窺う、(不定詞)しようと希う;企てる;努力する

लभते च ततः कामान्
labhate ca tataḥ kāmān
ラバテー チャ タタハ カーマーン
そしてそれから、彼は願望を獲得する

labhate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √labh】[彼は〜、それは〜]捕らえる、遭遇する、発見する;看取する;取得する、獲得する、受け取る
ca【接続詞】そして、また、〜と
tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
kāmān【男性・複数・対格 kāma】[〜らを、〜らに]〜に対する願望、欲望;愛、快楽;利益;性愛;愛の神

मयैव विहितान् हि तान् ॥
mayaiva vihitān hi tān ||
マヤイヴァ ヴィヒターン ヒ ターン
実に、私によってこれらを与えられた

mayā【単数・具格、一人称代名詞 mad】[〜によって、〜をもって]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
vihitān【男性・複数・対格 vihitavi√dhāの過去受動分詞)】分与された;得られた、許された、与えられた、(欲を)満たされた
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
tān【男性・複数・対格、指示代名詞 tad】[〜らに、〜らを]これ、あれ、彼

स तया श्रद्धया युक्तस्तस्याराधनमीहते ।
लभते च ततः कामान्मयैव विहितान्हि तान् ॥२२॥

sa tayā śraddhayā yuktastasyārādhanamīhate |
labhate ca tataḥ kāmānmayaiva vihitānhi tān ||22||
彼は、その信仰と結ばれ、その神格を満足させようと努める。
それから、諸々の願望が叶えられる。それらは実に、私自身によって叶えられるのである。

バガヴァッド・ギーター第7章第21節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यो यो यां यां तनुं भक्तः
yo yo yāṁ yāṁ tanuṁ bhaktaḥ
ヨー ヨー ヤーン ヤーン タヌン バクタハ
どのような信者が、どのような形体を

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
→yas yas【男性・単数・主格】whoever, whatever, whichever
yām【女性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
→yām yām【女性・単数・対格】whoever, whatever, whichever
tanum【女性・単数・対格 tanu(またはtanū】[〜に、〜を]身体、容貌、形体;ある人自身
bhaktas【男性・単数・主格 bhakta√bhajの過去受動分詞)】[〜は、〜が]分配された;割り当てられた;〜に心服した、〜を崇める、〜を崇拝する 【名詞】信者、礼拝者、帰依者

श्रद्धयार्चितुम् इच्छति ।
śraddhayārcitum icchati |
シュラッダヤールチトゥム イッチャティ
信仰をもって、礼拝しようとも

śraddhayā【女性・単数・具格 śraddhā】[〜によって、〜をもって]〜に対する信用・信頼・信仰・信念;忠実、真摯、〜に対する欲望・願望;好奇心 【形容詞】(為格)を信仰する、〜を信頼する
arcitum【√arcの不定詞】[〜するため、〜すべく、〜すること](光を)放つ、輝く;歌う;称讃する;尊敬する、礼拝する;飾る
icchati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √iṣ】[彼は〜、それは〜] 探る、捜査する;欲する、願う、希望する、乞う、〜に期待する;(不定詞)しようと考える、〜しようとする;(対格)を選ぶ;認める、承認する

तस्य तस्याचलां श्रद्धां
tasya tasyācalāṁ śraddhāṁ
タッスヤ タッスヤーチャラーン シュラッダーン
それぞれにとって不動の信仰を

tasya【男性・単数・属格、指示代名詞 tad】[〜の、〜にとって]彼、それ、あれ
→tasya tasya【男性・単数・属格】[〜の、〜にとって]各々、それぞれ
acalām【女性・単数・対格 acala】不動の、動じない、動かない
śraddhām【女性・単数・対格 śraddhā】[〜に、〜を]〜に対する信用・信頼・信仰・信念;忠実、真摯、〜に対する欲望・願望;好奇心 【形容詞】(為格)を信仰する、〜を信頼する

ताम् एव विदधाम्य् अहम् ॥
tām eva vidadhāmy aham ||
ターム エーヴァ ヴィダダーミ アハム
私はそれを与える

tām【女性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]彼女、それ、あれ
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
vidadhāmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 vi√dhā】[私は〜]分与する;得る、許す、与える、(欲を)満たす;安全にする;想像する、形作る、形成する;組み立てる、建築する、結構する;置く
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私

यो यो यां यां तनुं भक्तः श्रद्धयार्चितुमिच्छति ।
तस्य तस्याचलां श्रद्धां तामेव विदधाम्यहम् ॥२१॥

yo yo yāṁ yāṁ tanuṁ bhaktaḥ śraddhayārcitumicchati |
tasya tasyācalāṁ śraddhāṁ tāmeva vidadhāmyaham ||21||
どのような信者が、信仰をもってどのような神格を礼拝しようと、
私は、各々の信仰を不動のものにする。