バガヴァッド・ギーター第9章第34節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

मन्मना भव मद्भक्तो
manmanā bhava madbhakto
マンマナー バヴァ マッドバクトー
心を私に向け、私を信愛せよ

manmanās【男性・単数・主格 manmanas(=manmanasa)】[〜は、〜が]私を考える
bhava【二人称・単数・パラスマイパダ・命令 √bhū】[あなたは〜せよ]ある、存在する、〜となる;生じる
madbhaktas【男性・単数・主格 madbhakta】[〜は、〜が]私に献身した

मद्याजी मां नमस्कुरु ।
madyājī māṁ namaskuru |
マディヤージー マーン ナマスクル
私を供養し、私を礼拝せよ

madyājī【男性・単数・主格 madyājin】[〜は、〜が]私を供養する、私を礼拝する
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
namaskuru【二人称・単数・パラスマイパダ・命令 namas√kṛ】[あなたは〜せよ](対格、為格、処格)に’namas’と言う、〜に敬意を表す、敬礼する

माम् एवैष्यसि युक्त्वैवम्
mām evaiṣyasi yuktvaivam
マーム エーヴァイシャシ ユクトヴァイヴァム
このように専心すれば、あなたは実に私に到達するだろう

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
eṣyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 √i】[あなたは〜だろう]行く、来る;到達する、遭う;去る、過ぎる
yuktvā【絶対分詞 √yuj】[〜して、〜してから]〜に繋ぐ;接合する、結合する;(祭式を)行う;〜に(精神・思考)を集中する;精神を統一する、深く瞑想する;想起する、回想する
evam【副詞】このように、こんなふうに、そんなふうに

आत्मानं मत्परायणः ॥
ātmānaṁ matparāyaṇaḥ ||
アートマーナン マットパラーヤナハ
私に自己を捧げて

ātmānam【男性・単数・対格 ātman】[〜に、〜を]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
matparāyaṇas【男性・単数・主格 matparāyaṇa】私に献身した

मन्मना भव मद्भक्तो मद्याजी मां नमस्कुरु ।
मामेवैष्यसि युक्त्वैवमात्मानं मत्परायणः ॥३४॥

manmanā bhava madbhakto madyājī māṁ namaskuru |
māmevaiṣyasi yuktvaivamātmānaṁ matparāyaṇaḥ ||34||
心を私に向け、私を信愛しなさい。私を供養し、私を礼拝しなさい。
このように、私に自己を捧げて専心すれば、あなたは私に到達するだろう。

バガヴァッド・ギーター第9章第33節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
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किं पुनर् ब्राह्मणाः पुण्या
kiṁ punar brāhmaṇāḥ puṇyā
キン プナル ブラーフマナーハ プンニャー
ましてや、有徳のバラモンたちは

kim【中性・単数・主格、疑問代名詞 kim】何、誰、なぜ、どんな、どのように
punar【副詞】後方へ、家へ;再び、新たに;更に、これ以上、なお、まだ;更にまた、かつまた、その他;それに反して、一方において、しかしながら、それにもかかわらず
brāhmaṇās【男性・単数・主格 brahman】[〜らは、〜らが]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性
puṇyās【男性・複数・主格 puṇya】吉兆の、幸先のよい、幸運な、好都合な、美しい、快い;芳香のある;善良な、有徳の、正しい、価値のある;純粋な、清浄な、神聖な

भक्ता राजर्षयस् तथा ।
bhaktā rājarṣayas tathā |
バクター ラージャルシャヤス タター
また信仰の篤い王仙たちは(なおさらである)

bhaktās【男性・複数・主格 bhakta√bhajの過去受動分詞)】[〜らは、〜らが]分配された;割り当てられた;〜に心服した、〜を崇める、〜を崇拝する 【名詞】信者、礼拝者、帰依者
rājarṣayas【男性・複数・主格 rājarṣi】[〜らは、〜らが]王族出身の仙人、王仙
tathā【副詞】そのように、同様に;そして、また

अनित्यम् असुखं लोकम्
anityam asukhaṁ lokam
アニッティヤム アスカン ローカム
無常で不幸な世界に

anityam【男性・単数・対格 anitya】無常な;一時的の、恒久でない;不確実の、不定の
asukham【男性・単数・対格 asukha】不快な;苦痛の;不幸な;(不定)し難い 【中性名詞】心痛、苦痛、悲哀
lokam【男性・単数・対格 loka】[〜に、〜を]空間、余地、場所;地方、地帯、国;世界、宇宙の区分;天;地;人類、一般の人民、国民;男子(複数);(複)団体、仲間;日常生活、慣例、世事、俗事;視ること

इमं प्राप्य भजस्व माम् ॥
imaṁ prāpya bhajasva mām ||
イマン プラープヤ バジャスヴァ マーム
この(世界)に生まれて、あなたは私を信愛せよ

imam【男性・単数・対格、指示代名詞 idam】[〜に、〜を]この、これ
prāpya【絶対分詞 pra√āp】[〜して、〜してから]到達する、会する、邂逅する、見出す;獲得する、娶る;蒙る
bhajasva【ニ人称・単数・アートマネーパダ・命令 √bhaj】[あなたは〜せよ]分配する、分かつ;実行する、従う、守る;好意を示す;愛する;尊敬する、崇め尊ぶ、崇拝する
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私

किं पुनर् ब्राह्मणाः पुण्या भक्ता राजर्षयस्तथा ।
अनित्यमसुखं लोकमिमं प्राप्य भजस्व माम् ॥३३॥

kiṁ punar brāhmaṇāḥ puṇyā bhaktā rājarṣayastathā |
anityamasukhaṁ lokamimaṁ prāpya bhajasva mām ||33||
ましてや、有徳のバラモンたちや、信仰の篤い王仙たちはなおさらである。
この無常で不幸な世界に生まれたからには、私のみを信愛しなさい。

バガヴァッド・ギーター第9章第32節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
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मां हि पार्थ व्यपाश्रित्य
māṁ hi pārtha vyapāśritya
マーン ヒ パールタ ヴィヤパーシュリティヤ
実に、私に帰依して

māṁ【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
pārtha【男性・単数・呼格 pārtha】[〜よ]プリターの息子。アルジュナのこと。
vyapāśritya【絶対分詞 vi-apa-ā√śri】[〜して、〜してから](対格)に避難する;(教理を)公言する;頼る

ये ऽपि स्युः पापयोनयः ।
ye ‘pi syuḥ pāpayonayaḥ |
イェー ピ シュフ パーパヨーナヤハ
生まれの悪い者でも、彼らは(達する)だろう

ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】[〜らは、〜らが]〜であるところの、〜であるもの、〜である人
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
syus【三人称・複数・パラスマイパダ・願望 √as】[彼らは〜だろう、彼らは〜するべき]ある、存在する、実在する
pāpa【中性】罪、悪、不正、悪事
yonayas【女性・複数・主格 yoni】[〜らは、〜らが]子宮、陰門、母胎;膝;生地;家庭、住所、巣、獣穴;生産の場所、起源、出所;貯蔵所、容器、所在、場所;出生、血統、種族、家柄、種姓(階級)
→pāpayonayas【女性・複数・主格 pāpayoni】[〜らは、〜らが]劣等な母胎、罪の(罰として)生まれること

स्त्रियो वैश्यास् तथा शूद्रास्
striyo vaiśyās tathā śūdrās
ストリヨー ヴァイシャース タター シュードラース
婦女、ヴァイシャ(庶民)、そしてシュードラ(従僕)でも

striyas【女性・複数・主格 strī】[〜らは、〜らが]女性、婦女、妻
vaiśyās【男性・複数・主格 vaiśya】[〜らは、〜らが]庶民すなわち第三階級(varṇa)の男
tathā【副詞】そのように、同様に;そして、また
śūdrās【男性・複数・主格 śūdra】[〜らは、〜らが]第四のすなわち奴隷階級の人

ते ऽपि यान्ति परां गतिम् ॥
te ‘pi yānti parāṁ gatim ||
テー ピ ヤーンティ パラーン ガティム
最高の帰趨(解脱)に達する

te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
parām【女性・単数・対格 para】最高の;より優れた、より高い、より良い、より悪い;最上の、卓越した、最善の;最大の
gatim【女性・単数・対格 gati】[〜に、〜を]行くこと、歩態、前進、動作、行動、飛行;退去、出発;行進、進行;成功;〜の獲得;〜に対する服従;路、進路、小径;出口;根源、根底;手段、方法、可能性;策略;避難所;状態、状況、条件、位置;性質;幸福;輪廻、人間の運命;風習

मां हि पार्थ व्यपाश्रित्य येऽपि स्युः पापयोनयः ।
स्त्रियो वैश्यास्तथा शूद्रास्तेऽपि यान्ति परां गतिम् ॥३२॥

māṁ hi pārtha vyapāśritya ye’pi syuḥ pāpayonayaḥ |
striyo vaiśyāstathā śūdrāste’pi yānti parāṁ gatim ||32||
実に、私に帰依すれば、生まれの悪い者、婦女、ヴァイシャ(庶民)、
そしてシュードラ(従僕)でも、最高の帰趨(解脱)に達する。

バガヴァッド・ギーター第9章第31節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
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क्षिप्रं भवति धर्मात्मा
kṣipraṁ bhavati dharmātmā
クシプラン バヴァティ ダルマートマー
彼はすみやかに心の正しい人となり

kṣipram【副詞】速やかに、直接、直ちに
bhavati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √bhū】[それは〜、彼は〜]ある、存在する、〜となる;生じる
dharma【男性】秩序、慣例、習慣、風習、法則、既定;規則;義務;得、美徳、善行;宗教;教説;正義;公正;法律;性質、性格、本質、属性
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→dharmātmā【男性・単数・主格、所有複合語 dharmātman】[〜は、〜が]正しい、有徳の、法を尊敬する、正義を重んじる

शश्वच्छान्तिं निगच्छति ।
śaśvacchāntiṁ nigacchati |
シャシュヴァッチャーンティン ニガッチャティ
永遠の寂静に至る

śaśvat【形容詞】常に繰り返される、無数の、久遠の、無終の;頻繁な、数多い;一切の、すべての 【副詞】繰り返して、永遠に、常に、不断に;直ちに、即刻
śāntim【女性・単数・対格 śānti】[〜に、〜を]心の静穏、心の平和;(火が)消えること;平和、好運、繁栄;寂静、寂滅;涅槃
nigacchati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 ni√gam】[彼は〜、それは〜](対格・処格)に赴く、に現れる、に身を置く;〜に到達する、獲得する;入る;経験する

कौन्तेय प्रतिजानीहि
kaunteya pratijānīhi
カウンテーヤ プラティジャーニーヒ
アルジュナよ、確信せよ

kaunteya【男性・単数・呼格 kaunteya】[〜よ]クンティーの息子、アルジュナの別名
pratijānīhi【二人称・単数・パラスマイパダ・命令 prati√jñā】[あなたは〜せよ]許す;(為格、属格)に(対格)を約束する;確かめる、確言する、答える;断言する;発表する、討究する;考慮する、注意する、認識する、覚える

न मे भक्तः प्रणश्यति ॥
na me bhaktaḥ praṇaśyati ||
ナ メー バクタハ プラナッシャティ
私の信者は滅びることがない

na【否定辞】〜でない
me【単数・属格、一人称代名詞 mad(mamaの附帯形)】[〜の、〜にとって]私
bhaktas【男性・単数・主格 bhakta√bhajの過去受動分詞)】[〜は、〜が]信者、礼拝者、帰依者 【形容詞】分配された;割り当てられた;〜に心服した、〜を崇める、〜を崇拝する
praṇaśyati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 pra√naś】[彼は〜、それは〜]失われる;見えなくなる、消える、逃げる

क्षिप्रं भवति धर्मात्मा शश्वच्छान्तिं निगच्छति ।
कौन्तेय प्रतिजानीहि न मे भक्तः प्रणश्यति ॥३१॥

kṣipraṁ bhavati dharmātmā śaśvacchāntiṁ nigacchati |
kaunteya pratijānīhi na me bhaktaḥ praṇaśyati ||31||
彼はすみやかに心の正しい人となり、永遠の寂静に至る。
アルジュナよ、確信しなさい。私の信者は滅びることがない。

バガヴァッド・ギーター第9章第30節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अपि चेत् सुदुराचारो
api cet sudurācāro
アピ チェート スドゥラーチャーロー
たとえ極悪人であっても

api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
ced【接続詞】そして、;時に;〜もまた、さえも;もし〜ならば
sudurācāras【男性・単数・主格 sudurācāra】[〜は、〜が]極悪の行為・習慣 【形容詞】極悪の、非常に不行跡な、実に不敬虔な

भजते माम् अनन्यभाक् ।
bhajate mām ananyabhāk |
バジャテー マーム アナニヤバーク
一途に私を信愛する(ならば)

bhajate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √bhaj】[彼は〜、それは〜]分配する、分かつ;実行する、従う、守る;好意を示す;愛する;尊敬する、崇め尊ぶ、崇拝する
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
ananyabhāk【男性・単数・主格 ananyabhāj】他の何人にも捧げない

साधुर् एव स मन्तव्यः
sādhur eva sa mantavyaḥ
サードゥル エーヴァ サ マンタヴィヤハ
彼はまさしく善人と見なされるべきである

sādhus【男性・単数・主格 sādhu】[〜は、〜が](人間について)高貴な、有徳な、善良な;よい、有徳な 【男性名詞】ふさわしいまたは尊敬すべき人間;聖人、仙人;宝石商
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
mantavyas【男性・単数・主格 mantavya√manの未来受動分詞)】考えられるべき;〜と見なされるべき;仮定・設定されるべき;考察されるべき;是認されるべき、受け入れられるべき

सम्यग् व्यवसितो हि सः ॥
samyag vyavasito hi saḥ ||
サンミャグ ヴィヤヴァシトー ヒ サハ
なぜなら、彼は正しく決意した人であるから

samyaksamyañcの中性形)【副詞】一方に、ともに;正しく、正確に、真に、当然に、適当に;全く、完全に
vyavasitas【男性・単数・主格 vyavasitavyava√soの過去受動分詞】終わった(日);〜することを決心した、〜に着手した;かたく決意・決定した;確かめた;確信した
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼

अपि चेत् सुदुराचारो भजते मामनन्यभाक् ।
साधुरेव स मन्तव्यः सम्यग्व्यवसितो हि सः ॥३०॥

api cet sudurācāro bhajate māmananyabhāk |
sādhureva sa mantavyaḥ samyagvyavasito hi saḥ ||30||
たとえ極悪人でも、一途に私を信愛するならば、
彼はまさしく善人と見なされるべきである。
なぜなら、彼は正しく決意した人であるから。

バガヴァッド・ギーター第9章第29節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
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समो ऽहं सर्वभूतेषु
samo ‘haṁ sarvabhūteṣu
サモー ハン サルヴァブーテーシュ
私は万物において平等である

samas【男性・単数・主格 sama】平らな、滑らかな、水平の、並行した;類似の・似た・等しい・同等の・同じ・同一の;不変の;偶数の;正常な;普通の、中等の;無関心の、中立の;善良な、正しい、正直な;容易な
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
sarvabhūteṣu【中性・複数・処格 sarvabhūta】[〜において、〜のなかで]一切の存在物、万物、一切衆生

न मे द्वेष्यो ऽस्ति न प्रियः ।
na me dveṣyo ‘sti na priyaḥ |
ナ メー ドヴェースヨー スティ ナ プリヤハ
私に、憎むべき者、愛しい者は存在しない

na【否定辞】〜でない
me【単数・為格、一人称代名詞 mad(mahyamの附帯形)】[〜に、〜のために]私
【男性・単数・主格 dveṣya】[〜は、〜が]敵 【形容詞】憎むべき、忌まわしい
asti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[彼は〜、それは〜]ある、存在する、実在する
na【否定辞】〜でない
priyas【男性・単数・主格 priya】〜に親しい、〜に愛された;寵愛を受ける、慈しまれた;喜ばしい、愉快な;高価な;〜を好む、〜に傾いた・執着した 【中性名詞】好意、親愛、親切、愛、楽しみ、喜び

ये भजन्ति तु मां भक्त्या
ye bhajanti tu māṁ bhaktyā
イェー バジャンティ トゥ マーン バクティヤー
しかし、信愛をもって私を愛する人々は

ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】[〜らは、〜らが]〜であるところの、〜であるもの、〜である人
bhajanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √bhaj】[彼らは〜、それらは〜]分配する、分かつ;実行する、従う、守る;好意を示す;愛する;尊敬する、崇め尊ぶ、崇拝する
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
bhaktyā【女性・単数・具格 bhakti】[〜によって、〜をもって]分割、分配;(あるものの)一部であること、(あるものに)属すること;付属物;分け前、部分;分界、線、条;順序、連続;愛着、献身、服従、尊敬、尊重、崇拝、帰依、誠信、信仰

मयि ते तेषु चाप्य् अहम् ॥
mayi te teṣu cāpy aham ||
マイ テー テーシュ チャーピ アハム
彼らは私の中にあり、私もまた彼らの中にある

mayi【単数・処格、一人称代名詞 mad】[〜において、〜のなかで]私
te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼
teṣu【中性・複数・処格、指示代名詞 tad】[〜らにおいて、〜らのなかで]それ、あれ、彼
ca【接続詞】そして、また、〜と
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私

समोऽहं सर्वभूतेषु न मे द्वेष्योऽस्ति न प्रियः ।
ये भजन्ति तु मां भक्त्या मयि ते तेषु चाप्य् अहम् ॥२९॥

samo’haṁ sarvabhūteṣu na me dveṣyo’sti na priyaḥ |
ye bhajanti tu māṁ bhaktyā mayi te teṣu cāpy aham ||29||
私は万物に対して平等である。私には、憎むべき者も、愛しい者もいない。
しかし、信愛を込めて私を愛する人々は、私の中にあり、私もまた彼らの中にある。

バガヴァッド・ギーター第9章第28節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

शुभाशुभफलैर् एवं
śubhāśubhaphalair evaṁ
シュバーシュバパライル エーヴァン
こうして、善悪の結果をもたらす

śubhāśubha【中性】禍福、善悪
phalais【中性・複数・具格 phala】[〜らによって、〜らをもって]果実;(果実の)核;結果;報い、報酬、利益、果報;報復、罰、損失、不利益;利得、享受;代償
→śubhāśubhaphalais【中性・複数・具格 śubhāśubha-phala】[〜によって、〜をもって]善または悪の結果を生ずる
evam【副詞】このように、こんなふうに、そんなふうに

मोक्ष्यसे कर्मबन्धनैः ।
mokṣyase karmabandhanaiḥ |
モークシャセー カルマバンダナイヒ
行為の束縛から、あなたは解放されるだろう

mokṣyase【二人称・単数・未来・受動活用 √muc】[あなたは〜されるだろう]〜から離す・放つ・釈放する・解放する;〜から免れる、〜から逃げる;許す
karma【中性】行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
bandhanais【中性・複数・具格 bandhana】[〜によって、〜をもって]縛ること、結ぶこと、締めること;捕獲;禁固、投獄、監禁;阻止、抑止;束縛、足かせ
→karmabandhanais【中性・複数・具格、所有複合語 karma-bandhana】[〜によって、〜をもって]行為の束縛、業(カルマ)の束縛

संन्यासयोगयुक्तात्मा
saṁnyāsayogayuktātmā
サンニャーサヨーガユクタートマー
放擲のヨーガに専心し

saṁnyāsa【男性】(属格、―゜)の放棄;契約;寄託、委託
yoga【男性】ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
yukta√yujの過去受動分詞】くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→saṁnyāsayogayuktātmā【男性・単数・主格、所有複合語 saṁnyāsayogayuktātman】[〜は、〜が]放擲のヨーガに専心した

विमुक्तो माम् उपैष्यसि ॥
vimukto mām upaiṣyasi ||
ヴィムクトー マーム ウパイッシャシ
解脱して、私に到達するだろう

vimuktas【男性・単数・主格 vimuktavi√mucの過去受動分詞)】[〜は、〜が]束縛を解かれた、放たれた(牛);解け垂れる(髪);〜から解放された・自由な;(従格)から逃れた;進水した(船);救われた[とくに存在の束縛から];(―゜)によって見捨てられた;放棄された、放任された;(―゜)によって放たれた;〜から流れる;投ぜられた、投げ打たれた;注がれた(雨);(具格)に欠乏した;(最近)脱皮した(蛇);冷静な
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
upaiṣyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来、強意活用 upa√i】[あなたは〜だろう]近づく;赴く;会う;(対格)の徒弟となる;得る、到達する;受ける、入る;企てる、専注する;懇願する;現れる;起こる

शुभाशुभफलैरेवं मोक्ष्यसे कर्मबन्धनैः ।
संन्यासयोगयुक्तात्मा विमुक्तो मामुपैष्यसि ॥२८॥

śubhāśubhaphalairevaṁ mokṣyase karmabandhanaiḥ |
saṁnyāsayogayuktātmā vimukto māmupaiṣyasi ||28||
こうして、あなたは善悪の結果をもたらす行為の束縛から、解放されるだろう。
あなたは、放擲のヨーガに専心し、解脱して、私に到達するだろう。

バガヴァッド・ギーター第9章第27節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यत् करोषि यद् अश्नासि
yat karoṣi yad aśnāsi
ヤット カローシ ヤッド アシュナーシ
あなたが行うこと、食べるものを

yat【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
karoṣi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √kṛ】[あなたは〜]為す、作る、遂行する、用いる
yat【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
aśnāsi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √aś】[あなたは〜]食べる、(飲食を)摂る;味わう;楽しむ

यज् जुहोषि ददासि यत् ।
yaj juhoṣi dadāsi yat |
ヤジュ ジュホーシ ダダーシ ヤット
あなたが供えるもの、施すものを

yat【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
juhoṣi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √hu】[あなたは〜](火の中に)注ぐ・投げ入れる、〜を捧げる・供える;(油を)ふりかける
dadāsi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √dā】[あなたは〜]与える、贈る、交付する;断念する;売る;(科料・賃金・負債を)支払う;渡す;返す;(供物を)捧げる
yat【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人

यत् तपस्यसि कौन्तेय
yat tapasyasi kaunteya
ヤット タパッスヤシ カウンテーヤ
苦行することを、アルジュナよ

yat【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
tapasyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √tapasya】[あなたは〜]自身を呵責する、肉体を苦しめる、苦行をなす
kaunteya【男性・単数・呼格 kaunteya】[〜よ]クンティーの息子、アルジュナの別名

तत् कुरुष्व मदर्पणम् ॥
tat kuruṣva madarpaṇam ||
タット クルシュヴァ マダルパナム
それを、私への捧げものとせよ

tad【中性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]それ、あれ、これ
kuruṣva【二人称・単数・アートマネーパダ・命令 √kṛ】[あなたは〜せよ]為す、作る、遂行する、用いる
madarpaṇam【中性・単数・対格 madarpaṇa】[〜に、〜を]【私に】投げること;貫通すること;附著;〜に(信用・尊敬等を)置くこと;応用;交付;譲渡、引渡;還付 【形容詞】来す、致す;上に置く、与える;伝送する、託す

यत्करोषि यदश्नासि यज्जुहोषि ददासि यत् ।
यत्तपस्यसि कौन्तेय तत्कुरुष्व मदर्पणम् ॥२७॥

yatkaroṣi yadaśnāsi yajjuhoṣi dadāsi yat |
yattapasyasi kaunteya tatkuruṣva madarpaṇam ||27||
あなたが行うこと、食べるもの、供えるもの、施すもの、苦行すること、
アルジュナよ、それを私への捧げものとして行いなさい。

バガヴァッド・ギーター第9章第26節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

पत्त्रं पुष्पं फलं तोयं
pattraṁ puṣpaṁ phalaṁ toyaṁ
パットラン プシュパン パラン トーヤン
葉、花、果実、水を

pattram【中性・単数・対格 pattra】[〜に、〜を]翼;羽毛、矢羽;乗物(車・馬・らくだ);(樹の羽毛)、葉、花弁;(書くために用意した)葉;手紙、文書;金属の箔・板金;飾り葉
puṣpam【中性・単数・対格 puṣpa】[〜に、〜を]花;月経;花やかな言葉、婦人に対する慇懃、愛の告白
phalam【中性・単数・対格 phala】[〜に、〜を]果実;(果実の)核;結果;報い、報酬、利益、果報;報復、罰、損失、不利益;利得、享受;代償
toyam【中性・単数・対格 toya】[〜に、〜を]水

यो मे भक्त्या प्रयच्छति ।
yo me bhaktyā prayacchati |
ヨー メー バクティヤー プラヤッチャティ
信愛をもって、私に捧げる人は

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
me【単数・為格、一人称代名詞 mad(mahyamの附帯形)】[〜に、〜のために]私
bhaktyā【女性・単数・具格 bhakti】[〜によって、〜をもって]分割、分配;(あるものの)一部であること、(あるものに)属すること;付属物;分け前、部分;分界、線、条;順序、連続;愛着、献身、服従、尊敬、尊重、崇拝、帰依、誠信、信仰
prayacchati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 pra√yam】[彼は〜、それは〜]拡げ延ばす;(処格)に置く;(abhi)の方に(眼を)向ける;(為格)に(使者を)派遣する;(処格)に(供物を)捧げる;提供する、贈る、与える;手放す、手渡す、引き渡す;持ち来る、引き起こす、発生させる;(娘を)嫁がせる;(毒薬を)服用させる;(属格)に(呪詛を)唱える;(心)に浮かべる;(vedaを)教える;(回答を)与える;(手厚く)もてなす;(売り物として)呈出される(=売る);(負債を)返還する、支払う;(恩恵に)報いる

तद् अहं भक्त्युपहृतम्
tad ahaṁ bhaktyupahṛtam
タッド アハン バクティユパフリタム
私は、その信愛をもって捧げられたものを

tad【中性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]それ、あれ、これ
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
bhakti【女性】分割、分配;(あるものの)一部であること、(あるものに)属すること;付属物;分け前、部分;分界、線、条;順序、連続;愛着、献身、服従、尊敬、尊重、崇拝、帰依、誠信、信仰
upahṛtam【中性・単数・対格 upahṛtaupa√hṛの過去受動分詞)】取られた;運び去られた;提供された、贈られた;〜を贈呈された
→bhaktyupahṛtam【中性・単数・対格、限定複合語】[〜に、〜を]信愛をもって捧げられた

अश्नामि प्रयतात्मनः ॥
aśnāmi prayatātmanaḥ ||
アシュナーミ プラヤタートマナハ
敬虔な人から、私は受ける

aśnāmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √aś】[私は〜]食べる、(飲食を)摂る;味わう;楽しむ
prayata【男性 pra√yamの過去受動分詞】〜を与えられた、捧げられた;自制した;恭しい、敬虔な
ātmanas【男性・単数・従格 ātman】[〜から、〜より]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→prayatātmanas【男性・単数・従格、所有複合語 prayatātman】[〜から、〜より]敬虔な人、心を抑制した人、心を捧げた人

पत्त्रं पुष्पं फलं तोयं यो मे भक्त्या प्रयच्छति ।
तदहं भक्त्युपहृतमश्नामि प्रयतात्मनः ॥२६॥

pattraṁ puṣpaṁ phalaṁ toyaṁ yo me bhaktyā prayacchati |
tadahaṁ bhaktyupahṛtamaśnāmi prayatātmanaḥ ||26||
人が信愛を込めて、葉、花、果実、水を私に捧げるならば、
私はその敬虔な人から、真心の供物を受ける。

バガヴァッド・ギーター第9章第25節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यान्ति देवव्रता देवान्
yānti devavratā devān
ヤーンティ デーヴァヴラター デーヴァーン
神々に帰依する人々は、神々に赴く

yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
devavratās【男性・複数・主格 devavrata】[〜らは、〜らが]諸神に帰依した、敬神の、敬虔な 【中性名詞】主教的戒律;神々の好む食物
devān【男性・複数・対格 deva】[〜らに、〜らを]天上の者、神格者、神、神聖な者;祭官、婆羅門;王、王侯;長

पितॄन् यान्ति पितृव्रताः ।
pitṝn yānti pitṛvratāḥ |
ピトリーン ヤーンティ ピトリヴラターハ
祖霊を祀る人々は、祖霊に赴く

pitṝn【男性・複数・対格 pitṛ】[〜らに、〜らを]父; 【両数形】両親; 【複数形】祖先;父とその兄弟、父方の親戚;先祖、祖霊
yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
pitṛvratās【男性・複数・主格 pitṛvrata】[〜らは、〜らが]祖霊崇拝者

भूतानि यान्ति भूतेज्या
bhūtāni yānti bhūtejyā
ブーターニ ヤーンティ ブーテージャ
鬼霊を供養する人々は、鬼霊に赴く

bhūtāni【中性・複数・対格 bhūta】[〜らに、〜らを]存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界;怪物、精霊、幽霊、魔物、鬼類
yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
bhūtejyā【男性・複数・主格 bhūtejya】[〜らは、〜らが]精霊に供物を供える

यान्ति मद्याजिनो ऽपि माम् ॥
yānti madyājino ‘pi mām ||
ヤーンティ マディヤージノー ピ マーム
同様に私を崇める人々は、私に赴く

yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
madyājinas【男性・複数・主格 madyājin】[〜らは、〜らが]私を祀る、私を崇める、私を供養する
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私

यान्ति देवव्रता देवान्पितॄन्यान्ति पितृव्रताः ।
भूतानि यान्ति भूतेज्या यान्ति मद्याजिनोऽपि माम् ॥२५॥

yānti devavratā devānpitṝnyānti pitṛvratāḥ |
bhūtāni yānti bhūtejyā yānti madyājino’pi mām ||25||
神々に帰依する人々は、神々に赴き、祖霊を祀る人々は、祖霊に赴く。
鬼霊を供養する人々は、鬼霊に赴き、私を崇める人々は、私に赴く。