バガヴァッド・ギーター第10章第34節

バガヴァッド・ギーター

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

मृत्युः सर्वहरश्चाहम्
mṛtyuḥ sarvaharaścāham
ムリティユフ サルヴァハラシュチャーハム
そして私は一切を奪い去る死である

mṛtyus【男性・単数・主格 mṛtyu】[~は、~が]死
sarvaharas【男性・単数・主格 sarvahara】すべてのものを自分のものとする;一切を破壊する(死)
ca【接続詞】そして、また、~と
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私

उद्भवश्च भविष्यताम् ।
udbhavaśca bhaviṣyatām |
ウドゥバヴァシュチャ バヴィッシャターム
そして未来のものの源泉である

udbhavas【男性・単数・主格 udbhava】[~は、~が]起源、出生、出現;成長;誕生地 【形容詞】~より生じた、~より造られた
ca【接続詞】そして、また、~と
bhaviṣyatām【男性・複数・属格 bhaviṣyat】[~らの、~らにとって]あるべき、未来の

कीर्तिः श्रीर् वाक् च नारीणाम्
kīrtiḥ śrīr vāk ca nārīṇām
キールティヒ シュリール ヴァーク チャ ナーリーナーム
女性(形)における名声、吉祥、言語

kīrtis【女性・単数・主格 kīrti】[~は、~が]名誉、名声、栄光、賞賛;陳述、記載
śrīs【女性・単数・主格 śrī】[~は、~が]光輝、美;繁栄、幸運、富;高位、栄光、威厳、王者の威厳;王のしるし;[ラクシュミー女神の名(美または繁栄の女神、ヴィシュヌ神の妃、大海攪拌の際に生み出された)]
vāk【女性・単数・主格 vāc】[~は、~が]言語(また動物の);声、音;話、叙述、言説、語;弁舌(擬人化された)、辯舌の女神=サラスヴァティー
ca【接続詞】そして、また、~と
nārīṇām【女性・複数・属格 nārī】[~らの、~らにとって]女、女性、妻

स्मृतिर् मेधा धृतिः क्षमा ॥
smṛtir medhā dhṛtiḥ kṣamā ||
スムリティル メーダー ドリティヒ クシャマー
記憶、叡知、堅固、忍耐である

smṛtis【女性・単数・主格 smṛti】[~は、~が](処格、―゜)の記憶・想起;記念;権威ある(天啓文学シュルティすなわちヴェーダ聖典を除く)聖伝文学、伝統的法典、法律書の記載事項
medhā【女性・単数・主格 medhā】[~は、~が]精神力、知力、理解力、知恵;【複数形】知力の産物、知識;[しばしばダクシャの娘でダルマの妻として、または時にサラスヴァティーの一形態として擬人化される]
dhṛtis【女性・単数・主格 dhṛti】[~は、~が]固持;静止;堅固、着実;恒心;堅忍不抜;満足、満足を知ること;果断;[ダルマの妻として人格化された満足、または決心を意味する]
kṣamā【女性・単数・主格 kṣamā】[~は、~が]忍耐、寛容;(処格)に対する寛大;柔順;大地

मृत्युः सर्वहरश्चाहमुद्भवश्च भविष्यताम् ।
कीर्तिः श्रीर् वाक् च नारीणाम् स्मृतिर्मेधा धृतिः क्षमा ॥
mṛtyuḥ sarvaharaścāhamudbhavaśca bhaviṣyatām |
kīrtiḥ śrīr vāk ca nārīṇām smṛtirmedhā dhṛtiḥ kṣamā ||
私は一切を奪い去る死である。そして来たるべき未来の源泉である。
女性(形)における名声、吉祥、言語、記憶、叡知、堅固、忍耐である。

バガヴァッド・ギーター第10章第33節

バガヴァッド・ギーター

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
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अक्षराणाम् अकारो ऽस्मि
akṣarāṇām akāro ‘smi
アクシャラーナーム アカーロー スミ
私は文字におけるア字である

akṣarāṇām【中性・複数・属格 akṣara】[~らの、~らにとって] 語、綴、聖字om;声、字;文書、信書;最高神 【形容詞】不壊の
akāras【男性・単数・主格 akāra】aの音、aの字
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する

द्वन्द्वः सामासिकस्य च ।
dvandvaḥ sāmāsikasya ca |
ドヴァンドヴァハ サーマーシカッスャ チャ
そして合成語における並列複合語である

dvandvas【男性・単数・主格 dvaṃdva】[~は、~が]一対、夫婦、夫と妻、男性と女性;(熱と冷、喜と悲等の)反対するものの対;喧嘩、争い;決闘;疑念、困惑;並列合成語(相違釈)[この場合その各部分は意味上「と」あるいは「または」をもって結合される]
sāmāsikasya【男性・単数・属格 sāmāsika】[~の、~にとって]合成語 【形容詞】包括的な、簡潔に述べられた、簡単な;合成語に属する
ca【接続詞】そして、また、~と

अहम् एवाक्षयः कालो
aham evākṣayaḥ kālo
アハム エーヴァークシャヤハ カーロー
私は実に不滅の時間である

aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
akṣayas【男性・単数・主格 akṣaya】不滅の
kālas【男性・単数・主格 kāla】[~は、~が]時;機会;季節;食事;時間;年、時代;音律;運命;死;死の神

धाताहं विश्वतोमुखः ॥
dhātāhaṁ viśvatomukhaḥ ||
ダーターハン ヴィシュヴァトームカハ
私はすべての方角を向く創造者である

dhātā【男性・単数・主格 dhātṛ】[〜は、〜が]支持者、建設者;保護者;創始者、造物者;(世界の)創造者、維持者(=梵天またはプラジャーパティ);運命の神
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私
viśvatomukhas【男性・単数・主格 viśvatomukha】すべての側に面を有する、あらゆる方向に面する

अक्षराणामकारोऽस्मि द्वन्द्वः सामासिकस्य च ।
अहमेवाक्षयः कालो धाताहं विश्वतोमुखः ॥३३॥
akṣarāṇāmakāro’smi dvandvaḥ sāmāsikasya ca |
ahamevākṣayaḥ kālo dhātāhaṁ viśvatomukhaḥ ||33||
私は文字におけるア字、合成語における並列複合語である。
私は実に不滅の時間であり、すべての方角を向く創造者である。

バガヴァッド・ギーター第10章第32節

バガヴァッド・ギーター

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सर्गाणाम् आदिर् अन्तश्च
sargāṇām ādir antaśca
サルガーナーム アーディル アンタシュチャ
創造の原初であり、終わりである

sargāṇām【男性・複数・属格 sarga】[~らの、~らにとって]発射;噴出、流れ;一陣(の風);(駿馬を)出発させること;競争;放たれた獣群;大軍;創造;創造物(神的存在、神)生得の性質、気質;決心、目的、意志;節、篇
ādis【男性・単数・主格 ādi】[~は、~が]始、初;最初、始め
antas【男性・単数・主格 anta】[~は、~が]端、縁辺、限界;近接;終局;死;末尾の文字、最後の文字[文法];(属格)の最高点、〜の極致;結論;解決、決定;条件;内部;(―゜)をもって終わること
ca【接続詞】そして、また、~と

मध्यं चैवाहम् अर्जुन ।
madhyaṁ caivāham arjuna |
マディヤン チャイヴァーハム アルジュナ
そして私は中間である、アルジュナよ

madhyam【中性・単数・主格 madhya】中央の、中心の、中間の
ca【接続詞】そして、また、~と
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私
arjunas【男性・単数・主格 arjuna】[〜は、〜が]アルジュナ

अध्यात्मविद्या विद्यानां
adhyātmavidyā vidyānāṁ
アディヤートマヴィディヤー ヴィディヤーナーン
知識における自己(アートマン)に関する知識である

adhyātmavidyā【女性・単数・主格 adhyātmavidyā(=adhyātmajñāna】[~は、~が]宇宙精神の学;我に関する智
vidyānām【女性・複数・属格 vidyā】[~らの、~らにとって]知識、学問、学術(とくに三ヴェーダの知識);呪法、呪術;呪文

वादः प्रवदताम् अहम् ॥
vādaḥ pravadatām aham ||
ヴァーダハ プラヴァダターム アハム
私は話者における言葉である

vādas【男性・単数・主格 vāda】[~は、~が]談話、発言、陳述;(―゜)に関して話すこと・述べること;相談;提議、主題;討論、議論、論難;(―゜)に関する論争;(―゜)に関する同意;叫び、鳴き声(獣または鳥の);音(楽器の) 【形容詞】(―゜)を語る;響かせる、演奏する
pravadatām【男性・複数・属格・現在分詞 pra√vad】[~らの、~らにとって][~している]話し出す、発言する、語る、公言する、宣言する;(鳥獣が)声をあげる;(水が)噴出する;断言する、肯定する;(対格)が(対格)であると告げる、称する;(具格)の価格で売ろうと言う
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私

सर्गाणामादिरन्तश्च मध्यं चैवाहमर्जुन ।
अध्यात्मविद्या विद्यानां वादः प्रवदतामहम् ॥३२॥
sargāṇāmādirantaśca madhyaṁ caivāhamarjuna |
adhyātmavidyā vidyānāṁ vādaḥ pravadatāmaham ||32||
そしてアルジュナよ、私は創造の原初であり、中間であり、終わりである。
私は知識における自己(アートマン)に関する知識であり、話者における言葉である。

バガヴァッド・ギーター第10章第31節

バガヴァッド・ギーター

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पवनः पवताम् अस्मि
pavanaḥ pavatām asmi
パヴァナハ パヴァターム アスミ
私は清めるものにおける風である

pavanas【男性・単数・主格 pavana】[~は、~が](浄化するもの)、風、微風、空気;風の神;生気;息;家庭の(聖)火 【中性名詞】浄化用の道具、み(箕);はたき;ふるい(篩)、水漉し;陶工の窯
pavatām【男性・複数・属格 pavat(√pūの現在分詞)】[~らの、~らにとって][~している]洗い清める、澄ませる、清浄にする;純粋にする、罪を償う;取捨する、区別する;工夫する、作製する;明らかにする、(心を)啓発する;自己を清める;清く流れる(水またはソーマ液);償う;はらい清めるように動く;(風が)吹く
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する

रामः शस्त्रभृताम् अहम् ।
rāmaḥ śastrabhṛtām aham |
ラーマハ シャストラブリターム アハム
私は戦士におけるラーマである

rāmas【男性・単数・主格 rāma】[~は、~が]ラーマ[人名] 【形容詞】暗色の、黒い;気持ちのよい、喜ばしい、魅力のある、愛らしい
śastrabhṛtām【男性・複数・属格 śastrabhṛt(=śastradhara)】[~らの、~らにとって]戦士 【形容詞】武器を携帯した、武装した
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私

झषानां मकरश्चास्मि
jhaṣānāṁ makaraścāsmi
ジャシャーナーン マカラシュチャースミ
そして私は魚類におけるマカラである

jhaṣānām【男性・複数・属格 jhaṣa】[~らの、~らにとって]大魚(の一種);魚
makaras【男性・単数・主格 makara】[~は、~が]マカラ[海の怪物の一種(恐らくは鰐または鮫、詩ではいるか(海豚)):カーマ神の象徴と見なされたその形像は門の飾り・頭飾りおよび耳飾りに使用される];摩竭宮[黄道帯の一つの名];[マカラのような形をした陣形の一種(頂点において結合した二個の三角形)];[山の名];[武器に対して唱えられる呪文の一種]
ca【接続詞】そして、また、~と
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する

स्रोतसाम् अस्मि जाह्नवी ॥
srotasām asmi jāhnavī ||
スロータサーム アスミ ジャーフナヴィー
私は河川におけるガンジス河である

srotasām【中性・複数・属格 srotas】[~らの、~らにとって]流れ、奔流;河床;流水、河;突進、(願望、―゜)の激しい衝動;(身体中の)管;(身体の)穴;感覚器官(まれ)
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
jāhnavī【女性・単数・主格 jāhnavī】[~は、~が]ガンガー河[ジャフヌの娘]

पवनः पवतामस्मि रामः शस्त्रभृतामहम् ।
झषानां मकरश्चास्मि स्रोतसामस्मि जाह्नवी ॥३१॥
pavanaḥ pavatāmasmi rāmaḥ śastrabhṛtāmaham |
jhaṣānāṁ makaraścāsmi srotasāmasmi jāhnavī ||31||
私は清めるものにおける風、戦士におけるラーマ、
そして魚類におけるマカラ、河川におけるガンジス河である。

バガヴァッド・ギーター第10章第30節

バガヴァッド・ギーター

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प्रह्लादश्चास्मि दैत्यानां
prahlādaścāsmi daityānāṁ
プラフラーダーシュチャースミ ダイティヤーナーン
私は悪魔におけるプラフラーダである

prahlādas【男性・単数・主格 prahlāda】[~は、~が]快い興奮、喜びの感情;[敬虔なあるダイティヤの名(=プラフラーダ)]
ca【接続詞】そして、また、~と
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
daityānām【男性・複数・属格 daitya】[~らの、~らにとって]ディティの後裔、アスラまたは悪魔とくにラーフ;

कालः कलयताम् अहम् ।
kālaḥ kalayatām aham |
カーラハ カラヤターム アハム
私は駆り立てるものにおける時間である

kālas【男性・単数・主格 kāla】[~は、~が]時;機会;季節;食事;時間;年、時代;音律;運命;死;死の神
kalayatām【男性・複数・属格 kalayat(√kalの現在分詞)】[~らの、~らにとって][~している]強いる、促す、駆る;持つ、帯びる;為す、成就する;言う;附す、結ぶ;観る、凝視する;反省する;信用する、考える
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私

मृगाणां च मृगेन्द्रो ऽहं
mṛgāṇāṁ ca mṛgendro ‘haṁ
ムリカーナーン チャ ムリゲーンドロー ハン
私は獣類における百獣の王である

mṛgāṇām【男性・複数・属格 mṛga】[~らの、~らにとって][mṛj:歩き回る]森の獣、野獣、猟獣;鹿、かもしか[通常の意義];じゃこう鹿;(月中の)かもしか[月の黒点は野兎またはかもしかに似ると考えられている];(天空の)かもしか[=月宿ムリガシラ];磨羯宮[十二宮の一];象(の一種);舞い上がる大きな鳥;じゃこう(=mṛganābhi
ca【接続詞】そして、また、~と
mṛgendras【男性・単数・主格 mṛgendra】[~は、~が]獣類の王;獅子;虎;獅子宮[十二宮の一]
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私

वैनतेयश्च पक्षिणाम् ॥
vainateyaśca pakṣiṇām ||
ヴァイナテーヤシュチャ パクシナーム
そして鳥類におけるガルダである

vainateyas【男性・単数・主格 vainateya】[~は、~が][vinatāから][ガルダの母系語];ヴィナターの息子、ガルダ
ca【接続詞】そして、また、~と
pakṣiṇām【男性・複数・属格 pakṣin】[~らの、~らにとって]鳥;翼をもつ動物 【形容詞】翼のある;(―゜)の味方をする、~の仲間に属する

प्रह्लादश्चास्मि दैत्यानां कालः कलयतामहम् ।
मृगाणां च मृगेन्द्रोऽहं वैनतेयश्च पक्षिणाम् ॥३०॥
prahlādaścāsmi daityānāṁ kālaḥ kalayatāmaham |
mṛgāṇāṁ ca mṛgendro’haṁ vainateyaśca pakṣiṇām ||30||
私は悪魔におけるプラフラーダ、駆り立てるものにおける時間、
そして獣類における百獣の王、鳥類におけるガルダである。

バガヴァッド・ギーター第10章第29節

バガヴァッド・ギーター

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अनन्तश्चास्मि नागानां
anantaścāsmi nāgānāṁ
アナンタシュチャースミ ナーガーナーン
私はナーガ(龍族)におけるアナンタである

anantas【男性・単数・主格 ananta】[~は、~が]アナンタ[龍王の名];[ヴィシュヌ神、シェーシャ、その他の人名] 【形容詞】終わりなき、極限なき
ca【接続詞】そして、また、~と
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
nāgānām【男性・複数・属格 nāga】[~らの、~らにとって]蛇、龍(族)[とくに地獄のボーガラティーと名付ける城邑に住む人面蛇身の伝説的な半身族の名];象;ある生気(嘔吐を催させる);[数種の植物の名];[人名];[山嶽の名]

वरुणो यादसाम् अहम् ।
varuṇo yādasām aham |
ヴァルノー ヤーダサーム アハム
私は水棲族におけるヴァルナ(水天)である

varuṇas【男性・単数・主格 varuṇa】[~は、~が]ヴァルナ[ヴェーダ神話の中に重要な地位を占める司法神でアーディティヤ神群の主長、(天上の)水と密接な関係をもち、全知にして罪を罰し、宥恕を乞われ、また病気を送るとされる。しばしばミトラ神またはインドラ神と結合される]
yādasām【中性・複数・属格 yādas】[~らの、~らにとって]淫蕩;大きな水棲動物、海の怪物 【男性名詞】[ヴァルナ神の称]
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私

पितॄणाम् अर्यमा चास्मि
pitṝṇām aryamā cāsmi
ピトリーナーム アリヤマー チャースミ
そして私は祖霊におけるアリヤマンである

pitṝṇām【男性・複数・属格 pitṛ】[~らの、~らにとって]父 【両数形】両親; 【複数形】祖先;父とその兄弟、父方の親戚;先祖、祖霊
aryamā【男性・単数・主格 aryaman】[~は、~が]親友、仲間;媒酌人;アリヤマン[アーディティヤに属する一神にしてかつ祖先(pitṛ)の首長と信じられる神の名];太陽
ca【接続詞】そして、また、~と
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する

यमः संयमताम् अहम् ॥
yamaḥ saṁyamatām aham ||
ヤマハ サンヤマターム アハム
私は制御者におけるヤマである

yamas【男性・単数・主格 yama】[~は、~が]双生児[両数形:ふたご、アシュヴィン双神の称];[ヴィヴァスヴァットの双生児の一方の名、他方の妹をヤミーといい、この両者は最初の一対の人間と称せられる];[ヴェーダでは、ヤマは、死んで天界にある祖先を支配する神;古典サンスクリットでは、下界を支配する死の神で、その名は征服者または処罰者の意味と考えられ、また、マヌ(最初の人間)の弟で南方の支配者とされ、讃歌・法典の作者と想像される];土星 【形容詞】一対をなした
saṁyamatām【男性・複数・属格 saṁyamat(saṁ√yamの現在分詞)】[~らの、~らにとって][~している]保持する、(手綱を)引きしめる;抑止する、(馬を)御す;(頭髪を)結ぶ、縛る、束縛する;(戸を)閉じる;阻止する、抑圧する、中止する;制止する、服従させる
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私

अनन्तश्चास्मि नागानां वरुणो यादसामहम् ।
पितॄणामर्यमा चास्मि यमः संयमतामहम् ॥२९॥
anantaścāsmi nāgānāṁ varuṇo yādasāmaham |
pitṝṇāmaryamā cāsmi yamaḥ saṁyamatāmaham ||29||
私はナーガ(龍族)におけるアナンタ、水棲族におけるヴァルナ(水天)、
そして祖霊におけるアリヤマン、制御者におけるヤマである。

バガヴァッド・ギーター第10章第28節

バガヴァッド・ギーター

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आयुधानाम् अहं वज्रं
āyudhānām ahaṁ vajraṁ
アーユダーナーム アハン ヴァジュラン
私は武器における金剛杵である

āyudhānām【中性・複数・属格 āyudha】[~らの、~らにとって]武器、道具
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私
vajram【中性・単数・主格 vajra】[~は、~が]雷電、とくにインドラ神の雷電または金剛杵[時として他の神々のものをも称する;また神話的武器、破壊的呪文等に適用される];金剛石

धेनूनाम् अस्मि कामधुक् ।
dhenūnām asmi kāmadhuk |
デーヌーナーム アスミ カーマドゥク
私は牝牛における如意牛である

dhenūnām【女性・複数・属格 dhenu】[~らの、~らにとって]乳牛、牝牛;(―゜)(動物の名とともに)雌;(婆羅門に対する)牝牛の代用をなす供物;[比喩的に]地; 【複数形】乳 【形容詞】乳を生ずる
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
kāmadhuk【女性・単数・主格 kāmadhuk(=kāmadugha)】[~は、~が]すべての欲望を叶える牝牛、如意牛

प्रजनश्चास्मि कन्दर्पः
prajanaścāsmi kandarpaḥ
プラジャナシュチャースミ カンダルパハ
そして、私は生殖者におけるカーマ神である

prajanas【男性・単数・主格 prajana】[~は、~が]生殖、受胎;出生、分娩;生まれさせるもの、生殖者
ca【接続詞】そして、また、~と
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
kandarpas【男性・単数・主格 kandarpa】[~は、~が]カーマ神;愛

सर्पाणाम् अस्मि वासुकिः ॥
sarpāṇām asmi vāsukiḥ ||
サルパーナーム アスミ ヴァースキヒ
私は蛇におけるヴァースキである

sarpāṇām【男性・複数・属格 sarpa】[~らの、~らにとって]蛇 【複数形】ある半身族(地上、空中、天および地獄に住む) 【形容詞】這う、爬行する
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
vāsukis【男性・単数・主格 vāsuki】[~は、~が]ヴァースキ;[ある神仙の名];[竜王の名(八大竜王の一)];[人名]

आयुधानामहं वज्रं धेनूनामस्मि कामधुक् ।
प्रजनश्चास्मि कन्दर्पः सर्पाणामस्मि वासुकिः ॥२८॥
āyudhānāmahaṁ vajraṁ dhenūnāmasmi kāmadhuk |
prajanaścāsmi kandarpaḥ sarpāṇāmasmi vāsukiḥ ||28||
私は武器における金剛杵、牝牛における如意牛、
そして生殖者におけるカーマ神、蛇におけるヴァースキである。

バガヴァッド・ギーター第10章第27節

バガヴァッド・ギーター

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उच्चैःश्रवसम् अश्वानां
uccaiḥśravasam aśvānāṁ
ウッチャイヒシュラヴァサム アシュヴァーナーン
馬におけるウッチャイヒシュラヴァスと

uccaiḥśravasam【男性・単数・対格 uccaiḥśravas】[~に、~を]ウッチャイヒシュラヴァス[大洋を攪拌して生じた神話上の馬の名]
aśvānām【男性・複数・属格 aśva】[~らの、~らにとって]馬

विद्धि माम् अमृतोद्भवम् ।
viddhi mām amṛtodbhavam |
ヴィッディ マーム アムリトードバヴァム
私を知れ、甘露より生じた

viddhi【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √vid】[あなたは〜せよ]知る、理解する、気付く、学ぶ
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[~を、~に]私
amṛta【中性】不死;不滅者の世界;諸神の飲料、神酒、甘露;治療(の一種);薬;供儀の残物;水;乳;光線 【男性名詞】神、不死者 【形容詞(過去受動分詞)】死なない;不死の、不滅の;美しい
udbhavam【男性・単数・対格 udbhava】[~に、~を]起源、出生、出現;成長;誕生地 【形容詞】~より生じた、~より造られた
→amṛtodbhavam【男性・単数・対格 amṛtodbhava】甘露より生じた

ऐरावतं गजेन्द्राणां
airāvataṁ gajendrāṇāṁ
アイラーヴァタン ガジェーンドラーナーン
象王におけるアイラーヴァタと(知れ)

airāvatam【男性・単数・対格 airāvata】[~に、~を]アイラーヴァタ[インドラ神の象の名];[龍神の名]
gaja【男性】象
indrāṇām【男性・複数・属格 indra】インドラ神[ヴェーダ主要神の随一、帝釈天]
→gajendrāṇām【男性・複数・属格 gajendra】[~らの、~らにとって]象王

नराणां च नराधिपम् ॥
narāṇāṁ ca narādhipam ||
ナラーナーン チャ ナラーディパム
そして、人々における王と(知れ)

narāṇām【男性・複数・属格 nara】[~らの、~らにとって]人;男;人物;夫;勇士
ca【接続詞】そして、また、~と
narādhipam【男性・単数・対格 narādhipa(=narādhipati)】[~に、~を]人々の主、王、君主

उच्चैःश्रवसमश्वानां विद्धि माममृतोद्भवम् ।
ऐरावतं गजेन्द्राणां नराणां च नराधिपम् ॥२७॥
uccaiḥśravasamaśvānāṁ viddhi māmamṛtodbhavam |
airāvataṁ gajendrāṇāṁ narāṇāṁ ca narādhipam ||27||
馬においては、私は甘露より生じたウッチャイヒシュラヴァスであると知りなさい。
そして、私は象王におけるアイラーヴァタであり、人々における王であると知りなさい。

バガヴァッド・ギーター第10章第26節

バガヴァッド・ギーター

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अश्वत्थः सर्ववृक्षाणां
aśvatthaḥ sarvavṛkṣāṇāṁ
アシュヴァッタハ サルヴァヴリクシャーナーン
一切の樹木におけるアシュヴァッタ(菩提樹)である

aśvatthas【男性・単数・主格 aśvattha】[~は、~が]アシュヴァッタ、(馬の立つ場所、ttha=stha)、聖無花果樹[菩提樹、学名Ficus religiosa]
sarva【男性】すべての、一切の、各々の;全体の
vṛkṣāṇām【男性・複数・属格 vṛkṣa】[~らの、~らにとって]木;植物(まれ);(目に見える花と実を有する)木(まれ);木の幹(まれ)
→sarvavṛkṣāṇām【男性・複数・属格 sarvavṛkṣa】[~らの、~らにとって]すべての木

देवर्षीणां च नारद ।
devarṣīṇāṁ ca nārada |
デーヴァルシーナーン チャ ナーラダ
また神仙におけるナーラダである

devarṣīṇām【男性・複数・属格 devarṣi】[~らの、~らにとって](神々の間に棲む)神仙[ṛṣi中の最高階級にしてアトリ、ナーラダの諸神仙を含む]、神格化された聖者;[ナーラダの名];[シヴァ神の称];(複数形)神々と聖仙
ca【接続詞】そして、また、~と
nāradas【男性・単数・主格 nārada】[~は、~が]ナーラダ[人名]、[とくに聖仙(リシ)の名で、彼はしばしば地上に下りて、天界に起こりつつあることを告げ、また地上に起こりつつあることを告げるために帰る];[ヴィシュヴァーミトラの子の名];[山嶽の名]

गन्धर्वाणां चित्ररथः
gandharvāṇāṁ citrarathaḥ
ガンダルヴァーナーン チトララタハ
ガンダルヴァ(天上の楽士)におけるチトララタである

gandharvāṇām【男性・複数・属格 gandharva】[~らの、~らにとって]ガンダルヴァ、[ソーマ及び太陽と密接な関係にある守護神の名];(インドラ神の天に住む)天上の音楽師;[肉体の死後、他の新しい肉体に宿るまでの霊魂]
citrarathas【男性・単数・主格 citraratha】[~は、~が]チトララタ、[諸人の名] 【形容詞】輝かしい車を有する(アグニ神)

सिद्धानां कपिलो मुनिः ॥
siddhānāṁ kapilo muniḥ ||
シッダーナーン カピロー ムニヒ
シッダにおける聖者カピラである

siddhānām【男性・複数・属格 siddha】[~らの、~らにとって]先見者、予言者、魔術者、魔法使い;聖者 【形容詞】的中した;成就された、遂行・達成された、生じさせられた、果たされた、実現された、成功した
kapilas【男性・単数・主格 kapila】[~は、~が]猿(の一種);赤褐色;[古聖仙の名];[人名];(複数形)[民族の名] 【形容詞】(猿猴色の)、褐色の、帯赤色の;赤毛の
munis【男性・単数・主格 muni】[~は、~が]霊感を得た人;賢人、予言者、苦行者、隠者、沈黙の誓約をした者

अश्वत्थः सर्ववृक्षाणां देवर्षीणां च नारद ।
गन्धर्वाणां चित्ररथः सिद्धानां कपिलो मुनिः ॥२६॥
aśvatthaḥ sarvavṛkṣāṇāṁ devarṣīṇāṁ ca nārada |
gandharvāṇāṁ citrarathaḥ siddhānāṁ kapilo muniḥ ||26||
一切の樹木におけるアシュヴァッタ(菩提樹)、神仙におけるナーラダ、
ガンダルヴァ(天上の楽士)におけるチトララタ、シッダにおける聖者カピラである。

バガヴァッド・ギーター第10章第25節

バガヴァッド・ギーター

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
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महर्षीणां भृगुर् अहं
maharṣīṇāṁ bhṛgur ahaṁ
マハルシーナーン ブリグル アハン
私は大聖者におけるブリグである

maharṣīṇām【男性・複数・属格 mahaṛsi】[~らの、~らにとって]大聖者;[シヴァ神の称];[仏陀の称]
bhṛgus【男性・単数・主格 bhṛgu】[~は、~が][輝く:bhrāj][火と密接な関係にある神話的種族の名。かれらは火を発見して人類中にもたらし木の中にこれを封じたという];[主要な婆羅門族の名];[上記婆羅門族を代表する聖者の名でヴァルナの息子、七リシの一人、最初のマヌによって創造された十マハルシの一人、法典制定者等と称せられる];金星[彼の日は金曜日である];断崖、深淵
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私

गिराम् अस्म्य् एकम् अक्षरम् ।
girām asmy ekam akṣaram |
ギラーム アスミ エーカム アクシャラム
私は音声における一音節(聖音オーム)である

girām【女性・複数・属格 gir】[~らの、~らにとって]呼ぶ声;語、声;言語;言辞;称讃;讃歌
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
ekam【中性・単数・主格 eka】一の;単独の、唯一の;一個の;同一の、共通の
akṣaram【中性・単数・主格 akṣara】[~は、~が]語、綴、聖字om;声、字;文書、信書;最高神 【形容詞】不壊の

यज्ञानां जपयज्ञो ऽस्मि
yajñānāṁ japayajño ‘smi
ヤジュニャーナーン ジャパヤジュノー スミ
私は祭祀における唱名の祭祀である

yajñānām【男性・複数・属格 yajña】[~らの、~らにとって](祈祷または讃歌をもってする)崇拝;祭式の儀礼、祭式
japayajñas【男性・単数・主格 japayajña】[~は、~が]低声祈祷の供犠
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する

स्थावराणां हिमालयः ॥
sthāvarāṇāṁ himālayaḥ ||
スターヴァラーナーン ヒマーラヤハ
山々におけるヒマラヤ山である

sthāvarāṇām【男性・複数・属格 sthāvara】[~らの、~らにとって]山【中性名詞】不動産;安定性、永続性 【形容詞】 立っている、静止した、不動の;確固とした、永遠の、恒常の、長持ちする;不動産に関する
himālayas【男性・単数・主格 himālaya】[~は、~が]雪の住居、ヒマラヤ山

महर्षीणां भृगुरहं गिरामस्म्येकमक्षरम् ।
यज्ञानां जपयज्ञोऽस्मि स्थावराणां हिमालयः ॥२५॥
maharṣīṇāṁ bhṛgurahaṁ girāmasmyekamakṣaram |
yajñānāṁ japayajño’smi sthāvarāṇāṁ himālayaḥ ||25||
私は大聖者におけるブリグ、音声における聖音オーム、
祭祀における唱名の祭祀、山々におけるヒマラヤ山である。