196、アーユルヴェーダ音楽療法入門58 (今、なぜスピリチュアルか?-1-)

私(若林)は、1990年代初頭から「1980年代に、日本の文化は大きく変革した」と説いてきました。その後、1990年代の後半になって、日本のゲームとアニメが世界的に人気を得た頃、その傾向は世界に伝播したとも説いて来ました。最近では「1980年代は日本の文化革命だった」と言っています。

その主旨は、
1945年の世界大戦終結以前と戦後、そして新しい世界の構築と混乱。物質文明の迷走。などからお話せねばなりません。
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戦後~1960年代は、日本のみならず、世界中で、アンシャン・レジーム(旧体制とその価値観。及びキリスト教至上主義が先進国のステイタスだった時代)と、それから派生した「植民地主義・派生主義・身分格差階級」そして、「隣国との戦争・侵略・支配」を体験した人々が、戦乱や敗戦によって、一気に「物質的繁栄」と「精神的拠り所」を失いながらも、「古い精神性・価値観」を捨て切れずに「復興」に努めた時代でした。

一般に「復興」は、敗戦国日本・ドイツ・イタリアについて語られますが。戦禍によって壊滅状態になったヨーロッパのほとんど。アジア・太平洋もまた、「復興と新体制の建設」を余儀なくされたことは言う迄もありません。アフリカ・中南米の多くは、戦禍を免れたとは言え。戦後10年の間に、次々に植民地から独立し、新たな価値観・社会を構築せねばならなかったことは変わりません。

まず、最も重要で明らかなことは、
世界中で、この時期に「精神性の変革」について、全く取り組まなかった。ということです。
同じ敗戦国のドイツは、新憲法(正確には、未だ準備法:仮)に、「ナチスを妄信し戦争に突進した責任は国民全員にある。その罪は『(本当の)自由(を得る自己との戦い)からの逃走』である」と明記していました。しかし、その後も、幾度か時の首相がこのことを強く語ったことから分かるように。庶民の多くは、この問題を忘れ・考えないようにして、「目先の生活・自分の欲・物質的繁栄と富・安寧安心」をむさぼったのです。憲法に書かれながらも、です。
ドイツでそんな状態ですから、憲法ではもっぱら「自由・権利」が語られている日本で、戦争の過ちを自壊・自戒する人が殆どいないのも無理はありません。

ちなみにインドは、
世界で最も「変わらなかった国」かも知れません。
パキスタンと袂を分かってイギリスから独立し、王政が廃止されたとは言え。私の知る限りでは、首都や大都会でさえ、中世から続く日々の生業が継続され。都会から一時間も車で郊外に行けば、今だに牛が井戸水を汲み上げたりしていました。
強いて言えば、
パキスタンとの分離独立以後、ヒンドゥー至上主義が台頭し、インドに残ることを決意したイスラム教徒が迫害されたということはありましたが、現在のモディー政権下ほどではなかったと認識します。
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1960年代の後半から1970年代の前半は、
前述した「戦中世代」が、社会の主導を握る一方。その次世代。戦争末期・戦直後の世代が大学生・若手労働者の年齢に至って、アンシャン・レジュームを引きずる世代と社会に反旗を翻しました。

最も象徴的な出来事が起こったのが、奇しくもアメリカと日本でした。戦後日本は、世界で最もアメリカに追従し、アメリカナイズ度が最も高かったからでもあります。

アメリカでは、アンシャンレジームの後遺症とも言うべき「ヴェトナム戦争」に若者が借り出され。それに反発した「ヒッピー・ムーブメント/フラワー・チルドレン」などのサブカルな動きが大同化し、同時にアメリカで「第二期スピリチュアル大ブーム」が興ります。
ネット情報が氾濫する現代からは考えられないことですが、それが日本に伝わるには二三年のズレがありました。

以前も少し書きましたが、高校一年生でシタールと民族音楽のプロ(ホリプロ系のプロダクションに所属)になった私は、あちこちのスピリチュアルな集まりで演奏し腕を磨きました。が、「精神世界に興味関心を抱く人々」は、まだまだ少数派でした。
多くの若者は、
1960年代末に、「学生運動」に様々な距離感で関わり。「社会の不条理」に対して大いに反発したのです。しかし、1968年~1970年。学生運動は、幾つかの痛ましい事件と共に一気に収束します。

学生運動に挫折した若者。早々に見切って掌を返すように価値観・人生観を変えた若者。そして、社会の中枢に君臨した戦中世代(元軍国児童)は、高度成長のクライマックスを満喫するのです。象徴的な出来事が「大阪万博」でしょうか。

ところが、
1980年代に入ると。人々の精神性は、奥深いところで、大きく変革し始めるのです。
これが「日本の文化大革命」と、「今日のスピリチュアル・ブームの原点」の要因なのです。
(つづく)

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(文章:若林 忠宏

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