優美な水の流れ

うららかな光が満ち、木々が芽吹き始める時、インドではヴァサント・パンチャミーが祝福されます。
春の到来を喜ぶこの日は、学問や芸術の女神であるサラスワティー女神の降誕祭として祝福される時です。
サラスワティー女神は、あらゆるものを清める優美な水の流れであり、そのあらわれである川の神格として崇められてきました。

インドでは、サラスワティー川、ヤムナー川、ガンジス川が三大河川として崇められることがあります。
それぞれ、ブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神の女神として讃えられる存在であり、特にサラスワティー川は、古代インドの文献において繰り返し讃えられる存在でした。

肥沃な大地をもたらしたとされるサラスワティー川は、やがて枯渇し、現在は地下を流れると信じられています。
サラスワティー川がその姿を消した理由には、さまざまな神話が伝えられるとともに、現代でもその存在を巡る探究が行われています。
そして、神格化されたサラスワティー川は、学問や芸術の女神として崇められるようになりました。

サラスワティー女神の豊かな水の流れは、現代において、物質的なレベルで私たちを養うものではないかもしれません。
しかし、サラスワティー女神の力は衰えることなく、目に見えない領域から私たちを養い続けています。
それは、知識、言葉、音楽、創作といった、限りない豊かさをもたらす形を超えたエネルギーとなり、個々の内を豊かに流れます。

川は肥沃な大地をもたらすだけでなく、あらゆるものを浄化する清らかな流れを有します。
しかし、時に荒れ狂い、破壊をもたらす存在として畏怖されてきました。
私たちは、その力をどのように用いるのかを学ばなければなりません。
知識のもとで偉大な力を崇め繁栄するのか、無知のもとで破壊の力に飲まれ衰退するのか。

少しずつ日が長くなり、光が満ち始めていく春は、サラスワティー女神を礼拝するとりわけ吉祥な時です。
サラスワティー女神への礼拝によって、生み出される言葉や思考は清らかなものとなり、より大きな豊かさを創り出すことができるはずです。
その限りのない豊かな流れの中で生きることができるように、サラスワティー女神への祈りを欠かさずにいたいと感じます。
皆様にも、女神の大きな恩寵がありますように、心よりお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)