スーリヤ・ムドラー

インドでは1月15日に、日本の冬至にあたるマカラ・サンクラーンティが祝福されました。
太陽が北方へ回帰するウッタラーヤナ(冬至から夏至の6ヶ月間)に入り、神々の昼が始まっています。
これからは日に日に暖かさが増すとともに、太陽の明るい光が満ちていく季節となります。

万物に命を吹き込む太陽は、古来より世界の各地で尊ばれ崇敬されてきました。
ヨーガでは、その恩恵を享受するためのさまざまな行いが実践されています。
その一つに、スーリヤ・ムドラーがあります。
太陽のムドラーを意味するこのムドラーは、その名の通り、太陽のエネルギーを身体に呼び覚ますムドラーです。

親指は火、人差し指は風、中指は空、薬指は地、小指は水というように、5本の指にはそれぞれ5元素の象徴があります。
スーリヤ・ムドラーで重要となるのは、火と地を象徴する親指と薬指です。
まずは、薬指の先端が親指の付け根にくるように両手の薬指を曲げ、曲げた薬指を親指で軽く押さえつけます。
残りの3本の指は、まっすぐに伸ばしておきます。
この手の形を、座位でも立位でも、身体の前で組むのがスーリヤ・ムドラーです。

火を象徴する親指で、地を象徴する薬指を押さえつけるのは、火で地の要素を支配することを意味します。
地の要素は、どっしりと落ち着いた穏やかな安定を生み出しますが、時に、無気力になったり、保守的になったり、物事に執着したりする傾向を生み出すとされます。
春を迎える頃には、冬の間に蓄積された地の要素が活発になり、火の要素が弱まるとともに、憂鬱や怠惰、肥満や浮腫といった不調が生じるとされてきました。

そんな地の要素を押さえるのが、燃えるようなエネルギーに溢れる火の要素です。
このムドラーは、痩せるためのムドラーともいわれるほど、体内の熱を増加させ、代謝を活性化すると伝えられます。
そのエネルギーは、太陽が万物に輝きを与えるように、私たちに自信や行動力を与えてくれると信じられてきました。

少しずつ日が伸び始め、これからは太陽の光が満ちていきます。
スーリヤ・ムドラーを通じて、そのエネルギーを自分自身の内なる世界で礼拝したいと感じます。
自然に調和するこうした叡智を取り入れることで、健やかで豊かな日々を過ごすことができるはずです。

(文章:ひるま)