パンチャークシャリ・マントラの唱え方について

マントラを唱える方法について、パラマハンサ・ムクターナンダは、「静かに(マーナシカ−心の中で唱える)、話すのと同じ速さで唱えるのが理想である」と言っています。呼吸に合わせ、息を吸うときに一度、吐くときに一度唱えるのも良い方法です。ムクターナンダによると、このように唱えるなら、マントラは心を浄化し、また唱えられたマントラは体内をかけめぐって、その振動とともに血液細胞に浸透します。日々マントラを唱える部屋では、「その壁にさえマントラは浸透する」とムクターナンダは言います。このことについて、彼は自らの体験を次のように説明しています。
『インドにあるわたしのアシュラムには、わたしが長い間生活した特別な部屋がありました。わたしはそこで瞑想し、マントラを唱えていました。やがてわたしは他の部屋へと移ったために、その部屋は閉ざされていました。数年前、政府の役人がアシュラムを訪れたのですが、その際彼は、私に言いました。
「多くの人があなたのアシュラムではたやすく瞑想に入れると言っているのを聞きました」
そこで、わたしは彼を例の部屋へ連れて行き、中を見せ、座って瞑想するように言いました。
「マントラは何を唱えればいいでしょう?」
と聞かれたので、
「部屋の中でマントラが聞こえてきたら、それを唱えてください」
と答えました。瞑想を終えて部屋を出るとき、彼は言いました。
「壁からオーム・ナマ・シヴァーヤが聞こえてきました。なんと部屋全体がオーム・ナマ・シヴァーヤを唱えていたのです!」
マントラは生きた力です。長い間一心に繰り返すことで、あなたを取り巻く環境すべてにそれは染み込むのです。』
太古からインドの偉大な聖者や悟りを開いた人々の多くは、オーム・ナマ・シヴァーヤのマントラを推奨し、常にこれを唱えることを勧めました。なぜこのマントラがそれほど特別なものであるのか、スワミ・スブラムニヤスワミは次のように述べています。
「オーム・ナマ・シヴァーヤがこのように価値あるマントラであるのは、それが真我から心へと流れている音に最も近いためです。それは真我(つまりはシヴァ、あなたの内なる神、ハイヤーセルフ)へと至る確実な道であるため、オーム・ナマ・シヴァーヤを唱えることは意義深いことなのです」
聖仙ウパマニュ(リグ・ヴェーダの作者のひとりとされる)は、「特別な儀式を要せず」、「時間の制約なく」、「外的な条件の束縛もない」というオーム・ナマ・シヴァーヤの神秘について説いています。
「もしこのマントラがあなたの心の内に響き続けるなら、苦行も瞑想もヨーガも必要ない。このマントラに、儀式や祭式は必要なく、また唱えるべき時刻も、唱えるべき場所もない。」
また、このマントラはすべての人に開かれたマントラであることは特筆すべき点です。パラマハンサ・ムクターナンダは「このマントラは規則、規制にしばられない」と言っています。 「オーム・ナマ・シヴァーヤには、いかなる制限もなく、老いも若きも富める者も、貧しき者も唱えることができる。たとえその人がどのような状況にあろうと、オーム・ナマ・シヴァーヤはそれを唱える者を清める。」
ムクターナンダは言います。
「摩訶不思議かな、オーム・ナマ・シヴァーヤ。唱えよ、唱えよ、ひたすら唱えよ」
熱意を持ってオーム・ナマ・シヴァーヤを唱える人々は、サムサーラの海を渡り、悟りの彼岸に至るといわれています。このマントラを唱えていたカシミールの偉大な聖女ララ、すなわちラル・デッドは次のように述べています。
「正しい知識を持ち、耳を傾け、聞くのです。木々がオーム・ナマ・シヴァーヤに合わせて、いかに身を揺らすのかを。風がそよぐとき、いかにしてオーム・ナマ・シヴァーヤを唱えるのかを。ナマ・シヴァーヤの音とともに、いかにして水が流れるのかを。全宇宙がシヴァの名を唱えているのです。そのことに気づくには、わずかに注意を払えばよいのです」
このマントラを唱える機会に恵まれ、熱心に努力するならば、やがてその果報として多くのものを得るでしょう。現代生活ではジャパのための時間を十分に作ることは難しいかもしれません。しかし、テレビを見たり、会話を楽しむための時間があるならば、その気になれば、毎日でもジャパやマントラのために10分間をさくことくらいはできるはずです。一度その価値を知った人は、そこから得られる恩恵は、純金よりも価値があることを知ることでしょう。
「ルドラークシャ・ビーズを身につけ、パンチャークシャラ・マントラを唱えなさい。心が柔和になり、溶け出すでしょう。愛を込めてこの5文字のマントラを唱えれば、シヴァの心を見るでしょう。そして、不純なもの、心配、疑念は破壊されます。」-シヴァ・ヨーガスワミ
※以上「パンチャークシャラ・マントラの唱え方について」より
ところで、本日8月6日、インドではナーガ・パンチャミーのお祭りが行われます。ナーガ(ヒンディー語ではナーグ)は蛇の意味で、特にコブラのことを指していわれます。今の季節は、インドでは雨期のため、コブラの巣が水浸しになり、難を逃れてさまよい歩いているうちに、人家に入る恐れがあります。そこでコブラによる人的被害がないように祈りを捧げたことが、ナーガ・パンチャミーの起源であるといわれています[1]。
しかし、コブラはシヴァ神の首飾りとして、ヴィシュヌ神のお気に入りのシェーシャ(蛇)として描かれているように、幸運を運ぶ生き物としても知られています。
この吉兆の日、皆さまの元にナーガを通じて幸運が運ばれますことを、心よりお祈りいたします。
また本日、広島では63回目の原爆忌を迎えました。今後原爆が決して使用されることのない、平和な世界が実現されることを、あわせて祈念いたします。
参照
[1]Festivals Of India, http://festivalsofindia.in/nagpanchami/