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雑記帳

尽きることのない器

為された物事が輝きと共に永遠に続いていくと伝えられる、アクシャヤ・トリティーヤーの吉日。
この日は一年の大吉日といわれ、2020年は4月26日に迎えます。
アクシャヤ・トリティーヤーは、決して廃れることがないという点において、寄付や施しを行うもっとも吉祥な時でもあります。

アクシャヤ・トリティーヤーには、アクシャヤ・パートラと呼ばれる器に関する神話が伝わります。
アクシャヤ・パートラは、尽きることのない器を意味し、限りない食事をもたらす器と信じられてきました。
この神話は、マハーバーラタにおいて語られる5人の兄弟、パーンダヴァにまつわる神話です。

パーンダヴァには、ドラウパディーという共通の妻がいました。
パーンダヴァを賢者たちが訪ねた時のこと、もてなすための十分な食事がなく、ドラウパディーは深く悩みます。
クリシュナ神に祈りを捧げると、ドラウパディーの前にクリシュナ神が姿をあらわしました。
そして、食事の器を出すようドラウパディーに伝えます。
空っぽの器には、一粒の米だけが残っていました。

クリシュナ神は、一粒の米でも、謙虚に分け与えれば世界を満たすことができると伝えます。
ドラウパディーは、真心を込めて、その一粒をクリシュナ神に捧げました。
宇宙の主であるクリシュナ神がその一粒の米を口にすると、宇宙全体が満たされ、賢者たちも満腹になり去って行ったと伝えられます。
一説に、この日がアクシャヤ・トリティーヤーであったと信じられます。

クリシュナ神は、与えるという行為の重要性を伝え、その大きさは関係ないということを示しました。
与えるという行為は、時間とともに人々の心を育み、やがて社会全体に平和を生み出します。
さまざまな物資の不足が伝えられ、社会に混乱が生じた現在の状況においては、「分け合えば余る」という言葉も人々の間に広まっています。
それは、足ることを知るという究極の霊性修行でもあります。

いくらあっても満足しない私たちの心。
例え小さなものでも、与えるという実践を通じて、より大きな幸福の意味に気づくことができるはずです。
この状況に学びながら、今年のアクシャヤ・トリティーヤーを祝福したいと感じます。
そして、世界に大きな恩寵がありますように心より願っています。

(文章:ひるま)

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