アディカ・マーサの心

2020年は9月18日から10月16日まで、インドでは閏月にあたるアディカ・マーサが生じます。
アディカ・マーサは、ヒンドゥー教の暦において、1年およそ354日で巡る太陰暦を、およそ365日で巡る太陽暦と合わせるために、約2年半に1度生じる特別な月にあたります。
このアディカ・マーサは、ヴィシュヌ神の特質をすべて受け持ち、霊性修行を行う最高の月であるといわれることがあります。

アディカ・マーサが生じた時、例外的で変則的なその暦は、誰からも好かれることなく、拒絶され、呪われることもあったと伝えられます。
心を痛めたアディカ・マーサは、この世界を守り維持するヴィシュヌ神に祈り、救いを求めました。

暦に調和をもたらす重要な役割を担うアディカ・マーサを哀れんだヴィシュヌ神は、正義や美徳に秀でた最高の者を意味するプルショーッタマという名前を与え、保護します。
このアディカ・マーサを礼拝する人は、あらゆる罪を焼き尽くし、物質界で至福の人生を享受した後、解脱に至ることができると信じられます。

私たち自身、アディカ・マーサのように、人と違うことを思い悩むことが少なくありません。
物事が食い違ったり、うまく一致しなかったりすることで、日々を生きづらく感じることも事実です。
その自分自身の置かれた状況の中で、さまざまに限界を定め、不自由な境遇を作り出してしまうことも往々にあります。

アディカ・マーサは、誰からも好かれず、拒まれ、呪われることがあっても、その道を見失うことはありませんでした。
ヴィシュヌ神という至高の存在に心を定めることで、最高の者を意味する名前を与えられただけでなく、アディカ・マーサを礼拝する人々のあらゆる罪を清めるという恩恵を与えられました。

アディカ・マーサのように、常に神々に心を定めることで、自分自身の本質を見失うことなく、至福の中で生きることができるはずです。
これから迎えるアディカ・マーサは、神々の礼拝やマントラの詠唱、布施や奉仕といった霊性修行を行う大切な時です。
この特別な時に行う実践により、その偉大なエネルギーを賜ることができるに違いありません。

(文章:ひるま)

参照:Significance of Adhika Maas in Hindu calendar