太陽とパーリジャータの愛

秋が深まり、夜が長くなる時となりました。
インドではこの季節に、たくさんの光を灯すディーワーリーが盛大に祝福されます。
ディーワーリーは、ヒンドゥー教の創造神話である乳海撹拌を通じて、ラクシュミー女神が生まれた時としても祝福される時です。

乳海撹拌を通じては、ラクシュミー女神を含め、14の宝が生まれたと伝えられます。
その宝のひとつに数えられる、パーリジャータと呼ばれる木があります。
決して枯れない木ともいわれるこのパーリジャータには、ある美しい神話が伝わります。

パーリジャータの木は、夜に花を咲かせ、太陽が昇ると地面にその花を落とすといわれます。
地面に落ちた花は神々に捧げてはならないといわれる中で、このパーリジャータだけは、地面に落ちた花を神々に捧げても良いと伝えられます。

一説に、太陽に恋をしたパーリジャータという、とても繊細な王女がいたと伝えられます。
その愛に気づいた太陽は、パーリジャータのもとを訪れました。
しかし、繊細なパーリジャータには太陽の光が強すぎ、その熱に焼かれてしまいます。

パーリジャータを哀れんだ太陽は、枯れない木としての命をパーリジャータに与えました。
そして、光が弱まる夜にパーリジャータのもとを訪れ、愛を伝えるのだといいます。
パーリジャータは、その愛に花を開いて芳しい香りを放つも、朝に太陽の光が差し込むと、開いた花を落とすと伝えられます。

パーリジャータにまつわる神話はさまざまに異なりますが、その多くが、太陽との美しい愛のあり方を伝えています。
さまざまな欲望が生じる肉体を持つ私たちにとって、時に真実の光は強すぎることがあります。
しかし、太陽が夜にそっとパーリジャータのもとを訪れるように、暗闇の中にも神の愛が届いていることを忘れてはなりません。

夜の帳が下り、パーリジャータの香りに気づく時、太陽とパーリジャータの愛を感じる瞬間がありました。
そして朝、地面に落ちたパーリジャータの花を神々に捧げる時、決して枯れない真の愛の強さを学んだように思います。
暗闇の中でも美しい花を咲かせることができるように、どんな時も神の愛に気づいていたいと感じます。

(文章:ひるま)