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雑記帳

正義の地

アルジュナが直面する混乱と葛藤に、クリシュナ神が勇ましく教えを説くバガヴァッド・ギーター。
その舞台となるのは、マハーバーラタの大戦が始まろうとしている聖地、クルクシェートラです。
この戦場という舞台は、人間の苦悩を暗示していると広く解釈されてきました。
そんなバガヴァッド・ギーターの舞台になったクルクシェートラには、ある神話が伝わります。

クルクシェートラは、クル族の王に由来する土地です。
古代において、その土地はサラスワティー川とドリシャドヴァティー川の間にあったといわれ、現在ではインド北部のハリヤーナー州に位置します。
心身の穢れを清める聖地として、水辺は精神的にも物質的にも、人々の拠り所となる場所でした。

クル王が馬車に乗ってこの土地を訪れた時のこと、馬車の金を使って鋤を作り、その不毛の地を耕し始めたといわれます。
神々の王であるインドラ神は、クル王に何をしているのか尋ねました。

クル王は、8つの美徳を育てる土地を準備していると答えます。
8つの美徳とは、苦行(タパス)、真実(サティヤ)、寛容(クシャマー)、親切(ダヤー)、清浄(サウチャ)、布施(ダーナ)、合一(ヨーガ)、禁欲(ブラフマチャリヤ)でした。

さまざまな困難に直面しても、その美徳を育てるために土地を耕し続けたクル王は、恩恵を与えられます。
その恩恵は、いつまでもクル王の名前がその土地において語り継がれるということ、そして、その土地における戦いで命を落とした者は、誰でも天の国に行くというものでした。

そうして聖地となったクルクシェートラは、ダルマクシェートラとも呼ばれます。
ダルマクシェートラは、正義の地を意味します。
この正義の地は、個々の内に存在しているものに他ありません。

人生において8つの美徳を育む私たちは、時に混乱と葛藤に直面することがあっても、正義のために戦い続ける必要があります。
その戦いにおいては、クリシュナ神の教えが綴られたバガヴァッド・ギーターが何ものにも代えがたい支柱になるはずです。
そして戦いを終える時、得る勝利は個の魂の解脱として、私たちの生きる目的を成就してくれるに違いありません。

(文章:ひるま)

参照: Kurukshetra—The Land of Dharma

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