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雑記帳

牡牛のナンディ

丑年の2021年、強くも愛らしい牛の姿を多く目にする1年の始まりとなりました。
牛といえば、人々にさまざまな恵みを運ぶ幸せの象徴として、インドでは広く崇められる存在です。
中でも、シヴァ神の乗り物である牡牛のナンディは、人々の祈りをシヴァ神に届ける存在として尊ばれ、常にシヴァ神の側に寄り添います。

一説に、ナンディの耳元で囁いた祈りは必ずシヴァ神に届くといわれ、寺院ではナンディの耳元で囁く人々の姿を目にすることも少なくありません。
そんなナンディの誕生には、さまざまな神話が伝わります。
そのひとつが、シラーダという賢者にまつわる神話です。

シラーダは子宝に恵まれず、シヴァ神への厳しい苦行を行い、ようやく子宝を授かりました。
子どもは深く愛され、「幸せなもの」を意味するナンディと名づけられます。

ある時、シラーダはナンディが若くして命を落とす運命にあることを告げられ、ひどく悲しみました。
打ちひしがれる父の姿を見たナンディは、家を出てシヴァ神への厳しい苦行を始めます。
すると、シヴァ神は喜び、ナンディを乗り物として、永遠にシヴァ神の側に寄り添う恩恵を与えます。
それは、シヴァ神が乗り物の牡牛を失った時だったといいます。

荷牛や耕牛として重荷を背負う牛の力は、古代において偉大な力として尊ばれてきました。
世界の安寧を願い瞑想を続けるシヴァ神を支えるために、力強い安定を見せる牡牛の存在は必要不可欠であったのかもしれません。
深い瞑想に没頭するシヴァ神に、人々の祈りを届けることができるのは、そんな牡牛のナンディだけであるとも伝えられます。

私たちもナンディのように、日々において大きな試練を経験することがあります。
しかし、シヴァ神への揺るがない思いによって、ナンディは自らの運命を克服しただけでなく、シヴァ神の側でいつの時も人々から崇められる存在になりました。
そうして永遠の命を与えられたナンディに、シラーダも喜んだに違いありません。

試練こそが自分自身を大きく成長させてくれるものであることを理解しながら、ナンディのように幸せを運ぶ存在になりたいと感じます。
丑年の2021年、皆様にたくさんの幸せが運ばれますように、心よりお祈り申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(文章:ひるま)

参照:Nandi of Lord Shiva

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