プーシャン・ムドラー

万物に命を吹き込む太陽は、古来よりインドにおいて、さまざまに異なる名前で崇められてきました。
そのひとつに、プーシャンという名前があります。
プーシャンは、「栄養を与える者」を意味し、一切を育む太陽の力を象徴します。

そんなプーシャンは、人間や家畜を守る力としても崇められてきました。
その力は、帰依者を豊かな牧草地に導くように、人生の変遷の時には良き案内者になると伝えられます。
人生の変わり目は、新しい何かを不安に思ったり、何かを失うことを恐れたり、時に迷いを感じることも少なくありません。
そんな時に役立つのが、プーシャンの名前を持つムドラーの実践です。

プーシャン・ムドラーは、身体において吸収と排泄の動きを促し、消化力を活性化するムドラーとして知られます。
それは、受け入れること、手放すことの象徴でもあります。
その消化力は、人生のさまざまな面において経験する不安や苦悩を解決することに役立つと伝えられてきました。

このプーシャン・ムドラーでは、右手と左手で異なるムドラーを実践します。
左手では吸収や受容を象徴するムドラーを、右手では排泄や解放を象徴するムドラーを実践するのがプーシャン・ムドラーです。

左手では、手の平を上に向けたまま、親指と中指と薬指の先端を合わせ、人差し指と小指は伸ばしておきます。
このムドラーは、外から内へ流れるエネルギーを促し、吸収や受容の動きを活性化するといわれます。

右手では、手の平を上に向けたまま、親指と人差し指と中指の先端を合わせ、薬指と小指は伸ばしておきます。
このムドラーは、内から外へ流れるエネルギーを促し、排泄や解放の動きを活性化するといわれます。
(※右手では、親指と薬指と小指の先端を合わせ、人差し指と中指を伸ばしておく場合もあります。)

かつてない変化を求められている現在は、身体的にも精神的にも不調を感じやすく、不安や苦悩に直面することが少なくありません。
それは、物事をあるがままに受け入れる代わりに、抵抗し執着をすることにひとつの要因があるともいわれます。
不安や苦悩といった負の感情を消化することは難しく、気づかないうちに自分自身の内に溜め込んでしまっていることも多くあります。

変化を要する時代において、受容と解放を促すこのプーシャン・ムドラーの実践は、人生と前向きに向き合うための大きな助けになるでしょう。
そうした日々の学びを糧に、私たちは大きく成長していくことができるはずです。

(文章:ひるま)