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雑記帳

ヴァーストゥ・プルシャ

ステイホームの言葉が聞かれるようになって1年が過ぎました。
外出を控えることが多くなった現在は、居住空間を見直す機会も多くあるかもしれません。
インドには、健やかで幸せな居住空間を生み出すための、ヴァーストゥと呼ばれる風水に似た叡智が伝わります。

ヴァーストゥは、太陽の光や風の動き、地球の磁場を考慮した建築の科学であり、非常に奥深く、複雑で多岐にわたります。
その中でも、ヴァーストゥの神として崇められるヴァーストゥ・プルシャについて知ると、幸せに暮らす術が見えてきます。
ヴァーストゥ・プルシャにまつわるさまざまな言い伝えのひとつには、創造の神であるブラフマー神との神話があります。

宇宙の創造の過程において、ブラフマー神がある生物の創造を試みた時のことでした。
その生物は、飽くなき飢えを満たすために、あらゆるものを貪り始めます。
そして、地球を自分の影で覆ってしまうほどに巨大化してしまいました。
巨人のようになったその生物に困り果てたブラフマー神は、8つの方角の守り神であるアシュタ・ローカパーラに助けを求めます。

アシュタ・ローカパーラは力を合わせ、その巨人を地面に押さえつけました。
押さえつけられた巨人は、なぜこのような扱いを受けるのか泣きながら訴えます。
するとブラフマー神は、この地に居住する人々から永遠に礼拝される存在になるという恩恵を与えました。
そうしてその巨人は、ヴァーストゥ・プルシャとして崇められるようになったと伝えられます。

ヴァーストゥ・プルシャが地面に押さえつけられた図は、ヴァーストゥ・プルシャ・マンダラと呼ばれ、ヴァーストゥの法則が示された重要なものです。
そこでは、44の神々が自然の動きと密接に結びつきながら、ヴァーストゥ・プルシャを固定しています。
それを見ると、私たちを育む偉大な自然が生きるこの地は、神の身体そのものであるということに気づかされます。

飽くなき欲望に比例するように巨大化する問題の中で、私たちはさまざまな困難に直面しています。
現代において、ヴァーストゥの法則に合う居住空間を構えることは容易ではありません。
しかし、少なくとも私たちは、神の身体の上で生活を営んでいるという気づきを常に持ち続ける必要があります。
そうしてこの世界を敬いながら、欲望を神々の下に定めて生きる時、真に健やかで幸せな日々を過ごすことができるはずです。

(文章:ひるま)

参照:Vastu Purusha Mandala

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