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雑記帳

宝石の都市

「七つの層に分かれた地下世界の最低層には、無数の宝石が眠っている」と、ヒンドゥー教の古い教えが伝えています。太陽という光が届かない場所にあっても、ここに住む者たちが身につける宝石で輝くこの世界は、富と幸福に満ち、その美しさは上界の世界を凌ぐと伝えられるほどです。
そんな場所が、私たちの体の中にも存在しています。「宝石の都市」と言う名を持つ三番目のチャクラ、それが「マニプーラ・チャクラ」です。火の要素を持ち、臍の奥深くにあると伝えられるこのチャクラは、太陽があらゆる生命にエネルギーを注ぐように、黄金色に輝きながら私たちの中心で生命活動を司っています。
太陽神経叢に対応するマニプーラ・チャクラは、太陽が銀河系の中心でその均衡をとり続けるのと同様、私たちの中心であり、まさにエネルギーの宝庫です。それ故、このエネルギーの中心が滞り、ぶれて均衡を失うことは、あらゆる不の要素を体中に巡らすことを意味します。いつしか、欲に乱され、意志を見失い、「生きる」というシンプルなエネルギーにさえ濁りが生じ、不安や緊張が体とそして精神をも覆い尽くしていきます。
かのヨーガ・スートラも、「臍に綜制を行えば、体内の組織についての知識を得る(三章二九節)」と述べています。自分自身の体と向き合うヨーガの行いの中で常に感じるものは、静と動、伸縮と伸長、そして強さと柔軟性といった相対のものの間で、均衡を取りながら生みだされる中心のエネルギーであり、重心のある所です。そこを感じる時、不安や緊張は体からも心からも静かに消え失せていきます。
自分の中心である場所を瞑想することは、内側にある隠された輝く宝を見つけ出すような喜ばしい感覚でした。そしてその宝は、「自分」というものに他ありません。安らぎと充足感。そして生きるという強い意志。ここは、私たちの完全な至福の中心であり、精神の向上を維持する場所そのものでもあるのです。
私たちの臍の奥深くでは、命の炎が途切れることなく燃え続けています。それは宝石のように輝きながら内の世界を照らし、その明るさは外界の世界にも勝るものに違いありません。「それが真実かどうか、自分の内側を見つめてみなさい。」そう言われたことを今でもはっきりと覚えています。
(文章:ひるま)

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