バガヴァッド・ギーター第3章第39節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

आवृतं ज्ञानम् एतेन
āvṛtaṁ jñānam etena
アーヴリタン ジュニャーナム エーテーナ
知識は、これによって覆われている

āvṛtam【中性・単数・主格 āvṛta(過去受動分詞 ā√vṛ)】覆われた、隠された、囲まれた;広げられた
jñānam【中性・単数・主格 jñāna】[〜は、〜が]知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
etena【男性・単数・具格、指示代名詞 etad】[〜によって、〜をもって]これ

ज्ञानिनो नित्यवैरिणा ।
jñānino nityavairiṇā |
ジュニャーニノー ニッティヤヴァイリナー
知識ある者の(知識は)、永遠の敵によって

jñāninas【男性・複数・主格 jñānin】[〜は、〜が]知識あるもの;占術家、占星家
nitya【副詞】恒久的に、不易に、常に;不変に
vairiṇā【男性・単数・具格 vairin】[〜によって、〜をもって]敵;敵意 【形容詞】怨恨を含んだ、敵意のある

कामरूपेण कौन्तेय
kāmarūpeṇa kaunteya
カーマルーペーナ カウンテーヤ
欲望の形によって、アルジュナよ

kāma【男性】〜に対する願望、欲望;愛、快楽;利益;性愛;愛の神
rūpeṇa【中性・単数・具格 rūpa】[〜によって、〜をもって]外観、色;夢・幻に現れる形;肖像、像、映像;文法上の形、派生語;美しい形、美、見目よいこと;現象;記号、指示、しるし、象徴、顕現;特徴、特質、性質;情況;類、種類;痕跡;単一の見本;戯曲
→kāmarūpeṇa【中性・単数・具格、所有複合語 kāmarūpa】[〜によって、〜をもって]欲望の形、欲望の姿
kaunteya【男性・単数・呼格】クンティーの息子よ。アルジュナの別名。

दुष्पूरेणानलेन च ॥
duṣpūreṇānalena ca ||
ドゥシュプーレーナーナレーナ チャ
また飽くことを知らない火によって

duṣpūreṇa【男性・単数・具格 duṣpūra】充たし難い;満足させ難い
analena【男性・単数・具格 anala】[〜によって、〜をもって]火;アグニ神
ca【接続詞】そして、また、〜と

आवृतं ज्ञानमेतेन ज्ञानिनो नित्यवैरिणा ।
कामरूपेण कौन्तेय दुष्पूरेणानलेन च ॥३९॥

āvṛtaṁ jñānametena jñānino nityavairiṇā |
kāmarūpeṇa kaunteya duṣpūreṇānalena ca ||39||
アルジュナよ、知識ある者の知識は、この永遠の敵に覆われている。
欲望という飽くことを知らない火によって。