バガヴァッド・ギーター第4章第20節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

त्यक्त्वा कर्मफलासङ्गं
tyaktvā karmaphalāsaṅgaṁ
ティヤクトヴァー カルマパラーサンガン
行為の結果への執着を捨て

tyaktvā【絶対分詞 √tyaj】[〜して、〜してから]罷る、見捨てる;棄てる;手放す;遺棄する;(場所より)去る;(人を)避ける;放置する、放つ;断念する、離れる、捨てる、護る
karma(=karman)【中性】行為、作業;作用、職業;儀式;結とら運命(前世に行った行為の結果)、業
phala【中性】果実;(果実の)核;結果;報い、報酬、利益、果報;報復、罰、損失、不利益;利得、享受;代償
āsaṅgam【男性・単数・対格 āsaṅga】[〜に、〜を]捉えること;〜に対する執着・耽溺
→karmaphalāsaṅgam【男性・単数・対格、限定複合語】[〜に、〜を]行為の結果に対する執着

नित्यतृप्तो निराश्रयः ।
nityatṛpto nirāśrayaḥ |
ニッティヤトリプトー ニラーシュラヤハ
常に満足し、他に頼らない人は

nitya【副詞】恒久的に、不易に、常に;不変に
tṛptas【男性・単数・主格 tṛpta√tṛpの過去受動分詞)】〜をもって満足する、〜をもって充足する
nirāśrayas【男性・単数・主格 nirāśraya】[〜は、〜が]庇護のない、支持されない;孤独の、独立の;保護されない

कर्मण्य् अभिप्रवृत्तो ऽपि
karmaṇy abhipravṛtto ‘pi
カルマニ アビプラヴリットー ピ
行為に従事しても

karmaṇi【中性・複数・処格 karman】[〜において、〜のなかで]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
abhipravṛttas【男性・単数・主格 abhipravṛttaabhi-pra-√vṛt)の過去受動分詞】起こる;(処格)に従事した・専念した
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお

नैव किंचित् करोति सः ॥
naiva kiṁcit karoti saḥ ||
ナイヴァ キンチット カローティ サハ
彼は何も行為しない

na【否定辞】〜でない
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
kiṁcit【中性・単数・主格 kimcid(不定代名詞 kim+cid)】幾分か、少し
karoti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √kṛ】[彼は〜、それは〜]為す、作る、遂行する、用いる
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼

त्यक्त्वा कर्मफलासङ्गं नित्यतृप्तो निराश्रयः ।
कर्मण्यभिप्रवृत्तोऽपि नैव किंचित्करोति सः ॥२०॥

tyaktvā karmaphalāsaṅgaṁ nityatṛpto nirāśrayaḥ |
karmaṇyabhipravṛtto’pi naiva kiṁcitkaroti saḥ ||20||
行為の結果への執着を捨て、常に満足し、他に頼らない人は、
たとえ行為に従事しても、何も行為をしていない。