バガヴァッド・ギーター第5章第27節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

स्पर्शान् कृत्वा बहिर् बाह्यांश्
sparśān kṛtvā bahir bāhyāṁś
スパルシャーン クリトヴァー バヒル バーヒヤーンシュ
外界との接触を斥け

sparśān【男性・複数・対格 sparśa√spṛśから派生)】[〜らに、〜らを]接触、感触;感情、感覚;快感;触覚
kṛtvā【絶対分詞 √kṛ】[〜して、〜してから]為す、作る、遂行する、用いる
bahis【副詞】(家・町・国などの)外側に;戸外に
bāhyān【男性・複数・対格 bāhya】外側にある、〜の外側に位した;外の、外部の;他国の、外国の;種姓(階級)または共同社会から除外された、放逐された、〜の外にある、〜と接触する、〜の範囲外の、〜となんら関係のない

चक्षुश्चैवान्तरे भ्रुवोः ।
cakṣuścaivāntare bhruvoḥ |
チャクシュシュチャイヴァーンタレー ブルヴォーホ
また眼を眉間に

cakṣus【中性・単数・対格 cakṣus】[〜に、〜を]眼;視界;視力;瞥見;光、光明 【形容詞】見る
ca【接続詞】そして、また、〜と
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
antare【中性・単数・処格 antara】[〜において、〜のなかで]内部;中間、距離;入口;時、時間;機会、弱点;差異、種別、特徴、確実 【形容詞】他の;近い、親しい;内部の
bhruvos【女性・両数・属格 bhrū】[〜の、〜にとって]眉、眉毛

प्राणापानौ समौ कृत्वा
prāṇāpānau samau kṛtvā
プラーナーパーナウ サマウ クリトヴァー
呼気と吸気を均等にして

prāṇa【男性】息、呼吸;活力、生気;風気;出息;そよ風、風;気力、精力、力;精神;個人我、全体と一致される宇宙精神;感官
apāna【男性】下息;肛門;入息
→prāṇāpānau【男性・両数・対格 prāṇāpāna】[〜に、〜を]プラーナとアパーナ、呼気と吸気、出息と入息
※プラーナ(prāṇa)とアパーナ(apāna)という対語は、ブラーフマナやウパニシャッド諸文献に出る。W.Calandは、ブラーフマナとヴェーダ祭式文献を調べ、プラーナを「出息」、アパーナを「入息」とする。しかし、『マイトリ・ウパニシャッド』(2.6)では、プラーナは「上方に吐き出される息」、アパーナは「下方に向かう息」と定義されている。(中略)(BG4.29 上村勝彦注)
samau【男性・両数・対格 sama】平らな、滑らかな、水平の、並行した;類似の・似た・等しい・同等の・同じ・同一の;不変の;偶数の;正常な;普通の、中等の;無関心の、中立の;善良な、正しい、正直な;容易な
kṛtvā【絶対分詞 √kṛ】[〜して、〜してから]為す、作る、遂行する、用いる

नासाभ्यन्तरचारिणौ ॥
nāsābhyantaracāriṇau ||
ナーサービヤンタラチャーリナウ
鼻孔を通る

nāsā【女性】鼻孔、鼻
abhyantara【形容詞】内の、内にある;〜に含まれた;近い、次の、親しい、親密な、愛する;〜に着手・入門・精通する;類似の;〜に属する;秘密の
cāriṇau【男性・両数・対格 cārin】動き得る;〜の中に動く・行く・徘徊する・住する・生活する;行動する、遂行する
→nāsābhyantaracāriṇau【男性・両数・対格】鼻孔を通る

स्पर्शान्कृत्वा बहिर्बाह्यांश्चक्षुश्चैवान्तरे भ्रुवोः ।
प्राणापानौ समौ कृत्वा नासाभ्यन्तरचारिणौ ॥२७॥

sparśānkṛtvā bahirbāhyāṁścakṣuścaivāntare bhruvoḥ |
prāṇāpānau samau kṛtvā nāsābhyantaracāriṇau ||27||
外界との接触を斥け、眼を眉間に注ぎ、
鼻孔を通る呼気と吸気を均等にして、