バガヴァッド・ギーター第6章第1節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

श्रीभगवान् उवाच ।
śrībhagavān uvāca |
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った

śrībhagavān【男性・単数・主格 śrībhagavat】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、語る

अनाश्रितः कर्मफलं
anāśritaḥ karmaphalaṁ
アナーシュリタハ カルマパラン
行為の結果に拘わらず

anāśritas【男性・単数・主格 anāśrita】独立の;〜を無視した
karmaphalam【中性・単数・対格 karmaphala】[〜に、〜を]行為の果実、行為の結果

कार्यं कर्म करोति यः ।
kāryaṁ karma karoti yaḥ |
カーリヤン カルマ カローティ ヤハ
為すべき行為をなす人は

kāryam【中性・単数・対格、未来受動分詞 √kṛ】為されるべき、作られるべき、遂行されるべき、用いられるべき
karma【中性・単数・対格 karman】[〜に、〜を]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
karoti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √kṛ】[彼は〜、それは〜]為す、作る、遂行する、用いる
yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人

स संन्यासी च योगी च
sa saṁnyāsī ca yogī ca
サ サンニャーシー チャ ヨーギー チャ
彼はサンニャーシン(放擲者)でありヨーギン(実修者)である

sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
saṁnyāsī【男性・単数・主格 saṁnyāsin】(―゜)を放棄する、断念する;(世を)棄てた(第四生活期にある婆羅門)
ca【接続詞】そして、また、〜と
yogī【男性・単数・主格 yogin】[〜は、〜が]ヨーガ行者、修行者、実践者

न निरग्निर् न चाक्रियः ॥
na niragnir na cākriyaḥ ||
ナ ニラグニル ナ チャークリヤハ
祭火がなく、行為しない人は(そうでは)ない

na【否定辞】〜でない
niragnis【男性・単数・主格 nir-agni】(家庭祭儀用の)火のない
na【否定辞】〜でない
ca【接続詞】そして、また、〜と
akriyas【男性・単数・主格 akriya】無為の、行為をしない、活動しない;祭式を行わない

श्रीभगवान् उवाच।
अनाश्रितः कर्मफलं कार्यं कर्म करोति यः ।
स संन्यासी च योगी च न निरग्निर्न चाक्रियः ॥१॥

śrībhagavān uvāca |
anāśritaḥ karmaphalaṁ kāryaṁ karma karoti yaḥ |
sa saṁnyāsī ca yogī ca na niragnirna cākriyaḥ ||1||
クリシュナは語りました。
行為の結果に拘わらず、為すべき行為をなす人は、
サンニャーシン(放擲者)でありヨーギン(実修者)である。
単に祭火を焚かず、行為しない人はそうではない。