バガヴァッド・ギーター第6章第18節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यदा विनियतं चित्तम्
yadā viniyataṁ cittam
ヤダー ヴィニヤタン チッタム
心が統制された時

yadā【接続詞】〜である時、〜する時
viniyatam【中性・単数・主格 viniyatavi-ni√yamの過去受動分詞)】制限された、阻止された、規制された;削減された、狭い
cittam【中性・単数・主格 citta】[〜は、〜が]注意;思考、思想;目的、意志;精神、心、知性、理性

आत्मन्य् एवावतिष्ठते ।
ātmany evāvatiṣṭhate |
アートマニ エーヴァーヴァティシュタテー
アートマンにのみ安住する(時)

ātmani【男性・単数・処格 ātman】[〜において、〜のなかで]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
avatiṣṭhate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 ava√sthā】[彼は〜、それは〜]静止する;〜にとどまる;存在する、(ブラフマン)と合一する・のなかに安住する

निःस्पृहः सर्वकामेब्ब्यो
niḥspṛhaḥ sarvakāmebbyo
ニヒスプリハハ サルヴァカーメーッビョー
すべての欲望から解放され

niḥspṛhas【男性・単数・主格 niḥspṛha】欲望から逃れる・自由になる
sarva【形容詞】すべての、一切の、各々の;全体の
kāmebhyas【男性・単数・従格 kāma】[〜から、〜より]〜に対する願望、欲望;愛、快楽;利益;性愛;愛の神

युक्त इत्य् उच्यते तदा ॥
yukta ity ucyate tadā ||
ユクタ イティ ウッチャテー タダー
そのとき、彼は「専心した者」と呼ばれる

yuktas【男性・単数・主格 yukta√yujの過去受動分詞)】[〜は、〜が]くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した;〜に適した・相当する・ふさわしい;正しい、正確な;〜に適応した
※ラーマーヌジャは、「ヨーガに登った人(yogārūḍha)」ととる。(上村勝彦注)
iti【副詞】〜と、〜ということ、以上(しばしば引用句の後に置かれる)
ucyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vac】[彼は〜される、それは〜される]言う、話す
tadā【副詞】そのとき、それから 【相関】yadā 〜 tadā

यदा विनियतं चित्तमात्मन्येवावतिष्ठते ।
निःस्पृहः सर्वकामेब्ब्यो युक्त इत्युच्यते तदा ॥१८॥

yadā viniyataṁ cittamātmanyevāvatiṣṭhate |
niḥspṛhaḥ sarvakāmebbyo yukta ityucyate tadā ||18||
心が統制され、アートマンにのみ安住する時、
彼はすべての欲望から解放され、「ヨーガを完成した人」と呼ばれる。