バガヴァッド・ギーター第6章第25節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

शनैः शनैर् उपरमेद्
śanaiḥ śanair uparamed
シャナイヒ シャナイル ウパラメード
徐々に静止すべきである

śanais【副詞】(ときに繰り返される)やさしく、柔軟に、緩やかに、静かに、漸次
→śanaiḥ śanais【副詞】徐々に、だんだんと、次第に
uparamet【三人称・単数・パラスマイパダ・願望法 upa√ram】[彼は〜だろう、彼は〜するべき]立ち止まっている、休息する;活動をやめる、静止する、中止する、諦める

बुद्ध्या धृतिगृहीतया ।
buddhyā dhṛtigṛhītayā |
ブッディヤー ドリティグリヒータヤー
堅固に保たれた知性によって

buddhyā【女性・単数・具格 buddhi】[〜によって、〜をもって]知能、理解力、理性、知性、精神;識別、判断;沈着、機知;知覚;会得;意見、見解;信仰、確信;想定
dhṛti【女性】固持;静止;堅固、着実;恒心;堅忍不抜;満足、満足を知ること;果断
gṛhītayā【女性・単数・具格 gṛhīta√grahの過去受動分詞)】携えた、保った、持った
→dhṛtigṛhītayā【女性・単数・具格、同格限定複合語 dhṛtigṛhīta】堅固に保った;堅固な心・意志によって保持された

आत्मसंस्थं मनः कृत्वा
ātmasaṁsthaṁ manaḥ kṛtvā
アートマサンスタン マナハ クリットヴァー
意(マナス)を自己(アートマン)に向け

ātmasaṁstham【男性・単数・対格 ātmasaṁstha】自己本位の、自身に向けられた
manas【中性・単数・対格 manas】[〜に、〜を]心、内的器官、知性、理性、精神、良心、思考、意向、気分
kṛtvā【絶対分詞 √kṛ】[〜して、〜してから]為す、作る、遂行する、用いる

न किंचिद् अपि चिन्तयेत् ॥
na kiṁcid api cintayet ||
ナ キンチッド アピ チンタイェート
何事も考えるべきではない

na【否定辞】〜でない
kiṁcit【中性・単数・主格 kiṁcid(不定代名詞 kim+cid)】幾分か、少し
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
cintayet【三人称・単数・パラスマイパダ・願望法・使役活用 √cint】[彼は〜させるだろう、彼は〜させるべき]考える;熟慮する;留意する、注目する、〜に注意を払う;工夫する;取り扱う、議論する

शनैः शनैरुपरमेद् बुद्ध्या धृतिगृहीतया ।
आत्मसंस्थं मनः कृत्वा न किंचिदपि चिन्तयेत् ॥२५॥

śanaiḥ śanairuparamed buddhyā dhṛtigṛhītayā |
ātmasaṁsthaṁ manaḥ kṛtvā na kiṁcidapi cintayet ||25||
揺るぎない知性によって、徐々に寂静に達するべきである。
意(マナス)をアートマンに向け、何事も考えるべきではない。