バガヴァッド・ギーター第6章第33節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अर्जुन उवाच ।
arjuna uvāca |
アルジュナ ウヴァーチャ
アルジュナは言った

arjunas【男性・単数・主格 arjuna】[〜は、〜が]アルジュナ
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、話す

यो ऽयं योगस् त्वया प्रोक्तः
yo ‘yaṁ yogas tvayā proktaḥ
ヨー ヤン ヨーガス トヴァヤー プロークタハ
このヨーガは、あなたによって説かれた

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】[〜は、〜が]これ
yogas【男性・単数・主格 yoga】[〜は、〜が]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
tvayā【単数・具格、二人称代名詞 tvad】[〜によって、〜をもって]あなた
proktas【男性・単数・主格 proktapra√vacの過去受動分詞)】宣言された、教えられた、記述された;言われた、語られた;〜であると宣言された、と称された、説かれた

साम्येन मधुसूदन ।
sāmyena madhusūdana |
サーミイェーナ マドゥスーダナ
平等をもって、クリシュナよ

sāmyena【中性・単数・具格 sāmya】[〜によって、〜をもって]均等、同一、類似;同等;平衡、正常の状態;正義
madhusūdana【男性・単数・呼格 madhusūdana】[〜よ]マドゥスーダナ(クリシュナの別名。名前は「(悪魔)マドゥを殺す者」の意)

एतस्याहं न पश्यामि
etasyāhaṁ na paśyāmi
エータスヤーハン ナ パッシャーミ
私は見出せない、この

etasya【男性・単数・属格、指示代名詞 etad】[〜の、〜にとって]これ
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
na【否定辞】〜でない
paśyāmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √paś】[私は〜]見る;眺める;観察する、注意する;凝視する、傍観する;経験する、獲得する;見出す;考察する、思量する;心眼で見る、発見する;予知する、予見する

चञ्चलत्वात् स्थितिं स्थिराम् ॥
cañcalatvāt sthitiṁ sthirām ||
チャンチャラトヴァート スティティン スティラーム
不動の状態を、動揺から

cañcalatvāt【中性・単数・従格 cañcalatva(=cañcalatā)】[〜から、〜より]不安定、動揺;不規則
sthitim【女性・単数・対格 sthiti】[〜に、〜を]立つこと;滞在すること;休息の地、住所;地位、階級、高位、威厳;状態、条件;慣例、習慣、制度
sthirām【女性・単数・対格 sthira】堅固な、固い、固体の、硬直した、強い;定着した、不動の、動かない;ぐらつかない;恒久の、不断の、持続する、続く、変化のない;しっかりした、支持された、がまん強い;秘密にされた、内密の

अर्जुन उवाच ।
योऽयं योगस्त्वया प्रोक्तः साम्येन मधुसूदन ।
एतस्याहं न पश्यामि चञ्चलत्वात्स्थितिं स्थिराम् ॥३३॥

arjuna uvāca |
yo’yaṁ yogastvayā proktaḥ sāmyena madhusūdana |
etasyāhaṁ na paśyāmi cañcalatvātsthitiṁ sthirām ||33||
アルジュナは言った。
「クリシュナよ。あなたは平等のヨーガを説くが、
私は動揺から、この不動の状態を見出せない。