バガヴァッド・ギーター第6章第39節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

एतन् मे संशयं कृष्ण
etan me saṁśayaṁ kṛṣṇa
エータン メー サンシャヤン クリシュナ
私のこの疑惑を、クリシュナよ

etat【中性・単数・対格、指示代名詞 etad】[〜に、〜を]これ
me【単数・属格、一人称代名詞 mad(mamaの附帯形)】[〜の、〜にとって]私
saṁśayam【男性・単数・対格 saṁśaya】[〜に、〜を]〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険
kṛṣṇa【男性・単数・呼格 kṛṣṇa】[〜よ]クリシュナ神;黒い羊飼い

छेत्तुम् अर्हस्य् अशेषतः ।
chettum arhasy aśeṣataḥ |
チェーットゥン アルハシ アシェーシャタハ
残らず断ち切ってください

chettum【√chidの不定詞】[〜するため、〜すべく、〜すること]切る、切り落とす、切り倒す;断つ;刺し通す;破壊する
arhasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √arh】[あなたは〜]〜できる、資格がある、権利がある;〜すべきである、余儀なくさせられる;責を負う;価値がある、匹敵する
aśeṣatas【副詞】残さず;全く、十分に、すべて

त्वदन्यः संशयस्यास्य
tvadanyaḥ saṁśayasyāsya
トヴァダンニャハサンシャヤスヤースヤ
あなた以外に、この疑惑の

tvadanyas【男性・単数・主格 tvadanya】あなた以外の
saṁśayasya【男性・単数・属格 saṁśaya】[〜の、〜にとって]〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険
asya【男性・単数・属格 指示代名詞 idam】[〜の、〜にとって]これ、この、彼

छेत्ता न ह्य् उपपद्यते ॥
chettā na hy upapadyate ||
チェーッター ナ ヒ ウパパディヤテー
破壊者は、存在しないから

chettā【男性・単数・主格 chettṛ】[〜は、〜が]樵夫;破壊者;(疑を)除く人、追放者
na【否定辞】〜でない
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
upapadyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 upa√pad】[彼は〜、それは〜]〜に来る;(師)の許へ行く;〜に(弟子)入りする;〜に到達する、〜を始める;起こる、生ずる、現れる;存在する;出来る、可能である;〜に適する・適当である、〜に値する

एतन्मे संशयं कृष्ण छेत्तुमर्हस्यशेषतः ।
त्वदन्यः संशयस्यास्य छेत्ता न ह्युपपद्यते ॥३९॥

etanme saṁśayaṁ kṛṣṇa chettumarhasyaśeṣataḥ |
tvadanyaḥ saṁśayasyāsya chettā na hyupapadyate ||39||
クリシュナよ、私のこの疑惑を、残らず断ち切ってください。
なぜなら、この疑惑を取り除ける方は、あなた以外に存在しないから。」