バガヴァッド・ギーター第7章第25節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

नाहं प्रकाशः सर्वस्य
nāhaṁ prakāśaḥ sarvasya
ナーハン プラカーシャハ サルヴァッスヤ
私は、すべてにとって、明瞭でない

na【否定辞】〜でない
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
prakāśas【男性・単数・主格 prakāśa】輝く、照らす、清澄の、明瞭な、晃々たる、顕れた、開いた、見えた、公の;(―゜)によって生じた・引き起こされた;(―゜)のように見える、〜に類する
sarvasya【男性・単数・属格 sarva】[〜の、〜にとって]すべての、一切の、各々の;全体の

योगमायासमावृतः ।
yogamāyāsamāvṛtaḥ |
ヨーガマーヤーサマーヴリタハ
ヨーガの幻力(マーヤー)に覆われた

yoga【男性】ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一;策略、詭計;呪術、魔術
māyā【女性】術、不可思議の力;策略、計略、狡計;詭計、詐欺;手品、妖術;幻像、幻想;幻影
yogamāyā【女性】魔法;放心的瞑想によって生じた幻想
samāvṛtas【男性・単数・主格 samāvṛtasam-ā-√vṛの過去受動分詞)】(具格、―゜)で覆われた;(具格)に包まれた・に保護された;(―゜)に満たされた・によって居住された;(属格:人)に対して閉ざされた
→yogamāyāsamāvṛtas【男性・単数・主格、限定複合語】ヨーガの幻力(マーヤー)に覆われた、不可思議な幻力に覆われた

मूढो ऽयं नाभिजानाति
mūḍho ‘yaṁ nābhijānāti
ムドー ヤン ナービジャーナーティ
迷ったこれは、知らない

mūḍhas【男性・単数・主格 mūḍha√muhの過去受動分詞)】迷った;進路を失った(船);〜について困惑した・混乱した・当惑した・不確実な;愚鈍な、愚かな、鈍い、低能な;途方に暮れた
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】[〜は、〜が]これ
na【否定辞】〜でない
abhijānāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 abhi√jñā】[彼は〜、それは〜]了解する、悟る、知る;(対格)を(対格)と認める・見なす;記憶する

लोको माम् अजम् अव्ययम् ॥
loko mām ajam avyayam ||
ローコー マーム アジャム アヴィヤヤム
世界は、不生不滅の私を

lokas【男性・単数・主格 loka】[〜は、〜が]空間、余地、場所;地方、地帯、国;世界、宇宙の区分;天;地;人類、一般の人民、国民;男子(複数);(複)団体、仲間;日常生活、慣例、世事、俗事;視ること
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
ajam【男性・単数・対格 aja】不生の、永遠の、初より存在する
avyayam【男性・単数・対格 avyaya】不滅の、不変の;慳貪の

नाहं प्रकाशः सर्वस्य योगमायासमावृतः ।
मूढोऽयं नाभिजानाति लोको मामजमव्ययम् ॥२५॥

nāhaṁ prakāśaḥ sarvasya yogamāyāsamāvṛtaḥ |
mūḍho’yaṁ nābhijānāti loko māmajamavyayam ||25||
ヨーガの幻力(マーヤー)に覆われた私は、すべてにとって明瞭でない。
この迷える世界は、不生不滅である私を知らない。