インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
वेदाहं समतीतानि
vedāhaṁ samatītāni
ヴェーダーハン サマティーターニ
私は、過去を知る
veda【一人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vid】(特殊形のため現在の意味をあらわす)[私は〜]知る、理解する、精通する、見出す
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
samatītāni【中性・複数・対格 samatīta(sam-ati-√īの過去受動分詞】[〜らに、〜らを]過去の、過ぎ去った
वर्तमानानि चार्जुन ।
vartamānāni cārjuna |
ヴァルタマーナーニ チャールジュナ
また現在を、アルジュナよ
vartamānāni【中性・複数・対格 vartamāna(√vṛtの現在分詞)】[〜らに、〜らを]現在の、現存する 【中性名詞】現在
ca【接続詞】そして、また、〜と
arjuna【男性・単数・呼格 arjuna】[〜よ]アルジュナ
भविष्याणि च भूतानि
bhaviṣyāṇi ca bhūtāni
バヴィッシャーニ チャ ブーターニ
そして未来の万物を
bhaviṣyāṇi【中性・複数・対格 bhaviṣya】[〜らに、〜らを]まさに存在しようとする、未来の;差し迫った、焦眉の 【中性名詞】未来
ca【接続詞】そして、また、〜と
bhūtāni【中性・複数・対格 bhūta】[〜らに、〜らを]存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
मां तु वेद न कश्चन ॥
māṁ tu veda na kaścana ||
マーン トゥ ヴェーダ ナ カシュチャナ
しかし、誰も私を知らない
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
veda【一人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vid】(特殊形のため現在の意味をあらわす)[私は〜]知る、理解する、精通する、見出す
na【否定辞】〜でない
kaścana【男性・単数・主格、不定代名詞、kim + cana】[〜は、〜が]誰か、誰かある人、何か、何かあるもの
वेदाहं समतीतानि वर्तमानानि चार्जुन ।
भविष्याणि च भूतानि मां तु वेद न कश्चन ॥२६॥
vedāhaṁ samatītāni vartamānāni cārjuna |
bhaviṣyāṇi ca bhūtāni māṁ tu veda na kaścana ||26||
アルジュナよ、私は、万物の過去・現在・未来を知る。
しかし、誰も私を知らない。
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