バガヴァッド・ギーター第8章第6節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यं यं वापि स्मरन् भावं
yaṁ yaṁ vāpi smaran bhāvaṁ
ヤン ヤン ヴァーピ スマラン バーヴァン
さらに、どのような状態を想いながら

yam【男性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
→yam yam【男性・単数・対格、関係代名詞 yadの反復】[〜に、〜を]誰でも、何でも、どちらでも
【不変化辞】あるいは、また;〜のように、〜と同様に;たとえ〜であるとしても
smaran【男性・単数・主格、現在分詞 √smṛ】[〜している]記憶する、心に留める、想起する、思い出す、遺憾に思う;伝える、教える、主張する;読誦する
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
→vā api:さらに、また
bhāvam【男性・単数・対格 bhāva】[〜に、〜を]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位

त्यजत्य् अन्ते कलेवरम् ।
tyajaty ante kalevaram |
ティヤジャティ アンテー カレーヴァラム
最期に肉体を離れ

tyajati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √tyaj】[彼は〜、それは〜]罷る、見捨てる;棄てる;手放す;遺棄する;(場所より)去る;(人を)避ける;放置する、放つ;断念する、離れる、捨てる、護る
ante【男性・単数・処格 anta】[〜において、〜のなかで]端、縁辺、限界;近接;終局;死;末尾の文字、最後の文字[文法];(属格)の最高点、〜の極致;結論;解決、決定;条件;内部;(―゜)をもって終わること
kalevaram【男性・単数・対格 kalevara】[〜に、〜を]身体

तं तं एवैति कौन्तेय
taṁ taṁ evaiti kaunteya
タン タン エーヴァイティ カウンテーヤ
まさにそれぞれに到達する、アルジュナよ

tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]これ、あれ、彼
→tam tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tadの反復】[〜に、〜を]あれこれ、それぞれ
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
eti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √i】[彼は〜、それは〜]行く、来る;到達する、遭う;去る、過ぎる
kaunteya【男性・単数・呼格 kaunteya】[〜よ]クンティーの息子、アルジュナの別名

सदा तद्भावभावितः ॥
sadā tadbhāvabhāvitaḥ ||
サダー タッドバーヴァバーヴィタハ
常に、その状態に応じて

sadā【副詞】始終、常に、何時でも
tat【中性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]それ、あれ、これ
bhāva【男性】生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位
bhāvitas【男性・単数・主格、過去受動分詞・使役活用 √bhū】生産された、開示された、得られた;(―゜)〜に変形された;愛育された;上機嫌な、喜ばしい、得意の気分である;(自己の)力を意識した;想到された、考えられた、認められた、経験された、〜によって夢中にさせられた;鼓舞された;(処格)の方へ向けられた;(―゜)を想像する・想像させる;芳香をもって薫ぜられた
→bhāvabhāvitas【男性・単数・主格、限定複合語】状態に変形した、状態の方へ向けられた

यं यं वापि स्मरन्भावं त्यजत्यन्ते कलेवरम् ।
तं तं एवैति कौन्तेय सदा तद्भावभावितः ॥६॥

yaṁ yaṁ vāpi smaranbhāvaṁ tyajatyante kalevaram |
taṁ taṁ evaiti kaunteya sadā tadbhāvabhāvitaḥ ||6||
さらに、どのような状態を想いながら、最期に肉体を離れても、
常にその状態に応じて、それぞれの状態に到達する。