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ムドラー

逆さまの行い

ヨーガの修練には、その行いの一つ一つに賢人たちが見出した深い意義が込められています。座法や呼吸法においても、それが秘める意味を紐解いていく中で、自分自身や世界の存在の意味を知ることが多くあります。
その中に、ヴィパリータ・カラニー・ムドラーというものがあります。身体を使ったムドラーとも呼ばれ、座法に更なる深い要素が取り入れられたヨーガの修練法として知られています。
「ヴィパリータ」は逆さまになること、「カラニー」は行いを意味し、その名の通り、頭を支えとしながら足を空中に高く上げ、逆さまになります。そして喉、腹部、会陰部の3つのバンダ(締め付けること)を取り入れることにより、この行いがムドラーとして心身に大きな働きを生み出します。
私たち個々の肉体が小宇宙と捉えられる中で、そこには、月と太陽も同じように存在しています。経典によれば、喉の上方に月が、下腹部に太陽があり、そして月は毎日、私たちに命をもたらす霊液を生み出していると言います。(シヴァ・サンヒター第2章)
しかし、喉にある月から生み出されるこの霊液は、下方の腹部にある太陽へと滴り落ちて燃えつき、いつしか老いや衰えが生じます。滴り落ちるその霊液が太陽の炎に焼かれないよう、上方へと留めるべく行われるのが、この逆さになったヴィパリータ・カラニー・ムドラーだと言われます。
霊液が生み出される喉元は、清浄を意味する「ヴィシュッダ・チャクラ」としても知られています。生命のもととなる霊液が清浄な場に留まることにより、そのエネルギーは私たちを純粋なものに満たすに違いありません。
この行いは、逆さまになることで血液循環が良くなり、内臓機能を活発化、慢性疲労を和らげると言われます。老化を防ぎ、若返り効果のあるポーズと言われ実践されることにも、古くから伝わるその意味が含まれていることが分かります。
一日の終わり、横になって足を上げるだけでも、疲れや緊張が解け、心も体も落ち着き、生き生きとしたエネルギーが体を巡ることを実感します。叡智の秘める意義を大切に実践しながら、日々をより豊かに過ごしていきたいと感じています。
(文章:ひるま)

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