ガネーシャのお腹

愛らしい姿のガネーシャは、その特徴の一つ一つにとても興味深い象徴があらわされています。例えば、その大きなお腹。甘いものが大好きなガネーシャは、誕生日のお祝いにたくさんのモーダカ(好物の甘いお菓子)を食べ、ふくれたお腹でバランスを崩し転んでしまいます。
それを見ていた空の月はガネーシャを笑い、ガネーシャはひどく怒りまた悲しみました。それ故、このガネーシャ・チャトゥルティにおいては、月を見ることはとても不吉なことであるとも言われます。
ガネーシャの大きなお腹は、ただふくれているわけではありません。その大きなお腹は、この全宇宙をあらわすとも言われます。悲しいこと、そして嬉しいこと、それらすべてを受け入れる=消化できるのが、このガネーシャのお腹です。
ガネーシャの大きなお腹は、あらゆる物事を受け入れる大きな受容の力を伝えています。私たちは日々の中で起こるさまざまな事象に、幸せや喜びだけでなく、悩みや苦しみ感じ、大きく揺さぶられています。それは、事象をあるがままに受け入れる代わりに、抵抗し、そして執着をするからだと古くから伝えられてきました。
事象は全て、常に変化を続けています。その事実を深く理解すれば、私たちは物事に執着せず、ただ受け入れ、その事象を超えた本質へと繋がることが可能となります。あらゆる事象をあるがままに受け入れることは、決して容易いことではありません。その消化には大変な努力も必要です。しかしそれらは、本質である絶対の存在を信じる強い心によって、そしてその心に生じる正しい理解によって達成されるものであると伝えられてきました。
満ち欠けをする月は、常々変化をする私たちの心と深い繋がりを持つとも言われます。だからこそ、この時ばかりはガネーシャだけを深く見つめ、その本質に心を定めるのも良いかもしれません。全宇宙が抱合された、その大きなエネルギーの根底に繋がり、あらゆる物事を受け入れる強さを得ることができるでしょう。
学びの神でもあるガネーシャの象徴を見つめることで、多くの気づきが授けられるに違いありません。障壁を取り払うガネーシャに祈り、あらゆる物事を受け入れる強さとしなやかさを身につけたいと感じています。
(文章:ひるま)
※ガネーシャのお腹、そして月の神話にはこの他にもさまざまな言い伝えが伝えられています。