バガヴァッド・ギーター第9章第32節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

मां हि पार्थ व्यपाश्रित्य
māṁ hi pārtha vyapāśritya
マーン ヒ パールタ ヴィヤパーシュリティヤ
実に、私に帰依して

māṁ【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
pārtha【男性・単数・呼格 pārtha】[〜よ]プリターの息子。アルジュナのこと。
vyapāśritya【絶対分詞 vi-apa-ā√śri】[〜して、〜してから](対格)に避難する;(教理を)公言する;頼る

ये ऽपि स्युः पापयोनयः ।
ye ‘pi syuḥ pāpayonayaḥ |
イェー ピ シュフ パーパヨーナヤハ
生まれの悪い者でも、彼らは(達する)だろう

ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】[〜らは、〜らが]〜であるところの、〜であるもの、〜である人
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
syus【三人称・複数・パラスマイパダ・願望 √as】[彼らは〜だろう、彼らは〜するべき]ある、存在する、実在する
pāpa【中性】罪、悪、不正、悪事
yonayas【女性・複数・主格 yoni】[〜らは、〜らが]子宮、陰門、母胎;膝;生地;家庭、住所、巣、獣穴;生産の場所、起源、出所;貯蔵所、容器、所在、場所;出生、血統、種族、家柄、種姓(階級)
→pāpayonayas【女性・複数・主格 pāpayoni】[〜らは、〜らが]劣等な母胎、罪の(罰として)生まれること

स्त्रियो वैश्यास् तथा शूद्रास्
striyo vaiśyās tathā śūdrās
ストリヨー ヴァイシャース タター シュードラース
婦女、ヴァイシャ(庶民)、そしてシュードラ(従僕)でも

striyas【女性・複数・主格 strī】[〜らは、〜らが]女性、婦女、妻
vaiśyās【男性・複数・主格 vaiśya】[〜らは、〜らが]庶民すなわち第三階級(varṇa)の男
tathā【副詞】そのように、同様に;そして、また
śūdrās【男性・複数・主格 śūdra】[〜らは、〜らが]第四のすなわち奴隷階級の人

ते ऽपि यान्ति परां गतिम् ॥
te ‘pi yānti parāṁ gatim ||
テー ピ ヤーンティ パラーン ガティム
最高の帰趨(解脱)に達する

te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは〜、それらは〜]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
parām【女性・単数・対格 para】最高の;より優れた、より高い、より良い、より悪い;最上の、卓越した、最善の;最大の
gatim【女性・単数・対格 gati】[〜に、〜を]行くこと、歩態、前進、動作、行動、飛行;退去、出発;行進、進行;成功;〜の獲得;〜に対する服従;路、進路、小径;出口;根源、根底;手段、方法、可能性;策略;避難所;状態、状況、条件、位置;性質;幸福;輪廻、人間の運命;風習

मां हि पार्थ व्यपाश्रित्य येऽपि स्युः पापयोनयः ।
स्त्रियो वैश्यास्तथा शूद्रास्तेऽपि यान्ति परां गतिम् ॥३२॥

māṁ hi pārtha vyapāśritya ye’pi syuḥ pāpayonayaḥ |
striyo vaiśyāstathā śūdrāste’pi yānti parāṁ gatim ||32||
実に、私に帰依すれば、生まれの悪い者、婦女、ヴァイシャ(庶民)、
そしてシュードラ(従僕)でも、最高の帰趨(解脱)に達する。