バガヴァッド・ギーター第10章第3節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यो माम् अजम् अनादिं च
yo mām ajam anādiṁ ca
ヨー マーム アジャム アナーディン チャ
私を不生であり、無始である

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
ajam【男性・単数・対格 aja】不生の、永遠の、初より存在する
anādim【男性・単数・対格 anādi】無始の、無始より永久に存在する
ca【接続詞】そして、また、〜と

वेत्ति लोकमहेश्वरम् ।
vetti lokamaheśvaram |
ヴェーッティ ローカマヘーシュヴァラム
世界の偉大な主と知る(者は)

vetti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √vid】[彼は〜、それは〜]知る、理解する、思う
loka【男性】空間、余地、場所;地方、地帯、国;世界、宇宙の区分;天;地;人類、一般の人民、国民;男子(複数);(複)団体、仲間;日常生活、慣例、世事、俗事;視ること
maheśvaram【男性・単数・対格 maheśvara】[〜に、〜を]偉大な主、首長;神;シヴァ神およびヴィシュヌ神の名称
→lokamaheśvaram【男性・単数・対格、限定複合語】[〜に、〜を]世界の偉大な主、世界の大神、[クリシュナ神の称]

असंमूढः स मर्त्येषु
asaṁmūḍhaḥ sa martyeṣu
アサンムーダハ サ マルティエーシュ
彼は人中において迷わず

asaṁmūḍhas【男性・単数・主格 asaṁmūḍha(a-sam√muhの過去受動分詞)】当惑しない、明瞭な意識を有する
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
martyeṣu【男性・複数・処格 martya】[〜において、〜のなかで]死ぬべきもの、人;死ぬべきものの世界、地界 【形容詞】死ぬべき

सर्वपापैः प्रमुच्यते ॥
sarvapāpaiḥ pramucyate ||
サルヴァパーパイヒ プラムッチャテー
一切の罪悪から解放される

sarva【中性】すべての、一切の、あらゆる
pāpais【男性・複数・具格 pāpa】[〜らによって、〜らをもって]罪、悪、不正、悪事
→sarvapāpais【男性・複数・具格、限定複合語】[〜らによって、〜らをもって]一切の罪、すべての罪悪
pramucyate【三人称・単数・現在・受動活用 pra√muc】[彼は〜される、それは〜される](具格・従格)から解放される;ゆるめられる;(果実が)落ちる、(従格)から(果実)が落ちる;中止する、思い止まる

यो मामजमनादिं च वेत्ति लोकमहेश्वरम् ।
असंमूढः स मर्त्येषु सर्वपापैः प्रमुच्यते ॥३॥

yo māmajamanādiṁ ca vetti lokamaheśvaram |
asaṁmūḍhaḥ sa martyeṣu sarvapāpaiḥ pramucyate ||3||
私を不生であり、無始である、世界の偉大な主と知る人、
彼は人中において迷わず、一切の罪悪から解放される。