バガヴァッド・ギーター第10章第19節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

श्रीभगवान् उवाच ।
śrībhagavān uvāca |
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った

śrībhagavān【男性・単数・主格 śrībhagavat】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、語る

हन्त ते कथयिष्यामि
hanta te kathayiṣyāmi
ハンタ テー カタイッシャーミ
さあ、私はあなたに語ろう

hanta【間投詞】(行動に対する勧告を表す)、さあ!;(とるために)ここへ、取れ!;(注意を喚起するために)見なさい!ほら!;深い悲しみを表現するのにもまた用いられる:ああ!;驚き、喜び、急用をあらわす:おお!ああ!
te【単数・為格、二人称代名詞 tvad(tubhyamの附帯形)】[〜に、〜のために]あなた
kathayiṣyāmi【一人称・単数・パラスマイパダ・未来 √kath】[私は〜だろう]語る、話す;物語る;告ぐ、報告する;説明する

दिव्या ह्य् आत्मविभूतयः ।
divyā hy ātmavibhūtayaḥ |
ディヴィヤー ヒ アートマヴィブータヤハ
実に、自身の示現は神的であるから

divyās【男性・複数・主格 divya】天上の;神聖な;超自然の;魔術の;天界の;壮大な
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
ātmavibhūtayas【女性・複数・主格 ātmavibhūti】[〜らは、〜らが]自身の示現、自己顕現

प्राधान्यतः कुरुश्रेष्ठ
prādhānyataḥ kuruśreṣṭha
プラーダーンニャタハ クルシュレーシュタ
重要な点に関して、アルジュナよ

prādhānyatas【副詞】主として、大部分は、主なまたは重要な点に関して、要約して
kuruśreṣṭha【男性・単数・呼格 kuruśreṣṭha】[〜よ]クル族の最上者、アルジュナの別名。

नास्त्य् अन्तो विस्तरस्य मे ॥
nāsty anto vistarasya me ||
ナースティ アントー ヴィスタラッスヤ メー
私の多様性には限界が存在しない

na【否定辞】〜でない
asti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[彼は〜、それは〜]ある、存在する、実在する
antas【男性・単数・主格 anta】[〜は、〜が]端、縁辺、限界;近接;終局;死;末尾の文字、最後の文字[文法];(属格)の最高点、〜の極致;結論;解決、決定;条件;内部;(―゜)をもって終わること
vistarasya【男性・単数・属格 vistara】[〜の、〜にとって]広さ;多数;大勢の仲間;沢山のもの;詳細、微細な事項、詳細な記述、敷衍
me【単数・属格、一人称代名詞 mad(mamaの附帯形)】[〜の、〜にとって]私

श्रीभगवानुवाच ।
हन्त ते कथयिष्यामिदिव्या ह्यात्मविभूतयः ।
प्राधान्यतः कुरुश्रेष्ठनास्त्य् अन्तो विस्तरस्य मे ॥१९॥

śrībhagavānuvāca |
hanta te kathayiṣyāmidivyā hyātmavibhūtayaḥ |
prādhānyataḥ kuruśreṣṭhanāsty anto vistarasya me ||19||
クリシュナは語りました。
さあ、私はあなたに、重要な点について語ろう、アルジュナよ。
実に、私自身の示現は神的であり、その多様性には限りがないから。