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雑記帳

自然の力

Lotus3

約2ヵ月間に及ぶ乾燥した酷暑期が終わり、北インドにも雨季であるモンスーンが訪れました。45℃にもなる、うだるような暑さが静まった今、このモンスーンがもたらす恵みの雨に人々は胸をなでおろしているようです。インドではこうした自然の移り変わりがさまざまに崇められ、祝祭としても祝福されるように、日常の生活に深く繋がっています。

例えば、この酷暑期からモンスーンへ移り変わる季節は、インドラ神とヴリトラの戦いにあらわされています。地上から水を奪った悪魔ヴリトラは、大干ばつをもたらし、人々を苦しめていました。これを見たインドラ神は雷によってヴリトラを倒し、地上に恵みの雨をもたらしたと伝えられます。

雷雨の神として崇められるインドラ神は、後代ではその立場が下がるも、リグ・ヴェーダにおいては火の神であるアグニ神と同様に、数多くの賛歌が捧げられている神格です。インドラ神の遂げた偉業が、どれだけ重要なものであったのか、この酷暑期を終えた今、分かるようにも思います。

神々は自然現象を通じ、その力をあらわしていると信じられています。そして、水や火、土や風、神々の現れとして崇められるこの自然の力は、私たちの肉体という小さな世界にも存在しているものです。それを理解する時、自分自身も神々の力の現れとして、神聖に生きなければならないことに気づかされます。

太陽が昇り、光が満ちること。雨が降り、大地が肥えること。ただあるこうした自然の美しさを、インドは深く気づかせてくれます。その美しさが神格化された暮らしでは、自然と共に生きることが神々を礼拝することにも他なく、そうして全体と生きる中で、自我が静まった心の平安が授けられることを実感します。この安らぎは何よりも、自分自身を神聖なものへと導いてくれるものです。

世界のあらわれの一つ一つに神々の姿を見出す時、心は偉大な存在に容易く繋がります。自分自身を育むこの自然を崇めることで、神々はより身近になるに違いありません。小さな自分を中心とするのでなく、そうして全体と生きることが、今、この社会において必要とされているようにも思います。

(文章:ひるま)

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