バガヴァッド・ギーター第10章第20節

バガヴァッド・ギーター

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अहम् आत्मा गुडाकेश
aham ātmā guḍākeśa
アハム アートマー グダーケーシャ
アルジュナよ、私は自己(アートマン)である

aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[~は、~が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
guḍākeśas【男性・単数・呼格 guḍākeśas】[~よ]グダーケーシャ。アルジュナの別名。名前は「濃い毛髪の者」〔guḍā(濃い) + keśa(髪)〕の意。
(「睡眠の主」guḍāka(睡眠) + iśa(主)ととられる場合があるが、guḍākeśaを説明するための当て字とされ、アルジュナが睡眠の主である記述は古典で見あたらないといわれる)

सर्वभूताशयस्थितः ।
sarvabhūtāśayasthitaḥ |
サルヴァブーターシャヤスティタハ
万物の心に宿る

sarva【男性】すべての、一切の、各々の;全体の
bhūta【男性】存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
āśaya【男性】休息所、寝床;座、場所;住処、隠遁所;心、精神;思想、意向;考え方
sthitas【男性・単数・主格 sthita】立っている、立ち上がっている;〜に留まる・残る・位置している;〜に従事した・熱中した・耽った・献身した・実践する・に屈しない;着実な、守られた;定着した
→sarvabhūtāśayasthitas【男性・単数・主格、限定複合語】万物の心中に宿る、一切万物の心に住む

अहम् आदिश्च मध्यं च
aham ādiśca madhyaṁ ca
アハム アーディシュチャ マディヤン チャ
私は原初であり、中間である

aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私
ādis【男性・単数・主格 ādi】[~は、~が]始、初;最初、始め
ca【接続詞】そして、また、~と
madhyam【中性・単数・主格 madhya】[~は、~が]中央の、中心の、中間の
ca【接続詞】そして、また、~と

भूतानाम् अन्त एव च ॥
bhūtānām anta eva ca ||
ブーターナーム アンタ エーヴァ チャ
そして、私は実に万物の終末である

bhūtānām【中性・複数・属格 bhūta】[〜の、〜にとって]存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
antas【男性・単数・主格 anta】[〜は、〜が]端、縁辺、限界;近接;終局;死;末尾の文字、最後の文字[文法];(属格)の最高点、〜の極致;結論;解決、決定;条件;内部;(―゜)をもって終わること
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
ca【接続詞】そして、また、~と

अहमात्मा गुडाकेश सर्वभूताशयस्थितः ।
अहमादिश्च मध्यं च भूतानामन्त एव च ॥२०॥
ahamātmā guḍākeśa sarvabhūtāśayasthitaḥ |
ahamādiśca madhyaṁ ca bhūtānāmanta eva ca ||20||
アルジュナよ、私は万物の心に宿る自己(アートマン)である。
私は万物の原初であり、中間であり、かつ終末である。