ブジャンガ・アーサナ

Cobra Pose

シュラヴァナ月に祝祭を迎えるナーガ・パンチャミー(蛇神祭)を始め、蛇はインドだけでなく、世界の多くの地域で神聖視される動物です。ヨーガにおいては、ブジャンガ・アーサナ=蛇のポーズ(コブラのポーズ)としても親しまれ、12の動作からなる太陽礼拝にも含まれるほど、大変重要視されるアーサナの一つに定着しています。

このブジャンガ・アーサナは、蛇が頭を持ちあげているように見えるポーズであり、後屈のアーサナの代表格でもあります。下半身は大地にぴったりとつき、しっかりとした安定の中で上半身を後ろに反らせるこのアーサナは、背骨、肩、首の柔軟性を高めるとともに、内蔵の働きを活発にすると伝えられます。後屈をする中で、臀部から背中の筋肉が鍛えられ、胸が開き、深い呼吸と共に身体全体の循環も良くなるといわれます。

聖典ゲーランダ・サンヒターでは、以下のように述べられます。

「つま先から臍までを地につけ、手の平を地につき、蛇のように頭を持ちあげよ。これは蛇のアーサナと呼ばれる。このアーサナは常に身体の熱を上げ、あらゆる病を消滅させる。このアーサナの修練により、蛇神(クンダリニー)が目覚める。」
(ゲーランダ・サンヒター 第2章41節~42節)

エネルギーの根源として知られるクンダリニーは、とぐろをまいた蛇のように私たちの内に静かに眠っていると伝えられます。前屈のアーサナは神経を静め穏やかにするといわれる一方で、後屈のアーサナは身体のエネルギーを活発にするといわれるように、上半身を持ち上げ後屈する中で、クンダリニーが上昇する脊柱は柔軟性を増し、大きく開いた胸から入る深い呼吸によって、眠るエネルギーも目覚め上昇しやすくなるに違いありません。

モンスーンに這い出る蛇は、インドでは多産や豊穣の象徴とされ、また脱皮を繰り返す姿が創造と破壊を象徴するといわれることがあります。そしてこれは、不死の象徴としても崇められてきました。自分自身の内に眠る神聖なエネルギーと向かい合い、日々を生き生きと過ごせるように、こうした象徴が示す大切な意味を、自分自身の内でも実践していきたいと感じています。皆さまもどうぞ神聖なナーガ・パンチャミーをお迎えください。

(文章:ひるま)
参照:”GherandaSamhita”http://hinduonline.co/DigitalLibrary/SmallBooks/GherandaSamhitaSanEng.pdf