ラクシャ・バンダン

sadhu

2015年は8月29日の満月(日本時間の満月は30日)に、インドではラクシャ・バンダンの祝祭を迎えます。兄弟姉妹の愛に捧げられるこのラクシャ・バンダンでは、姉妹たちが兄弟の健康と幸福を祈り、ラキという聖なる紐を兄弟の手首に結びつけます。ラキを結ばれた兄弟たちは、姉妹を生涯に渡って守ることを約束します。

このラクシャ・バンダンは、現代においてもインドの各地で祝福される盛大な祝祭の一つです。家族が会するこの時のために、姉妹たちは祝祭の前から数々の準備を行い、また、マーケットは色鮮やかなラキで溢れます。守りを意味する聖なる紐ラキは、このラクシャ・バンダンに欠かすことができないものです。

手首に紐を結び付ける行いは、ラクシャ・バンダンだけでなく、インドでは日常的なプージャーでも広く行われています。寺院を訪れれば、赤い紐を手首に巻かれることも少なくありません。この紐はモウリーと呼ばれ、神と自分自身を結びつける象徴として捉えられています。

こうした「結びつき」には、日々を豊かに生きるためのとても深い意味が存在しています。私たちが日常の中で感じる不安や恐れは、自分自身が全体(神)から離れた存在であるという無知にあるといわれ、瞑想を始め、全体と結びつくためのさまざまな行いが説かれてきました。「結ぶ」という意味を持つヨーガが世界中で実践されていることも、今、一人一人が孤立し、不安や恐れを強く抱いていることにあるのかもしれません。

インドでは、兄弟姉妹を結びつけるラクシャ・バンダンのように、家族が何よりも大切なものとして存在しています。霊性を育む道の中でも、家族を大切にする意味の重要性を幾度となく教えられました。身近な存在である家族を通じ、我を忘れ純粋に他に尽くす中で、自我が生み出す多くの苦しみがなくなるからです。そうした結びつきが生み出す心の平安は、社会へと広がり、世界が一つに繋がる大きな平和をもたらしくれるものにも他ありません。

個人としてのあり方が強まる現代社会には、さまざまな苦難が渦巻いています。兄弟姉妹だけでなく、身近な家族との結びつきを、改めて見直してみるのも良いかもしれません。皆さまもどうぞ、祝福に満ちた満月をお迎えください。

(文章:ひるま)