古代インド音楽の七つの階名

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宇宙の波動を受信して得た「ナーダ」からオクターブの12〜22の微分音を含む、ドレミの7音が生まれた頃、これらの音は、「楽音」「Swar(スワル)」と呼ばれるようになりました。イスラム教徒の音楽家では口語で「Sur(スール)」と言うことの方が多いかもしれません。

ところで、当たり前のようで、良く良く考えると不思議なのは、22の音に分けながらも、基本の音は「7音」であることです。これは世界共通の不思議な現象で、古代ギリシアやその後継である西洋音楽、古代ペルシア、その弟子のアラブ音楽、トルコ音楽、中央アジア音楽でも、古代インド音楽の弟子でもあるタイ古典音楽でも、「ドレミ」は「7音」なのです。古代インド音楽のもう一方の弟子であるインドネシアでは、五音や九音が基本という例外もありますが、これも古代インドの「7音」を基本に解釈を変えたものと考えることが出来ます。

つまり、ほぼ世界中でシンクロニシティー的に、ドレミは「7音」だったということです。古代ギリシアとその姉妹関係にあった古代ペルシアの場合は、「天空」と音楽の関連を説きましたので、オクターブを12の半音に分けることは「年の12月」と符合し、「7音」は、「週の7日」に符合するのです。
ところが、インド音楽の場合、22音は、天空とは一致しません。インド音楽が関連する「宇宙」は、「天空」よりもさらに先の世界なのでしょうか。しかし、何故か、「7音」は、一致しているのです。

以前に、その音の由来(諸説ありますが)を述べましたインド音楽の「7音」は、以下の名称が定められています。「ド=Sadaj(サラジュ)、「レ=Reshav(レシャヴ)」、
「ミ=Gandhara(ガンダーラ)」、「ファ=Madhyam(マディヤム)」、「ソ=Pancham(パンチャム)」、「ラ=Dhaivat(ダイバタ)」、「シ=Nishad(ニシャド)」です。

先に述べた「各音の由来」とは、別なこじつけでこの名前は出来ています。不思議なことにインド科学音楽は、その理論が極めて高度な論理性を持っているにもかかわらず、その具体例や名前は、けっこう雰囲気で付されています。

インド音楽の「ドレミ」、(以下「サレガマ」とか「サルガム」と言います)
の名称は、「サラジュ」は、普遍的、基本的、原点的といった意味合いで、「マディアム」は、印欧語の「真ん中」つまり欧語の「Medium」です。「パンチャム」は、ペルシア語とも共通する「五番目」の意味です。それ以外は、字義は大地や狩人などですが、一説には神々の別名や従者の名とも言われています。「ガンダーラ」はご存知パキスタンからアフガニスタン東部に掛けての古い地名ですが、元々「Gandhar」は「天空」の意味で、「Gandharva(天上の歌い手)」などという言葉もあります。

改めて世界の「階名」を挙げてみますと、ラテン諸国が「ドレミ」で、ドイツ語が「CDEF(ツェー、デー、エー、エフ)」英語が「CDEF」それらを明治時代に訳した日本語が「ハニホヘ」ですが、唯一「ドレミ」だけが、意味を持つ言葉の頭文字です。
しかし、「ドレミ」は、教会合唱音楽を聖歌隊に教える際に考案された、「元祖ドレミの歌」があって、歌詞全体に意味がありますが、各音に充てられた各語の意味と音には直接的な関係はありません。なので、インドの「サルガム」の方が意味深いと言えるのです。その意味では、各音に意味深い名前を持たせた世界に例のない、独特な発想であるとも言えるわけです。

(文章:若林 忠宏)

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