ゴームカ・アーサナ

Couple yoga gomukhasana cow pose

魔王ラーヴァナの10の頭に象徴されるように、5つの知覚器官である目・耳・鼻・舌・皮膚(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)、そして5つの行為器官である、口・手・足・生殖器官・排泄器官・(発声・操作・移動・生殖・排泄)の乱れは、私たちにさまざまな苦難を経験させます。これらを統制するため、さまざまに説かれてきた術の中に、現代でも広く実践されているゴームカ・アーサナがあります。

ゴームカ・アーサナは、ヨーガのアーサナにおいて広く実践されるポーズの一つであり、「牛の顔のポーズ」として知られています。古代の聖典にも記されるこの代表的なポーズは、その姿勢がまさに牛の顔のように見えるポーズです。現代では、両膝を交差させ曲げて座り、両手は背中側で上下からしっかりと掴むように実践され、膝や肩といった関節の柔軟性の向上や、身体の左右のバランスをとる効果が伝えられています。

それだけでなく、このゴームカ・アーサナには5つの知覚器官と5つの行為器官を統制する働きもあります。しっかりと組まれた足、腰、そして臀部が地に落ち着き、移動、生殖、排泄を行う器官が統制されます。肘を曲げ、背中側で上下から両手を結ぶことで操作を行う手が統制され、この姿勢において呼吸に集中する間、発声を行う口が統制されます。こうした行為器官の統制に集中することで、知覚器官もまた落ち着きを取り戻します。

ゴームカのゴーは牛、ムカは顔や口を意味します。牛は幸せを運ぶ象徴として、ヒンドゥー教徒の間で広く崇められてきました。乳製品は私たちに豊かな栄養を与え、糞は燃料として、それはまた優れた浄化作用を持ち、家々の壁に、またホーマの供物にも用いられます。尿は薬用としても重要視されてきました。

さまざまな恵みをもたらす牛の顔は、幸せをもたらす様相そのものです。私たちに幸せを運ぶ牛のように、統制された知覚器官と行為器官は私たちに真の幸せを気づかせます。深い意味を持つこうしたヨーガの姿勢を日常に取り入れる中で、心身にはより良い変化が生じていくに違いありません。

世界と調和をするようにさまざまな動きをとる動物や自然を見習いながら、自分自身の内なる世界に調和を見出し、そこにある幸せに気づいていたいと感じています。

(文章:ひるま)