サンスクリット語 iで終わる男性名詞、中性名詞

sanskrit

今回は、iで終わる名詞の格変化です。

iで終わる名詞はたくさんあります。

例えば
अग्नि agni- 「火」の意味の一般名詞でもあり、また、火の神アグニのこと
अतिथि atithi- 客
ऋषि ṛṣi- リシ、聖仙
कवि kavi- 詩人
गिरि giri- 山
पति pati- 支配者、主人、夫、
पशुपति paśupati- 獣の主=シヴァ神
प्रजापति prajāpati- プラジャーパティ、創造主
पाणि pāṇi- 手
रवि ravi- 太陽

これらは男性名詞です。
格変化を表で見てみましょう。

agni- (男性名詞、火、火神)
単数 両数 複数
主格 agniḥ agnī agnayaḥ
対格 agnim agnī agnīn
具格 agninā agnibhyām agnibhiḥ
為格 agnaye agnibhyām agnibhyaḥ
奪格 agneḥ agnibhyām agnibhyaḥ
属格 agneḥ agnyoḥ agnīnām
処格 agnau agnyoḥ agniṣu
呼格 agne agnī agnayaḥ

語尾が、aで終わる男性名詞とはだいぶ違っている部分があるため、
注意が必要になります。

ヨーガ行者やヨーガ実践者という意味で
「ヨギ」という言葉が使われていますが、
(語幹が)iで終わる男性名詞ではありませんので注意してください。
正しくはyogin-(ヨーギン)の男性、主格、単数形で
yogī「ヨーギー」と発音します。
(「ヨギ」と短母音で発音するのは、現代語風の発音です。)

一方、iで終わる中性名詞もありますが数は少ないです。

दधि dadhi- ヨーグルト、擬乳
(ヒンディー語の「ダヒ」の語源です)

dadhi(中性名詞、ヨーグルト)
単数 両数 複数
主格 dadhi dadhinī dadhīni
対格 dadhi dadhinī dadhīni
具格 dadhinā dadhibhyām dadhibhiḥ
為格 dadhine dadhibhyām dadhibhyaḥ
奪格 dadhinaḥ dadhibhyām dadhibhyaḥ
属格 dadhinaḥ dadhinoḥ dadhīnām
処格 dadhini dadhinoḥ dadhiṣu
呼格 dadhe dadhinī dadhīni

単数の主格、対格、為格、奪格、属格、処格、
両数の主格、対格、属格、処格、呼格、
複数の主格、対格、呼格、
これらの部分は男性名詞と違う語尾です。
他は男性名詞と同じです。

次は、iで終わる名詞を使った例文

(1)कलिः क्रोधस्य पुत्रः ।
kaliḥ krodhasya putraḥ.
「争い」は「怒り」の息子である。

कलिः / kali- 争い、諍い、口論(男性名詞、主格、単数)
क्रोधस्य / krodha- 怒り(男性名詞、属格、単数)
पुत्रः / putra- 息子(男性名詞、主格、単数)

(2)अतिथिने दधि कविना दातम्।
atithine dadhi kavinā dātam.
「客人のために、ヨーグルトが詩人によって供された。」
=「客人のために、詩人はヨーグルトを供した。」

अतिथिने / atithi- 客(男性名詞、為格、単数)
दधि / dadhi- ヨーグルト(中性名詞、主格、単数)
कविना / kavi- 詩人(男性名詞、具格、単数)
दातम् / dātam- (動詞√dā(与える)の過去受動分詞、中性形、主格、単数)

(文章:prthivii)