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雑記帳

お猿の神様

Hanuman statue in Rishikesh, India

かわいらしい猿の姿を多く目にする申年の2016年。インドで猿といえば、猿神ハヌマーンが欠かせません。山を片手で持ち上げてしまうほどの怪力の持ち主で、ハヌマーンがいるところには、どんな悪も近寄れないと多くの人々に崇められる存在です。

ハヌマーンが猿の姿を持つのは、ヴァーナラという猿の一族である父ケーシャリと母アンジャナーのもとに生まれたことに理由があります。ハヌマーンの母であるアンジャナーは、もともと雲や水の中で生きる精、アプサラーでしたが、ある呪いのために、ヴァーナラとして生きていました。

呪いを解くために息子をもうけなければならかったケーシャリとアンジャナーは、シヴァ神への苦行を行います。喜んだシヴァ神は、風神ヴァーユに生命を運ばせ、アンジャナーは息子であるハヌマーンをもうけました。それ故、ハヌマーンはシヴァ神の化身としても崇められています。

精でありながら、呪いのためにヴァーナラという一族にされてしまったアンジャナー。ヴァーナラは、叙事詩ラーマーヤナにおいて非常に勇敢な姿で描かれ、「森に住む者」という意味を持ちますが、それは本能的に生きる野性の質を示していると例えられることがあります。そしてその性質は、私たちの誰もが持つものです。

アンジャナーはヴァーナラとして生きながらも、精として美しく苦行を務め上げ、ハヌマーンを生み、呪いを解きました。一方で私たちは、自分自身の本質を見失うことなく、理性をもとに行為を務め上げなければなりません。そうして生まれる行為は、私たちを解放していきます。

ハヌマーンは、シヴァ神の生命を運んだ風神ヴァーユの子と伝えられることもあります。猿として、風として、あちこちを飛び回り決して落ち着くことがないハヌマーンの姿は、揺れ動く私たちの心の象徴でもあります。しかし、ハヌマーンの心は固くラーマ神に定まり、その働きは常に正しいものでした。私たちも自身の内にアンジャナーを据え、ハヌマーンを生みださなければなりません。私たちの野性の質も、神々に固く定まることで、どんな悪をも寄せ付けない強さと正しさに生まれ変わります。

神々と共に生きるインドの世界。そこに見つける大きな幸せを常に見失うことなく、今年一年を過ごしていきたいと感じています。皆様にとって新しい一年が幸せに満ちた年となりますよう心よりお祈り申し上げております。

(文章:ひるま)

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