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雑記帳

ドゥルガー女神のあまたの腕

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ヒンドゥー教の神々は、たくさんの腕とともに描かれることが多くあります。一説にそれは、神々が持つ計り知れないエネルギーや、その偉大さを象徴していると伝えられ、そのエネルギーも偉大さも、私たち一人一人の内なる世界に宿るものであると言われます。

人間のような姿に親しみを感じながらも、たくさんの腕をもって描かれるインドの神々の姿を目にすると、自分自身の内にある大きなエネルギーに気づかされます。そして、その偉大なエネルギーをあらわす神々のあまたの腕には、その神格が象徴する持ち物が握られていたり、印を結んでいたりと、神々の存在の深い意味を私たちに伝えています。

このナヴァラートリ祭を通じて礼拝されるドゥルガー女神は、特に多くの腕を持って描かれる存在です。8本、時には10本、さらにはそれ以上など、超越したエネルギーをその姿が物語っています。

例えば、ドゥルガー女神の8本(もしくは10本)の腕は、私たちを8の方角(もしくは10の方角)から守るためと伝えられますが、それぞれの腕は、以下のような持ち物が握られています。

・三叉槍:三叉槍(トリシューラ)は、ラジャス(激質)、タマス(鈍質)、サットヴァ(純質)に均衡をもたらし、究極の平安を得ることの象徴。
・剣:尖った剣は、鋭い知識や知性をあらわし、無知を滅することの象徴。
・弓と矢:一本の腕に握られた弓と矢は、あらゆる力を制御することの象徴。
・棍棒:握り振り動かす棍棒は、強い力を操り、どんな悪をも倒すことの象徴。
・スダルシャナ・チャクラ:神聖な円盤型の武器は、悪を倒す霊的な力の象徴。
・シャンカ:シャンカ(ホラ貝)の音は原初音であるオームをあらわし、あらゆる力の源であることの象徴。
・半分開花した蓮の花:泥水をはじいて美しく咲き続ける蓮のように、世俗の世界で純粋さを保ちながら進化していくことの象徴。
・アバヤ・ムドラー:恐れを払拭するアバヤ・ムドラーは、帰依者の恐怖を取り払い守りと恵みを授ける象徴。
(上記以外にも、雷や槍、鈴、斧、水壺、コブラなどを持って描かれる場合があります。)

ドゥルガー女神の唯一の目的は、悪を滅ぼすことです。その腕にあらわされる女神の力の一つ一つは、私たちの内にも存在し、ナヴァラートリ祭はその力を呼び覚ます吉兆な時であると伝えられます。女神の手に握られた象徴を見つめ直すことで、自分自身の内のネガティブな質を倒すとともに、豊かな日々を過ごすための術が見えてくるに違いありません。

(文章:ひるま)

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