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雑記帳

ハヌマーンのいるところ

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インドでは一部の地域において、2016年は4月22日の満月にお猿の神様であるハヌマーン神の生誕祭が祝福されます。ヒンドゥー教の中でもっとも強い神格の一人であるハヌマーン神は、ラーマ神とシーター女神を心から慕う献身的な姿で有名です。引き裂いた胸にラーマ神とシーター女神が描かれるその信心深さは、私たちが豊かな日々を生きるためのあるべき姿を伝えています。

ある時、シーター女神はハヌマーン神に真珠の美しい首飾りを贈ります。その首飾りを解いて真珠の一つ一つを見つめるも、ハヌマーン神は首飾りを受け取りませんでした。周囲の人々がハヌマーン神に理由を尋ねると、「ラーマ神とシーター女神を真珠の中に探したけれど、そこにはいませんでした。だから私には必要ありません。」と答えます。「そんなところにラーマ神とシーター女神がいるわけがない」と冗談をいう人々に、純真無垢なハヌマーン神は自らの胸を引き裂いて、自身の内にいるラーマ神とシーター女神を見せたと言います。

ハヌマーン神は、このカリユガの時代を救う唯一の神格であると伝えられる存在です。一説に、この地にはびこる邪悪な力を倒すために誕生したラーマ神がハヌマーン神と共に天国へと戻ろうとした時、ハヌマーン神はそれを拒んだと伝えられます。

ハヌマーン神は、天国よりもこの地で、人々が唱えるラーマ神の御名を聞いている方が幸せであると答えたと言います。それ以来、ハヌマーン神は人々がラーマ神の御名を唱え続けるように、その模範としてこの地に住み続けているのだと言います。

ハヌマーン神は、献身や忠誠の象徴でもあります。ラーマ神の御名が唱えられるところ、ラーマヤナが読まれるところ、そこには常に、献身や忠誠が存在しています。それは、悪を倒す何よりもの強い力に他ありません。自我と共にネガティブな思考やエネルギーが渦巻き、さまざまな苦難が生じるこのカリユガの時代において、その悪を取り去るためにも、ハヌマーン神のように生きることを、まずは自分自身で努めたいと感じます。

「私は何もいりません。ただ、あなたに仕える場所が欲しいのです。」そうラーマ神に述べるハヌマーン。今この時、改めてハヌマーン神の姿を見つめ直したいと思います。

(文章:ひるま)

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