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サンスクリット

サンスクリット語 現在形10類動詞 (mantraという単語からできた動詞)

サンスクリット語は、動詞に関する分析が非常に細かく
優れていることでも知られています。

動詞は語幹の作られ方に応じて10種類に分類されます。

以前の記事を参照(現在形 1類動詞パラスマイパダ)

今回は10類動詞です。

「mantra マントラ」という名詞を元に出来た
√mantr- という動詞があります。

この場合の「mantra」は「聖句」の意味だけでなく
「相談」「助言」「協議」の意味があって、
動詞の√mantr- は「相談する」「助言する」「協議する」の意味や、
「聖句を唱える」の意味にもなります。

このような名詞由来動詞の多くは10類動詞として活用されます。

「10類」の特徴は、

  • 語根の最後に-aya-を付ける。
  • 例:√rac- (形成する) → racayati (彼は形作る)
    √mantr- (相談する) → mantrayati (彼は相談する)

  • 語根の母音が短母音で、かつ後ろの子音が1つのとき、母音はguṇa(グナ)になる。
  • 例:√cur- (盗む) → corayati (彼は盗む)
    √taḍ- (打つ) → tāḍayati (彼は打つ)

  • 短母音の後ろの子音が2つあるときは、母音は変化しない。
  • 例:√cint- (考える) → cintayati (彼は考える)

  • 長母音のときは、母音は変化しない。
  • 例:√pīḍ- (傷つける) → pīḍayati (彼は傷つける)

このように、10類動詞の語幹は語根と語尾の間に-aya-が入っていることに特徴があります。

活用の例 √pīḍ- 現在形能動態(パラスマイパダ)
単数 両数 複数
1人称 pīḍayāmi*
(私は傷つける)
pīḍayāvaḥ*
(私たち二人は傷つける)
pīḍayāmaḥ*
(私たちは傷つける)
2人称 pīḍayasi
(あなたは傷つける)
pīḍayathaḥ
(あなたたち二人は傷つける)
pīḍayatha
(あなたたちは傷つける)
3人称 pīḍayati
(彼は傷つける)
pīḍayataḥ
(彼ら二人は傷つける)
īḍayanti
(彼ら(それら)は傷つける)

*語幹の最後の母音-a-は、m、vの前で長母音になります。

<例文>

バガヴァッド・ギーターを挿話として含む
インドの大叙事詩『マハーバーラタ』のなかから
10類動詞 √mantr- (相談する)という単語が出てくる例文を紹介します。

अतिद्यूतं कृतमिदं धार्तराष्ट्रा य अस्यां स्त्रियं विवदध्वं सभायाम्।
योगक्षेमो दृश्यते वो महाभयः पापान्मन्त्रान्कुरवो मन्त्रयन्ति॥ 2.63.17
atidyūtaṁ kṛtamidaṁ dhārtarāṣṭrā ya asyāṁ striyaṁ vivadadhvaṁ sabhāyām|
yogakṣemo dṛśyate vo mahābhayaḥ pāpān mantrān kuravo mantrayanti||2.63.17

「ドゥリタラーシュトラの息子たちが
この集会場で女を巡って言い争おうとは、
度の過ぎた賭け事が行われたものだ。
お前たちの安泰は大いに危険に見える。
クル族は罪深き共謀を行なっている。」

これは、アルジュナの兄であるユディシュティラが
敵対する従兄の策略によって賭けにのめりこみ、
妻ドラウパディーを賭けて負けた場面です。
親族を二分する激しい戦争が起こる伏線でもあります。

ちなみに、mantra-という言葉に
「~を有する」の意味の接尾辞-inを
付け加えたmantrin(マントリン)という単語は、
普通は王の顧問や大臣を意味します。

<例文に出てくる単語>
ati 過度な(副詞)
dyūtaṁ(dyūta-) 争い(中性形、主格、単数)
kṛtaṁ(kṛta-) 起こった(√kṛ- 過去分詞、中性形、主格、単数)
idaṁ この(代名詞、中性形、主格、単数)=dyūtaṁ

dhārtarāṣṭrāḥ(dhārtarāṣṭra-) ドゥリタラーシュトラの息子たち(男性名詞、主格、複数)
ya(=ye) 彼ら(関係代名詞yat-、男性形、主格、複数)=dhārtarāṣṭrāḥ
asyāṁ(idam) その(代名詞、女性形、処格、単数)=striyaṁ
striyaṁ(strī-) 女(女性名詞、処格、単数)
vivadadhvaṁ(vi√vad-) 論争する(現在、命令法、能動態、2人称、複数)
sabhāyām(sabhā-) 集会、ホール(女性名詞、処格、単数)

yogakṣemo(yogakṣema-) 安泰(男性名詞、主格、単数)
dṛśyate(√dṛś-) 見える(現在、受動態、3人称、単数)
vo(=vaḥ) あなたたちの(2人称代名詞、属格、複数)
mahābhayaḥ(mahābhaya-) 大きな危機(男性名詞、主格、単数)

pāpān(pāpa-) 罪な(形容詞、男性形、対格、複数)
mantrān(mantra-) 協議、密議(男性名詞、対格、複数)
kuravo(kuru-) クル族(男性名詞、主格、複数)
mantrayanti(√mantr-) 相談する(現在、能動態、3人称、複数)

(文章:prthivii)

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