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雑記帳

宇宙にはなぜ人間が存在しているか

Milky Way. Night sky with stars and silhouette of a happy woman with backpack and raised up arms. Space background

「宇宙にはなぜ人間が存在しているか」
誰もが一度は考えたことがある疑問かもしれません。
かつては神学者や哲学者の領域であったこの問いに対して、現在は物理学の視点からも究明が進められています。

観測技術の向上にともなって、宇宙は人間にとって、非常に都合よく構成されていることが分かりつつあります。
現在知られている数々の物理定数の値が、わずか数%でも異なる値であったとしたら、宇宙は生まれてもすぐに消滅してしまうか、長らく生き残っても、今の宇宙とは似ても似つかない姿になっているでしょう。

現代物理学では、物理定数の値は何によって決められているのか、まだ分かっていません。
そのため、物理定数が、宇宙創世時にランダムに決まると仮定した場合、現在の宇宙は、奇跡的な確率の上になりたつことになります。
よくある例えでは、「時計の部品を箱に入れて、箱を振っていたら、いつのまにか時計(宇宙)が完成していた」といわれます。
それほど、現在の宇宙は、奇跡的な確率のもとに存在していると考えられています。

さらに、生命が生まれるためには、太陽と地球との距離、大気や水の存在など、さまざまな要因が絡み合っています。
すなわち、宇宙に人間が存在できる物理定数の値は、非常に限られた範囲にあります。

宇宙が誕生すれば、必ず人間が生まれるのでしょうか。
それとも、人間のいない宇宙も考えられるのでしょうか。

多くの神学者、哲学者、そして科学者を悩ませている問題です。

筆者は、この問題に一石を投じる、「自己相似対称(SSS)モデル」の仮説を今年5月に発表しました[1]。
このモデルでは、物理定数の値は、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の温度(波長)によって決定づけられます。
CMBは、約マイナス270℃の温度(3K)をもつ光であり、過去にビッグバンが起こった証拠となっています。
初期宇宙において、CMBはプランク温度(約1032K)の高温状態からはじまり、宇宙の膨張とともに、その温度は現在の値まで下がってきました。

SSSモデルでは、宇宙の階層構造は、CMBの自己相似形であり、各階層の大きさや時間スケールは、CMBに依存します。
宇宙の初期から終末までを、一貫した方法で記述することができ、物理定数の値は、CMBに起因している可能性を示唆しています。

SSSモデルにもとづくと、物理定数はランダムに決まるのではなく、宇宙が誕生すれば、必然的に私たちの宇宙と同じ環境が構築されます。
すなわち、「宇宙が誕生すれば、必ず人間が生まれる」可能性が高いといえます。
人間として生まれ、生きている私たちからみると、当然のことのように感じられますが、それが、科学的に立証されれば、人々の意識に大きな変化が起きるに違いありません。

[1] T.Sonoda, Front. Appl. Math. Stat. 2:5 (2016)

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