ガネーシャと月の神話

Ganesha - Ganesh

夜空に輝く月は、うっとりするほど美しく見える時があります。満ちる時、欠ける時、さまざまに変化をするその姿に、心惹かれる方もいらっしゃるかもしれません。インドでは、月が満ち欠けをするようになった理由の一つに、ガネーシャ降誕祭との深い繋がりがあると伝えられます。そしてその神話は、ガネーシャ降誕祭において、決して月を見てはならないと伝えています。

ガネーシャ神は、誕生日に好物の甘いお菓子をたらふく食べた後、家へ帰ろうと自身の乗り物であるネズミに乗っていると、道にいた蛇にネズミが驚き、バランスを崩して転んでしまいます。お腹からはお菓子が飛び出てしまったため、再びお菓子をお腹に詰め込み、蛇でお腹を縛りました。空の月は、ガネーシャ神のこの失態を見て大笑いをしました。

ガネーシャ神はひどく怒り、自らの牙を折って月に投げつけます。そして、美しく輝く空の月に向かって言いました。「自分の美しさに尊大になるから、人を笑い傷つけるのだ。今、その尊大さが、お前を悩ませるものとなる。」そうして月は、ガネーシャ神に呪いをかけられてしまいます。

月は過ちに気づき許しを請うも、呪いを解くことはできませんでした。その美しさは満ち欠けをするようになり、また、ガネーシャ降誕祭に月を見る者は苦難に遭うとされ、この日に月を見る者はいなくなったといわれます。

この呪いは強力で、あのクリシュナ神ですら、この日に月を見てしまった際、シャーマンタカという宝石を盗んだ疑いにかけられ、苦難に悩まされたといわれます。しかし、この日に月を見てしまった者は、このシャーマンタカとクリシュナ神の神話(シュリーマド・バーガヴァタム)を読むことで、その呪いを解くことができると伝えられます。

霊性を育む中で、虚栄心や自尊心、自負心は大きな障壁となるものです。それらは常に、私たちを大きな世界から引き離します。そうして調和を見失う私たちは、さまざまな困難に苦しまなければなりません。

しかし、過ちに気づいた月は、その美しさが変化を見せるようになるも、夜空で輝き続けています。神々にまつわる神話には、霊性を育む豊かな教えが満ちています。あらゆる障壁を取り払う神であるガネーシャ神は、私たちの内に大きな気づきをもたらし、さまざまな障壁を取り除いてくれるに違いありません。

(文章:ひるま)

参照:http://theganeshaexperience.com/a-curse-to-beauty/