宇宙における普遍の力

Sunrise over planets horizon with stellar wonders.

宇宙空間は、観測によって加速膨張していることが明らかになっていますが、空間が加速膨張するためには、重力(引力)に逆らう斥力が必要になります。
しかし、そのエネルギーは何なのか、まったく分かっていません。
そのことから、宇宙空間を押し広げる未知のエネルギーは、暗黒エネルギー(ダークエネルギー)と呼ばれています。

現在の定説では、暗黒エネルギーには、次の3つの可能性が考えられています。
1. アインシュタイン方程式の宇宙項に見られる、真空エネルギー。
2. クインテッセンスと呼ばれる場のエネルギー。重力、電磁気力、強い力、弱い力以外の第5の力。
3. ダークエネルギーは存在しない。一般相対性理論(重力理論)の修正が必要となる。

ところが、最有力とされる真空エネルギーのモデルでさえ、シンプルな計算による理論値と観測値の誤差がおよそ120桁(10120倍)もあります。
何らかの微調整が働いて、理論値と観測値の整合性を保とうとする試みが行われていますが、現在のところ成功していません。
そのため、これは『物理学における最悪の予言』と呼ばれることもあります。

筆者の提唱する自己相似対称(SSS)モデル[1]では、宇宙の大きさは、プランク単位系における宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の波長(温度の逆数)の二乗に比例して拡大します。そして、CMB温度が下がるにつれて、重力定数と電子の質量も減少していきます。
つまり、重力は定数とする一般相対性理論(重力理論)の修正が必要となる可能性を示しています。

現在の宇宙論では、宇宙が膨張しても、銀河系、太陽系、原子などは、重力や電気的な引力で強く引き合っているため、膨張しないと考えられています。
しかし、SSSモデルにおいては、重力定数や電子の質量は、CMB温度の低下にともなって減少します。
そして、銀河系、太陽系、原子なども、宇宙膨張とともに、膨張することになります。
これは、宇宙膨張について、人々が抱く、直感的な理解にも合致するでしょう。

宇宙が膨張するにつれて、私たちの体も膨張していると考えられます。
私たち自身と、宇宙には、同じ力が働き、同じ力に導かれています。
太古の聖者たちは、万物に浸透するその普遍の力のことを、神と呼んだのかもしれません。

[1] T.Sonoda, Front. Appl. Math. Stat. 2:5 (2016)